王座戴冠初戦は判定ながら完勝の皆川裕哉。

ビクトリージムにやって来た輸入ムエタイボクサー、プーパカーンも判定で完勝。

ジャパンキックイノベーションから参戦の15歳の裕次郎はベテラン興之介を倒す圧勝。

◎Road to KING2 / 5月19日(日)市原臨海体育館 16:00~19:08
主催:市原ジム / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

◆第9試合 57.5kg契約3回戦  

JKAフェザー級チャンピオン.皆川裕哉(KICK BOX/ 57.3kg)26戦14勝(2KO)10敗2分
        VS
JKAバンタム級2位.樹(治政館/ 57.3kg)13戦6勝(3KO)6敗1分
勝者:皆川裕哉 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:勝本29-28. 中山30-28. 西村30-28

開始早々はローキックで様子見も次第にアグレッシブに先手を打って出る皆川裕哉。パンチと蹴りで樹をロープ際やコーナーに詰めてパンチ連打からヒザ蹴りを蹴り込む。チャンピオンの経験値が優るゆとりが感じられる。樹も劣勢になりながらも倒されない意地とアグレッシブな巻き返しを図るが、皆川裕哉は焦り無く攻勢を維持して判定勝利。

皆川裕哉の崩し技、投げられているのは上になっている樹、プロレス技のような派手さ

皆川裕哉
「樹選手は想像どおりのメチャメチャ良い選手でした。対樹選手だったから練習も一生懸命頑張りましたし、気合い入れて練習出来たのでまた一段階強くなれたと思います。樹選手もより強くなっていくでしょうし、僕も強くなっていくので、また防衛戦で対戦もあるかもしれませんが、その時はまた僕が勝ちます!」と笑顔で語った。

皆川裕哉のボディブローがヒット、技の多彩さが目立った


「皆川さんはやっぱり粘り強さはありましたね。対策は前に出ることだったんですけど、やっぱり下がってしまって良くなかったと思います。もう一回、更に体力付けて挑みたいですね。」とリングを下りた直後で、まだ落ち着かない中、涙ながらに語った。

皆川裕哉のミドルキック、フェザー級の洗礼を受ける樹

◆第8試合 スーパーフライ級3回戦

WMC日本フライ級チャンピオン.キリョウ・シリラックムエタイ(シリラック/ 51.9kg)
8戦3勝(2KO)3敗2分
        VS
プーパカーン・ビクトリージム(元・BBTVフライ級2位/タイ/ 52.0kg)
69戦51勝16敗2分
勝者:プーパカーン / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:勝本27-30. 少白竜27-30. 西村27-30

初回から積極的だったプーパカーン。ムエタイテクニックも発揮し、第2ラウンドにはロープ際に追い込んでパンチかヒジか、キリョウからノックダウンを奪う。ラストラウンドはプーパカーンは守りに入ったか、キリョウも攻め倦んで手数減って、レフェリーに「アグレッシブに攻めよ!」と注意を受ける両者だったが、最後は攻め合うもキリョウの逆転は成らず。ビクトリージムにやって来たムエタイテクニシャンは今後も日本選手の壁となりそうな存在である。

プーパカーンがキリョウからノックダウンを奪う。プーパカーンも技が多彩だった

遠い所からでも伸びて来るようなプーパカーンのミドルキック

◆第7試合 ライト級3回戦

JKAライト級1位.興之介(=青木興之介/治政館/ 61.0kg)24戦12勝(4KO)11敗1分
      VS
裕次郎(JKI/拳伸/ 60.7kg)6戦4勝(1KO)1敗1分
勝者:裕次郎 / KO 1ラウンド2分26秒 /
主審:中山宏美

裕次郎は弱冠15歳という情報。興之介は35歳。様子見の蹴りから、裕次郎は先制のパンチでスピーディーに飛びヒザ蹴り、左ストレート、飛びヒザ蹴りで3度のノックダウンを奪ってノックアウト勝利。興之介は何も出来ずに終わった感じ。

二度目のノックダウンとなったの左ストレート、興之介はダメージ深い

◆第6試合 ウェルター級3回戦

JKAウェルター級4位.山内ユウ(ROCK ON/ 66.45kg)9戦4勝(2KO)5敗
        VS
ゾンビ勇伸(JKI・拳伸/64.5kg)37戦13勝(4KO)19敗5分
勝者:山内ユウ / TKO 1ラウンド1分27秒 /
主審:勝本剛司

開始早々はノーガードのゾンビ勇伸に山内ユウの左フックがヒット。更にヒザ蹴りの猛攻。一旦は離れるも山内ユウの右フックでゾンビ勇伸が脚に来てグラつくと追撃を喰らう前にスタンディングダウンを宣せられた。再開後も単発ながら山内ユウに連続で攻められたところでスタンディングのままノーカウントのレフェリーストップ。

