ミャンマー(ビルマ)では、結婚相手を家庭内の女性が探してくることが、よくある。
「ミャンマー人と結婚したからには、嫁として、ミャンマー人女性が担うような役割を果たさなければ」
こう息巻いて、義弟T(38歳)のお見合い相手探しを始めたが、まったくうまくいかない。何人もお見合い相手を探しては、Tの理想に叶わないと断られる。私は「お見合いおばさん」としての自分の才覚のなさを、ひしひしと実感していた。

そんなある日、ミャンマー人の夫が、「思い出した」と言う。
「遠縁で、結婚する年頃の独身女性がいる」
この女性は、夫の母方の祖母の、ひ孫にあたる。日本では親戚のくくりに入らないほど遠縁だ。しかし夫は幼い頃より、この女性の一家のそばで暮していたため、遠縁という意識は、あまりない。
「彼女は、父親が早く亡くなり、シングルマザーの家庭で育った。そして彼女の母親は、学校の教員を務めながら、貧しいながらも、子どもの何人かを大学に進学させている」
ミャンマーの教員は誇り高く、社会で尊敬される対象だ。そうした女性に育てられ、しかも幼少期に貧しさを体験しているのならば、甘えたことを言わず、きっと、しっかり働くだろう。
私は、この女性こそ、Tのお見合い相手にふさわしいと思った。商いを行う我が家の女性は、家庭内・外を問わず、とにかく働かねばならないのだ。夫も私も、義妹もそろって、このお見合いは良縁と判断した。

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