視聴率低迷で実質打ち切り「OUR HOUSE」の救いはプロレスラー高山善廣の演技

芦田愛菜とシャーロット・ケイト・フォックスがダブル主演しているフジテレビ系連続ドラマ「OUR HOUSE」(日曜午後9時)の視聴率の苦戦が続き、ついに昨晩12日に実質打ち切りのようなかたちで最終回が放映された。

「2話を強引に1話にまとめたので、話がわからなくなった。亡くなった母親のいとこが登場して『私が母親になります』と言い出す始末。これは昭和初期から作られてきたドラマの焼きなおしにすぎません。いったい、脚本家は何をどうしたかったのか」(放送作家)

第7話(29日放送)の平均視聴率が4.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だった。これで第4話が3.8%と落ち込んでから、第5話で5.4%に回復も平均視聴率は3.9%だ。「動物の映像でも流したほうがよかったんじゃないか」と陰口も。

「ただひとつ、救いはあります。プロレスラーの高山善廣の素朴な演技がめちゃくちゃに評判いいんですよ。寡黙で、科白を言わなくても目で演技できるところがいいと演出家たちが声をそろえています」(制作会社スタッフ)

芦田さん演じる伴桜子の父親・奏太(山本耕史)の姉・赤尾琴音(松下由樹)の夫である救命士を案じているが、別居中の妻、琴音になんとかよりを戻そうとしてトライするも、行状の悪さをまくしたてられて引っ込む、という情けない役を見事にこなしているのだ。

「ふだんは、相手とディフェンスもまったく省みずにボコボコに殴り合う高山が、背中を丸めて情けない味を出している。これはもう演技力以外の何ものでもないでしょう。演出畑の仲間も注目し始めていますよ」(同)

かつてNHK大河ドラマ「功名が辻」をはじめ様々なドラマにゲスト出演してきた高山だが、初の連続ドラマにレギュラー出演で、「リング外」での活躍の場をゲットしたようだ。「ほかのテレビ局のドラマ制作演出部も、髙山に注目し始めたようです。髙山がオモチャ好きなのを知って、『よし、ひとつ超合金ロボでももって挨拶にいこうか。なんのオモチャを欲しがっているかリサーチしておけ』などという指示が飛び始めたようですね」(同)

しかし、プロレスラーとしての髙山にとって長時間拘束されるドラマの仕事は「体がなまるので格闘技としては積極的にすべきじゃない」と知人に漏らしている。

「残念だね。『戻ってきて』という手紙を妻本人に渡せずに、入口のところで『渡しておいてくれ』と頼むシーンは哀愁が出ていて泣けてきました。立っているだけで悲しみが表現できる役者だけに、1シーンでもいいから出て欲しい」(プロデューサー)

果たして、数年後のNHK大河ドラマに重要な役で起用される日も近い?!

(伊東北斗)

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《誤報ハンター》「能年玲奈引退」は大誤報?! 事務所側べったり『週刊女性』の悪意

事務所側べったりの確信犯『週刊女性』2016年6月7日号

もはや世紀の誤報か、もしくは事務所に恩義を売る〝確信犯〟的な暴挙だろうか。『週刊女性』の6月7日号には「じぇじぇじぇ 激震スクープ 〝洗脳・独立騒動〟から1年、6月契約満了も更新なし! 能年玲奈 引退へ」の記事は、テレビ局も追従して報道したが、これこそ「世紀の誤報」だ。

「能年が引退するつもりがないのは、業界の常識だ。大手事務所の意向ばかり気にしているとこのような誤報記事になるというお手本ですよ」(週刊誌デスク)

『週刊女性』の記事は、芸能界引退危機が能年に迫っているという切迫したトーンでこう伝える。それは、能年が一緒に暮らしている「女性演出家」の〝T〟に洗脳されているとあおりつつも「不平や不満を目に見えて口に出すようになり、現場にマネージャーに罵声を浴びせることも」あったと伝える。

