333年前から続く湯治場──那須塩原温泉への旅

4月28日、29日と那須塩原温泉にいた。
ゴールデンウィークの入り口、寸前なので28日はまだ旅館が通常料金に近い。なんといっても行くなら本格的な硫黄温泉に入りたい。というわけであるが、縁もゆかりもないが、評判がやたらといい「湯荘白樺」に宿泊した。

 

肌寒い。まるで感覚としては冬で空気は澄んでいた。西那須野から。バスで40分ほど走ると塩原温泉バスターミルに着く。そこに旅館の車で迎えにきてもらった。山中、970メートルの山を登っていくと山桜がようやく咲き始めたのが見える。ゆっくりとだが、確実に少し私たちより遅れて春が「山」に来ているようだ。

天和2年(1683年)からすでにこの温泉はすでに湯治場として知られ、神経痛か肩こりリウマチ、胃腸の疾患に効くそうだ。

 

布団を敷きにきてくれた旅館店員は言う。
「泥パックを塗るといいですね。温泉に備え付けてあります。湯の中に入って、毛穴を開かせて10分間、塗っておいてパックすると白く乾きます。そうしたら洗い流す。私など1年間入ったら、腰痛がすっかり治りました」

那須町への観光者数は微増していて、平成27年度は 480万2,208人 (前年470万7,029人)前年比 102.02% 9万5,179人増)だからうまくいっているほうなのだと思う。実際、那須塩原は修学旅行地のメッカとしても知られ、小学校のときに宿泊したあまりにも有名な「ホテルニュー塩原」を38年振りに見たときは思わずため息が漏れた(何年経営しとんねん)。

 

あ、肝心の腰痛、ヘルニアだが実際問題、誇張ではなくて軽くなった。1日でかなり軽くなるということはやはり温泉は治癒効果があるのだな、と思う。まあ年をとったらこのあたりに住むのもいいかもしれないな、と思う。

いっぽうで、大分の湯布院温泉などは、熊本地震の影響でキャンセルが相次いでいるという。これは九州全体の旅館が打撃を受けており、2、3割値段を下げて必死に集客をしているようだ。機会があれば、熊本や大分にも赴こうと思う。それが震災地が元気になる最もてっとり早い手段だと信じるのみである。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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