新聞ビジネスの構造と「押し紙」裁判 ── その解明と次なる検証課題

黒薮哲哉

2月2日に発売される『ZAITEN』(財界展望社)が、「大新聞崩壊前夜」と題する特集を組んでいる。この特集記事の一つを、筆者(黒薮)が執筆した。記事のタイトルは、「毎日新聞が『新聞の秘密』を意図せずに暴露」である。

記事の詳細についてはここでは触れないが、概略としては、日本の新聞社のビジネスモデルのからくりを、毎日新聞社の内部資料に基づいて解明したものである。新聞社がどのような方法でABC部数をかさ上げしているのかを立証した。

筆者が「押し紙」問題に着手したのは1997年である。それから29年を経て、ようやく新聞のビジネスモデルを解明するに至った。したがって、「押し紙」裁判の勝敗とは別に、一つの到達点にたどり着いたと言える。この解明は、江上武幸弁護士による資料分析に負うところが大きい。ぜひ『ZAITEN』の記事を一読いただきたい。

◆「押し紙」問題の次は、裁判官人事

「押し紙」問題に続いて解明すべき次のテーマは、「押し紙」裁判における裁判官人事である。「押し紙」裁判では、最高裁事務総局が裁判官人事を主導しているのではないかと推測される事実が、次々と浮上している。

最近入手した資料によると、裁判官は判事補に任官してから10年間は最高裁主導の人事によって赴任地が決められるが、その後は高裁管内での人事となり、原則として遠方の裁判所へ配置転換されることはなくなるという。しかし、この取り決めには例外が存在するようだ。

一般によく知られている例外が、沖縄の裁判所である。沖縄の裁判所は最高裁人事とされており、その背景には、沖縄が米軍基地を抱える地域であることが関係している可能性がある。

これに対し、一般にはほとんど知られていないもう一つの例外が、「押し紙」裁判に関わる裁判官人事である。たとえば、「押し紙」裁判に関与してきた野村武範裁判官の経歴が、その一例である。野村裁判官が判事補に任官したのは平成11年(1999年)4月であるが、以下に示すように、令和2年(2020年)以降、高裁管轄を超える人事異動が行われている。

・平成29年4月1日 名古屋地裁判事・名古屋簡裁判事
・令和2年4月1日 東京高裁判事・東京簡裁判事
・令和2年5月11日 東京地裁判事・東京簡裁判事
・令和5年4月1日 大阪地裁部総括判事・大阪簡裁判事

令和2年4月1日に名古屋地裁から東京高裁判事へ異動し、その約1か月後には東京地裁へ異動して、産経新聞の「押し紙」裁判の裁判長に着任した。さらに令和5年4月1日には、東京地裁から大阪地裁へ異動し、読売新聞の「押し紙」裁判の裁判長に着任している。

このように、「押し紙」裁判においては最高裁主導の人事が確認できる。しかも、いずれの裁判においても、原告である販売店側が不自然とも言える敗訴判決を受けている。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年2月1日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

「高市圧勝」「野党壊滅」 衆院選2026 照らし出した制度と政治文化の「疲労」

さとうしゅういち

今回の衆議院選挙は、高市早苗総理率いる自民党が単独で3分の2を制する圧勝する結果となりました。

しかし、その数字の裏側を見れば、現行制度が抱える深刻な歪みが改めて浮き彫りになりました。広島県では自民党の比例代表得票率は40.1%にとどまり、維新の8.3%を加えても過半数には届きません。それにもかかわらず、自民党は県内6つの小選挙区をすべて独占しました。民意の多様性が比例票に表れているにもかかわらず、議席配分はそれを反映しません。この構造的な乖離は、もはや制度の限界を示していると言わざるを得ません。

◆「二大政党」前提の崩壊と制度の時代遅れ

価値観が多様化し、国際情勢が複雑化する現代において、かつての「二大政党制」を前提とした小選挙区中心の制度設計はすでに現実と乖離しています。野党と一括りにしても、外交・安全保障、社会政策、経済政策の軸で大きく異なり、単純な二項対立では整理できません。

それにもかかわらず、政治改革と称して行われるのは定数削減といった「小手先の調整」にとどまります。必要なのは、比例代表制の拡充や中選挙区連記制の再検討など、民意の多様性を正確に反映するための抜本的な制度改革です。

◆政策論争が深まらない政治文化

有権者が各党の政策や政治姿勢を十分理解しないまま投票しているとの指摘があります。いわば、選挙が「推し活」化している問題です。しかし、その責任を有権者だけに負わせるのは筋違いです。今回も、解散をした総理ご自身が、国論を二分する重要課題を曖昧にしたまま選挙戦を戦い、選挙終盤ないし選挙後になってようやく具体的な中身を示しました。対抗する野党第一党も合流過程で内部調整が不十分だったとの見方があります。

さらに、総理が討論番組への参加を避けたことで、選挙期間中の論戦は深まらず、政策選択の場としての選挙の機能は著しく損なわれました。

◆メディア環境の劣化とネット空間の未成熟

新聞・テレビといった既存メディアは、議席予測に偏り、政策や政治姿勢を問う役割を十分果たせませんでした。ネット空間でも、オールドメディア批判を掲げながら、結局は根拠不明の予測や誹謗中傷が横行し、健全な議論の場とは言い難い状況が続きました。

このように、既存メディアとネット双方が「政策論争の場」として機能不全に陥っていることが、政治不信の温床となっています。

◆「金をかけた者勝ち」の構造と裏金問題の根

選挙戦の実態は、従来通り「資金力と物量を投入できる側が有利」という構造が温存されたままです。ビラやポスターに加えてネット広告が増えただけで、選挙の質は変わっていません。裏金問題の背景にも、この「金をかけた者勝ち」の構造が横たわります。

企業・団体献金の禁止と、討論中心の選挙運動への転換をセットで進めることが不可欠です。大昔には行われていた選挙管理委員会主催の党首討論・候補者討論を復活させ、ネット中継や市民からの質問受付など現代的な形にアップデートし、選挙の中心に据えるべきです。

また、「選挙費用」には法定の上限が決められていますが、それ以外の「事実上の選挙運動」になる政治活動名目にかける資金は「青天井」です。この総量規制も検討すべきではないでしょうか。

◆市民参加の欠如と旧統一教会問題の本質

旧統一教会問題の本質は、特定の反社会的団体に政治家が、選挙運動の中枢を担うスタッフを依存していた構造にあります。その背景には、市民が政治に関わらない風土があるとの指摘もあります。政治家が怪しげな団体に頼らずに済むようにするためには、市民が政治参加を「自分ごと」として捉えられる制度改革と主権者教育の強化が欠かせません。旧統一教会との関係が明らかになった高市総理を筆頭に問題から逃げず、事実があれば認めた上で、政治文化そのものを健全化する方向へ舵を切ることが求められます。

◆制度改革と政治文化改革を同時に進める時代へ

制度の歪み、政策論争の不在、メディア環境の劣化、金権構造、市民参加の欠如。これらは個別の問題ではなく、相互に絡み合った「政治文化の総合的な疲労」です。

必要なのは、制度改革と政治文化改革を同時に進める覚悟です。民意の多様性を正確に反映する制度、政策論争を深める仕組み、金に依存しない選挙運動、市民が主体的に政治に関わる文化。そのすべてが揃って初めて、日本の民主主義は次の段階へ進むことができるのではないでしょうか。

◆いますぐできること……自分が支持する国会議員をチェックしよう!

