反原連(首都圏反原発連合)が資金不足から「ドネーション・プロジェクト」を始めている。反原連のHPには、

「2017年度初めの反原連の戦略拡大会議において、2016年度の決算を検討したところ、年間経費の約3分の1に当たる約360万円の赤字が計上され、これに2015年度の赤字額約150万円も加わり、このままではあと1年ほどで活動ができなくなることが判明しました。反原連が現在の運営状態になった4年前から大幅な経費の増加はないため、原発問題の長期化に加え、安倍政権の様々な悪政のため、人々の関心が原発問題以外にも分散したことによる、抗議参加者の減少や、口座へのカンパ額の減少などが原因であると考えています。
 これを受け、同会議で今後の方針を話し合ったところ、『金曜官邸前抗議』をはじめとする反原連の活動の必要性を訴える多くの人々がいること、安倍政権下での、3.11福島原発事故の反省も無い原発推進・原発回帰の情勢の中、道半ばで活動を止めることを考えるのは難しいことから、あと2年以上運営を継続することを目指し、目標額を1,000万円とするドネーション(カンパ)の呼びかけをすることになりました。これまで反原連では、積極的にドネーションの呼びかけをしてきませんでしたが、この度、初めて、強く訴えることを決断するに至りました。」

反原連のHPより

とカンパの訴えが掲載されている。原発問題が風化する中で、反原連に寄せられる寄付が減っているのはわかるが、鹿砦社としては「ああそうですか」と上記の文章を額面通りに受け取ることはできない。

◆反原連の内実を知れば知るほど「支援者」が減る

鹿砦社はかつて反原連に年間300万円を超える実質的支援を行っていた。上記反原連の予算規模がそのままであるとすれば、年間予算の3分の1程度を支援していたことになるが、反原連から一方的に「絶縁」を宣言されたのは、下記の通り2015年12月2日だ。当時の予算規模であればおそらく半額程度を鹿砦社の支援は支えていたことだろう。

反原連のHPより

われわれは「支援したから言うことを聞け」などと言っていたわけでもない。反原連に散見される「独善的」、「排他的」な言動に意見を伝え、出版社として当たり前に、独自の編集方針と、編集権で『NO NUKES voice』 を淡々と発行していたにすぎない。しかし反原連は、失礼千万、編集権への介入も著しい上記声明をHPに掲載した。反原連を鹿砦社が支援してはいたが、実際には社長松岡が反原連の活動に一時的に「騙されて」いたことがこの反原連による声明で明らかになる。

内実を知れば知るほど「支援者」は減るであろう。これが反原連に対するわれわれの偽らざる感想だ。
   
   
  

 

 

◆中沢けい、香山リカ、鈴木邦男、野間易通
  ── 「しばき隊」の別動隊と化した「のりこえねっと」

それは運動を中心で支えている人間の質に頭を傾げざるをえないこと、彼らが連携している他の運動体に、深い病巣を見て取れることから明らかだ。7月7日には複数の国会議員をはじめ、中沢けい、香山リカ、鈴木邦男らも演台に立ったようだが、この三人の登場が現在反原連の姿を明確にあぶりだしている。

中沢けい

香山リカ

鈴木邦男

 

 

  
この三人はいずれも「しばき隊」の別動隊と化した「のりこえねっと」共同代表であり、「M君リンチ事件」に関して隠蔽工作に手を染めた中沢けいや、「M君リンチ事件」にかんして鹿砦社をくどい程攻撃してくる香山リカ。あるいは度重なる鹿砦社、松岡からの問いかけを無視している鈴木邦男といった連中だからだ。

反原連の構成員すべて=「しばき隊」の別動隊と化した「のりこえねっと」の構成員ではなかろうが、現在もこの不健全な運動体を実質的に仕切る野間易通は反原連の一員であることからも、その密着性は明らかだ。

◆反原連よ、あなたたちの独善性は度を越えている

われわれは反原連を100%否定するつもりなどなかったし、健全な議論で問題解決を図ろうと試みた。松岡がそのために流した汗は並ではない。しかし、鹿砦社のまったくあずかり知らぬ「M君リンチ事件」が発生していたことを知るに至り、反原連への支援が、間接的とはいえ、われわれの意思と全くかけ離れた運動体による犯罪に関連していたことを突き付けられたのだ。これが一般市民であれば「ああ、なんとういうことをしてしまったのか……」で済ますことができるかもしれない。

しかし、小なりとはいえど出版を通じて社会に発信を行ってきたわれわれに「沈黙」は許される選択肢ではなかった。反原連よ、「反原発・脱原発」は結構だが、あなたたちの独善性は度を越えている。特定党派を「排除」する声明など出す権利が、公道上で集会を行っている団体にどうしてあるのだ。あなたたちの仲間は「過激派だからこいつら逮捕してくださいよ」と警察に詰め寄った。あの発語は偶然でも、例外的な過ちでもなく、反原連の行動原理の根底に共有されているものだとわれわれは了解する。われわれは反原連のこのような姿勢を断じて容認しない。

それにしても、「M君リンチ事件」とは無関係の登壇者もいるが、中沢けい、香山リカ、そして鈴木邦男の登場には愕然とさせられる。鈴木邦男よ! あなたは松岡の度重なる心の叫びを無視するのか! 鈴木を称して松岡は「八方美人」、取材班は「無節操・ボケたか?」と評したが、ここまで来ると鈴木の妄動は「蝙蝠(コウモリ)」にたとえざるを得ない。

反原連は反原発、脱原発を目指しているはずだろう。その目標に異議はない。しかし、あなたたちのような「3・11」後の運動ではなく、それ以前から石にかじりついて活動してきた人びとへの嫌がらせは目に余る。そしてあなたたちは、なにより「傲慢」にすぎる。

反省など期待できない団体とは知りながらも最低限、鹿砦社として意思表示をしておく。それが一時的とはいえ、「支援」をしたものの責務であるからだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!

多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』