スラップ訴訟反対  被害者支援の会」を仲間のジャーナリストと立ち上げ、私は管理人となった。きっかけは、盟友のジャーナリスト、片岡亮氏が書いたブログに対し、ボクシングの亀田大毅と興毅が訴訟していきたことによる。記事は、亀田大毅が昨年の世界戦で、ボクシングのグローブを「どこの国のグローブを使っても良い」と亀田サイドが相手がたに伝えた。ところが実際は、亀田サイドは、本当は相手に日本のグラブを使って欲しかったのだ。

試合を有利に運びたい亀田サイドは、亀田興毅らがJBCのスタッフを監禁し、相手がたのグラブを日本のものに変えてくれるように伝えるように頼んだ。だがどのグラブを使うかは、試合する当事者どうしの話で、JBCが絡む筋合いのものではない。
JBCのスタッフがその旨を告げると「どうにかしてくれや。コミッション料金を払っているだろうが」とビデオをまわしながら興毅が言う。言質がほしかったのだろう。
JBCスタッフは、「試合のコミッションをもらっているのであって、別にあなたたちの代理人じゃない」と言い返した。当たり前の話である。JBCは審判やリングガールなど中立な立場だからだ。

そんな内容が書かれたブログに2000万円とは、スラップ(恫喝)訴訟以外の何ものでもない。そもそも、この「監禁事件」の話は東京スポーツでも報じられているがこちらはスルーである。こうしたスラップ訴訟がはびこれば、金持ちはどんなに悪いことをしても「セレブ層は金があるから記事を書かれない」という状態となる。これは、決して健全な状態とはいえない。かつて、鹿砦社もアルゼやバーニングなどの「経済的強者」にスラップ訴訟を仕掛けられ、かなり苦しんだ。鹿砦社の松岡社長は、スラップ訴訟に敢然と立ち向かい、「ペンのテロリストであり続ける」と今もなお宣言している。あとに続く者たちがペンを折るわけにはいかない。亀田家の暴走を許してはいけない。それが会を立ち上げた動機である。

ただでさえ「秘密保護法案」でペンの力が鈍ろうとしている。なにを取材するにせよ、役所の情報がとりにくくなっている。

かつてサイゾーでコメントしただけの鳥賀氏が、出版社をスルーしてオリコンに5000万円も訴訟されたスラップ訴訟も驚いたが、ただの個人ブログに2000万円の訴訟を提起してきた亀田サイドの神経も信じがたい。これから亀田サイドと片岡氏の裁判が始まる。このスラップ訴訟は、「ペンのテロリスト」としては捨て置けない問題だ。あらゆる報道のプロたちも注視すべきである。今後、スラップ訴訟について、心あるメンバーとともに考えたい。そして、ひとりでも多くの支援者を切に望むので、この場を借りで告知させていただく。また詳細は後日、書きたいと思う。

(小林俊之)