2020年東京五輪より先にコンビニからエロ本が消えるXデー

若い頃エロ本のお世話になった人というと、およそ1985年以前が中心というデータが出版の取り次ぎ会社にある。

今や書店からほぼ完全に姿を消し、コンビニの棚の隅にひっそりと息づいているだけのエロ本は、斜陽化が進む出版界においてもレッドリストの筆頭に入る絶滅危惧種、昭和最後の名残なのだ。

「東京五輪・パラリンピックまでにコンビ二の棚からエロ本はなくなるという噂が出版界では広がっています。諸外国に対する配慮からですよ」(全国紙社会部記者)

エロ本の息の根を止めたのはインターネットだった。出版不況がいわれ始めてはいたが、まだまだ本が売れていた20世紀末、エロ本業界では局部のスミ消しがモザイクに変わり、薄消し競争で内容が過激化して逮捕者まで出していた。その過激なコンテンツが〝自炊職人〟たちの手によって、ネット上に無料で大量に撒かれ始めたのだ。これでは誰もカネを出してくれない。

「ネットサーフィンを初めて、自分が作っている本の名前で検索結果を見て凍りつきましたよ。一所懸命人集めて、会社のカネとはいえ大枚払って撮影して、何度も大切に使っていた写真が、タダでばらまかれているんですもん。一瞬怒りましたが『ああ、こりゃもう誰も買ってくれなくなるな』とすぐに悟りました」(編集者)

でもその頃のネットはまだ通信速度が遅く、動画配信には負担が重すぎた。だからエロ本は、当時普及し始めていたDVDを付録に付けた。部数は伸びたが、外すと途端に落ちるので、DVD付録は必須になった。やがて読者は本体の写真よりも付録のDVDを重視し、エロ本書店が多かった神保町の駅のトイレには、DVDだけ抜かれれたエロ本が散乱していたという。

そして光ファイバーの登場で動画送信がスムーズになると、YouTubeの勃興とともに無料エロ動画サイトが乱立する。毎月お気に入りを探して書店に行って1000円の本を買ってDVDをセットするより、ネットにつないでAVアイドルの1分サンプルや、無修正の海外ハードコアの方が簡単便利実用的しかもタダ。勝てるわけがない。

そんなエロ本の動向を先取りしたジャンルが「性生活告白本」だった。20世紀末に隆盛を誇った、文字ばかりの本なのだが、読者層は70代男性、つまりは年金生活者。彼らが若かったころの思い出を綴った本で、昭和初期の性風俗を知る上での格好の資料でもあったのだが、よほどのマニアでなければ若者は買わない。その告白本を支えていた読者は、今ではもう80代から90代。こうしてこのジャンルは、ひっそりと書店の棚から姿を消した。

そして2020年の『東京五輪・パラリンピック』がやってくる。外国人が立ち寄るコンビニにエロ本が置いてあるのは、国の品位にかかわる。ちなみに東京都庁が毎月指定している〝不健全図書〟に、エロ本はない。コンビニでのエロ本は、置く棚を他の本とは別にする〝分別販売〟を東京都が推進し、業界も遵守しているので、うっかり不健全図書に指定すると雑誌の業界団体がうるさい。

ところが出版関係者が心配しているほど「東京五輪」はエロ本がコンビ二から撤廃されるお題目になっていない。

不健全図書の指定を管轄する「東京都庁・青少年治安対策本部総合対策部青少年課」に「東京五輪までにコンビ二からエロ本が全部撤去されるという噂が出ていますが」と聞くと「そんな話はでていません。確かに、コンビ二からエロ本を撤廃しろという都民のかたのご意見はちょうだいしたことがあります」とのこたえ。

しかしコンビニは書店ではない。エロ本も経済誌も弁当もジュースも、回転率と利益率で判断される商品のひとつだから、棚の効率が悪ければ他の商品が取って代わられる。エロ本を棚から撤去するのは、各チェーン店担当者のお心ひとつだ。絶滅寸前の書店売りエロ本に至っては、数は減っても過激なままだったので、すぐさま警察から呼び出しが来る。

「最後に桜田門(警視庁)に呼び出された時はキツかったですよ。いつもは担当部署の方の指示どおりに始末書を書くのですが、その時は取調室に案内されて座った瞬間『お前、警察なめてんのか!』。ビビりましたよ。あんなに本気の担当者を見たのは最初で、多分最後。『今度なんかあったら、そのまま行くからな』で、社に戻って必死に善後策を検討しました。その後は事なきを得ていますが…」(前出)

ここでひとつ豆知識を。書店売りのエロ本は、モザイク修正が始まった頃から、自主規制で〝18禁〟マークをつけることになった。それに対してコンビニ売りは、18禁を置くのが望ましくないのでマークをつけず、その代わり〝小口止めシール〟という、立ち読みができない姿で売られていた。そして18禁の書店売りはわいせつ図画で警視庁が、コンビニの小口止めは青少年への有害図書で都庁が、それぞれ取り締まるという協定が今でも生きている。

こうしてエロ本の読者は、ネットリテラシーの低い中高年が購買層のメインになった。そういう中高年男性が、コンビニで弁当とお茶とエロ本を買う姿は悲哀を誘うが、エロ本業界はさらに悲哀の底にある。今の部数では、自社でコンテンツを制作する予算がないので、AVメーカーから動画はもちろん、静止画(AVメーカーが広報用に撮る写真)まで借りてきて本を作っている。しかも超低予算で「他の企画と抱き合わせでないと商売にならない」とは某編集プロダクションの編集長。部数はそこまで落ちているのだ。

「コンビニでは2万部売れればいいほう。書店だけのエロ本は1万部切っています。5年前の半分ですよ」(取り次ぎ関係者)

エロ本の作り手には、ここに来て、決定的な試練が待っている。権利関係の管理が厳しくなってきたAVメーカーが、出版社に素材を提供しなくなる可能性があるのだ。

「女優を強制出演させているという批判が集まる中、AVメーカー側はいま肩身が狭い。AV女優にも肖像権があるという判決が出て、簡単に宣材(宣伝用の動画や現場のスチール写真など)を出版社に貸しだしできなくなっています」(編集プロダクション社員)

都庁や警察が動かなくても、読者の高齢化と素材の枯渇から、エロ本はやがて自然消滅する運命にある。しかもそれは、遠い日ではない。

▼高山 登(たかやま・のぼる)
長くエロ本編集に携わる。編集好きが高じてDTPソフトで表紙まで仕上げる編集機械。ライターとしての守備範囲は広く、芸能スポーツ以外は何にもで首をつっこむが、軍事と特撮とかわいい動物にはそれなりの薀蓄を持つ。社命で経営まで関わった事があり、一時Excel恐怖症から鬱になるが、最近復帰した。
◎プロデュース/ハイセーヤスダ