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『時を追うごとに、能年の暴走はますます激しくなっていったという。「新しい仕事の話をしても、あれやこれや理由をつけて仕事まで拒否するようになったそうです」(前出・ワイドショースタッフ)
 そんな状態が続く中で、2014年6月、所属事務所との契約更新時期となる。「突如として、事務所を辞めたいと一方的に言い出したため、事務所としても話し合いを持とうとしましたが、その前に彼女が代理店を立ててしまい直接話ができない状態になってしまったんです」(ワイドショースタッフ)
 同時期に能年は、事務所が借りたマンションを飛び出してしまった。』

事務所側べったりの確信犯『週刊女性』2016年6月7日号

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 と書かれているが、これを『週刊文春』6月9日号では、能年の母親にインタビューしつつ全面否定している。そのタイトルは「能年玲奈母が独占告白 引退も洗脳もウソ 〝報道リンチ〟酷すぎます」とタイトルがつけられている。
※文芸春秋WEB=http://shukan.bunshun.jp/articles/-/6207

おもに母親は、『週刊女性』を追従したテレビの情報番組「直撃情報LIVEグッディ!」に対しても怒りが向けられている。

ここでは、『週刊女性』のA記者が登場してこう話す。
『演出家の女性といま一緒に暮らしていまして、生活も、本当に仕事をこういう風に受ける受けないみたいなのも、どうも演出家の女性の言うことを聞いていると。我々の取材によると、能年さんの親も娘さんのことを心配して、「大丈夫なのか」と。「本当に一緒にいていいのか」みたいなことを説得したようなんですけども、彼女としては親の言うことも聞かないというか、そういうことにも耳を貸さず、現在も一緒に演出家の女性と一緒に生活しているって感じですね』

これに対して、能年玲奈の母親は『週刊文春』の記事で語る。

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──能年さんはご両親の言うことを聞かない状態なんですか?
「まったく違います。テレビで変だと思ったのは、玲奈が親の反対にも耳を傾けないで女性演出家と一緒にいるとか言う話。反対どころか『全然。大賛成やけど』って思いながら見ていました」
──何が事実と異なりますか?
「そもそも『週刊女性』の人から今回取材は受けていないですし、どうしてこんなことを言われるのか、分からないですね。まず私は、玲奈が事務所を離れたいと思うならその気持ちを尊重したい。現に玲奈とはちゃんと連絡がとれています」
(中略)
──洗脳については?
「はっきりウソです。高校生の頃から演技指導をしてもらっていた滝沢さん(編集部注・週刊女性では演出家T)には東京で本当にお世話になっているんです。感謝してもしきれません。これは以前に、文春さんに申し上げたとおりです」
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能年が「芸能界のルールにそむいた」とされる、事務所に対して無断で会社「三毛andカリントウ」を設立したとされる点だ。

週刊文春の問いには

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──『三毛andカリントウ』を個人事務所にして、玲奈さんは芸能活動を考えている?
「あれは玲奈が描いた絵やグッズを販売する会社です。レプロ(編集部注:能年が所属する会社)との契約に差し障ることはないと聞いています。独立のための会社ではありません」
──『三毛andカリントウ』とは別の会社を作るということですか?
「そうです。あれは玲奈の名前は使わずに、絵などを売る会社ですから」
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ということで、『週刊女性』の記事を全面否定している。

「一方的に事務所の言い分を聞くと『週刊女性』のような記事になる。まあ絵に描いた誤報でしょう。ここの記者はニコニコ動画の芸能番組に出たり、スポーツ新聞に情報を提供したりしてアルバイトに忙しいから、こんな乱雑な記事となるのでしょうね」(ベテランの芸能記者)

能年の母は、『週刊女性』に抗議文を送り、追従した情報番組についてはBPOに抗議文を出している。この「誤報」の行方はどこになるのか。

「まあ誤報だろうが正しい情報だろうが、『週刊女性』はもうすぐ休刊する情報が入っているから、これこそが第三者も認める『精査された情報』だろう(笑)」(同)

