広島県議選安佐南区 筆者陣営過去にない充実も議席に及ばず さとうしゅういち

2023年4月9日、統一地方選挙・広島県議会議員選挙が執行されました。

筆者はあの河井案里さんの地盤だった安佐南区で無所属・れいわ新選組推薦で立候補しました。

2673票、9人中8位という結果で及びませんでした。

広島県議選 広島市安佐南区選挙区
定員 5 有権者数 193,624 投票率 34.16%

当 灰岡 香奈 自民 現 39歳 12,782(19.9%)
当 栗原 俊二 公明 現 63歳 11,128(17.3%)
当 竹原 哲  自民 現 49歳  8,938(13.9%)
当 鷹広 純   無 現 48歳  8,191(12.8%)推薦:立民・国民県連・社民
当 藤井 敏子 共産 新 69歳  6,672(10.4%)
  前田 康治 自民 現 57歳  6,157(9.6%)
  小田 康治 維新 新 47歳  5,246(8.2%)
  佐藤 周一  無 新 47歳  2,673(4.2%)推薦:れいわ
  伊藤 守   無 新 47歳  2,356(3.7%)

改めて、ご支援をいただきました皆様、ご協力をいただきました皆様にお礼申し上げます(インターネットでのお礼は公選法で認められていますが、これをプリントアウトすると違反になりますので、ご注意ください)。

筆者は、2022年の5月、参院選広島から県議選安佐南区への転出を決定。その後、参院選2022終了後、無所属で県議選への準備を進めて参りました。12月にれいわ新選組の推薦を頂きました。

◆広島が大好きだからこそ、広島の現状を憂える

 

広陵高校出身の担任の先生にカープを叩き込まれた小学校時代。そして、安佐南区が主要な舞台となった井伏鱒二の「黒い雨」に感激した高校時代。そして、安佐南区の長束小学校のネットでの平和学習を進められていた先生や生徒さん、大学の先生との交流。そして大学卒業後は国家公務員と県庁を受かって県庁を迷わず選んだ筆者。採用面接では「広島が好きだから県庁を選びます」と申し上げました。

県庁時代には、しかし、おひとりおひとりが大事にされているか疑問に思いだしました。組織やお金、過去の成功体験に囚われた広島の政治をリニューアルしないといけない。そういう思いで、2011年、県議選安佐南区で立候補。4278票で及ばず、3年間政治活動を続けるも限界を感じ、東京へ戻りました。

だが、2014年8月20日、広島土砂災害2014の一報に、「広島をなんとかせにゃあいけまあ」という思いで、広島へ帰りました。そしてボランティア活動に奔走。広島に貢献したいと介護の仕事を開始し、政治活動を再開しました。

だが、組織やお金、過去の成功体験に囚われた政治が続く中で、広島の現状はいかがでしょうか? ひとりひとりが大切にされていると言えるでしょうか? 平和都市に恥ずかしくない、政治・行政と言えるでしょうか?

そんな思いが強まる一方で、2021年、河井案里さんの当選無効による参院選広島再選挙に立候補しました。

◆広島の現状は人口流出ワーストワン2年連続

筆者の勤務先の介護施設でも外国人労働者もすぐ辞めて東京へ向かうという危機的な状況。

広島駅周辺などへの投資は県や市は熱心でも、安佐南区などの防災工事や道路の補修は進まず。

教育長は思い付きの改革を進めた挙句に、官製談合事件。現場の先生は非正規ばかり。

学校のプールなど補修が追い付かない。

水源地のど真ん中に産廃処分場が許可されてしまう

筆者自身が県議選立候補の為に県庁を去ってから、特にこの2~3年の広島の政治・行政の状況は悪化する一方です。このままでは、いけない、という思いからふたたび、立ち上がりました。お金や組織、過去の成功体験に囚われた政治をなんとかせにゃあいけまあ。