 
大高宏雄『昭和の女優 官能・エロ映画の時代』

鎌田慧さんと神田香織さんが東電本店前で叫ぶ──『NO NUKES voice』ルポ〈2〉

東京電力が引き起こした原発事故から6年。2017年3月11日には東京電力ホールディングス本店前で抗議行動が行われた。前回に続き、現場の様子と参加者の声を紹介する。まずは、ルポライター・鎌田慧さんのスピーチだ。

鎌田慧さん

◆早く帰れという政府に対して、少しでも文句を言いなさい
 ルポライター・鎌田慧さんのスピーチ

あれから6年が経ち、福島の人たちの生活はますます苦しくなっています。そして、みなさんご存知のように、3月いっぱいで自主避難者の住宅補助を削るということになっています。こういう非人道的なことが許されるのか。20mSv以内であればとにかく帰れという、こんな無情な国家、非情な国家があるかということです。

今の内閣には、人の悲しみとか苦しみとか主権とか未来とかそういう考えが全く無い。彼らには全く考える力がない。3月いっぱいで終わるという自主避難者に対する住宅援助の打ち切りをやめさせるために、私たちはあらゆる力を尽くしていかなくちゃいけない。

また、東電はあれだけの大災害を発生させておいて、一言も反省しないで原発を再稼動しようとしている。事故を起こしておきながら、被害者に責任を押し付けている。東電はここへ出てきて謝れ。被災者に謝れ。6年間も故郷を追われた人たちに謝れ。そして、早く帰れという政府に対して、少しでも文句を言いなさい。全く君たちはのほほんとしている。

それから、核兵器につながる道を確保していこう、というのが政府の指針としてあります。私たちの原発を潰す運動は、日本が核武装しないという運動に直接繋がっている訳です。そういう意味でも、私たちは自分たちの運動に自信を持って断固として戦っていく。再処理工場は認めない。原発の再稼動を認めない。決して挫けてはいけない。決して諦めてはいけない。みなさん寒い中大変ですが、今日も1日頑張りましょう。

◆抗議行動中、俄かに騒がしくなる

抗議行動中、俄かに騒がしくなる場面があった。“天皇制反対”を唱えるグループがデモ行進で側を通りかかったことによるものだ。周りを取り囲む警察官の数も多く、また、それに続く右翼の街宣車などもあった。主題とは関連が薄いが、いくつかの写真を掲載しておく。

 
 
 

◆最後に見た景色はカモメの群れか、原発建屋の破片か
 講談師・神田香織さんのスピーチ

もう一人、講談師の神田香織さんを紹介しよう。聞き取りやすい声と力強い言葉選びはさすがといったところだろうか。

忠臣蔵という有名なお話があります。責任を取って全員切腹をするんです。それがどうですか。この原発事故で最も責任の重い会社では誰一人責任をとってないし腹も切ってないじゃないですか。こんなことじゃ亡くなった方は報われませんよ。新しい仕事っていうのは、必ず責任の所在をはっきりにして、それからじゃなきゃ始まらないんです。

私たちはもう6年間も待ってるんですよねえ。もう限界だと思いませんか。避難者の皆様への住宅支援を打ち切るという暴挙にすら出ようとしております。苦しめられて苦しめられて、そしてまた住まいを奪うというような、こんなイジメってないじゃないですか。まず責任を取るべき自分たちがそこに移り住むべきなんですよ。

この間飯舘村に行ってきました。なんと、あの美しかった村のほとんどのところにフレコンバッグの山ですよ。そこへ戻れ戻れって、いったいどういう神経でそういうことが言えるのかと思いますよ。

責任を取るべき人たちが全く責任を取らないがために、このようにおかしなことが起きてるんですよねえ。国民の税金の使い方、間違っていると思いませんか。

今からでもいいから早く裁判を初めて、東電の幹部達の責任をはっきりさせること。それを早急に始めてもらって、そして今政府が進めているやり方も撤回してもらう。それからじゃなきゃ話は始まらないと思うんですよ。

みなさん、私、ほんとに悔しいんですよ。6年前の原発事故の後、避難命令が出ために、津波で海岸に打ち上げられた人たちや、車の中でクラクションを鳴らして助けを待っていた人たちを助けることができなかった。全く無傷、傷ひとつない遺体が後でたくさん見つかったそうですよ。ガリガリに痩せて、あばら骨が見えるぐらい痩せて、助けを待って待って待って、亡くなっていったんですよ。消防隊員も警察も、もうみんな悔しい思いをしてるんです。身内を失った家族の悲しみ、苦しみたるや、もう想像がつかないぐらいでございます。本当なら助かったはずの命がたくさんたくさん亡くなってるんですよ。

その人たちが最後に見た景色はなんだったのでしょうか。空に飛ぶカモメの群れでしょうか。それとも爆発で吹き飛んだ原発建屋の破片でしょうか。最後に聴いた音はなんだったのでしょうか。爆発音でしょうか。それとも寄せては返す波の音だったのでしょうか。

原発事故の責任を取ることと再稼動を絶対にやめること。もう一度でも事故が起きたらこの国は破滅ではありませんか。チェルノブイリの苦しみや福島の悲しみを教訓にしないで再稼動するとはなにごとでしょうか。

講談の世界では、悪者はやっつけられることになってるんですよ。勧善懲悪っていって、正しいことをしてる人が助かることになってるのに、今の世の中真逆じゃないですか。なんですか、強きをどんどん助けて弱きをどんどんくじいてゆく。講談師としても、許せません。

日本には抵抗の文化が無い、と言われることがありますが、昔から抵抗はしてきたんです。このように言われるのは、抵抗がまだ文化になっていない、ということなんだと思います。私たちは、抵抗の文化を打ち立てていきましょうよ。

そして、庶民が痛い目にあっていく弱肉強食の世の中が続いていく限り、私たちの抵抗の文化を昇華させていきましょうよ。そのためにもですね、私は講談で訴えていきます。微力ですけれども、理不尽な目にあった人のお話をどんどんどんどん語っていきます。

私たちは決して諦めない。呆れ果てることが雨あられと降ってきても、呆れ果てても諦めないで参りましょう。みなさん一緒に、いいですか。呆れ果てても諦めない。呆れ果てても、諦めないぞ!

