この老人は、騒ぎ立てれば自分の思うように判決が変わると信じていた。そう信じる根拠とは、光市の本村氏が実現したじゃないか、ということだった。そして「本村氏を見習う」と権力に迎合する発言をはじめ、裁判所前の演説では日本の核武装まで主張した。
そして、裁判所前でいつものように不満と怒りの声をあげているとき、冤罪事件の被告人が、自分の無実と公正な裁判を訴えに来たら、それを妨害したのだ。よく、裁判所前では、裁判の当時者が情宣活動をする。これを保釈中の被告が一生懸命にやっていると、老人はハンドスピーカーで「あきらめろ」とか「バーカ」などと罵声を浴びせた。そのとき老人はニタニタとした嘲笑の表情であった。