幸太vs 石川直樹。石川の猛攻でスタミナ、バランス失い崩れる幸太

離れても組んでもヒザ蹴りで圧倒した石川直樹

5月14日のノンタイトル戦で幸太のパンチで苦戦し、調子付かせてしまった石川直樹は、今度は首相撲からヒザ蹴り地獄でねじ伏せる圧勝。

第1ラウンドは幸太のパンチが優勢。このまま引きずれば幸太のリズムで勝利を導きそうな中、第3ラウンドから石川は戦法を変え、得意の首相撲からヒザ蹴りにもっていくと流れが大きく変わり石川が優位に立つ。第4ラウンドはそのピッチを上げ、ヒザ蹴りの猛攻で2度のダウンを奪って圧倒のノックアウト。首を掴まれてのヒザ蹴りに為す術が無かった幸太はランキング戦から出直しとなる。

瀧澤博人は王座陥落後、この日の再起2戦目は引分けるも、技を酷使した好ファイトを展開。初回から長身を利した左ジャブと前蹴りけん制し、距離が縮まっても突き上げるようなヒザ蹴りを背の低いウィラポンレックの顔面を狙う。パンチ中心に多彩な蹴りとスピードを持つウィラポンレックとの距離の掴み合いでクリーンヒットは少ないが技の攻防が随所で観られた試合。

NJKFからやって来たNAOKIは7月2日にNJKFライト級王座奪取したばかりで、過去、梅野源治と引分けているヨーペットと対戦も攻略できず完敗。技の柔軟さ、蹴るタイミング、組めばヨーペットのバランスの良さでヒザ蹴りへの繋ぎも速いヨーペットが優りました。

◎KICK Insist.7 / 2017年11月19日ディファ有明15:30~20:05
主催:ビクトリージム / 認定:新日本キックボクシング協会

◆メインイベント 日本フライ級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.石川直樹(治政館/50.6kg)vs 挑戦者1位.幸太(ビクトリー/50.8kg)
勝者:石川直樹 / KO 4R 2:28 / 10カウント / 主審:仲俊光

石川直樹初防衛。治政館ジム長江国政会長(左)と新日本キック伊原信一代表に囲まれての勝利のショット

◆56.0kg契約3回戦

瀧澤博人(元・日本バンタム級C/ビクトリー/56.0kg)
   vs
ウィラポンレック・ギャットゴーンプン(元・タイ北部フライフ級C/タイ/54.8kg)
引分け / 0-1 / 主審:椎名利一
副審:桜井29-30. 仲29-29. 宮沢29-29

瀧澤博人vsウィラポンレック。至近距離からのヒザ蹴りが上手かった瀧澤博人、技が冴える試合が続く

引分けながらツーショットに収まるウィラポンレックと瀧澤博人

◆62.5kg契約3回戦

NJKFライト級チャンピオン.NAOKI(立川KBA/62.5kg)
   vs
ヨーペット・JSK(タイ/62.0kg)
勝者:ヨーペット・JSK / 判定0-3 / 主審:和田良覚
副審:椎名27-30. 仲29-30. 宮沢27-30

NAOKIvsヨーペット。ヨーペットのバランスいいハイキック

◆63.0kg契約3回戦

日本ライト級1位.永澤サムエル聖光(ビクトリー/63.0kg)
   vs
夢センチャイジム(センチャイ/62.8kg)
勝者:永澤サムエル聖光 / 判定2-0 / 主審:桜井一秀
副審:椎名29-29. 仲30-29. 和田30-29

永澤サムエル聖光が僅差ながら夢センチャイジムに勝利

◆68.5kg契約3回戦

日本ウェルター級1位.政斗(治政館/68.2kg)
   vs
ピラポン・ギャットアノン(タイ/67.0kg)
勝者:政斗 / 判定3-0 / 主審:宮沢誠
副審:椎名30-29. 桜井29-28. 仲30-29

政斗がピラポンに判定勝利

◆ミドル級3回戦

日本ミドル級1位.今野顕彰(市原/72.1kg)
   vs
J-NETWORKミドル級10位.小原俊之(キングムエ/72.2kg)
勝者:小原俊之 / TKO 3R 2:51 / ハイキック / 主審:和田良覚