日本は議院内閣制を採用する民主主義国です。勘違いしてはいけないのは、米国の大統領のように総理を直接選んだわけではない。国会議員を選んだのです。ましてや、「高市」天皇を選んだわけでも最高指導者「高市」師を選んだわけでもないのです。

高市総理に守ってほしい公約もある。例えば、介護報酬を今年臨時改定すること。介護報酬は三年に一回の改定と決まっていますが、物価高や他業種の給料が上がる中で、それでは間に合いません。27年の次期改定を待たずに、臨時改定をし、我々介護労働者の待遇改善をやってほしい。

一人一人の国会議員を特にその議員を支持している人ほどきちんとチェックしていただきたいのです。まずはそこからです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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《表紙》『原子力明るい未来のエネルギー』 紆余曲折を経て 今は文字盤だけが倉庫に眠る(絵=鈴木邦弘)

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IBFムエタイ路線は今後どうなるか NJKF CHALLENGER 12 2026年初戦!

堀田春樹

吉田凜汰朗は戦略勝ち。メインイベンターの重責を果たす。
星拓海はベテランHIROYUKIに辛勝も成長を見せる初防衛。
高橋幸光は苦戦の出だしを経験値の差で逆転勝利し王座獲得。
基康は移籍第一戦で圧倒勝利。モトヤスック時代の強さ復活。

◎NJKF CHALLENGER.12 / 2月8日(日)後楽園ホール17:15~21:32
主催:(株)オフィス超合筋 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟、WBCムエタイ日本

戦歴等はパンフレットを参照していますが、不確実な部分は割愛しています。
前日計量は7日土曜日12時より、「リロの会議室 飯田橋」で行なわれ、全員一回でパス。

◆第10試合 スーパーライト級ノンタイトル3回戦

パイデン・ペーサイシ(タイ国出身25歳/ 62.7kg)
VS
ロードトゥムエタイ・スーパーライト級チャンピオン.吉田凜汰朗(VERTEX/栃木県出身26歳/ 63.3kg)
32戦16勝(3KO)10敗6分
勝者:吉田凜汰朗 / 判定1-2
主審:多賀谷敏朗
副審:宮沢28-29. 児島28-29. 中山29-28

パンチと上下の蹴りの多彩な牽制で様子見の中、やや圧力あるのは元・IBFムエタイ世界ライト級チャンピオンのパイデンの方。第2ラウンド後、公開採点でパイデン側の1-0の吉田凛太朗にとって不利な展開からアグレッシブに攻めた。このラストラウンドを確実に取れば二者支持は得られるはず。パイデンはしっかりガードしてミドルキック返し、攻撃の動きが印象的だったが、吉田はパンチからヒジ打ちに繋げて攻勢を維持。僅差ながら判定勝利を導いた。

油断ならないパイデンのヒジ打ち、接近戦は危ないムエタイ技
最終第3ラウンド、吉田凜汰朗は我武者羅に出た
本日のMVPは2名、高橋幸光と吉田凜汰朗が勝負を懸けたアグレッシブな展開が評価された

◆第9試合 WBCムエタイ日本バンタム級タイトルマッチ 5回戦

第9代チャンピオン.星拓海(IDEAL/東京都出身20歳/ 53.5kg)15戦12勝(4KO)2敗1分
            VS
挑戦者2位.HIROYUKI(=茂木宏幸/RIKIX/神奈川県出身30歳/ 53.45kg)
64戦43勝(23KO)17敗4分
勝者:星拓海 / 判定2-1
主審:スイット・サエリム・ランボー(タイ)
副審:宮沢47-48. 多賀谷48-47. 中山48-47

初回、両者はローキックで様子見しながら距離を縮めていく。やや圧力掛けて出るHIROYUKIだが、星拓海も焦らず前進。多彩な攻防は差が付き難い互角の展開。ベテランHIROYUKIの技と若い星拓海の技。互いに圧し切れない、決定打の無い流れも手数足数は多くアグレッシブな展開を見せた。

星拓海は試合後、「過去最強と言われるHIROYUKI選手はさすがに強かったです。何とか勝てて良かった。勝てたことは自信になります。」とコメントした。星拓海は10連勝。

若い星拓海が最強HIROYUKIに挑んだ防衛戦は僅差ながら劣らぬ攻撃力で勝利
ベテランHIROYUKIも飛びヒザ蹴りで星拓海を追い詰め、ラストラウンドを踏ん張った
WBCムエタイ日本代表、藤原敏男氏からチャンピオンベルトを授かった星拓海

◆第8試合 ロードトゥムエタイ・ウェルター級王座決定戦 5回戦

高橋幸光(飯伏プロレス研究所/神奈川県出身37歳/ 66.45kg)77戦46勝(16KO)25敗5分1NC
            VS
佐藤界聖(PCK連闘会/宮城県出身24歳/ 66.55kg)22戦14勝(6KO)7敗1分
勝者:高橋幸光 / TKO 4ラウンド 1分22秒
主審:児島真人

高橋幸光は蹴りからパンチ、後ろ蹴りとアグレッシブに攻めるが、佐藤はムエタイ技が効果的に的確に攻めて高橋を下がらせる。第2ラウンドにも佐藤の右ストレートで高橋が後退が続く。

第3ラウンドには高橋が圧力掛けてパンチやヒザ蹴りで出始めた。佐藤はやや攻め倦む。

第4ラウンドには高橋がヒジ打ちで佐藤の右目尻と続けて額をカット。両方とも傷は深い。ドクターチェックの末、レフェリーストップが掛かった。高橋幸光が王座獲得。

高橋幸光も派手な技を持つプロレスラー。後ろ蹴りで佐藤界聖を追い詰めていく
ロードトゥムエタイ・ウェルター級王座獲得した高橋幸光。IBFムエタイ世界戦に繋がるのか

◆第7試合 71.0kg契約3回戦

NJKFスーパーウェルター級3位.基康(=岡本基康/千葉県出身24歳//TAKEDA/ 70.9kg)
29戦19勝(11KO)9敗1分
            VS
クンタップ・チャロンチャイ(タイ国出身45歳/ 71.0kg)
勝者:基康 / TKO 2ラウンド 1分6秒
主審:中山宏美

元・ジャパンキック協会ウェルター級初代チャンピオンの基康はTAKEDAジムに移籍しての初戦。基康は重いローキックで主導権奪い、左フックパンチでボディブロー、ローキック(カーフも加え)でクンタップを追い詰めていく。この流れは変わらず、基康圧倒の印象。

第2ラウンドにはより勢い増した基康が左フックでクンタップをグラつかせて更に連打でノックダウン奪う。再開後もパンチ連打でロープ際に追い込みレフェリーストップが掛かった。基康の圧倒TKO勝利。

基康が老獪なテクニシャン、クンタップを圧倒していく

◆第6試合 ライト級3回戦分

岩橋伸太郎(エス/神奈川県出身38歳/ 60.75kg)
            VS
龍旺(Bombo Freely/茨城県出身24歳/ 61.0kg)10戦8勝(1KO)1敗1分
勝者:龍旺 / TKO 2ラウンド 1分53秒
主審:児島真人

2年3カ月ぶりの試合となった龍旺が開始から突進してパンチ連打で岩橋伸太郎をコーナーに追い詰めるが、岩橋は劣勢になりながらも決定打を回避し、蹴り返して間を作る。勢いは常に龍旺が優り攻勢を続けるが、岩橋は粘り強さで蹴り返す底力を見せた。しかし接近戦で龍旺のヒジ打ちがヒットで額を切られた岩橋に、ドクターの勧告を受け入れたレフェリーが試合ストップした。

龍旺がしぶとい岩橋伸太郎をアグレッシブに攻めた。劣勢でも倒れない岩橋も我慢強い選手

◆第5試合 56.0kg契約3回戦

大田一航(新興ムエタイ/神奈川県出身24歳/ 55.85kg)32戦21勝(6KO)9敗2分
            VS
ヌアシラーS.R.K (タイ国出身25歳/ 55.45kg)66戦46勝(12KO)19敗1分
勝者:大田一航 / TKO 3ラウンド 1分22秒
主審:多賀谷敏朗

暫く不調が続いた大田一航の再起戦。テクニシャンの戦いは大田一航が先手に上手く多彩に攻め、主導権支配していく。第2ラウンド以降もより一航が前進し、ボディブローとローキックでヌアシラーを追い詰めていく。

