《11月のことば》冬が来る前に まだ間に合う(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

ついこの間までの猛暑が嘘のように秋が深まって来ました。

やがて冬がやって来るでしょう。

今月の言葉をそのまま読めば、やがてやって来る「冬が来る前に」、資金繰りなどいろいろ準備したら、年越しにも「まだまにあう」ということでしょう。

しかし、11月の言葉を揮毫した龍一郎や私たちには、“もうひとつの意味”があるのです。

2011年3月、東北を襲った大震災は多くの尊い犠牲者を出し、あろうことか福島の原発事故を引き起こしました。

この年の11月、鹿砦社常連ライターの佐藤雅彦さんが急遽出されたブックレットが『まだ、まにあう!』でした。

佐藤さんは、かの旧ソ連、今のウクライナに在ったチェルノブイリ原発事故の翌年に福岡在住の主婦、甘蔗珠恵子(かんしゃ・たえこ)さんが原発の危険性を訴えて出版された『まだ、まにあうのなら ── 私の書いた いちばん長い手紙』(地涌社)に触発され、これから書名を採っています。同じ福岡在住の書家・龍一郎も、これに感銘し揮毫したのが11月の言葉です。まだ少し在庫がありますので、ぜひご一読お願いいたします。

ちなみに佐藤雅彦さんにはこの他にもいい本がありますが、私たち版元の力不足もあり、なかなか評価されません。書名だけ挙げておきます。どれも博覧強記な佐藤さんらしい本です。

『もうひとつの憲法読本 ── 新たな自由民権のために』
『もうひとつの反戦読本』
『イラク侵略のホンネと嘘 もうひとつの反戦読本2』
『爆発危険! テロ米国「トモダチ」安保 もうひとつの反戦読本3』
『もうひとつの広告批評1 消費者をナメるなよ!編』
『もうひとつの広告批評2 選挙民をナメるなよ!編』
『食べたらあかん! 飲んだら死ぬで!── 食の安全読本』
『ロックはこうして殺された』
『芸能スキャンダルの闇を読む』
『現代語訳 幸徳秋水の基督抹殺論』
『ハリウッド犯罪調書マグショット』(ジョージ・セミナラ=著 佐藤雅彦=訳)

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年11月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年秋号