さて、能年の母親に「暴露本」のオファーの手紙でも出してみるか。『週刊女性』が誤報のたまり場と堕してしまった理由は知らないが、やってみる価値はありそうだ。

(伊東北斗)

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具志堅さんもやって来た「めんそ~れ、沖縄!」──池袋で感じる〈琉球の風〉

 

今回で8回目となる、サンシャインシティ(東京・池袋)で開催される『沖縄めんそーれフェスタ2016』前夜祭イベントを取材した。

期間は5月27日(金)~6月5日(日)の10日間、展示ホールAでは、沖縄物産展、オリオンビールが飲めるビアガーデン、噴水広場ではエイサーの演舞や沖縄アーティストによる生ライブなど盛りだくさんの内容で、沖縄をアピールする催しだ。物産展では、沖縄そば、海ぶどう、もずく、サーターアンダーギー等42のお店が立ち並んでいる。なかでも、泡盛カクテル、スパム串を出しているお店の女性に取材した。

 

── 沖縄から来られたのですか?
「私は沖縄県民ですが、上京して六本木でお店をやっています。他の方々は沖縄から来て期間中はホテルに泊まっていますね」と話していた。

まさに大がかりな「出店キャラバン」だ。
また泡盛のカクテルの値段が千差万別だったので、質問した。
「一般的な ものは500円、 グレードが高いものは700円、 さらに古酒は900円 です」

── 古酒ってどういうお酒ですか?
「3年以上貯蔵したものです。こちらにはなんと入手困難な『美ら蛍』があります。古い酒はまろやかでおいしいですよ」

── なぜこの時期に「沖縄のフェスタ」を開催するのですか?
「今、沖縄は梅雨の真っただ中です。2週間後には梅雨が明けます。この時期に東京の皆さんに沖縄をアピールしてぜひ来てほしいと思います」とにこやかに話した。

 

さて、前夜祭のオープニングセレモニーのステージイベントには、具志堅用高や鈴木奈々がゲストで登場していた。

鈴木は鮮やかな黄色い沖縄の民族衣装に身を包み、かわいい笑顔をふりまいていた。いっぽうで具志堅はやはり「沖縄の顔」といえるキャラで、親しみやすく優しい性格がテレビでもお茶の間に伝わり、若い女性にも大人気だった。

 

トークコーナーで夫婦円満の秘訣を聞かれると、「誉めることが大事」と熱弁していたのが印象的だった。

ところで「沖縄そば」と「ソーキそば」のちがいはご存知だろうか?
物産展で沖縄そば店の男性に話を聞いた。

「沖縄そばは豚のバラ肉(3枚肉)を使う。ソーキそばは、豚バラの軟骨の肉を使っている違いですね」と教えてくれた。イートインのコーナーも広く充実しているので、じっくりと沖縄の味を堪能できる。ほかに「BIGIN」の「島人ぬ宝」を唄うバンドの演奏や沖縄の伝統芸能エイサーの太鼓を舞ながら叩くパフォーマンスは力強く迫力があった。

沖縄の観光客は多い月は3月、ついで8月、11月となっている。少ない月は1月、6月、9月で、9月は台風期、6月は梅雨期、1月は曇りの多い冬のためという。このオフシーズンには、修学旅行誘致に力を入れて一定の成果を出しているそうだ。近年は「沖縄美ら海水族館」が大人気で人を集めている。

元米兵による女性遺体遺棄事件や基地問題など沖縄関連で暗いニュースが飛び込む今、沖縄の青くきれいな海とこうした素晴らしい自然や海産物、歌などの文化とのギャップに心が痛む難しい問題が沖縄の人たちを苦しめている。この『沖縄めんそーれフェスタ2016』が成功し、沖縄の観光客が増えて、潤い、沖縄に元気を! と切に祈りたい。

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』

文・撮影=林雅子 
プロデュース=ハイセーヤスダ

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論! 蹴論!」の管理人。

踏ん張れ「あまちゃん」能年玲奈!歪んだ芸能界に抗う「じぇじぇじぇ」な闘争!