第3ラウンドにはヌアシラーはロープに詰まる展開が増えた。一航はパンチ連打上下打ち分け、ボディブローでノックダウン奪い、再開後、右ローキックでヌアシラーは戦意喪失気味に陥ったところをレフェリーストップが掛かった。

◆第4試合 53.0kg契約3回戦

NJKFフライ級チャンピオン.西田光汰(西田/愛知県出身24歳/ 52.9kg)
15戦10勝(1KO)4敗1分
VS
WMC日本バンタム級チャンピオン.佐藤九里虎(FAITH/佐賀県出身35歳/ 52.9kg)
42戦17勝(3KO)20敗5分
勝者:西田光汰 / 判定3-0
主審:スイット・サエリム・ランボー(タイ)
副審:宮沢29-28. 多賀谷29-28. 中山30-27

初回は佐藤九里虎のパンチで出る圧力にやや苦戦した西田光汰は、第2ラウンドにはローキックの攻防からリズム掴んだが、第3ラウンド終盤には佐藤のヒジ打ちで額をカットされ、圧倒には及ばないが距離感を掴んで攻める勢いを維持した西田光汰が判定勝利。

◆第3試合 女子フライ級3回戦

S-1女子世界フライ級覇者.真美(Team ImmortaL/神奈川県出身34歳/ 50.75kg)
28戦19勝(6KO)9敗
VS
ミネルヴァ・ライトフライ級2位.美斬帝(=喜多村美紀/テツ/広島県出身39歳/ 50.65kg)
36戦14勝17敗5分
勝者:真美 / 判定3-0
主審:児島真人
副審:宮沢30-27. ランボー30-27. 中山30-27

4度目の対戦となった今回は、美斬帝のアグレッシブな攻めに真美はやや受け身も、徐々に組み合ってのヒザ蹴りでリズム掴み勢いが増していった。ムエタイ技と経験値が活きた真美の攻撃力が目立った。真美は美斬帝に3勝1敗となった。

◆第2試合 フェザー級3回戦

陽平(TAKEDA/埼玉県出身16歳/ 57.1kg)3戦2勝(1KO)1敗
      VS
宰川桂人(安廣道場/東京都出身20歳/ 56.7kg)1戦1敗
勝者:陽平 / 判定3-0 (30-27. 30-27. 29-28)

◆第1試合 フライ級3回戦

手塚瑠唯(VERTEX/栃木県出身19歳/ 50.5kg)7戦5勝(3KO)2敗
       VS
RIKIYA T-KIX(T-KIX/静岡県出身28歳/ 50.65kg)3戦2敗1分
勝者:手塚瑠唯 / KO 2ラウンド 52秒 / カウント中のタオル投入による棄権。

《取材戦記》

NJKFにおいて、IBFムエタイタイトルマッチは、ある外部から圧力が掛かり、吉田凜汰朗の世界王座挑戦は一旦白紙。11月30日に行われた“IBFムエタイ日本王座”関連も認可が下りない中での開催だった模様です。大きな認定組織になるほど規制が厳しく、認可される条件のハードルが高いものです。WBCムエタイも2004年頃でしたか、日本での開催、最初の頃は規制が掛かる事態がありました。解る人には解る事情。当時止むを得ずWKBA戦に移行しました。

過去2019年9月に波賀宙也のIBFムエタイ世界王座奪取とコロナ禍後の防衛戦の開催実績があり、今後の開催もそう難しくはないのではと推測されます。

仮に、プロボクシングの世界主要4団体全てがムエタイに関わって来たら、いちいち横槍が入るのだろうか。WBCがムエタイに参入して来た時、いずれ主要4団体が参入するかもとは予測出来たものです(現在はWBCとIBFのみ)。

今回の各試合、レフェリーによる勝者コールがしっかり出来ていた様子でした。これはいい傾向。レフェリーがしっかり勝者の腕を挙げ、途中で離さず止まらず360度一周し観衆に示す。過去にこれが出来ないレフェリー、選手が多かった。観衆は南側だけではないのです。

大田拓真は昨年6月8日にWBCムエタイ世界フェザー級王座奪取したが、今月2月21日にスペインで前チャンピオンのアントニオ・オルデンの挑戦を受ける初防衛戦を迎える模様。オルデンにとってのリターンマッチ。

大田は「日本でもスペインでも、関係無いというところを見せに行きたいと思いますので応援お願い致します。」とリング上で語った。ホームでもアウェイでも実力に影響は無いとは言えるが、気候や時差の影響、現地での嫌がらせが無ければいいが、そんな心配は無用だろう。

NJKF関連、2月22日(日)にはGENスポーツパレスにて15時15分より、女子だけの戦い「GODDESS OF VICTORY Ⅳ」が開催されます。

3月20日(金・祝)には神奈川県厚木市猿ヶ島スポーツセンターにて15時30分よりDUEL.37が開催。

4月5日(日)は後楽園ホールにてCHALLENGER.13が開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

「TM特別報告書」が明かした統一教会の日本政界工作

鈴木エイト(紙の爆弾2026年3月号掲載)

日本を統一教会式の国家にする策動が記された統一教会(世界平和統一家庭連合)内部文書の存在が明らかとなった。日本の政権中枢の政治家を「教育」し、教団最高権力者である韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁へ「ひれ伏して拝する」ことを目論んだ仰天文書の内容から、反日教団の狙いと達成度合い、政界工作の内幕や協力した恥ずべき政治家たちを文書の信憑性とともに検証する。

2025年12月、韓国における前大統領夫人への請託禁止法違反容疑などの捜査の過程で「TM特別報告」なる文書が押収された。作成したのは元教団ナンバー2である尹英鎬(ユン・ヨンホ)前世界本部長。3212ページに及ぶ報告書に記されていたのは、世界中の「摂理機関」と呼ばれる教団系組織の幹部らが韓総裁へ送った政界工作などの成果だ。

「TM」とは「トゥルーマザー/真の母」と教団内で崇められている韓総裁のことを指している。

◆ビデオメッセージと萩生田光一

韓国では昨年末にハンギョレ新聞・聯合ニュース・京郷新聞が相次いで「TM特別報告」の内容を報じ、日本の複数のメディアも韓国での報道を引用する形で第一報を流した。年が明け、週刊文春1月15日号が巻頭特集で「『高市総裁が天の願い』統一教会マル秘報告書3200ページ全文入手!」と報じ、文春オンラインも発売前日の7日に「【独占入手】統一教会マル秘報告書3200ページがしめす自民党との蜜月『高市早苗氏が総裁になることが天の最大の願い』《長島昭久・前首相補佐官は合同結婚式を挙げていた》《萩生田光一が受け取ったエルメスのネクタイ》」とのタイトルで公開した。

私は記事を書いたフリーライターの石井謙一郎氏から、「TM特別報告」の中から日本における政界工作などが記された箇所の提供を受けた。内容を精査したところ、衝撃的な記述が多々あった。

主に日本の教団会長や関連団体トップが日本における政界工作の進捗状況や成果を報告しているのだが、その期間は、2018年2月から22年12月末まで。つまり、第二次安倍政権以後、教団と政界との関係が深化していた時期から安倍晋三元首相銃撃事件後の余波までが、リアルタイムで記されている。

韓国語で記された「TM特別報告」3212ページも全文入手した。そこには2017年11月の政界工作の内容も書かれていた。カバーしている期間は、17年11月~23年4月。内容は、これまで私が長年にわたる調査報道において得てきた情報を補完し、パズルのピースを埋めるものだった。ある種の「答え合わせ」が進んだといえる。疑惑を裏付けるものが多かった一方で、意外に関係の薄かった政治家などもわかった。