神田香織さん

[撮影・文]大宮浩平

▼大宮 浩平(おおみや・こうへい)
写真家 / ライター / 1986年 東京に生まれる。2002年より撮影を開始。 2016年 新宿眼科画廊にて個展を開催。主な使用機材は Canon EOS 5D markⅡ、RICOH GR、Nikon F2。
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〈原発なき社会〉を求める声は多数派だ!『NO NUKES voice』11号!
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』11号

今年度注目の「冤罪疑惑裁判」──志木市妻子放火殺人事件の深層

年度末の3月は大阪母子殺害事件やミナミ通り魔殺人事件、神戸小1女児殺害事件など重大事件の裁判で相次いで判決が出たが、4月以降も重大裁判は目白押しだ。冤罪の疑いがある事件の中で要注目は、「2度目の裁判員裁判」が行われる見通しの志木市妻子放火殺人事件。被告人の男性は2015年に裁判員裁判で一度は無罪判決を受けながら、控訴審で無罪判決を破棄される憂き目に遭ったが、この事件では「被告人とは別の真犯人」が存在する可能性が法廷で浮かび上がっている――。

◆一度は無罪判決が出たのだが……

事件は2008年12月3日の早朝5時過ぎ、東武東上線の志木駅から北東1キロ余りの住宅街で起きた。会社員の山野輝之さん(当時34)とその家族が暮らす2階建ての家から火の手が上がって全焼。火災時に外出していた山野さんと、2階の窓から脱出した長男(同12)は無事だったが、鎮火後の焼け跡からは妻(同34)と長女(同4)の焼死体が見つかった。

この痛ましい火災をめぐり、山野さんが殺人や現住建造物等放火の容疑で埼玉県警に逮捕されたのは5年後の2013年8月のことだ。山野さんは火災当時、妻と別れて別の女性と再婚したいと望んでいたのだが、妻が離婚を拒み、別れられないでいた。そして火災後、再婚を望んでいた女性と実際に再婚している。そういったことが警察には疑わしく思えたらしい。

そんな山野さんが2015年3月、さいたま地裁であった裁判員裁判で無罪を判決受ける決め手になったのは、警察が模擬家屋で行った燃焼事件だった。その実験結果と山野さんが車で外出する様子をとらえた近所の防犯カメラ映像をもとに検証すると、山野さんが外出後に出火した可能性が浮上したのだ。

ところが、検察官が控訴すると、控訴審の東京高裁は2016年7月、「燃焼実験は再現性が認められない」などと指摘したうえで裁判員裁判の無罪判決を破棄し、裁判員裁判をやり直すように命じた。弁護側がこれを不服として最高裁に上告したが、今年2月、最高裁が上告を棄却し、山野さんはもう一度、裁判員裁判で裁かれることになったのだ。

このあたりに現場の山野さん宅はあった。今は別の家が建っている

◆妻に「真犯人の可能性」が指摘される理由

有罪率が99・9%を超える日本の刑事裁判。無実を訴える被告人はその厳しいハードルを越えて無罪判決を取っても、英米法では認められていない検察官の上訴にさらされ、逆転有罪判決を受けることもある。山野さんもまさにそういう悲劇に見舞われたわけだが、無罪判決が出た裁判員裁判では、冒頭で触れたように「被告人とは別の真犯人」が存在する可能性が法廷で浮かび上がっていた。それは、焼死した妻である。

というのも、妻は事件当時、境界性人格障害の特徴を併せ持つ解離性障害を有しており、しばしば衝動的な自傷行為に及ぶほど病状は深刻だった。証人出廷した2人の医師によると、妻は事件の約7カ月前には、「頭の中に声もきて、“死ネ”と言ってくる」などと幻聴を示唆する発言をし、事件の約5カ月前にも、「死にたくなり、カミソリを持ってきてしまったりする」などと述べ、入院を勧められていた。そして事件の1カ月前、最後に医師の診察をうけた際には、頼りにしていた山野さんが離れていくと感じ、家庭に不安を感じているという発言をし、腕を強く掻いて腫らすなどの行動をとっていたという

また、こうした病状のため、妻は事件当時、睡眠薬を服用していた。この睡眠薬には、せん妄や奇異反応といった意識を変容させる副作用があり、とくに妻のような解離性障害の人には、意識変容を起こさせやすいものだったという。そこで、こうした睡眠薬の副作用から妻が放火したのではないかとの疑いが浮上したわけである。

山野さん宅近くの防犯カメラには、火災の少し前に外出する山野さんの姿が映っていたが……

この「妻=真犯人説」について、証人出廷した2人の医師のうち、1人は「睡眠薬による副作用の可能性は低い」と否定的だったが、もう1人は「解離性障害に陥り、衝動性が高く、自傷行為を繰り返す人は、実際に自殺してしまうことがある」「薬の副作用が放火行為を促進した可能性も考慮すると、妻が放火した可能性は高い」という見解だった。結果、裁判員たちは後者の見解を採用し、「妻が解離性障害の影響下での睡眠薬などの副作用で犯行に及んだ可能性がある」と判断したのだ。

これに対し、無罪判決を破棄した控訴審・東京高裁の裁判官は、高裁で証言した医師の見解をもとに判決で妻が火災発生時に睡眠薬の作用で眠っていた可能性が高い指摘したのだが、複数の医師が別々の意見を述べている中、医学の素人である裁判官が正しいジャッジを下せたのかは疑問だ。こういう時は本来、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則に従った判断をすべきではなかったか。

再びさいたま地裁の裁判員裁判で有罪、無罪が争われることになったこの事件。今後も適時、続報をお伝えしたいと思っている。

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
『紙の爆弾』タブーなきスキャンダルマガジン

ラオスからタイへの旅[1]「ラオスに何があるのですか?」

昨年、ラオスからタイに行って来た。
仕事仲間が「ラオスに何があるのですか」と聞いてきた。いい質問だ。
その質問はそのまま村上春樹の本となっている。
そしてタイのウドンタニを経由してバスで揺られてラオスに入り、メコン川をまたぐ「平和の橋」を通り、首都のビエンチェンに到着した。

 

ここには本当に何もない。
「何もない」ことが僕に精神的な安らぎを与えてくれる。

おそらく、僕の記憶では今のラオスは、昭和年代の日本に値するのだろうと思う。ようやく長いタイとの戦争が終わり、車が走り、道路が整備された。
ここでは少女や少年が10歳程度からもう働いている。学校に行くよりも、そのほうが有効的な時間の使い方だからだという。

ここではインフレが起きていて、じつは食べ物は100円以下。マッサージだって500円程度だ。単位は「キープ」なのだが、日本政府の怠慢で換金すると銀行では、25%ほどが手数料でとられてしまう。そうした意味では、タイのほうが日本円が使えて便利だろう。

しかしそれにしてもラオスは軍が政治を仕切っているからか治安がよく、町でも不良らしきものがまったくない。

ラオスでは夜のマーケットで、さまざまな屋台がメコン川沿いに並んでいた。印象的なのは「地雷を解体して、その部品でネックレスやキーホルダーなどを作っていた連中がいたこと」だろう。

ラオスの歴史は悲惨のひとことだ。とくにフランスに侵略されて、子供や女性など多くの人たちが有無を言わさずに殺された。
 
そうした侵略から立ち上がり、繁栄へと突き進むのはいいことのように思う。だがその一方で、「中国資本」がつぎつぎと入ってきて土地を買いあさり、イオンのようなデパートをいくつも作ろうとしている。

こうして世界の都市は、どこも平均的になっていき、日本だろうとミャンマーだろうと地球の裏側にあるような国でもイオンのようなショッピングモールが建ち並ぶのだろうか。だとしたら悲しい出来事である。