NHK朝の連ドラ「あまちゃん」でブレイクした能年玲奈が6月末に現在の事務所と契約が切れ、更新しない方針であることから「芸能界を引退か」と報じられている。

◆事務所の意向を汲んでメディアが垂れ流す「能年引退」報道

「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック3

「引退は女性週刊誌が、能年が所属する大手プロダクションの意向を汲んで垂れ流しただけでまだ結論は出ていない。この件にはざまざまな裏がありますが、能年自身は、労働時間の拘束のされかたといい、本人の意志があるのに芸能界の慣例で事務所 を移籍しにくくなっている点を是正したい、という希望があり『芸能界の自浄』を狙うべく、六法全書を片手に労働基準法を勉強しているようです。将来的には大学に通いつつ、社会保険労務士の資格をとって『タレントのための労働コンサルタント事務所』でも開きたいと知人に漏ら しています」(芸能プロダクション関係者)
 
能年は所属する事務所に無断で演劇関係者と個人事務所を設立し、このことがマネジメント事務所と亀裂が入った原因だと指摘されている。

「現在の大手マネジメント事務所との亀裂は、能年の待遇が悪かったことに尽きる。マネージャーはコロコロ変わるわ、三流アイドルみたいな客寄せのイベントの仕事をとってくるわで、能年も嫌気がさしていました。そうした中、『あまちゃん』と共演したときに親密になり『芸能界は今のシステムでは限界がある』と現状のマネジメントシステムに警鐘を慣らした小泉今日子と何度も芸能界のあり様について議論するようになり『最終的には虐げられたタレントのコンサルタントをやりたい』という心理状態になったようです」 (同)

しかしことはそう簡単ではない。かつて「芸能界の待遇改革」を叫んだ俳優の小栗旬は一昨年に芸能界に労働組合を作ろうとして仕事を干されぎみになり、追従してネット放送で応援するコメントを出した自称女性「芸能コメンテイター」も『芸能界の外から物を言うのは生意気だろう』と仕事が激減した。

「そもそも、社会労務士の資格を舐めた話です。合格率も1割を切っている(平成26年は9.3%)し、1日に5~6時間、1年間継続して勉強しないと合格できないと言われています」(司法関係者)

◆能年問題解決を契機に芸能界の改革がはじまる?

だがフォローする声もある。
「芸能界での労働組合ができれば、日本の役者や歌手たちも世界から『ちゃんとしたユニオンがあるのなら』と認められて海を越えた交流が始まり、タレントが海外に進出するにしても、海外から日本の映画・テレビ界に役者や有能な監督、演出家が来るにしてもハードルが低くなるはず。なにしろギャラですら基準がなくてテレビ局や映画製作会社の〝胸三寸〟で決まるのが日本の『芸能村』 ですから」(前出の芸能プロダクション関係者)

かくしてひそかに法律を学び始めたという能年は、芸能界に「いながら」にして芸能界をタレント有利に 「改革」するのだろうか。もし実現したら本当に「じぇじぇじぇ」な出来事だ。


◎能年玲奈かんぽ生命 CM 「夢の中へ」「人生の山と谷」編

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論! 蹴論!」の管理人。

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』
[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル
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上野路上ライブの定番スポット〈アメ横〉が生む成功神話

上野の路上ライブの定番スポットといわれるアメヤ横町周辺で、最近「無事にライブを終えたほど成功する」というジンクスがあるという。

現場はアイドルや歌手の新人や卵たちが場所を取り合ってライブをするため、道路使用許可をとる警察署では行列ができたり順番待ちもよくあるというほどだが、観光客の集中する繁華街とあって何かとライブが中断されやすい。何事もなくライブを負えるのは幸運であるため、アーティストの間では「無事にライブを終えたほど成功する。中断されたら売れない」なんてジンクスが生まれたようだ。

