9月27日(日)に後楽園ホールで行われたニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)とジャパンキックボクシングイノベーション(JKI)共催による「NJKF.2015.6th」は、WBCムエタイ・バンコク本部の認定を受けた世界タイトル戦とインターナショナルタイトル戦、日本タイトル戦のメインクラスの5回戦が計5試合(他、ノンタイトル戦、アンダーカード3回戦)行われた。

WBCムエタイ日本バンタム級王座決定戦は攻防が少ない中、JKI同級チャンピオンの知花デビッド(ワイルドシーサー群馬/53.5kg)がNJKF同級チャンピオンの前田浩喜(CORE/53.45kg)を3-0(50-49、49-48、49-47)の僅差判定で破り第5代チャンピオンとなった。

WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王座決定戦は、NJKF同級チャンピオンの悠矢(大和/58.97kg)がHEATライト級チャンピオン皇治(SFK/58.97kg)に3-0(50-47、49-47、49-48)の判定で破り第5代チャンピオン。パンチで優る皇治を悠矢が蹴りで盛り返した。

MOMOTARO(右)VS笹羅歩戦

WBCムエタイ日本フェザー級タイトルマッチは、挑戦者でNJKF同級チャンピオンのMOMOTARO(OGUNI/56.9kg)が、初防衛戦の笹羅歩(笹羅/57.15kg)の額を5ラウンド1分10秒、ヒジ打ち一発でカット、ドクターの勧告を受入れレフェリーストップでTKO勝利、第5代チャンピオンとなった。

宮元啓介VS アレクシス戦

WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王座決定戦は、日本同級チャンピオンの宮元啓介(橋本/55.34kg)が、WBCムエタイ世界同級16位のアレクシス・バラテウ(フランス/55.15kg)に、2ラウンド3分04秒、ボディブローで計3度のダウンを奪ってレフェリーが止めTKO勝利。新チャンピオンとなった。

◆大和哲也、初防衛ならず!

メインイベントのWBCムエタイ世界スーパーライト級王座統一戦は、チャンピオンの大和哲也(大和/63.1kg)が、暫定チャンピオンのアランチャイ・ギャットパッタラパン(タイ/63.0kg)を初防衛戦の相手として迎えた。「WBCは世界にネットワーク広がる権威あるボクシングの世界機構のタイトル。そのWBCにはムエタイもあってこんな強いチャンピオンが揃っているというWBCムエタイの名前を世界に知らしめたい」と昨年11月、王座に就いた大和哲也が宣言した。

大和哲也(左)VSアランチャイ戦

しかし今年5月にはノンタイトル戦ながらウェイトオーバーの失態を起こした上、元ルンピニーチャンピオン.ゴーンサック・シップンミー(タイ)に判定負け。汚名返上となるはずの今回の試合は「大和哲也が勝つだろう」という予想が大半だったと思われるが、試合は初回の様子見の中、アランチャイの右ストレートが大和のアゴを捕らえノックダウン。あっけないダウンに場内がどよめく。足がフラつきながら立ち上がり、再開もゴングに救われた。あと10秒あったら危なかった展開だった。幸いムエタイルールによる2分のインターバルがダメージ回復に味方した。再びグロッキーになるようなことはなかったが、本調子には戻らない動きと調子付かせたアランチャイを崩すような強打をヒットさせることはできなかった。判定はアランチャイの3-0(49-46、50-45、49-47)で王座統一し、正規チャンピオンとなる。大和哲也は統一と初防衛成らず。

大和哲也(左)VSアランチャイ戦

大和哲也は王座陥落となったが、本物の強豪と対戦を続けてトップを競い続ける価値はWBCムエタイの権威を上げていると言えるだろう。また名誉挽回への再起に立ち上がらなければならない大和哲也である。

今回のような興行、出場選手の持つキックボクシング界の王座の多さに「訳わからん」と言う声も聞かれる。また他興行においても似たような状況。国内王座の多さは説明難解と言えるほど、プロレスの王座のように多い。そんな中、WBCムエタイ日本の傘下にはアマチュアとして小中学生から始められるジュニアリーグからプロの世界王座まで、まだ選手層は薄いが構築された立構造が出来上がっている。権威を築き始めた他組織も存在する為、キック業界すべてがここに集約している訳ではないが、ここに出場する大和哲也や現世界スーパーフェザー級チャンピオン.梅野源治(PHOENIX)の日本のトップクラスの活躍は今後、世間にWBCムエタイへの知名度を広げることにまた一歩近づくだろう。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

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