報告には教団が別団体と主張する各フロント団体が「摂理機関」として登場しており、教団の「別組織設定」を覆す証拠になるものだ。統一教会と政治家、両者の間のギブアンドテイクが記されているほか、安倍元首相銃撃事件のトリガーとなった、韓国で2021年9月12日に開催された教団の大規模オンライン集会での、安倍氏による韓総裁礼賛ビデオメッセージが実現した経緯も記されている。多くの人が疑問に思っている安倍氏と統一教会の本当の関係性。それが明らかとなる文書だ。

報告文書全体から明確に読み取れるのは、韓国至上主義である。

安倍氏をはじめ日本の政権中枢を担う政治家に対して統一教会の思想を教育し、日本を統一教会式の国にするという「国家復帰」への組織的な策領が改めて顕在化した格好だ。そんな教団と安倍氏との仲を取り持ってきた政治家として再三「TM特別報告」に登場するのが萩生田光一・自民党幹事長代行だ。何度も安倍氏と教団幹部との面会などを仲介した人物として韓総裁へ報告されているのだ。

本人は週刊文春からの問い合わせに教団との関係を完全否定している。また、ユーチューブ番組でもTM特別報告にあるような高級ネクタイを受け取ったことはなく、仲介したこともないと完全否定した。では、教団が一方的に事実でないことを報告しているのか、それとも、一定の事実を基にしているのか。萩生田氏は会見を開くなりして、疑惑に答えるべき局面であろう。

◆筆者を誹謗中傷した地方議員も信者

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n212438a39e15

月刊「紙の爆弾」3月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価700円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GL5883YV/

『紙の爆弾』3月号の冤罪報告「平野母子殺害事件」 ぜひ一読を!

尾﨑美代子

◆『紙の爆弾』3月号に冤罪「平野母子殺害事件」を寄稿

『紙の爆弾』最新号を徳島刑務所などに服役中の方に送った。今回、ここの日本の冤罪シリーズに「平野母子殺害事件」について書いた。ずっと気になっていた冤罪事件。人間関係が複雑で、被害者は、犯人とされた林さん(仮名)の再婚相手の女性の息子が、のちに結婚した女性と子供。事件当初、被害女性の夫が疑われたが、夫には不倫女性と食事などしてたアリバイがあった。そののち疑われたのが義理の父親の林さん。めっちゃよくある話だが、犯行当日、被害女性のマンション近くに行っていた。しかも同マンション踊り場の灰皿に林さんの吸う煙草の吸殻が1本あり、そこから検出された唾液のDNA型が林さんのそれと一致した。

捜査機関は林がマンションを訪ねた→林が被害女性の部屋に入った→林が被害女性と子供を殺したにもっていった。任意の取り調べで、大阪府警が林に加えた拷問がえぐい。事件当時大阪拘置所の刑務官だった林は、その前に警官も経験していた。いわば「元同僚」からうけたえぐい拷問のせいで入院までした。それでも林は否認し続けた。

一審は無期懲役、二審は「反省してない」として求刑通り死刑判決。が、最高裁は「審理が尽くされていない」として差し戻し、1、2審で無罪判決がくだされた。林を無罪にしたのは、林を犯人にしたてた1本の煙草の吸殻だった。あとは本編を読んでね。

◆井戸謙一弁護士と樋口英明元裁判官の対談本

本を送った2人には、手紙とともに井戸謙一弁護士と樋口英明元裁判官の対談本『司法が原発を止める』の中のある個所をコピーしたものを一緒に送った。対談本でお二人が冤罪に触れている個所がある。樋口さんは、裁判官時代に「私は無実だ」という人はいなかった。「酔っていた」や「殺す気はなかった」という人はいたが、「犯人ではない」と言い切る人はいなかった。「私は犯人ではない」と法廷で言っていた人が、次から次に無罪になるということは、いかに冤罪率が高いかを示していると……。

これに対して井戸弁護士はこう言った。「日本人は結構正直。公判で『自分は本当に無実だ』という人は、かなりの確率で言っていることが本当に正しいとみるべき。しかし、現実の刑事裁判では、それがほとんど通らない。だから次々と冤罪がうまれていく」と。

樋口英明元裁判官との対談本『司法が原発を止める』の共著者、井戸謙一弁護士

そういえば、亡くなった桜井昌司さんが、何十年も無罪を訴え再審、国賠を闘ったが、ある裁判長は「何十年も無罪を主張して悪質だ」と言ったそうだ。無罪だから言い続けるんだよ。それこそ何十年も。

◆5通の手紙をくれた受刑者の事件

暮れから正月にかけて5通の手紙をくれた千葉刑務所の受刑者の事件の概要もまとめなくてはならない。ある弁護士さんがどんな事件か一応みてくれることになったためだ。じつは、そのあとにもう一人の無期懲役の受刑者から手紙が届いた。「日本の冤罪」を読み、両親に頼んで「はな」の住所を調べてもらったといい、手紙にはぜひ僕の事件の判決文などを読んで欲しいと書かれていた。まずは返事をくださいと封筒、切手が入っていた。少なくとも返事は書かねばならない。こういう人は、名前で検索すればどのような事件かわかる。ただ、そこまでで、確かに判決文など読みたいが、果たしてそれ以上のことはできるかどうか?

また、次に書きたいと考えてる「恵庭OL殺人事件」についての資料集めもはじめないと。弁護人だった伊東秀子さんの本は明日届く予定。昔一度読んだが手元にないので再度注文した。そう、この事件、かなり前から気になっていた。いろんな状況証拠から、真犯人(たち)は明らかに当時彼女と被害女性が勤務していた会社の関係者だ。つまり、冤罪が作られたせいで、真犯人(たち)は野放し状態。ほかの事件でも思うが、逮捕されない真犯人はどんな心境なのだろうか?

◆2月28日大東市で冤罪のお話をします!

昨日の選挙でこちら側は惨敗したので、再審法問題はどうなるのか心配だが、原発問題、日米安保問題、パレスチナ問題、スパイ防止法、大阪でいうたら三度目の都構想もカジノも……お先は真っ暗だ。ここまで真っ暗になったら、もうため息もでない。目の前のやることを1つ1つこなしていくだけだ。

2月28日、大東市で呼ばれた「冤罪はこうして作られる」の講演会のレジュメとパワーポイントも作らねば……。パワポ、京都の部落解放同盟の方に呼ばれた時のパワポは、初めて作ったのと、レジュメとパワポをどう使いこなすか、うまく出来てなくて、猛省してます。今回は、なるべくわかりやすく、そして変な言い方だが、面白く興味深い話にしたいと考えてます。終了後に近くの「バナナハウス」で食事会(700円)もあるそうです。一人でも多くの方に参加して欲しい。

尾﨑美代子(おざき みよこ
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

[ご報告]「しばき隊」暴力の権化=エルネスト金(略称・エル金)こと金(本田)良平による、「前科の公表」なる「プライバシー侵害」を理由とする民事訴訟(一審・東京地裁立川支部)の控訴審(東京高裁)判決、被告とされた鹿砦社と森奈津子さんの控訴を棄却の不当判決! 鹿砦社と森さんは、直ちに上告! 俗に「しばき隊リンチ事件」といわれる黒社会運動に対する闘いに圧倒的なご注目とご支援を!

