調印式と記者会見に臨むメインイベント出場の羅紗陀(右端)とヤスユキ(左端)─

ニュージャパンキックボクシング連盟が4月1日より一般社団法人に認可されました。前日公開計量も恒例となったNJKF興行。話題の中心は2年ぶりの復帰となる羅紗陀(キング)の復調ぶりと、昨年の最優秀試合となった健太(ESG)vs 大和侑也(大和)戦の再戦。WPMFで世界を獲った一戸総太(WSR池袋)とWMAFで世界を獲った駿太がWBCムエタイ世界をも制覇へ乗り出し、その第一歩、WBCムエタイ日本フェザー級チャンピオン. MOMOTARO(OGUNI)への挑戦権を争います。

NJKF 2016.2nd / 5月8日(日)後楽園ホール17:00~21:30
主催:NJKF / 認定:NJKF、WBCムエタイ日本実行委員会
前日公開計量、調印式:5月7日後楽園ホール5F 展示場14:00~15:00

◆61.0kg契約3回戦

羅紗陀(キング/60.85kg)vs ヤスユキ(Dropout/61.0kg)
勝者:羅紗陀 / 3-0 (主審 山根正美 / 竹村 30-29. 和田 30-29. 小林 30-29)

2年前に折ったスネでキックも問題なしの羅紗陀

2014年2月の中嶋平八(誠至会)戦で右スネを骨折した羅紗陀が復帰し、話題のヤスユキに激しい攻防の中、羅紗陀の我武者羅な攻めの、一発の破壊力を持つパンチも決め手に成らずも僅差の判定勝利。羅紗陀は右スネを蹴られる場面もあるも、ブロックも蹴って出ても問題ない動きで、駆け引きの緊迫感ある展開の中、終了。5回戦でやるべきカードだった。

◆WBCムエタイ日本ウェルター級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.大和侑也(大和/66.5kg)vs 健太(前チャンピオン/E.S.G/66.35kg)
勝者:健太 / 0-3 (主審 多賀谷敏郎 / 竹村 47-49. 和田 47-49. 小林 46-48)

日本人キラーだったゴンナパーからダウン奪ったハイキックも多様した健太

一発貰えば敗北の危機は昨年同様。大和侑也も諦めないラッシュ

健太が昨年のベストバウトとなった大和侑也戦で敗れた試合の雪辱戦に勝利して王座奪回し、第6代チャンピオンとなる。3Rに右フックでダウンを奪い、ポイントを守りきる。

一発貰えば敗北に繋がる緊張の攻防。一戸総太のパンチ

◆WBCムエタイ日本フェザー級挑戦者決定戦(58.0kg契約) 5回戦

WPMF世界フェザー級チャンピオン.一戸総太(WSR池袋/57.76kg)vs 駿太(谷山/58.0kg)
勝者:一戸総太 / 3-0 (主審 竹村光一 / 多賀谷 50-48. 和田 50-48. 山根 49-47)
一戸総太が的確差で優り勝利を掴み、MOMOTAROへの挑戦権を獲得。

◆66.0kg契約3回戦 

WBCムエタイ日本スーパーライト級チャンピオン.テヨン(キング/65.8kg)vs 喜入衆(フォルテス渋谷/65.85kg)
勝者:テヨン / TKO 1R 1:32 / 主審 小林利典

パワーあるハイキックで距離感を掴んでいくテヨン

テヨン(キング)がベテランの喜入衆(フォルテス渋谷)を左ストレート一発で倒す、カウント中のレフリーストップ。

◆NJKFスーパーバンタム級王座決定戦 5回戦 

次回興行のタイトルマッチで対戦するチャンピオン.MOMOTAROと挑戦権獲得した一戸総太

1位.金子貴幸(GANGA/55.26kg)vs 2位.雄一(TRASH/55.05kg) 
勝者:金子貴幸 / 3-0 (主審 和田良覚 / 多賀谷 50-46. 竹村 50-46. 小林 50-47)

金子貴幸(GANGA)が雄一(TRASH)に距離感を支配し、ダウン奪って判定勝利、NJKFスーパーバンタム級王座決定戦を制し、第5代チャンピオンとなる。

◆67.0kg契約3回戦

NJKFウェルター級チャンピオン.浅瀬石真司(東京町田金子/67.0kg)vs 栄基(MTOONG/66.78kg) 
勝者:栄基 / 0-3 (主審 山根正美 / 和田 28-30. 小林 28-30. 竹村 28-30)

若武者会主催のDUELでのラウンドガールとNJKF興行でマスコットガールを務めるタレントの菜緒さんと勝利のツーショット

元NKBウェルター級チャンピオンで現J-NETWORKウェルター級チャンピオンの栄基が過去倒している浅瀬石を返り討ち。

◆NJKFスーパーライト級挑戦者決定戦3回戦

1位.嶋田裕介(Bombo Freely/63.35kg)vs 2位.一輝(OGUNI/63.65→63.5kg)
勝者:嶋田裕介 / 引分け1-0.延長戦2-1
(主審 多賀谷敏郎 / 和田29-29.9-10/ 小林29-28.10-9/ 山根29-29.10-9)

いつも終盤になると怒涛のラッシュを懸ける一輝、嶋田の蹴りの攻勢に傾いたか、微妙な見極めの結果。

◆その他3試合

主要カードを飾る名選手が多くなった時代で、突出した実力や個性が無いと、更なるこの時代のエース格に選ばれ難いところ、羅紗陀はその風格を持ちつつ、怪我による戦線離脱が長く、勿体ない時間を過ごしました。元・日本ウェルター級チャンピオンだった父親(向山鉄也)に似た風貌やファイトスタイルも強いインパクトを与えています。自らも国内王座奪取し、タイトル歴は父親に追いついたものの、まだ名勝負は少ないところ、それは今後に期待です。

首都圏での興行は7月3日(日)NJKF若武者会主催のDUEL.7が新宿フェースで開催。7月23日(土)はディファ有明の昼の部でWBCムエタイジュニアリーグ第2回全国大会、夜のプロの部でNJKF 2016.5thが行われます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」