ラオスの魅力をもうひとつだけ語る。東南アジアの中で唯一、海を持たず国土の約70%が山間部を占める緑豊かな国ラオスでは、2000年代に入り観光産業に注力し、今では年間300万人以上の外国人観光客が訪れるようになったゆえ「観光客プライス」というものが存在する。だからツアーリスト向けのレストランはパリ、東京なみに髙い。

ビエンチェンの『NEW ROSE HOTEL』という一流ホテルに宿泊したが、ここいらでは月に1万円もあれば裕福な暮らしができる中、さらに裕福だと思われるここでは、チップという概念があまりないが、差し出せばとても喜ばれた。また、ナイトマーケットでは、ダーツを投げて風船を割るゲームがあったり、焼きそばが激安で売られていたりもする。

メコン川に兵士がいた。おそらく国境を無理矢理に渡ってタイに行こうとする人を止めるためだろう。かつて、貧しい国だったころに違法に国境を越えようとする人はたくさんいただろうが、今はそんなことはない。

ラオスは発展途上だが、立派にインフラが進んでいる。頭がいい人は、ここに住んでTシャツや短パンなどを大量に買い込んで日本に輸出しているようだ。なにしろ月1万円で暮らせる国。僕らの年では、月に年金が6万円前後という計算だから、ここでは36万円の暮らしが月にできる計算になる。ここで暮らすのも悪くない。もちろん愛する女房が納得すればの話だが。

この旅の最中に、「メコン川で待つ」などとハッカーらしき人から居場所を特定するメールが多数入ってきた。これはこれですべては警察に提出してあるが、弁護士も今入っており、捜査が始まる寸前だ、とだけ報告しておこう。いずれにしろ、僕はたくさん武器をもっている。それは、ある複数の「組織」なのだが、いずれここで明らかにしていこう。

また、タイでは不思議な経験をいくつもしたが、それもまた次回に展開することにする。いずれにしても、ラオスは物価が日本の6分の1、タイは日本の3分の1。月に6万円の年金でも十分に暮らせる。老後を贅沢に暮らしたいむきは、「移住」を検討してみてもいいのではないだろうか。

 

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして中道主義者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』
脱原発は多数派だ!『NO NUKES voice』11号

今年もムエタイ色強く進むM-ONE興行!

キャプテンケン・ナルパイ(タイ)の余裕を持った右ミドルキック
キャプテンケンvs雷電。ムエタイの体幹バランスが崩れないキャプテンケンの膝蹴り
攻めても余裕がない雷電

◎M-ONE 2017.1st
3月20日(月・祝)ディファ有明16:00~20:50
主催:(株)ウィラサクレック・フェアテックス / 認定:WPMF

この日行われたWPMF世界ライト級タイトルマッチは、チャンピオンのキャプテンケン・ナルパイ(タイ)が、昨年10月の岡山県倉敷市での翔センチャイジムを下した初防衛戦に続き、今回2度目の防衛に成功しました。安定した存在で「誰か勝てそうな日本人選手いませんかね」というタイ側の声もあります。

3ラウンドまでの採点を公開するシステムで、負けていることを意識した雷電は攻勢をかけるがキャプテンケンの牙城は崩れず、様子見から勝負を懸ける3ラウンド以降は膝蹴りも勢いが乗るタイ人選手特有の技術で試合運びの上手さが揺るぎませんでした。

若い鷹大のパンチと蹴りの多彩な攻勢で優勢に立つも、ベテランの経験値で山田は闘志衰えず要所要所狙って攻め返してきて大差は付かず、フェザー級に階級を上げた鷹大と、かつてはスーパーフェザー級でチャンピオン経験もある山田のパワーの差があったかもしれないが、それを感じさせない鷹大は蹴りで優るも圧勝できない内容に、挑戦者権は獲得しても「カッコ悪い内容で、フェザー級王座挑戦前にもう1試合挟みたい」という反省の発言。

土橋朋矢vs小嶋勇貴は手数多いが主導権奪うに至る決定打が少ない展開から小嶋の膝蹴りが目立ちはじめ判定で勝利を掴みスーパーフライ級王座挑戦権を獲得しました。

女子のベテラン、リトルタイガー(Little Tiger)は技で優るも、しぶとい代打のサーオマンコンにやり難さがあったか、倒せずも次第にヒットを上げていくベテランらしい判定勝利。2分制ながら5ラウンドまであれば更に圧勝を導いたであろう展開。

リトル・タイガーvsサーオマンコン。的確に調子を上げていったリトル・タイガー
鷹大vsアトム山田。鷹大の“カッコ悪い”試合も山田の粘りが盛り上げた
二階級制覇狙う鷹大。階級を上げてもイケそうな実力はある

◆WPMF世界ライト級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン. キャプテンケン・ナルパイ(タイ/ 60.8kg)
VS
雷電HIROAKI(前・WPMF日本同級C/スクランブル渋谷/ 61.23kg)
勝者:キャプテンケン・ナルパイ / 3-0
(主審:ソンマイ / 副審 テーチャカリン50-48. ナルンチョン50-48. 北尻50-48)

◆WPMF日本フェザー級挑戦者決定戦3回戦

鷹大(前WPMF日本SB級C/WSR・F西川口/ 57.15kg)
VS
アトム山田(元・MA日本B級&SFe級C/武勇会/ 57.15kg)
勝者:鷹大 / 3-0
(主審:チャンデー / 副審:テーチャカリン30-29. ソンマイ29-28. 北尻29-28)

土橋朋矢vs小嶋勇貴。膝蹴りのバランスが良かった小嶋が勝機を見出す
土橋朋矢vs小嶋勇貴。徐々にペースを持ち込んだ小嶋の蹴り
課題を残しつつ挑戦権獲得した小嶋勇貴

◆WPMF日本スーパーフライ級挑戦者決定戦3回戦 

土橋朋矢(新宿レフティー/ 52.16kg)
VS
小嶋勇貴(仲ファイティング/ 52.16 kg)
勝者:小嶋勇貴 / 0-3
(主審:ナルンチョン / 副審:テーチャカリン28-29. ソンマイ28-29. チャンデー28-30)

◆WPMF女子日本ピン級3回戦(2分制)

WPMF&WMC世界ピン級チャンピオン.リトルタイガー(WSR・F三ノ輪/ 45.1kg)
VS
サーオマンコン・ポー・ラマイパカット(タイ/ 44.9kg)
勝者:リトルタイガー / 3-0
(主審:北尻俊介 / 副審:ナルンチョン30-28. ソンマイ30-28. チャンデー30-28)

◆55.0kg契約3回戦

WPMF日本バンタム級チャンピオン.隼也ウィラサクレック(WSR・F三ノ輪/ 54.65kg)
VS
ジャガペット・モー・ワッラーポン(タイ/ 55.0kg)
勝者:隼也ウィラサクレック / TKO 2R 1:26 / ノーカウントレフェリーストップ
(主審:テーチャカリン・チューワタナ)

