ある月刊誌の編集長が匿名を条件に言う。
「東電の広告を掲載すれば、少なくとも数百部は買い取ってくれました。うちみたいな数千部の雑誌にとってはとてもありがたかった。こうして東電マジックにかかって、オセロの某タレントではないけれど、東電に『洗脳』されていくのです」
また、私は東電の広報雑誌を作っている孫請けの編プロが、たかだか30ページの小冊子で、約500万円ももらっていたのを知っている。”孫請け”で500万円!
いかにもザル勘定な東電の乱脈広告戦略をかいま見ることができる、その編プロは、ほとんど「東電マネー」で成り立っている会社だったが、金銭感覚が麻痺していた。連日、社長が昼間から飲み歩いていたが、店で「東京電力」で領収書をもらっていた!!
実にふざけた話である。

東電の広告費について、さまざな検証記事が出ているが、「3・11」後も、東電の広告費はストップせず、約20億円も使ったことが判明している。
そうした中、先に取り上げた『週刊新潮』に続いて、今度は『週刊文春』に焦点をあてたい。
まず「文藝春秋社」として、少なくとも原発関連でさまざまな雑誌に震災前の1年間で「20ページ」ほど広告が出ている。

「要するに文藝春秋、とりわけ『週刊文春』の記者も金銭感覚が麻痺しているのでしょう。システムが変わっていなければ、取材経費は月に50万円、名刺で飲める店は赤坂・銀座にわんさかとあります」(元『週刊文春」記者)
東京電力と文春の「金満体質」は似ているというのだ。

『週刊文春』といえば、忘れられないのが、同誌が05年に行った、各編集部からの引き抜き騒動だ。
「少なくとも『フラッシュ』『フライデー』『週刊実話』からエース記者を引き抜きました。いちおう、アリバイとして新聞に記者募集広告を『形だけ』出しての露骨な引き抜き工作でした。『週刊文春』では、読売巨人軍の金での戦力補強を批判していますが、やり方としてはナベツネが率いる巨人と同じ『マネー漬け』戦法でしょう」(同記者)

『週刊文春』が震災直後に特集した「御用メディアが絶対に報じない 東京電力の『大罪』&経産省、原子力保安院との黒い癒着」なる記事は、確かに秀逸だった。
「しかしどうでしょう。赤坂や六本木あたりでは、東電の広報と文春の記者がそろって飲みにきたのをホステスが多数、確認しています。本当に東電に切り込んでの記事なのでしょうか。はなはだ疑問です」(全国紙記者)
何度も東電の記者会見に行ったが、『週刊文春』の記者が、東電広報に嫌がられるような鋭い質問をするのを見たことがない。

鹿砦社の松岡利康社長は語る。
「ホンマに困ったもんやね。地方でボチボチ出版活動やっていると、東京のマスコミ、出版業界の連中の動きには疎いけど、少しは反省してもらわんといかんわ。『新潮』同様、『文春』にも、これまでけっこう記事や情報収集などで協力してきましたが、アホらしいよね」
かつて大下英治、江川昭子、佐野眞一 、梶山季之、立花隆、麻生幾ら大御所ジャーナリスト・作家を輩出した『週刊文春』、ならびに文藝春秋社よ! 地に堕ちたのか。
ただちに「東電広告を出した反省」を誌面に掲載せよ!

(渋谷三七十)