鰻を知らない日本人はまずいないだろう。鰻のかば焼きが嫌いという人は、時々いるが、多くの日本人は好きな食べ物と答えるだろう。縄文時代の遺跡から鰻の骨が発掘され、万葉集にもその名前が出てくるぐらいに、古来より日本人は鰻を食べる文化があった。

しかしその生態を完全に知る者はいない。日本はおろか、世界中探してもいない。図鑑等では便宜上淡水魚に分類されているが、淡水魚ではない。古くは河川や湖で捕獲されてきたが、江戸時代になると江戸湾(東京湾)で多く獲れるようになった。近代まで日本の河川や近海に生息する生き物だと思われてきたが、研究を重ねられるうちに海を広く回遊することが知られてきた。産卵場所も1990年代になって、ようやくグアム島近く、マリアナ諸島沖であるということが判明したばかりだ。

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