◆スーパーフライ級3回戦

岩浪悠弥(JKIフライ級C/橋本/52.16kg)
VS
ニコームレック・トー・タワット(タイ)
勝者:ニコームレック・トー・タワット / 0-2
(主審:ソンマイ / 副審:ナルンチョン29-30. 北尻29-29. テーチャカリン28-29)

◆62.0kg契約3回戦

WPMF日本ライト級5位.津橋雅祥(エス/61.8kg)
VS
シリペック・ペッポートーン(タイ)
勝者:津橋雅祥 / 3-0
(主審:チャンデー / 副審:ソンマイ30-28. 北尻30-28. テーチャカリン30-29)

他、7試合は割愛しています。

◆取材戦記

タイでは国家イベントに起用されるWPMF世界戦ですが、日本では多くの団体タイトルに囲まれ、どうしても抜きん出る存在ではないのが現状です。すべての選手が目指している訳ではないこの“WPMF日本”の現状から、本来のムエタイ本家の力を発揮したいところでしょう。元々、日本支局が出来た2009年頃は活気があって将来性が期待できただけに惜しい気がします。

因みにタイ国ではWPMFの母体がタイ国ムエスポーツ協会(Professionalboxing Association of Thailand)であり、WPMF傘下のタイ国王座がこのPAT王座でもあるとされています。

またWBCムエタイにも同様の伸び悩みがあると考えられます。他にルンピニージャパンやWMCまであるムエタイ組織ですから、ただでさえ狭い日本のキックボクシング系競技人口の中、すべてが活気あるタイトルには成り得ません。

この日、出場予定でした2名の中国人選手と1名の日本人選手の欠場がありました。津橋雅祥選手と対戦予定でした末廣智明(大道塾)は練習中の負傷の為欠場。

隼也ウィラサクレック選手と対戦予定でしたLi Shuai(=リ・シュアイ/中国)とリトル・タイガー選手と対戦予定でしたWei RuYan(=ウェイ・ルヤン/中国)は「来日予定が直前になってビザが下りず来日不能となりました」というアナウンスでした。“直前になってビザが下りない”裏事情はわかりませんが、昨年9月のM-ONE興行でもあった,

日本で活躍するゴンナパー・ウィラサクレック選手がかなり強豪と知ると2日前になって「怖くて戦いたくない」といった中国人選手の、先々週テーマ記事に似たようなことだけは無いことを願いたいものです。末廣智明選手については確実に止むを得ない負傷欠場です。

今回のレフェリー5名=ソンマイ・ケーウセン、テーチャカリン・チューワタナ、ナルンチョン・ギャットニワット、チャンデー・ソー・パランタレー、北尻俊介。タイ人レフェリーは現役選手時代のリングネームを中心にしています。本名の場合もあります。昨年も言いましたが、公式アナウンスで“マット”や“ネー”といったニックネームはやめてもらいたいところです。

毎度、レフェリー名を明確に入れるのは、公正な競技たることを強調したい狙いのひとつである為で、入手できない場合もありますが、極力入れていくつもりです。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

『紙の爆弾』タブーなきスキャンダルマガジン

この国の夜と霧──福島避難解除と東芝破綻で始まる新年度を前に

明日から、地獄の上にさらなる地獄を強いられる人々がいる。福島第一原発事故の避難指示解除地域に住んでいて自主避難していた方々への住宅補助が本日31日で打ち切られるのだ。28日には、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、大阪高裁(山下郁夫裁判長)は、大津地裁が出した運転差し止め仮処分決定を取り消し、運転再開を求めて保全抗告していた関電側の訴えを認めた。「安全性が欠如しているとはいえない」と判断した。この決定を受け、関電は近く運転停止中の高浜3、4号機の再稼働に向けた手続きを進める方針だ。

◆二つの現実を前に──徹底した「無答責」が行き渡っている

ことには軽重がある。この二つの現実を前に私たちはどちらを優先的に思慮し行動すべきか。軽重があってもやはり双方を無視するわけにはゆかない、との凡庸な回答しか私の貧弱な頭脳からは引き出せない。

避難者にとっては既に原発事故は起こってしまっていることで、それにより流浪生活を強要されている。どうして加害者が勝手に補助の打ち切りを決めることが許されるのか。それはおそらく、この島国には法の支配がなく、徹底した「無答責」が行き渡っているからであろう。

だとしても法哲学議論の前に「生活をどうしてくれるのだ」との問いに為政者や東電は答えねばならない。しかし彼らは答えない。おそらく答えないのではなく、答える「能力がない」と言ったほうが適切だろう。


◎[参考動画]日本テレビ「町には戻れない」避難解除の町の“苦悩”(FujioTv 2017年3月28日公開)

◆山本太郎議員が問うたJCOレベル4と福島レベル7の対応矛盾

一貫して原発問題を追及する山本太郎参議院議員が3月21日復興特別委員会で質問を行っている。質問で茨城県のJCOで1999年に起こった事故を引き合いに出している。鋭い注目点だ。この事故では臨界を目にするという、恐るべき体験をした被害者が亡くなり、1ミリシーベルト以上の被爆をした人が政府発表で119人茨城県の調査では666人出ている。事故はレベル4と認定され、茨城県はその後、3億円の基金を設け被曝した人々、または不安を感じる人々対して、健康診断が無料で受診できる体制を整える。そして1999年生まれの新生児には生涯無料での受診の権利を与えている。

果たしてこの対処が充分なものであるのかどうかには議論があろうが、他方レベル7事故で住処を追われた人々には「勝手にしろ」と言い放つのがこの島国の政権である。1ミリどころか、「20ミリシーベルト以下ならば大丈夫」なのだから、もう理性も科学も論理も倫理も何もない。住宅支援を打ち切られた避難者には失礼に当たるが、国際的にも伝わるように「原発事故難民」とでも名付けてはどうだろうか。


◎[参考動画]山本太郎議員 東日本大震災復興特別委員会質疑(山本太郎事務所2017年3月21日公開)

何の落ち度もない被害者が避難先では、無知と無意識という名の悪意により差別され、子供がいじめの対象になっている。子どもの態度は大人社会の合わせ鏡で、言葉では決して罵倒したり、けなしたりしはしないが、政策的に「棄民」される人々には絶望か怒りのほかにどのような感情の選択の余地があるというのだ。これはまがうことなき行政による「緩慢な殺人」行為であり、殺されようとしている人々を傍観している者もまた同罪だ。いわんや、東京オリンピックだの原発輸出だの妄言を吐いている連中には早晩罪状が言い渡されるだろう。

◆東芝の崩壊で新年度を迎える日本の経済界

東芝はその露払い役として、実に1兆円の損失を出し、実質上崩壊を迎える。三菱、日立にも同様の宣告がなされる日が必ずやてくる。「経済界」は東芝の崩壊をどう考えるのだろう。人格や人間性を失った「大企業利潤追求唯一主義団体」の経団連は、連鎖倒産を想像しないのか。それによる大不況の心配はないのか。さしあたりの利潤確保以外にお前たちには関心事はないのか。

