ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)のDUEL.3(2部)が10月4日(日)、新宿FACEで開催された。以下はその観戦報告。

守屋将VS白井周作

守屋将(NJKFバンタム級5位/新興ムエタイジム)

【NEW JAPAN WARS2 バンタム級】
守屋将NJKFバンタム級5位/新興ムエタイジム)VS 白井周作(NJKFバンタム級1位/Bombo Freely)
わかりにくいが、これはトーナメントの準決勝である。前回の計量オーバーでタイトルを失った白井は、積極的に前に出て行き、このところ連勝続きの守屋に高いキックと右ストレートで初回から打って出る。が、ディフェンスに進化を見せる守屋が寸前でパンチもキックも見切り、首相撲に持ち込み、効果的に蹴りを見舞う。そして白井のスタミナを奪い、終始リードするも判定は29-29、30-29、29-29 でドロー。延長ラウンドで効果的にパンチを当てた守屋が10-9、10-9、10-9で勝利。

【注目マッチ オブ DAY】
NJKF Minerva タイトルマッチ スーパーバンタム級
美優美(白龍ジム)VS 三宅芳美(Take1)
迫力ある女子の実力どうしが激突。王者の三宅は距離を詰められて、ややキックが封じられ、打開しようと裏拳を飛ばすがこれも空を切り、首相撲での攻防と、ローキックを食らい大苦戦。かくして、美優美の効果的な蹴りが何発も2Rに入り、最終的に三宅は力尽きた。判定は29-29、30-29、30-29の判定勝ち。美優美は勝利者インタビューで「判定なのでいまいち納得していません」と強気のコメント。

菜緒

【フォーカスシーン】
10月4日(日曜)に開催されたニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)が主催する、加盟ジムの30代~40代の若手会長により結成された『NJKF若武者会』が主導する『DUEL』シリーズの3回目のイベント。若手キックボクサーがメインの興行、「DUEL.3」(2部)は、男くさい会場に咲いた唯一の花、ラウンドガールの菜緒がかなりのファンを引き連れていた。

菜緒はこの「DUEL」が始まった4月からラウンドガールを務めている。大阪出身でモデル、タレントとして「ロンドンハーツ!」「三村&有吉特番」(テレビ朝日)やTBS恋愛バラエティー『恋んトス』などに出演。スレンダーな肢体とえくぼでファンを拡大。とくに「ホットペッパー・ビューティー」のCMでマツコ・デラックスと共演してからというもの、「あのかわいい子は誰?」と注目されるようになった。

この日、午後4時30分から始まった2部(夜の部)は、女性選手がやんやの声援を浴びて活躍した。くしくも登場した4人はそれぞれ個性的なかわいさがあり、それぞれにファンがついていた。ライトフライ級王者、島津悦子(KICK BOX)があゆみ(新興ムエタイジム)に判定で勝利、スーパーバンタム王者の三宅芳美(Take1)を下した美優美(白龍ジム)は、「写真を撮らせてください」とファンに囲まれていたほど。だが、菜緒がリングにあがり、MCを始めるとこの日、一番の声援が会場を覆い尽くした。

リングアナに「キックボクシングはどうですか」と印象を聞かれると菜緒は「何度か見ているうちに、キックボクシングのファンになりました。負けた選手がつぎの試合で勝つとスカッとします。理想の男性は、引っ張ってくれる力強い人です」とはにかみつつ語ると客席から「オレが引っ張ってやるよ~」と客席から大声でエールが飛んだ。

そしてファイナルの日泰国際戦のスーパーバンタム級の試合「波賀宙也(NJKFスーパーバンタム級王者/立川KBA) VS カメンノーイ・ゲッソンリット(タイ)」に入り、菜緒が2ラウンドのボードをもってリングに上がると「菜緒ちゃんは本日、これで最後のラウンド案内です」とアナウンスされると「ええーっ残念!」と悲鳴が上がったのだ。

「菜緒さんはキックボクシングのファンを大勢、ファンに取り込んだね。メジャーになっていくと思うが、売れっ子になってもキックボクシングのリングに遊びに来てほしいと思います」(格闘技雑誌記者)

格闘技“冬の時代”が続いて久しい。菜緒は、今後、バラエティ番組やドラマの仕事もオファーが来ているという。かくして、格闘技の舞台からスターから出るのは、集客に苦しむ格闘技団体にとって「久々にうれしいニュースである」のはまちがいない。

[文]ハイセーヤスダ
[写真・監修]堀田春樹

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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