もしも被告人が取調べで自白に追い込まれていたら、一体どれほどデタラメな自白調書が出来上がっていただろうか――。被告人が一貫して無実を訴えている冤罪事件を取材していると、そんなふうに考えさせられることがある。

たとえば、先月(4月)21日に札幌地裁が再審請求を棄却した恵庭OL殺人事件も、そんなふうに考えさせられた冤罪事件の1つだ。

事件の発生は2000年3月。千歳市内の運送会社で働いていた24歳のOLが恵庭市郊外の農道脇で真っ黒焦げの焼死体で見つかり、職場の同僚だった大越美和子さんという女性(当時29)が殺人罪などで逮捕、起訴された。大越さんは一貫して無実を訴えたが、2006年9月、最高裁に上告を棄却されて懲役16年の判決が確定。犯行動機は、大越さんが交際していた職場の同僚男性をめぐる恋愛関係のもつれだったとされている。

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