JRは本気で日本アルプスの下に長いトンネルを掘り、リニアモーターカー運行ができると考えているのか。乗車運賃が新幹線の1.5倍になると言われる延々と続くトンネルの中で安穏と過ごす乗客がいると本気で思っているのか。

日常に埋没してゆく理性や人間性が表面上悪意なさそうに「緩慢な殺人」を支える。こんな社会の一員でいることに恥を感じなければ理性ある人間とは言えないと、新年度を迎えるにあたり自戒を込めて断言する。


◎[参考動画]東芝が米原発子会社WHの破産申請承認受けて記者会見(THE PAGE 2017年3月29日公開)


◎[参考動画]株主「上層部だらしない」東芝巨額損失に怒りの声(ANNnewsCH 2017年3月30日公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

〈原発なき社会〉を求める声は多数派だ!『NO NUKES voice』11号!
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』11号

お笑いイベント終了後、ナンパと宗教勧誘の修羅場と化す埼玉の巨大モール事情

 

2月25日、15時からさいたま市北区宮原町の大型ショッピングモール「ステラタウン」に人気漫才師の『ペナルティ』が登場。

子供に人気のボケ担当「ワッキー」とクレバーな突っ込みをする「ヒデ」が、デパートの迷子のアナウンスの経験を活かして迷子が親に出会えるようにするネタを披露。開始前から200名ほどの観衆は、寒さの中でも爆笑につぐ爆笑。迷子にのアナウンスをしなくてはいけないのに放送マイクの前で「大きな古時計」をひょうきんな踊りを交えてバリトンで歌い出すワッキーにはやんやの喝采が集まった。

 

「ワッキー!!」と子供の声援が飛びかい、賞品が当たるクイズも滞りなく進行。こともなく終わると思いきやばらけた集団から「いやだっていっているでしょう!」と女性が声を荒げている光景が。よくよく見るとイベントが終わり、帰ろうとする30代半ばの女性の足を止めて「このままドライブ行きませんか?」と20代のごつい男が誘っている。

そう、ここ「ステラタウン」は今、土曜と日曜を中心に「ナンパスポット」と化している。

 

「実は『ペナルティ』のファンは30代が多いので、熟女が好きな男性が埼玉県中から集ってきているみたいですね。駐車場には『大宮ナンバー』だけでなく、『川口ナンバー』『熊谷ナンバー』『所沢ナンバー』『川越ナンバー』『春日部ナンバー』『越谷ナンバー』などなどがイベントが始まる時間にはゾクゾクと吸い込まれていきましたから。ヤンキーっぽい20代が多かったです」(地元の住民男性)

そして、今ひとつナンパかどうかよく判別がつかないのだが、よくみればカルト団体の宗教勧誘もここ「ステラタウン」では盛んでメッカなのだ。

 

すぐ近く、北区盆栽町に本部があるカルト団体『冨士大石寺顕正会』がここステラタウンでも宗教勧誘しているのはここ1年のことだという。「『冨士大石寺顕正会』は、かつては日蓮正宗や創価学会などの他の富士門流各派と同じ一枚岩だったが、昭和33年に独立。勧誘相手に拉致も辞さないやり口で埼玉県警にも「軒並みアパートをまわって『顕正新聞を読んでください』と勧誘で二人一組で土日に住宅街をまわっているのだが、『興味ないと断っているのに帰ってくれない』という苦情が年間200件以上集まっているようです」(同)とも。

「イベントがある日は女どうし、あるいは男どうしペアでステラタウンにやってきて、のべつまくなしに異性に声をかけるのです。それでうまく誘いにのれば、車で10分もかからない盆栽町の本部に連れて行き、待ち構えた幹部が勧誘対象者を取り囲んで勧誘。まさに電光石火の早業です」(同)

 

高校生もその対象で、勧誘文句は「日蓮大聖人に帰依しないと日本が滅ぶのです」「大地震がやってきますが、顕正会に入っておければ安心です。必ず助かります」また「北朝鮮が攻めてくるので祈りましょう」というもの。同日も「宗教には興味ありません」と男二人組に声をかけられた女性が足早に逃げていった。

「どうもさいたま市北区で人が集まるポイントは、ナンパされるか宗教勧誘されるということで、カップルが寄りつかなくなりつつあるのです。大宮公園しかり、鉄道博物館しかり。実は大宮駅周辺にも同じことが起こっており、宗教勧誘やナンパに対するクレームは土日に大宮警察に殺到するのです」(埼玉新聞記者)

まったくこうしたトラブルを感知することなく、『ペナルティ』は「今日も受けた」と満足げに帰ったことだろう。だが、イベント終了後は、まさに修羅のようなナンパとカルトによる宗教勧誘が行われていたのである。

(伊東北斗)

 
星野陽平『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』【増補新版】

獄死した埼玉愛犬家殺人事件・関根元死刑囚「娘にデレデレ」だった素顔

埼玉県熊谷市で犬猫の繁殖販売業を営んでいた元夫婦の男女が1993年頃、犬の売買をめぐりトラブルになった客など4人を相次いで殺害したとされる埼玉愛犬家連続殺人事件。その主犯格の関根元死刑囚(75)が3月27日、収容先の東京拘置所で病死した。稀代の猟奇殺人犯として知られた関根死刑囚だが、娘にはデレデレの甘い父親という一面を持っていた。

関根死刑囚が営んでいた犬猫の繁殖販売業の犬舎

◆「お父さんっ子」だったという娘

「ボディを透明にする」。自分の殺人手法をそう豪語していたとされる関根死刑囚。被害者たちの遺体を細かく解体して燃やしたうえ、残骸を山や川に遺棄し、殺人事件の存在自体をほぼ完ぺきに証拠隠滅していたことから、検挙に至るまでに警察捜査は難航したとされる。ミュージシャンの泉谷しげる似の武骨な風貌。ライオンや熊を家で飼っていたというワイルドな私生活などは猟奇殺人犯らしいエピソードには事欠かない。

私がそんな関根死刑囚に関心を抱いたのは、共犯者とされて一緒に死刑確定した元妻の風間博子氏(60)について、冤罪の疑いを抱いたのがきっかけだ。確定判決では、風間氏は4人の被害者のうち、3人の被害者の殺害を関根死刑囚と共謀したとされるが、裁判では「関根の指示に逆らえず、遺体の損壊や遺棄に一部関わっただけだった」と冤罪を主張。実際、風間氏が前夫との間にもうけていた息子は「母は、関根のDVに苦しみ、奴隷のようだった」と証言し、「関根には逆らえなかった」という風間氏の主張を裏づけていた。風間氏は現在も支援者らに支えられ、無実を訴えて再審請求を行っている。

一方、良い話があまり聞かれない関根死刑囚だが、風間氏との間にもうけた娘Nさんによると、実の娘にはデレデレの甘い父親だったという。

「父は、母や兄には暴力をふるっていましたが、私には本当に優しくて、何をしても怒りませんでした。それに私が何か欲しいと言うと、何でも買ってくれました。思い出のプレゼントは、小学校3年生の時に買ってくれたテディ・ペアのヌイグルミ。当時の私と同じくらいの身長で、一目ぼれした私が『欲しい』と言ったら、父が『買おうか』と言って買ってくれたんです」