山内ユウのパンチですぐ止められたゾンビ勇伸、早めのストップは止むを得ない

◆第5試合 51.0㎏契約3回戦

花澤一成(市原/ 51.0kg)8戦1勝(1KO)5敗2分
      VS
上遠野寧吾(POWER OF DREAM/ 50.9kg)2戦2勝(2KO)
勝者:上遠野寧吾 / TKO 1ラウンド2分59秒 /

上遠野寧吾のハイキック、前蹴りが花澤一成の顔面を襲う。すぐボディブローから右フックでノックダウンを奪った上遠野。更にパンチの打ち合いで花澤は打たれ脆さを突かれたか。右フックで2度目のノックダウンで立ち上がるもカウント中のレフェリーストップ。「まだやれる!」と訴えるも続行は認められず。

花澤一成も闘志はあったが、打たれ過ぎてはストップも止むを得ない

◆第4試合 59.0㎏契約3回戦

隼也JSK(治政館/ 58.95kg)6戦2勝3敗1分
      VS
紫音(JKI/拳伸/ 58.6kg)3戦2勝1敗
勝者:隼也JSK / 判定3-0 (29-27. 29-27. 29-28) 隼也JSKに減点1有

首相撲からのヒザ蹴りは股間ローブローが当たり易い体勢だが、その強いヒットで中断が2度も有っては減点は止むを得ないか。隼也JSKはそれでもテクニックとヒット数で上回り判定勝利。

◆第3試合 ミドル級3回戦  

白井大也(市原/ 72.3kg)3戦1勝(1KO)2分
      VS
西田紘佑(ビクトリー/ 72.4kg)4戦1勝2敗1分
勝者:白井大也 / TKO 2ラウンド2分1秒 /

蹴りと首相撲の攻防の中、ローキック貰った後、膝あたりを捻った形で負傷した西田紘佑。ノックダウンとなってカウント中に陣営からタオルが投げ込まれる棄権をレフェリーが認め、白井大地のノックアウト勝利。

◆第2試合 ライト級3回戦 

菊地拓人(市原/ 60.8kg)4戦2勝2敗
      VS
中山裕登(JKI/花澤/ 59.9kg)1戦1敗
勝者:菊地拓人 / 判定3-0 (29-28. 30-28. 30-28)

 

裕次郎のノックダウン前の飛びヒザ蹴り、この後コーナーで飛びヒザでノックダウンを奪う

◆第1試合 フェザー級3回戦  

西湧輝(市原/ 56.8kg)1戦1敗
       VS
海士(ビクトリー/ 56.85kg)1戦1勝
勝者:海士 / 判定0-3 (28-30. 28-30. 28-30)

《取材戦記》

ツイキャスでライブ配信されたRoad to KING2で解説を務めた元・WKBA世界スーパーフェザー級チャンピオン蘇我英樹(市原)氏は、

「ビクトリージムのプーパカーン選手は若くて、日本に来て初めての試合でも技術も凄く見えたので、今後どういう活躍をしていくのかが楽しみなところです。」

「メインイベントの皆川裕哉選手は多彩に結構何でも出来るし、今日は接近戦の首相撲の攻防も強くて技術面上がっていて、まだまだ伸びるといった部分で今後が楽しみです。」

「樹選手はバンタム級から階級上げて、今回フェザー級としての洗礼を受けて、チャンピオンといきなり一発目というのも期待値が凄くあったと思いますけど、フェジカル面でちょっと分が悪かったのかなと見えました。」

と放送直後ながら、よくこんな私(堀田)にしっかり応えてくれるなあと思うほど明るく丁寧に応えてくれました。

 

山内ユウがパンチからヒザ蹴り連打、ゾンビ勇伸は防戦一方

市原臨海体育館での興行は昭和から続く中、コロナ禍後では2回目の興行となりました。昨年は睦雅(ビクトリー)がメインイベンターとしてチュ・ギフン(韓国)にヒジ打ちでTKO勝利。今年は皆川裕哉がしっかりメインイベンターを果たしました。

この会場で蘇我英樹がメインイベンターを務めたのは2016年の引退試合で、大月晴明にぶっ倒された完全燃焼でした。そこから市原ジム所属のメインイベンターが育っていない現状。期待の花澤一成は脆さが出るKO負け。ミドル級の今野顕彰は引退。かつては須田康徳、長浜勇といった名チャンピオンが存在した市原ジム。メインイベンターが育つのはいつになるでしょうか。

今回のメインイベンター皆川裕哉は名門目黒ジムを継承する鴇俊之氏経営のKICKBOXジム所属。チャンピオンはこれからも誕生する期待は出来ますが、目黒ジムのオーラがあるのは皆川裕哉が最後かなあ。2020年1月に目黒藤本ジムも閉鎖され、そんな時代の流れを感じます。

次回ジャパンキックボクシング協会興行は7月28日(日)に後楽園ホールに於いて、KICK Insisr.19が開催予定です。

3月24日に完勝し、7月は世界と名の付くタイトルへの挑戦をアピールしていた瀧澤博人と、同じく3月24日に完勝し、5月3日にはルンピニースタジアムでのONE Friday Fights 61に出場し、パンチ連打でKO勝利した睦雅も出場予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年6月号