小原俊之が今野顕彰をハイキックで倒しTKO勝利

NJKFからやって来た村中克至、ハイキックでダウン奪って直闘に判定勝利

馬渡亮太がベテランの阿部泰彦に僅差の判定勝利

◆61.5kg契約3回戦

日本ライト級2位.直闘(治政館/61.35kg)
   vs
NJKFライト級2位.村中克至(ブリザード/61.0kg)
勝者:村中克至 / 判定0-3 / 主審:桜井一秀
副審:仲28-29. 宮沢28-29. 和田28-29

◆55.0kg契約3回戦

日本バンタム級2位.阿部泰彦(JMN/54.8kg)
   vs
日本バンタム級4位.馬渡亮太(治政館/54.8kg)
勝者:馬渡亮太 / 判定0-2 / 主審:椎名利一
副審:仲29-30. 和田29-30. 桜井29-29

◆フェザー級3回戦

日本フェザー級7位.櫓木淳平(ビクトリー/56.8kg)
   vs
角チョンボン(CRAZY WOLF/56.3kg)
勝者:角チョンボン / 判定0-3 / 主審:宮沢誠
副審:椎名28-29. 和田29-30. 桜井29-30

◆55.0kg契約3回戦

日本バンタム級5位.田中亮平(市原/54.6kg)
   vs
高橋茂章(KIX/54.8 kg)
勝者:田中亮平 / 判定3-0 / 主審:仲俊光
副審:和田30-28. 宮沢30-28. 桜井30-28

角チョンボン、判定勝利(左)。田中亮平、判定勝利(右)

◆フェザー級3回戦

金子大樹(ビクトリー/57.0kg)vs 渡辺航巳(JMN/57.0kg)
勝者:渡辺航巳 / TKO 2R終了 / 金子の負傷による棄権
主審:椎名利一

◆フライ級3回戦

細田昇吾(ビクトリー/50.6kg)vs 平野翼(烈拳會/50.1kg)
勝者:細田昇吾 / TKO 2R 2:20 / 主審:仲俊光

渡辺航巳、TKO勝利(左)。細田昇吾、TKO勝利(右)

◆ミドル級2回戦

徳王(伊原/72.4kg)vs 都築頼秋(ダイケンスリーツリー/71.6kg)
勝者:都築頼秋 / 判定0-3 (18-20. 19-20. 19-20)

◆61.5kg契約2回戦

林瑞紀(治政館/61.5kg)vs 梅木裕介(トーエル/61.1kg)
勝者:林瑞紀 / 判定3-0 (20-18. 20-18. 20-18)

◆70.0kg契約2回戦

高橋デミアン(伊原/69.8kg)vs RYOTA(トーエル/69.9 kg)
引分け 0-1 (19-20. 19-19. 19-19)

《取材戦記》

最終試合の石川直樹の首相撲からガッチリ固めてのヒザ蹴り猛攻は、“ヒザ蹴り地獄”と言えるものでした。昨年10月23日、泰史をTKOに破り日本フライ級チャンピオンになった後、今年1月11日、ブンピタックにムエタイ技の壁に阻まれ完敗。5月14日には幸太と引分け、今回は真価を問われる初防衛戦を、メインイベントを飾るに相応しい圧倒のノックアウトとなって株を上げた石川直樹、まだ初防衛したばかりで、遠慮がちなマイクアピールの中、「防衛を重ねて世界を目指したい」と語りました。目指す“世界”もいろいろある訳で、険しい道となろうとも群集が認める最高峰を目指していって欲しいものです。

新日本キックボクシング協会にとっては最後のディファ有明となった今回の興行。老朽化もあるようですが、東京オリンピックの拡張工事に備え、来年6月末で閉鎖が決定しています。最終興行が何であるか分かりませんが、格闘技興行でなくても最後のイベントでディファ有明の最後を見届けたいものです。

リング上の勝者のクローズアップ撮影は主に、次回興行のポスター、パンフレットの対戦カード、各媒体での対戦者同士の並び写真等に使用する目的で撮られるもので、また単に勝者がデータ上で分かるように撮る場合もあるでしょう。せっかくファイティングポーズを撮ったのに、使わないのも勿体無いので選手の存在を活かし、勝者ポーズを載せられる範囲で用意してみました。微力ながら顔が売れてくれればと思います。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

タブーなき『紙の爆弾』12月号 安倍政権「終わりの始まり」

一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』