中断理由は様々。現場でギター片手に歌っていた男性歌手に聞くと「中国人観光客が押し寄せてスピーカーを蹴っ飛ばされ音が出なくなった人もいれば、揉め事でパトカーがやってきたり、目の前で迷子の子供が大声で泣き出したりで中断されることもあります。僕は前回、うるさい右翼の街宣車が近くに止まったままになって中断。その前は酔った花見客に絡まれケンカになってしまった」という。

逆に「14回連続で中断ナシという脅威のミュージシャンが先日、レコード会社の人にスカウトされたなんて話もある」という。ちょうどこの時期は、42年続く老舗のライブハウスグループRUIDOが開催するバンドコンテスト「L-1グランプリ」もあって、「私たちに投票してください」とPRしながら演奏する若いバンドもあり、4月25日の夕方に登場したのは、その「L-1」に準決勝進出を決めている女性デュオのespoir(エスポワール)。4年前から活動する華のある美女2人組だが、歌い始めて間もなく、すぐそばの雑居で火災が発生。「5Fのレストランから火が出た!」と、テナントの居酒屋やレストランの店員や客ら裏階段からドッと非難し始めた。サイレンが鳴り消防車が駆けつけ周辺は騒然。ライブ前に集まっていた見物客もそちらに気を取られ人が減ってしまった。それでも、2人組は力一杯歌い、一部ペンライト片手の熱心なファンが応援を続けた。

幸い火事はボヤ程度で済み、あたりに煙が立ち込めるようなこともなかった。espoirにとってはとんだ災難で、ファンからは「賞金20万円を狙うライバルバンドが非常ベルを押したんじゃないか」なんて邪推も聞かれたが、実際にボヤの発生は確認された。ジンクスに沿えば、espoirのライブにこんなハプニングがあったのは悪い兆候ということになってしまうのだが、ただしこの騒ぎで、周辺のライブミュージシャンは大半が演奏を中断しており、その中では唯一、諦めずに歌を完遂したのが彼女たち。その意味では「無事にライブを終えたほど成功する」というジンクスを死守したともいえる。

しかし、現場にいた取材カメラマンには不運があった。取材帰りに確認すると、撮ったはずのespoirのライブ写真がひと通り消失。あとで分かったのは火災が起きたとき、その様子を収めようと動いた際に何かにぶつかってカメラの記録部分に不具合が生じていたということ。美女2人組の路上ライブを伝えようとしたものが遮断されるとは、これがジンクスに従ったものかどうかは、「L-1」の行方で分かるのだろうか?


◎「espoir」ブログ http://ameblo.jp/espoir01/
◎ L-1グランプリ http://ruido.org/L1_grandprix/

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[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル
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赤西仁に学ぶSMAPの未来──『本当は怖いジャニーズ・スキャンダル』〈増補新版〉

[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル

2013年刊行の『本当は怖いジャニーズ・スキャンダル』は、2008年から2012年までの5年間を中心にジャニーズスキャンダルをまとめたものである。今回刊行の増補新版は、ここに、最近のジャニーズの動向と今年1月に起こったSMAP解散騒動を加筆し、ジャニーズを多面的に見ることのできる一冊となっている。

◆KATU-TUN赤西仁の独立騒動の軌跡

本書に登場する多くのタレントたちの中から、この時期お騒がせの主役級だった赤西仁にスポットをあててみたい。赤西はジャニーズとのあつれきの末、ジャニーズ事務所を自らやめて独立した。今改めて彼の歩みをたどると、芸能人や芸能事務所のありようについて考えさせられるところも多く興味深い。

赤西は2006年3月、KATU-TUNの中心メンバーとしてCDデビューする。赤西、田中聖など、ジャニーズきってのヤンチャメンバーを擁するKATーTUNはデビュー前から人気が高かったが、素行不安が大きくなかなかデビューに踏み切れなかったといわれている。

待ちに待ったデビューでKAT-TUN人気は爆発、デビュー曲『Real Face』はミリオンセラーとなった。ところが次代のジャニーズを牽引するのはKAT-TUNで決まりかと思われた矢先の10月に、赤西はアメリカに留学のため活動休止し、KAT-TUNの人気はあえなく失速する。この唐突で不可思議な留学には、薬物捜査から逃れるためだったのではないかという疑念も持たれている。