株式会社鹿砦社代表 松岡利康

2014年12月に、大阪屈指の飲食街・北新地で起きた、俗に「しばき隊リンチ事件」といわれる「カウンター大学院生リンチ事件」から11年余りが経ちました。詳しい内容と経緯については、私たちが血の滲む想いで取材し編纂した6冊のムック本(『紙の爆弾』増刊号)をぜひご一読ください。「しばき隊」なる黒百人組組織が、11年余り経った今、野間易通はじめとする活動家が生き残り、さらに新たな活動家を増殖させ社会に悪印象を持って注目されていることで、このリンチ事件が全く反省も総括もされていないことを想起していただきたいと思います。

そのリンチ事件の主たる直接的下手人・金(本田)良平(自称エルネスト金、略称エル金)は、しばらく消息を絶ち、大阪から関東に居を移し、コロナ明けと共に復活し、のうのうとカウンター行動の現場に現われ活動している姿が見られ、またX(旧ツイッター)で暴言を発信しています。

激しい暴言は相変わらずで、キャンキャン吠えているのを私は静かに傍観していましたが、М君リンチ事件支援活動で知り合い懇意にしてきた森奈津子さんに対し粘着しているのを見て、さすがに私も、かつて彼らが起こした大学院生М君に対する凄惨なリンチ事件を想起し、危機感を持ちました。これに対しては、すでにリンチに連座した伊藤大介が暴行・傷害事件を起こしていることもあり、甘く構えていてはみたび事件は起きると確信し早急に何らかの手を打たないといけないと考えた次第です。これが、今回問題になった、金良平らが起こした事件で彼が罰金刑を受けた「略式命令」書を森さんに送り、「毒には毒をもって制す」べきで、これを公開してでも自分の身を守ったほうがいいとアドバイスしました。いくら綺麗言を言っても身は守れません。森さんがこれをXで晒すと、すぐに金良平は黙りました。効果があったということです。これで黙らなければ、私は次の策として、誰かが寄せてくれた「しばき隊」の活動家名簿(住所等明記)などバクロする策に出ることさえ考えていました。今でもその用意はあります。以前に、親しばき隊・香山リカが、私たちがリンチ事件についての質問状を送ったところ、自分はいくつか住まいをもっているのでどこに送ったか言えというので私のフェイスブックで明らかにしたら慌てて神原弁護士に泣きついて削除を要請したことがありましたが、私は冗談で言ってはいません。やる時にはやります。

森さんは、重度障碍者の夫と二人暮らしで、過去には親しばき隊の連中に自宅周辺を徘徊されたこともありました。加えて過去には、親しばき隊関係者を批判したことで、愛猫を殺された大学教授や自宅前に汚物を撒かれた作家もいました。いずれも、なぜか犯人は捕まっていません。

私は大学院生リンチ事件における被害者М君の支援、本件原告・金良平ら加害者やこの関係者らに対する追及の活動を長年行った経験から、この悲劇が再び起こる懸念を強く持ちましたし、今も持っています。実際に、上記したようにリンチの現場に連座した伊藤大介は、深夜気に食わない者を呼び出して暴行・傷害事件を起こし有罪判決を受けているではありませんか。三度目もありえます。

金良平による執拗な粘着への、やむにやまれぬ対抗措置に対し、金良平は、鹿砦社と森さんに「プライバシー侵害」なる名目で110万円の損害賠償と当該Xの削除を求めてきました。このことについては、一昨年提訴当初に本欄にて報告し断固闘う旨、明らかにしました。凶暴な金良平の跳梁を許してはならないからです。黙っていては、必ずM君リンチ事件は再発すると確信したからです。金良平(および李信恵らリンチの場にいた者ら)はなんら反省などしていません。上記伊藤大介の事件がそれを物語っています。

ちなみに、М君ですが、当時、ある国立大学の大学院博士課程に通い、将来を嘱望されていましたが、金良平らによる凄惨なリンチ事件により、いまだにPTSDに苛まれ、学究の道を断念、日々汗して働き静かに暮らしています。

ほとんど金良平に殴られた直後のリンチ被害者M君の顔写真。森さん夫妻が、こんなことになる危険を感じないほど裁判所は神経が鈍いのか!?

■対金良平訴訟の控訴審判決と上告のご報告

さて、ご報告が遅れましたが、このかんのご報告をさせていただきます。

一審の途中の昨年1月早々、1996年、日本相撲協会から東京地検特捜部に刑事告訴(不起訴で終結)されて以来、対アルゼ3億円民事訴訟など東京での鹿砦社の裁判闘争を支えていただき、本件で鹿砦社と森さんの代理人を務めていただいていた内藤隆弁護士が急逝され、急遽同じ事務所の兄弁たる清井礼司弁護士に受任いただきました。金良平の代理人・神原弁護士は自称左翼、世間でも左翼とされていますが、これは大間違いで、左翼でも何でもありません。著書の版元からも想像がつくように親日本共産党で、左翼の世界で修正主義とかスターリン主義という言葉がありますが、まさに正鵠を射ています。内藤弁護士も清井弁護士も、俗に言う新左翼系(神原弁護士言うところの「極左」)の、バリバリの革命的左派といっていい弁護士ですが、修正主義やスターリン主義とは別世界の住人です。両弁護士とも戦闘的労働運動の拠点・動労千葉弁護団の一員です。

いささか話が逸れましたが、昨年7月14日に一審判決で賠償金11万円とX削除を下し直ちに東京高裁に控訴、この判決が年末12月24日に下されました。私たちの控訴を棄却、一審判決維持でした。

ご報告が遅れたのは、特段意味がなく、年末から年初にかけて非常に慌ただしかったという単純な理由からです。いつもなら「正義は勝つ!」だのバカ騒ぎする神原弁護士や金良平が、ひたすら沈黙しているのも不思議です。どこか後ろめたいところがあるからでしょう。

■本件判決で感じたこと

現在、私たちは上告理由書の作成に勤しんでいます。詳しい内容は、これの完成→提出を待ってご報告させていただきます。

ここでは私が感じたことを申し述べさせていただきたいと思います。

清井先生も仰っていましたが、金良平が在日であることからか、裁判所の対応や判決は「過保護」な印象が拭えません。これは李信恵らとの訴訟合戦でも感じたことです。在日であることから、彼らの傍若無人に、まるでおどろおどろしく対処している感がありました。何がそんなに怖いのか!? むしろ被害者のМ君のほうが悪いかのような裁判官の態度には驚きました。私の対アルゼ訴訟終結以来久しぶりの本格的な訴訟合戦に関わることになりましたが、率直のところ、そう感じました。誤解を恐れず言えば、裁判所には、金良平や李信恵ら不良在日に対して過保護はやめて公正な審理を求めたいと思います。リンチの被害者が、望んだ学究の道を断念し、いまだに暴力のPTSDに苛まれているのに、一方では「反差別」「人権」などの美名のもとに講演で荒稼ぎ、弁護士会や行政などもそれに手を貸すなど、世の中狂っています。

また、神原弁護士は、私たちが心血注いで出版した6冊のリンチ関連書を「ミニコミ誌に近いローカル雑誌であり、読者はほとんどいないから、極めて少数」(控訴答弁書)と宣わっています。「ミニコミ誌」とは、発行数100部から、せいぜい500部程度で、せいぜい仲間内で配布するか、ほんの一部の書店に置くもので、雑誌コード(あるいは書籍コード)を付けて取次会社を通し全国の書店で販売を試みた、『紙の爆弾』の増刊号の6冊のムック本は、普通に見ても「ミニコミ誌」ではありません。言うに事欠いて失礼な物言いです。

この神原弁護士の言を真に受けて東京高裁は、「上記書籍が広く読まれていると認めるに足りる証拠はなく~」(判決文)と記載しています。

準備書面でも書き記しましたが、これら6冊の本の発行部数は、
【1】 第一弾『ヘイトと暴力の連鎖』    初版11,200部 増刷1,000部
【2】 第二弾『反差別と暴力の正体』    12,300部
【3】 第三弾『人権と暴力の深層』     11,900部
【4】 第四弾『カウンターと暴力の病理』   3,500部(CD付きにつき費用が嵩んだのと限定版にしたため、他の本よりも部数を少なくした)
【5】 第五弾『真実と暴力の隠蔽』     10,500部
【6】 第六弾『暴力・暴言型社会運動の終焉』 8,500部

と、出版不況の中にあって健闘していると自認しています。私もすっかり忘れていましたが、第一弾の『ヘイトと暴力の連鎖』は、1000部ですが増刷しています。売れていなければ増刷する必要はないわけですから。これだけの部数の「ミニコミ誌」はまずないでしょう。

