「ドラマ『運命の人』を見たすぐあとに普天間のことが報道されると、政府がまたなんらかの裏取引をしているんじゃないかと勘繰るよね」(全国紙政治記者)

「勘繰りたくなる」報道というのは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の補修費として、2013年度から8年間で約250億円を負担するよう、米政府が日本政府に求めている件だ。
「ファースト・コンタクトとして日本側のリアクションは、長期の大規模補修に応じれば普天間の固定化につながるとして、難色を示しています。しかし米側の要求はより具体的で日本側が『250億円の根拠とは何か』と補修項目と積算根拠を示すよう求めたところ、米側は13年度から8年分の年度別リストを提示してきたようです」(軍事ジャーナリスト)
なぜ、移転がこれだけ議論される飛行場の修理代を要求されなければならないのか。沖縄に基地をあと何年、押し付ければすむのだろうか。

米側に言わせれば、下士官兵舎や飛行場正門の補修などを先行させ、安全性の観点から補修が必要とされてきた滑走路の整備は8年間の後半に盛り込こんだという。
「米側の主張は『セイフティ・ミリタリーベース』つまり、安全な基地の構築です。だが何度もヘリが墜落するなどしている現状で、その主張はむなしいですし、ゆさぶりをかけてきているのは子供でもわかります」(沖縄住民)

どのようなゆさぶりなのか。
「アメリカは普天間飛行場を固定する狙いです。 アメリカはそもそも、普天間は危険だから閉鎖、嘉手納基地に統合しようとしていました。そこを、自民党および、民主党政権が「辺野古ではどうでしょう」とゴネた。その裏では、ゼネコンも絡んで、膨大な利権が生まれる土壌があった。これを嗅ぎ付けたアメリカはへそを曲げたのです。現に、小沢一郎も辺野古近郊に土地を購入しています」

田中直紀・防衛大臣は5日、こんな答弁をしていた。
「普天間基地は固定化しないという大前提で臨んでいるが、すでに50年たっている状況で安全対策も必要だ。固定化はしないわけだから、できるだけ補修費も必要最小限に抑えていくことが大事だ」

田中直紀よ、何を言っているのかわかっているのか。
固定化をしないなら、どこへ移設するのか示すべきで、補修費を是認したら、「どうぞ、ずっといてくださってかまいません」という話になる。

結論を出そう。野田首相よ! 沖縄に飛んでもう一度、県民と協議せよ。
09年のマニフェストに民主党は「普天間飛行場は最低でも県外に」と書いた。これは、鳩山首相(当時)が辞任に追い込まれたほどのトピックであるが、まだ解決しない以上、すぐに解決せよ。消費税の増税論議はそれからの話である。

(渋谷三七十)