2007年4月に帰国しKAT-TUNとしての活動に復帰するも、不協和音の噂は絶えず、デビュー時のKAT-TUNの勢いが戻ることはなかった。一方で盛んに夜の繁華街に繰り出すようになり、赤西を中心とした悪名高い夜遊びグループ「赤西軍団」が誕生する。ジャニーズでは山下智久、錦戸亮らが加わっていた。アイドルらしからぬ行状はもとより、赤西軍団の最大の問題は薬物疑惑がつきまとっていることだった。遊び仲間の一人のプロテニスプレイヤー宮尾祥慈は大麻使用で有罪判決を受けていた。赤西自身も捜査のターゲットとなり、2009年には逮捕されるとの情報が流れたものの、辛くも難を逃れている。少なくともこの時は限りなくクロに近い状況だったと考えられる。その後薬物疑惑のささやかれるクラブなどでの退廃的な夜遊びショットが多数流出した。薬物疑惑は現在に至るまでことあるごとに取りざたされて、赤西唯一の懸念材料になっている。

◆赤西のわがままさが功を奏す?

こんな騒動がありながらも、2010年7月にはKAT-TUNを脱退し念願のソロとなり、翌年にジャニーズのお膳立てで全米デビューを果たす。ところが、恩を仇で返すかのように、2012年2月、事務所に無断で黒木メイサとできちゃった結婚し、制裁としての謹慎に入った。その間、9月には長女が生まれ、赤西は育児にいそしみながら楽曲作りに励んでいたようだ。ジャニーズ、というよりジャニー喜多川はなおも赤西を見限らず、2013年6月に謹慎が解けると積極的に推して立て続けにCDリリースさせるのだが、赤西はその方針に不満を抱き、ついに2014年2月の契約満了を以ってジャニーズを退所するのである。赤西のわがままさばかりが目立つ顛末だった。
ジャニーズをやめたタレントは、バーニング系などに拾われない限り、大手メディアから排除されて辛酸をなめるのがそれまでの常だったので、その後の赤西の身の振り方に注目が集まった。赤西は同年7月14日の30歳の誕生日に自身のレーベルを立ち上げ独立。独立後最初にリリースしたCDは4万枚を売上げ、自主レーベルとしては上々の滑り出しを見せる。その後は大手メディアとは無縁にネットを活用しながら、市民会館クラスのハコを中心に全国ツアーを行うなど堅実な活動を続けた。さらに音楽フェスへの出演などを足掛かりに中国への進出を図ると、いつの間にか中国人気を獲得する。今後薬物問題でのつまづきさえなければ、ジャニーズ残留組よりはるかに大きな成功を勝ち取る可能性も出てきた。

◆韓流に先を越されたジャニーズの空白地帯〈中国〉

もともとジャニーズ事務所は中国進出を熱望していた。市場として有望だからなのは言うまでもないが、もう一つ、海外進出はジャニー喜多川にとって最後に残された夢、という事情もあった。赤西の強引なアメリカデビューもその海外への夢に後押しされたものだったがあまりうまくいかなかった。ならば中国ということで、ジャニーズは中国進出のためにさまざまな根回しを熱心に行った。しかしせっかく努力して中国コネクションを築いたのにもかかわらず、その後政治的に日中関係が冷え込んだことにより、中国進出は宙に浮いてしまっていた。

ジャニーズが手を出せない間に中国はすっかり韓流に席巻され、ジャニーズの空白地帯となっていた。そこに単身乗り込んだ赤西にとっては、中国は独占市場に等しいものだったかもしれない。もともと逸材でアメリカでの活動経験もある赤西には、十分に韓流と差別化できる魅力があり、自立した活動スタイルも自己主張の強い中国人気質と相性が良かった。