リンチ被害者М君の心情に寄り添い、地を這う取材を元に編纂、出版したリンチ関連本。【第一弾】鹿砦社特別取材班編著『ヘイトと暴力の連鎖 反原連‐SEALDs-しばき隊-カウンター』/【第二弾】同『反差別と暴力の正体 暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』/【第三弾】同『人権と暴力の深層 カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い』/【第四弾】同『カウンターと暴力の病理 反差別、人権、そして大学院生リンチ事件』/【第五弾】同『暴力・暴言型社会運動の終焉 検証 カウンター大学院生リンチ事件』/【第六弾】同『真実の暴力の隠蔽 カウンター大学院生リンチ事件の闇を解明する!』

繰り返しになりますが、裁判所は、いつまでも<死んだ教条>にこだわらず<生きた現実>を見るべきでしょう。肝心なのは、過去の判例なる<死んだ教条>にこだわり、凶暴な狂犬を過保護して、人の命や危害が及ぶことを蔑ろにする態度を改めるべきではないでしょうか。森さんが重度障碍者の夫を持ち、介護に精一杯で、ほぼ無防備状態です。

森さんは、SNSでの言では“鉄の女”のイメージがありますが、実際は、結婚直後に重度の障害を負った夫を一人で守っているやさしい女性で、裁判所は、凶暴な狂犬を過保護するのではなく、むしろ森夫妻を狂犬から守ることを優先すべきではないでしょうか。

そして、原告・金良平は、大阪から関東に居を移しましたが、住所を明らかにせず(神原弁護士の所在地を「住所」としています)、職業も単に「会社員」とするだけで具体的に詳らかにせず、昼間からSNSに興じています。以前彼が書いた住所が、行ってみたら駐車場だったことがありますが、ここでも裁判所は「過保護」で許容しています。森さんにしてみたら、これほどの恐怖はありません。大阪から関東に移動し、どこに住んでいるかわからない凶暴な男が、いつ何時襲ってくるか、日々戦々恐々です。裁判所も、森夫妻の日常の情況を顧みよ!

■現代の黒百人組=しばき隊の暴力が社会問題化する中、金良平らが起こした集団リンチ事件を想起し、本件訴訟にご理解、ご支援を!

2014年師走に起きた集団リンチ事件を、姑息な隠蔽工作に耐え、事件後1年余りして私たちの元に駆け込んできて以来、裁判所、弁護士ら法曹関係者、マスメディア、「知識人」らによる、“見ざる、言わざる、聞かざる”状態に抗して、私たちは孤立無援に近い中、リンチ事件(と、この加害者、幇助者)追及、被害者支援に関わってまいりました。こうした中、山口正紀さん(元読売新聞記者。故人)や黒薮哲哉さん(ジャーナリスト)、尾﨑美代子さん(『日本の冤罪』著者)、そして森奈津子さんらが、被害者M君と私たちの必死の主張や活動に理解を示され、ご自身の意見を明らかにされました。

特に、山口正紀さんは、当初は信じられないといった態度でしたが、私たちがまとめた本を真剣に読まれ、すぐに理解され、裁判所に意見書(『暴力・暴言型社会運動の終焉』に所収。ぜひご一読いただきたい秀逸なものです)を書いてくださったり、末期がんで差し迫った死期をおして準備書面の校閲などもしていただきました。かつて、「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧事件でも、公判や判決ごとに、わざわざ身銭を切って来阪され、その的確なレポートを『週刊金曜日』(このころは北村肇さんが発行人としておられ、まだまともでした。今はしばき隊の広報誌のような雑誌になった感があります)に寄稿されました。

その後、北村さんは亡くなられましたが、北村さん、山口さん、それに内藤弁護士、「名誉毀損」出版弾圧事件の主任弁護人・中道武美弁護士など、鹿砦社の出版活動を理解し支えてくださった方々が相次いで亡くなられ、私たちにとって大きな痛手です。

昨今、「しばき隊」の名が表立って出てきました。金良平も、堂々とカウンター活動の現場に登場し虚勢を張っています。こういう徒輩が跳梁するのは言語道断ですし、まっとうな社会運動と誤認されたりすることは遺憾としか言いようがありません。これに手を貸すマスメディアや「知識人」らも少しは反省していただきたい。名の有る「知識人」やジャーナリストらが、私たちの問いかけや質問状などに、逃げたり無視したり沈黙したりしました。答えてくれたのはほんの一部で、それも形ばかりのものであったり、きちんと答えてくれたのはほんのわずかでした。「知識人」やジャーナリストといわれる人たちの真の姿を見たような気がしました。こういう時に真正面からぶつかるのが真の知識人でありジャーナリストではないでしょうか!?

カウンター活動の現場に顔を出し凄む金良平

いい機会ですから、金良平や李信恵らが犯した「カウンター大学院生リンチ事件」(別称しばき隊リンチ事件)を想起し、この反社会性、犯罪性を社会的に明らかにしなくてはなりません。

私たちが出版し世に問うたリンチ関連本をご一読いただければ、本件原告・金良平や、リンチに連座した李信恵ら加害者らの犯罪性、彼らに対する裁判所の過保護も理解できるでしょう。裁判所を「ファシズムの出先機関」と喝破したのはL・トロツキーだったと記憶しますが、まさに言い得て妙、本来の姿に立ち返っていただきたいものです。

とりいそぎ、対金良平訴訟控訴審のご報告にて。(文中、一部を除き敬称略)

高市早苗首相の大いなる勘違い「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」とは何か

足立昌勝(紙の爆弾2026年2月号掲載)

◆「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」とは?

2025年10月24日、衆議院本会議場で行なわれた所信表明演説で、高市早苗首相は、「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」という文言を2回繰り返した。これは、具体的に何を意味しているのであろうか。

首相が政治の師と仰ぐ安倍晋三元首相と作家・百田尚樹氏(日本保守党代表)との共著のタイトルは、『日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ』(2020年、ワック)であった。しかし、安倍氏の言葉は一つの理念を述べたもので、具体的に何をしたいのかは含まれていない。

また、安倍氏は2013年の参議院選挙の最中、「世界一を目指そうではありませんか。世界の真ん中で輝く日本をつくろうではありませんか」と演説した。これも、彼にとってのあるべき政治の姿を理念として述べたものである。

これに対し、高市首相の「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」というフレーズは、「取り戻す」という言葉に表れているように、これから行なうべき行動が示されている。つまり「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」という言葉に、彼女がこれから何をしようとしているのか、が含まれている。その言葉の意味を探り出すことは、非常に重要である。

高市首相は2025年10月21日の就任記者会見でも同じ言葉を語っていた。それ以前にも、同年7月8日に開催された安倍氏をしのぶ会で、「日本の外交力を強くするために、できる限りの力を尽くしたい」と述べ、「安倍さんが実現した、世界の真ん中で咲き誇る日本外交をもう一度よみがえらせる」と強調した。

しかし、ここに首相の大きな勘違いがある。安倍氏は「日本外交」とは述べていない。「日本外交」において「世界の真ん中で咲き誇る」や「取り戻す」と宣言したのは、高市首相である。この言葉には、一定の意味を込めているのだろう。

同11月7日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の岡田克也議員は質疑の冒頭で、次のように問うた。

「力強い日本外交を取り戻すということは、現状から変えるということを意味しておられると思うんですが、どういう意味でしょうか」。

岡田質問については、「女性に対してしつこすぎる」とか「誘導尋問」との指摘がネット上でなされているが、これは真逆の指摘である。首相に性は関係ない。首相という地位にいる人格に対する質問を、女性に対する質問ととらえることこそが問題だ。

高市首相の答えが以下である。

「2016年に安倍総理が、『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』を提唱されました。そして、その後、第一次トランプ政権でアメリカが抜けた後のTPP(環太平洋連携協定)、これをCPTPPとして日本が主導しました。さらには2018年、日EU経済連携協定、また日米合意の枠組みなどもできてきて、ちょうど2016年から18年、19年にかけて、この頃というのは、本当に世界で咲き誇る日本外交を目に見える形で私は経験できたというか、知った時代だったと思っております」。