今から3年ほど前、Nさんは私の取材に対し、懐かしそうにそう語った。関根死刑囚のことが大好きで、「お父さんっ子」だったと自認する彼女の話を聞いていると、稀代の猟奇殺人犯も普通の父親としての顔を持っていることを感じさせられた。

◆娘への手紙に書いていた「ある言葉」の意味は……

関根死刑囚が病死するまで収容されていた東京拘置所

Nさんによると、20歳の頃に一度、関根死刑囚から「会いに来て欲しい」という手紙をもらったが、その時は「父がどんなふうになっているのか見るのが怖くて・・・」と面会に行かなかった。すると、関根死刑囚はそれ以来、Nさんの面会に応じなくなり、関係が途絶えてしまったという。そんなNさんが気になっているのが、関根死刑囚がかつて手紙に書いてきた「ある言葉」だ。

「父からの手紙には、『お母さんをNのもとに帰してあげるね』と書いてあったんです。あれは一体何だったんだろうと・・・」

殺人については無実を訴えていた風間氏が裁判で関根死刑囚と共謀して3人を殺害したと認定された大きな要因は、関根死刑囚が「犯行を主導したのは妻だった」と証言していたことだ。関根死刑囚がNさん宛ての手紙に書いてきた言葉を素直に解釈すれば、関根死刑囚は風間氏が無実であるという真実を打ち明け、風間氏に再審で無罪を取らせることを考えていたのではないか。

この私の推測が当たっているか否かについて、関根死刑囚本人の口から真相が語られることはもう永遠にない。残念だ。

※なお、拙著「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(鹿砦社)では、風間氏が有罪、死刑とされた裁判の問題点が詳述されているほか、風間氏が自分の潔白や子供たちへの思いを綴った手記を収録されている。


◎[参考動画]埼玉愛犬家連続殺人事件起訴へ(1995年2月ニュース映像)

◎[参考動画]埼玉の愛犬家殺人 関根死刑囚が病死(NHK3月27日10時24分)

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
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「道の駅かでな」から見える沖縄の断片

 
 
 
 
 
 

嘉手納基地のすぐ横に4階建ての建物「道の駅かでな」がある。道の駅は各地で特産品を取り扱う場所としてドライブ旅行をする人にとっては、地域の独自性を楽しむのに人気の場所である。「道の駅かでな」はそういった意味を持ちながら、米軍基地を眺め降ろせる場所として、特別な場所であり、また視点を変えれば、現在沖縄の1断面が凝縮されている場所だとも言えよう。

◆4階展望スペースから嘉手納基地を眺める

1階は建物の外で食べる軽食の販売と土産店がある。ここでは沖縄土産として知られている御菓子やキーホルダーなど一般の土産物店と陳列物はそう変りないが、米軍を意識したTシャツやグッズも販売されている。琉球語でいう「チャンプルー」(まぜこぜ)状態だ。

2階には食堂があり、この食堂の入り口にはあまた有名人のサイン色紙が飾られている。食堂に入ったことはないが、訪れた人によるとこの食堂は概ね好評を得ている。3階には嘉手納町学習展示室があり、基地を中心とした嘉手納町の現状や基地にまつわる事件事故、戦闘機の離発着音を航空機、トラックの発する騒音との聞き比べなど、押しつけがましい理屈ではなく、事実を羅列することによって嘉手納基地の弊害が学べるようになっている。

そして4階は展望スペースである。ここからは、嘉手納基地を離発着する全ての米軍機を直接見ることできる。観光客だけでなく、日本テレビ、フジテレビのカメラクルーは常駐しており、折々国際的な事件に際し嘉手納基地に飛来する米軍機、または嘉手納基地から飛び立つ米軍機を観察し、米軍行動の意図を探る1つの要素としている。休憩用の机と椅子があるのだが1つの机には「報道・関係者専用」と書かれた紙が貼られている。近年中国からの旅行者も多いようで中国語で同様の内容も書かれている。

この日嘉手納基地に目立った動きはなかったが、ご覧の通りF16や、各種輸送機が駐機している様子は伺えた。またヘリコプターの離着陸は頻繁にあった。待機しているテレビ局のスタッフによると、「朝鮮半島や中国情勢が動いた時にグアムなどから飛来する軍用機が増えますね。その機種を観察すると米軍の作戦規模や意図を推測することができます」ということだった。

◆基地より観光

おそらくは米軍飛行場の内部がもっとも見渡しやすい場所としての「道の駅かでな」は騒々しく語らずとも、そこに立ち寄る旅行者に(一定の感性があれば)米軍基地の暴力性を訴える場所として機能している。

しかし前述のとおり、1階土産物屋では米軍グッズも取り扱っている。沖縄県はかつて「米軍がなければ、経済的に立ち行かない」という論法で抑え込まれていた時期があった。だが現在、沖縄県が基地経済に依存する割合はあまり知られていないが5%にまで下がっている。沖縄を訪れる観光客数は2015年度793万人に達し前年比10.7%プラスで、とくに海外からの訪問者は69.4%増と際立った増加を見せている。観光業の総収入は6000億円で、このまま成長すれば近く1兆円産業になるとの見方もある。あながち外れてはいないだろう。

過去沖縄への観光客が激減した時期が何回かあった。それは第一次湾岸戦争と第二次湾岸戦争のときで、観光業に従事する人の自宅待機や解雇も相次いだという。つまり観光にとって米軍基地の存在は迷惑以外の何物でもないことが証明されたわけだ。

沖縄に米国の基地を見に来る人が全くいないわけではないだろうが、観光客の多くは豊かな自然や文化にふれることを楽しみにやってくる。そこへ立ちはだかる米軍基地は経済的な面からも「邪魔者」になりさがった。そのことを「道の駅かでな」は存在で示している。土産店で売られる米軍関連グッズの売り上げもおそらく施設全体の収入からすれば5%もいかないだろう。沖縄の日常のある種の凝縮がここにある。

 

(鹿砦社沖縄取材班)

在庫僅少『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾2016年12月号増刊)
在庫僅少『ヘイトと暴力の連鎖 反原連-SEALDs-しばき隊-カウンター』(紙の爆弾2016年7月号増刊)
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沖縄の正義──152日間の山城さん投獄は基地反対市民への懲罰だ

2017年3月17日の那覇地裁。山城さん初公判の日

◆5カ月の拘束後に保釈

辺野古新基地・東村高江ヘリパッドの米軍基地建設への抗議行動を巡り、威力業務妨害や公務執行妨害・傷害、器物損壊の罪で逮捕(2回)・起訴されている沖縄平和運動センターの山城博治議長が3月18日夜、5カ月ぶりに解放された。証拠隠滅も逃亡の恐れもない軽微な事件で、152日も投獄された後の解放だった。2015年に悪性リンパ腫で入院したことのある山城さんの長期拘束については、国連人権委員会でも問題になり、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが健康状態を懸念して釈放を呼び掛けていた。