「県政をガツンとリニューアル」「広島とあなたを守る大改革」

をスローガンに、
ケア労働者などを中心に広島で働くあなたのお給料大幅アップ。
非正規の使い捨てを止める。
介護する人もされる人も笑顔の広島県。
産廃から水や食料を守る。
地域食材のオーガニック無料の給食導入で農家支援。
国保料大幅引き下げ、子ども医療費無料化18歳までの拡大。
総理の暴走・迷走を広島から止める。
などを全力で訴えました。

◆かつてなく多くの方にご支援いただく

筆者が立候補した過去2回の選挙、すなわち県議選2011、参院選広島再選挙2021では、選挙カーの上の筆者の隣には運転手しかいない、という状態がほとんどでした。

しかし、今回は、多くの方にご支援をいただきました。れいわ新選組チーム広島の皆様にはさとうしゅういち後援会員という形で、スタッフを担っていただきました。これまで、筆者が自分でやらなければいけなかった、事務的なことも多くをしていただき、体制としては雲泥の差でした。

また、選挙直前の決起集会では大島九州男参院議員、そして選挙期間中も、竹村かつし・下関市議、「次次期参院議員」の辻恵弁護士、大学の先輩でもある高井たかし・れいわ新選組幹事長が次々と応援にかけつけてくださいました。

さらに、途中、地元の大物弁護士らも応援にかけつけてくださいました。

古市橋駅前での出発式 竹村かつし下関市議の応援演説

◆「さとうさんは今回、行けるでしょう」という下馬評の落とし穴

 
農村部でも訴える筆者

今回の選挙では、「さとうさんは今回、行けるでしょう。」という下馬評が、あちこちから聞かれました。根拠としては、そうはいっても、参院選広島再選挙にも立候補していて知名度は高いこと、長年、地域を回っていたことです。「今回はいける」というのが敵味方問わず出てくるのは当然。他陣営の調査でも筆者が当選圏内ということが漏れてきました。

しかし、これがいけないのです。筆者が支持をお願いした方々に対して他候補が「さとうさんは大丈夫だからうちへ」というお願いをしていった、という情報を多数得ています。

そして、見る見るうちに、支持は削られ、蓋を開けてみれば、他陣営の事前予測等の3分の1程度の票になっていた、というわけです。

◆共産党の局地的突風的追い風

日本共産党は、全国的には松竹信幸さん除名問題などで、惨敗しました。しかし、広島では、河井事件の余波がまだ残っており、それが共産党への追い風となりました。また、被爆地ということで、総理の暴走に不安を感じる層が、共産党というそうはいっても看板の古いところに流れた感があります。実際に、筆者を支持してくださっていた方の中でも相当、共産党の藤井候補に票が流れた感じはします。

◆相手候補が筆者の主張に寄せる場面も

 
2014年の土砂災害被災地で訴える筆者

今回、途中で、相手候補者が主張をわたしの主張に寄せてくる場面もありました。

教育長に甘い姿勢だった立憲推薦の現職も、マスコミなどのアンケートには教育長更迭すべし、と回答するようになりました。与党現職女性は、熱心に非正規教員の問題を取り上げるようになりました。与野党候補の論戦をリードする形にはなったと自負しています。

◆既成政党以外で選挙を回す集団が広島に出現

今回はれいわ新選組ボランティアの皆様に、あくまで、さとうしゅういち後援会で活動していただくという形ですが、大変お世話になりました。後援会事務局長は普通のサラリーマンですが、最大限、できることをしていただいたと思います。

旧来の組織型政党や団体とは違う形で、市民が個人として参加し、選挙を回すという集団が現れたことは広島の政治史上、画期的なことです。

世襲か、高級官僚か、公明党か、共産党か、いわゆる労働貴族か。そういう人しか、事実上、県議や国会議員になれないような広島の状況をリニューアルしたい。

今後とも、筆者は、労働組合役員などの活動を通じて、労働者の待遇改善や、介護サービス、教育現場の改善などの先頭に地域で立っていきながら、政治活動も続けます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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