これは岡田質問への回答になっていない。

いくつかの外交努力を挙げてはいても、その一つ一つがどのように世界の真ん中で咲き誇っているのかについての説明は皆無だ。また、取り戻すべき外交とは何なのか、どのようにして取り戻すのかについての説明もない。

自らの発した言葉が何を指しているのか、説明できなければならないのは、当然のことである。

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n3c4ec99d0508

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『紙の爆弾』3月号に寄せて

『紙の爆弾』編集長 中川志大

本誌発売直後に投開票される第51回衆院選。今回も情勢調査で「自民優勢」が連日報じられています。マスコミの「世論調査」の“信頼性”は今月号でも取り上げましたが、より大きな問題は、「公表数字をほぼ無批判に受け入れ、それを前提として政治評論を行なうのは、世論誘導に加担している」(「MEDIA KOKUSYO」主宰・黒薮哲哉氏)ことです。

一方、高市政権への対抗勢力の一番手とされる「中道改革連合」。「中道」ということは「右でも左でもない」ということなのでしょう。しかし、すでに「右左」の時代ではなく、「上と下」が重要であることは、一月号などで広岡裕児氏が指摘してきたとおり。高市政権は極右だから支持を集めているのではなく、極右であることが支持をためらう要因とはならないからです。その点では、まだ「生活者ファースト」の方がわかりやすく、利権者=非生活者=上との対決を打ち出せると思うのですが、消費税減税政策すらあまりにしょぼいために、争点を潰されました。なお、広岡氏記事についてはブログサイトnoteの「紙の爆弾」ページも記事を公開していますので、未読の方はご参照ください。

その結果が、争点なき総選挙。「大義なき解散」というと、はたしてこれまでに大義のある解散があったのか、との疑問がわいてきますが、「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか、主権者たる国民の皆さまに決めていただく」という、議会制民主主義を否定する解散理由は、これ自体、日本の政治の仕組みそのものを問い直す必要があることを意味しています。「首相に衆議院を解散する専権があるというのは一種の俗説」(植草一秀氏ブログ)であって、日本の「七条解散」の異常性をまず、認識しなければなりません。「争点」はなくとも高市首相の「目的」は明確なのが今回の総選挙。それゆえ、情勢分析よりも統一教会問題に焦点を当てるべきだと考え、鈴木エイト氏の「TM特別報告」分析を掲載しました。

また「高市早苗が内閣総理大臣でよいのか」とは、はまるでかつてのアイドル総選挙です。見た目重視の候補者が増えているのも、日本の政治状況をそのまま示しています。「それでも選挙になった以上、闘わなければしょうがない」は、ものわかりが良すぎるというのが正直な感覚です。AKB48ならばCDを買わないことで反対の意思表示ができました。下=市民がまとまって、政治そのものに対抗する必要を感じます。

その点で、ベネズエラに学ぶべきは日本です。年明け早々の米国によるベネズエラ急襲をきっかけに、「コムーナ」をはじめとしたベネズエラ独自の民主的政治システムに注目した人は多いのではないかと思います。今月号で掲載したエルナン・バルガス元コムーナ省副大臣の解説が、理解の助けになるとともに、ラテンアメリカの今を知ることの重要性を教えてくれます。そもそも「島国」日本人の海外情勢への関心の低さが、「嫌韓」「反中」に一気に押し流されてしまう近年の傾向の根本原因です。もちろん、解説を読むだけではベネズエラの人々の助けにはなりませんが、少なくとも入口にはなりえます。

ほか今月号では、マスコミが「3月までにマイナに切り替えなければ医療を受けられない」かの政権忖度・誤認報道を垂れ流したマイナ保険証問題、米中日対立の裏に隠された本当の関係、「子どもの自殺」が過去最高となるなかで“薬漬け医療”に誘導する教科書の問題など、今月も本誌ならではの情報をお届けします。
『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年3月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2026年2月7日発売

「TM特別報告書」が明かした統一教会の日本政界工作 鈴木エイト
植民地主義に抗う「真の民主主義国」ベネズエラ元副大臣が語る現地の実像 エルナン・バルガス
米国CIA・NEDの情報支配 アメリカによるベネズエラ侵略の真相 黒薮哲哉
「経済制裁」とCIA工作 米国による他国政権転覆二五〇年の歴史 木村三浩
「高市発言」を利用した米国戦略 米中日対立の裏の本当の関係 浜田和幸
堤未果インタビュー マイナ保険証メディア忖度報道と“防衛策”青木泰
精神病予防学会の策謀 再び偏見を教育する保健体育教科書 野田正彰
教職員の「精神疾患休職」「性犯罪・性暴力」増加の真因 永野厚男
ただの“資源”ではない中国レアアース問題が削り取る日本の未来 片岡亮
過去の「国旗法案」を振り返る 今なぜ国旗損壊罪の新設なのか 足立昌勝
異常な“制度”と異常な“後見人弁護士”「成年後見制度」という宿痾 鈴木慎哉
LGBT問題の現在② 大学と「ジェンダー」三浦俊彦
健康な人を病気にさせる「人体実験」日本で始まるヒトチャレンジ試験 早見慶子
日本の冤罪 平野母子殺人事件 尾﨑美代子
複雑怪奇政局破局小説「令和八年二・二六事件始末記」久多葉亭四迷

〈連載〉
例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

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藤本和貴夫氏の逝去に革命の意味を研鑽していた青春を想起する

鹿砦社代表 松岡利康

ロシア史専攻の藤本和貴夫さんの訃報が伝えられました。

藤本和貴夫氏の逝去を報じる朝日新聞2026年2月3日夕刊

藤本さんと出会ったのは学生時代でした。

当時の鹿砦社が出版した『赤軍の形成』に掲載されていた「赤衛隊から赤軍へ」という長い解説文を読んで講演に招いたことがきっかけとなりました。学生時代から当時の鹿砦社の本を読んでいましたが(一番感激したのは学費値上げ阻止闘争で逮捕され勾留された京都拘置所で読んだ『左翼エス・エル戦闘史』でした)、まさか、その私が鹿砦社の経営を引き継ぐとは思ってもいませんでした。早々、鹿砦社を紹介してくれたのも藤本さんでしたし、取次会社との契約更改の保証人にも就いていただきました。

卒業後も付き合いは続き、連続講座をやってもらったこともありました(画像参照)。

[右]かつて行った連続講座の案内(旧『季節』4号掲載、1980年11月10日発行。まだ20代でした)/[左]『季節』4号表紙。藤本氏のみならず、湯浅赳夫氏ら懐かしい名が。榎原均氏、さらぎ徳二氏も寄稿されてました。特集は「社会主義と民族問題」、今読んでも考えさせられます。学究畑の方も、名だたる党派の幹部も、混然と寄稿されているところに、この雑誌の特徴があります。この号はすこぶる好評で品切れです。時々、当時の『季節』を読んだという方に遭遇し、それだけで打ち解けます。

当時はまだロシア革命への幻想があって、この問い直しを試み、そして革命の意味を探究するということでした。反(非)日共系は、スターリン主義に反対しレーニン主義を問い直し、トロツキーから左翼エスエル、クロンシュタット叛乱、マフノ……などを読み込んだものでした。第一期トロツキー選集は全巻揃えたものですが、誰かに貸したままです。「ロシア革命の栄光であり誇り」といわれたクロンシュタットや左翼エスエルを弾圧したのが、軍を掌握したトロツキーという歴史の皮肉、今でもロシア革命が歪曲されたのは、ここのところだと思っています。私も、クロンシュタットについての論文を翻訳し掲載しています。

それにしても、私よりも上の世代、同世代、ちょっと下の世代がどんどん亡くなっています。中道武美、内藤隆両弁護士など、鹿砦社の裁判闘争を長年支えていただきました。

やり残しているものは何か?