地裁は山城さんに対し、接見禁止を続け、3月13日に初めて妻の面会を認めた。5カ月の投獄は実質的な懲罰だ。

保釈になったのは那覇地裁(潮海二郎裁判長)で初公判が行われた翌日だった。弁護側は山城さんら3人の初公判の閉廷後に保釈請求(12回目)し、那覇地裁は同日夜、保釈を認めた。しかし、検察側は執行停止を求め、福岡高裁那覇支部が18日に保釈を決定。高裁那覇支部は、接見禁止の延長を求めた地検の抗告も棄却した。

報道によると、山城さんは那覇拘置支所前に集まった支援者らに「これから何カ月かかるか分からないが、皆さんと一緒に公判で無罪を勝ち取ろう」と涙ながらに話した。

筆者は3月8日、那覇地裁総務課に「記者席」での取材を要請したが、新盛誠・広報係長は10日、「記者クラブ(13社加盟)の報道機関以外の申請は認めない。傍聴券を求めて並んでほしい」と通告してきた。

那覇地裁の正面玄関には鉄柵でバリケードが築かれ、裁判所の職員、民間警備員が2列で警備した
地裁本館の玄関前にいた警察官がビデオカメラを示威行動する市民に向け続けた

17日午前8時半から9時まで地裁近くの公園で傍聴券配布が行われ、一般傍聴の22席に379人が並んだ。私は抽選に外れ傍聴できなかった。

昨年、宇都宮地裁で行われた今市事件、東京地裁のジャカルタ事件の裁判では、日本雑誌協会の代表取材の形で、フリージャーナリストの記者席での取材を認めているが、那覇地裁は門前払いだった。沖縄の裁判所にも、最高裁と企業メディアが談合する強固なキシャクラブ制度がある。

◆横暴な中央政府に抵抗した正当な闘い

山城さんは昨年10月17日に逮捕され、身柄拘束が5カ月に達していた。山城さんの弁護人、池宮城紀夫弁護士らによると、山城さんは罪状認否に先立ち、「長期勾留と被告人の権利を奪う不当な処遇」に抗議し、「これはまごうことなき不当弾圧だ。闘いは不滅だ」と強調した。米軍キャンプ・シュワブのゲート前にコンクリートブロックを積み上げたとされる威力業務妨害罪について「やむにやまれずとった抗議行動で、正当な表現行為だ」と主張した。

山城さんは米軍北部訓練場への侵入防止用の有刺鉄線1本(2000円相当)をペンチで切断したとされる器物損壊罪について、外形的事実だけ認め、「機動隊の暴力的な排除に対し、やむにやまれず行動を起こした」として、起訴事実のすべてについて行為の正当性を主張した。

弁護側は「政府の横暴さ、圧倒的な警察権力に対する正当防衛だった。刑事処罰は、表現の自由を保障する憲法に違反する」と表明した。

これに対し、検察側は冒頭陳述で「被告が抗議行動の中心を担い、工事を遅延させた」と指摘した。沖縄の民意は新基地反対である。民意を無視して自然を破壊する工事を強行する反対運動の中心を担うことが犯罪になるのか。工事が遅延したのは、翁長知事を先頭とする島ぐるみの非暴力抵抗闘争の成果であり、平和運動を刑事事件にすること自体が憲法違反、国際人権規約違反だ。

山城さんと共謀したとして同様に起訴された添田充啓さんと稲葉博さんも無罪を訴えた。

共同通信などは「山城被告と共謀したとして威力業務妨害罪に問われた66歳の男と、公務執行妨害と傷害の罪に問われた44歳の男も否認した」などと報じた。沖縄のメディアは「山城議長」と報じているのに、ヤマトのメディアは「山城被告」だ。他の被告人2人を「男」と呼ぶのは無罪推定の法理に反している。

照屋寛徳衆議院議員(社民、弁護士)と池宮城弁護士(右)

◆裁判所前で市民約300人が支援集会

3月17日午前、那覇市の城丘公園では3人の裁判勝利や即時釈放を求める事前集会(主催・オール沖縄会議など)が開かれた。その後、裁判所前に約300人の市民が集まり、支援集会を開いた。支援者は夕方まで裁判所付近で「山城さんは無実だ」「いますぐ保釈せよ」などと声を上げた。「裁判所は人権を守れ」「裁判官は市民の声を聞けというシュプレヒコールも繰り返された。

支援会が配布したチラシに「沖縄タイムス、琉球新報の報道は山城博治さんに大きな励みになっている」とあった。

17日夜、県庁まで支援集会が開かれ、池宮城弁護士は「この事件は山城さんら3人の事件ではなくて、皆さん1人1人が裁かれている」と述べた。照屋寛徳衆議院議員(社民、弁護士)は「弁護士として博治に14回接見した。博治が意思を曲げず、日々を送れたのは支援者のおかげと感謝し、無罪であること、沖縄の正義を訴えていくと言っている」と報告した。

◆戒厳令のような那覇地裁の異常警備

那覇地裁は初公判の日、地裁はすべての門を閉じた。正面玄関には鉄柵でバリケードが築かれ、裁判所の職員、民間警備員が2列で警備した。裁判所構内も含め周辺に多数の制服警察官が配置され、機動隊員があからさまに行進するなど警備していた。正面玄関の鉄柵前には市民が座り込んだ。地裁本館の玄関前にいた警察官がビデオカメラを示威行動する市民に向け続けた。鉄柵には「防犯カメラ作動中」と書いた張り紙があった。

憲法で裁判は公開とされている。山城さんの無実と保釈を訴える市民を排除する裁判所は人権無視だ。ここには、国家の暴力装置を使って民衆の抵抗を弾圧する安倍政治の意思と「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」(日本国憲法第七六条3)という条文を忘却している裁判所の醜い姿がある。

3月17日夕方に行われた沖縄県庁前集会

▼浅野健一(あさの・けんいち)
アカデミック・ジャーナリスト。同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻博士課程教授(京都地裁で地位確認係争中)。1948年香川県高松市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。共同通信社時代に『犯罪報道の犯罪』(1984年学陽書房)を上梓。1994年に退社し、同年より同志社大学教授に就任。「人権と報道・連絡会」世話人。
浅野教授の文春裁判を支援する会HP: http://www.support-asano.net/index.html
「人権と報道・連絡会」HP: http://www.jca.apc.org/~jimporen/
浅野ゼミHP: http://www1.doshisha.ac.jp/~yowada/kasano/index.html

冤罪とジャーナリズムの危機──浅野健一ゼミin西宮報告集
4月15日(土)18時半より三崎町スペースたんぽぽにて浅野健一が選ぶ講師による「人権とメディア連続講座」第8回開催!講師は松岡利康=鹿砦社代表です!