尾﨑美代子
2月25日に最高裁で再審開始が決定した滋賀県日野町事件、3月25日から裁判所、検察官、弁護団の三者協議が始まります。この事件で再審開始を決定づけたのは、証拠の改ざん。行きつけの飲み屋の女性店主を殺害し、手提げ金庫を盗んだとして強盗殺人の犯人とされた阪原弘さん(無期懲役で服役中に病死)が遺体や盗んだ金庫を捨てた場所へ、捜査員を自ら案内する見当たり捜査で行きと帰りに撮った写真を入れ替えていた。
そもそもその場に連れて行くなら「行き」の写真だけでいいはず。でも証拠には帰り道で撮った写真もあった。「何故だろう」と不思議に思っていた弁護団が、再審で写真のネガを開示させたところ、帰り道で阪原さんに後ろを向かせ、あたかも行きの写真のように撮っていた。

証拠の改ざん、ねつ造は、ほかにも狭山事件の何回かの家宅捜索で見つかった鴨居の上の万年筆や、和歌山カレー事件で家宅捜索最終日で見つかったヒ素の入ったタッパー、そうそう袴田さんの味噌樽から見つかった5点の衣類などもある。
証言の改ざん、ねつ造もある。湖東記念病院事件では、西山美香さんが人工呼吸器の「管が外れた」と言ったのを、滋賀県警山本誠刑事は「殺した」に変えて、美香さんを殺人犯に仕立てた。

冤罪を作るようなことは絶対にやってはいけない! 相手が「そんなこと言ってませんよ」と訴えても、警察、検察は絶対改めない。
私は最近、似たようなシーンを近くで見て大変驚いている。相手が「私はそんな差別的なことは言っていませんよ」と訴えても、「差別した。差別した」と言い張る人だ。間違いを認められない人はどういう神経してるんだろう。私なら周りの仲間に「はなまま(私)、それは間違っているよ」と指摘して貰ったら嬉しいし、そんな仲間がいることを誇りに思う。勿論私も仲間が間違ってたり、ヤバイこと言ったりしたら、「それ、まずいで」と注意する。仲間やん。そんな、互いに注意しあえる仲間が大勢いて、私は本当に幸せだ。
反差別や反権力を訴え、闘う人が、仲間を裏切り「悪者」にしたことは、過去のカウンター内のリンチ事件で見てきた。そしてその当時、闘いの場で目立つ人、頑張ってそうな人に、周囲はとかく忖度してしまいがちだ。「今、あの人を批判したら、私が悪者にされてしまう」。「次の集会であったら、どんな顔して会えばいいの」とか。そんなのは要らんねん。完璧な人はいない。どんなに頑張って反差別、反権力を闘っている人にも間違いはある。それを糺すことは仲間の使命、一緒にやる闘いをさらに前に進めることにつながる。そう思わない?同志のみなさま!
とにかく反差別、反権力を闘う仲間内で、冤罪を作るようなことがあってはならない。悪者、差別者とされた人間がどんだけ苦しむか。本当に知って欲しい。
▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58