焦りに苛まれます。

(松岡利康)

《表紙》『原子力明るい未来のエネルギー』 紆余曲折を経て 今は文字盤だけが倉庫に眠る(絵=鈴木邦弘)

https://www.rokusaisha.com/

国交省発表「旧森友学園用地から新埋設ごみ5000トン」の詐術 国有地から湧き出るごみは背任の証

青木泰(紙の爆弾2026年2月号掲載)

国有地は、国民の財産である。そこにごみが埋まっていれば、撤去に費用がかかって価値が下がり、国民の財産が失われる。第二次安倍政権時の大スキャンダル「森友事件」の現場である大阪府豊中市野田町の旧森友学園用地(以下、本件用地)は、すでに学園から返却され、国交省=国の所有地となっているが、国交省はなぜか3度目の調査を行ない、2025年10月3日に「5000トンの埋設ごみが見つかり、撤去費に6億3000万円を要する」と発表した。

森友問題に係わってきた筆者の見地からすれば、本件用地の埋設ごみはほぼ除去しており、5000トンものごみがあるはずがない。そもそも国交省自ら実施した最初の調査の時点で「1000トン」と言っていた本件用地で、なぜその5倍のごみが出てくるのか。この発表が虚偽であれば、今後国有地を買い受けた者や、斡旋した政治家が得をし、国は再び大きな損失を被ることになる。担当した国交省の役人は、国に損失を与えた背任の罪を問われることになる。

この発表を受けて、マスメディアは「従来の約2万トンの推計量の4分の1に減っている」と報道した。しかしこれは、本質ではない。これらマスメディアが情報欠落しているのは、国交省がこれまで本件用地を表1のように、時期的にはⅠ~Ⅲの3度にわたり調査し、そのたびに報告書を作っていることである。

その最初の調査は2010年であり、森友学園が借地する2015年より5年前のことだった。その調査は、今回と同じくレーザ探索によるもので、約1000トンの埋設ごみがあると報告していた。つまり、もともと埋設ごみが1000トンの土地から20倍の2万トンが出て、今度は5倍の5000トンが見つかったのである。もちろん、これらはもちろん事実に基づかない数字である。

この5000トンのごみは、地中から湧き出るように出てきた。その架空の話を科学的に調査し、真実を明らかにする。それが、今回の5000トン発表への核心的視点である。国有地を、次々と埋設ごみと利権が発生する土地にさせてはならない。2017年、本件用地の売却価格を調べた木村真豊中市議の情報公開をきっかけに、森友学園の小学校名誉校長が安倍晋三首相の妻の昭恵氏であり、安倍氏に忖度して鑑定価格の10分の1で売却したとの疑念が持ち上がった。国会での追及に対し、官僚たちが値引きの理由として挙げたのが、2万トンの埋設ごみであった。

森友事件として数年にわたる大騒動になったこの犯罪行為は、国会での虚偽答弁だけでなく、都合の悪い公文書を改ざんする不正まで行ない、善良な職員を自死に追いやった。国と国交省は、いま再び赤木俊夫さんのような犠牲者を出そうとするのか。それをさせないために、本報告を届けたい。

◆「2010年調査」とそれに基づく土壌改良工事

本件用地は、もともと1960年代に大阪国際空港(伊丹)の騒音公害訴訟を提起した住民が住んでいた住宅地である。しかし最高裁は、空港の離発着の騒音が、住民の受忍の限度を超えると判断しながらも、離発着時間の制限を求める住民の請求を棄却した。その判決を受けて、国交省大阪航空局は、本件用地―大阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)を買い上げ、住民の転居を進めた。

その結果、住宅地は歯抜け状態となっていたが、1995年の阪神・淡路大震災の発生を受けて、仮設住宅が造られ被災者を受け入れた。国交省は仮設住宅が撤去された後、同住宅地を震災避難公園として利用すると発表し、全ての住民が転居した。跡地の約半分を、豊中市が公園用地として国から約14億円で買い上げ、残った半分が本件用地である。

一方で、日本の平野部の田んぼや畑地は、河川の浸食作用によって数千年~数万年かけて土砂が堆積した堆積層を基礎にしており、戦後すぐには90%以上が農地として開墾されていた。戦後の工業化や都市化によって、農地は住宅地や商業地、工業団地に変えられていったが、その際、農地に岩石やコンクリート片、アスファルト片を投入し、土砂を加えて打ち固め、5~6年は養生を図り、安定させてきた経過がある。

そのため、地表面から3mほどの深さまでが盛り土層で、3m以深(それより深い)の層は堆積層である。本件用地もそのような構造となっていた。この盛土層は、公園として利用するのなら、埋設ごみはあまり気にならないが、建築物を建てようとすると、コンクリートや岩石などの除去が必要とされる。

国交省は、本件用地を、建築物を建てられる土地として活用を図るためであろう、2010年に埋設物を調査する本格的なレーザ調査を行なっていた。その結果が「平成21年度大阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)地下構造物状況調査業務」報告書(表1「Ⅰ-①」)。

2010(平成22)年1月作成で、作成者は国交省大阪航空局と大和探査技術株式会社となっていた。調査した面積は、本件用地(8770㎡)を含む、豊中市に売却して残った区画整理前の土地で全9492㎡である。GL(地表面)から深度3.0m、59カ所で地中レーダ画像を解析し、地下埋設物の可能性があると判断した時には、その形状・材質・埋設量などを把握するために試掘した。

報告書には、この59カ所の埋設物の種類や量が記載され、総量を1151.2トンとしていた。

その後、国(国交省・財務省)は、2015年5月、森友学園と本件用地の賃貸借契約を結んだ。そこには、第5条(土壌汚染および地下埋設物)で契約前に国交省が調査していた4つの報告書に記載された土壌汚染と埋設物の実態を確認し、第6条で賃貸中に森友学園が、前記5条で記載されている汚染や埋設物を除去した時には、除去費用は有益費として、国が森友学園に支払うことが約束されていた。
 
国交省は、レーザ探索した2010年の報告書のほかに、本件用地のボーリング調査など合計4つの調査を行なっており、森友学園に賃借するにあたって、本件用地に「土壌の汚染や地下埋設物」があることを契約双方が確認した。

賃借した森友学園は、2015年夏、(有)中道組に委託して、5カ所の鉛やヒ素の重金属で汚染された部分の土砂、合計1000トンを運び出し、重金属を取り除いた上で元に戻し、同時に埋設物953トンを撤去する土壌改良工事を行なって、中道組に代金(ごみの撤去8700万円、除染4500万円)合計1億3200万円を支払った。

前出の契約に基づき、2016年4月に森友学園は国から「有益費」としてその代金の支払を受けた(表1「Ⅰ-②」)。この経過を見ると、本件用地の埋設ごみを、国はⅠ-①の調査で1151トンと測定し、Ⅰ-②では森友学園がその84%にあたる953トンを撤去したことを確認して、その分の費用を国家予算から支払っている。

つまり本件用地に、もうほとんど埋設ごみがないことは、国(国交省・財務省)もわかっていたはずである。

◆「埋設量2万トン」は「8億円値引き」に合わせた数字

ところが、国交省は2016年4月に、森友学園に本件用地を貸し付けから切り替えて売却した(表1のⅡ)。その売却価格は鑑定価格9億5600万円より8億円安く、約10分の1の1億3400万円であった。その時に財務省と国交省が発表したのが、埋設ごみが2万トンあるという説明だった。

当時、産廃1トンの処理費は約4万円が相場であり、2万トンで8億円。つまり、2万トンは8億円を値引きするために使った架空の数値でしかなかった。そして、今回の5000トンである(表1のⅢ)。この5000トンを処理するのに6億3000万円の撤去費がかかるという。

つまり、次の売却先には、鑑定価格9億5600万円からこの金額を差し引いた3億32600万円、鑑定価格の約3分の1で売却するというのである。

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