かくして、2015年には中国の「アジア人気アーティスト賞」「年度音楽大賞」を受賞、今年に入ってからは「アジアで最も影響力のある日本人アーティスト」に選ばれるなど、着々と中国での認知度を上げ、はからずもジャニーズをやめてからジャニー喜多川の夢を実現することになった。あまりにうまくいっているので、ジャニー喜多川が裏で個人的に支援しているのではないかという噂もあるほどだ。

この赤西の軌跡を、SMAP解散騒動を踏まえて見ると、めちゃくちゃに見えたジャニーズ時代のふるまいにも、理由があったのだろうかと思わせられる。赤西は、ジャニー喜多川にはかわいがられた一方、メリー・ジュリー母娘には疎まれていたといわれ、彼女らに不合理な前近代性を感じ取って孤独な戦いを続けていたのかもしれない。


◎赤西仁HP http://jinakanishi.com/

◆SMAPでさえ干される〈時代遅れ〉を越える戦略はある

ジャニーズ事務所とタレントの関係では断然タレントの方が弱い立場にあり、関係が良好でなければSMAPでさえ使い捨てにされるのだが、赤西は、独立してやっていくために必要な経験と実績をジャニーズで積み、うまくジャニーズを使い捨てている。SMAP騒動でジャニーズ側の横暴ぶりが明るみになった今から見ると、むしろあっぱれだったというべきだろう。赤西は、「ジャニーズを利用して知名度とスキルアップをはかり、脱退後はその政治力の及ばないネットや海外で活動する」という新たな道を切り開き、後輩たちにおおいに希望を与えることになりそうだ。

すでにその兆候は見えており、2011年に未成年喫煙問題で忽然と姿を消した、元Hey Say JUMPメンバーの森本龍太郎が、格闘技団体をバックにこの4月から独自に芸能活動を再開している。またSMAP騒動の前後から、二番手クラスの人気Jr.が相次いでジャニーズを去り、スターダストプロモーションから「地下アイドル」としてデビューして注目を集めている。そのタイミングや彼らが飯島三智の推しメンだったこと、また飯島がかねてよりスターダスト社長細野義朗と親しいことなどから、動きの背後に飯島がいるのではないかともささやかれている。

赤西、そして小林幸子の成功にも見るように、もう大手メディアや事務所の政治力に頼らなくても、工夫次第で芸能活動が成り立つ時代になりつつある。「干す」ことをちらつかせて恫喝し、タレントを支配するやり方は、遠からず通用しなくなるだろう。そしていずれは、ジャニーズのような強大な芸能事務所も時代遅れなものとなり、その存在意義を失っていくのではないだろうか。

(遠藤サト)

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AKB48はブロイラー? 「RIZAP」CMで急速ダイエットした峯岸みなみの宣伝効果

峯岸みなみがポコッと出たお腹のボディを鍛えた結果、アスリートばりに腹筋が浮き出るほどのセクシーなくびれを見せつける「RIZAP」のCMは「2ヶ月間に及ぶ肉体改造に成功」と報道されているが、「あらかじめ、RIZAPの指示で好きなだけ食べてあえて太った」という話が芸能界のみならずスポーツジム業界でささやかれている。

「それもそのはず。昨年の7月ごろは、『AKB48 41th シングル選抜総選挙』では19位とふるわず、『そろそろ過去のスキャンダルも忘れかけているし、勝負の年かも』と言って力んでいた割には結果とのギャップに落ち込み、ストレスからか焼き肉にふぐに、スゥイーツと暇さえあればガツガツと食べてしまい、同じ事務所の高橋みなみに『あんた、本当に服が着れないほどデブになるよ』と警告されていたほど。ですが今から考えると、『太ったシーンを撮影したい』というRIZAPの思惑にのって『爆食い』しまくったのです。一説にはこれらの飲食費をRIZAP側が負担したとも言われたほど、食が太くなりました。女の子としては、この爆食いの時間が一番幸せだったという見方もできます」(芸能ジャーナリスト)

ちなみに峯岸の場合、お腹がポコっと出やすいのはぜひとも「改善したい」体質だったようで、伝えられているのは、48.6キロから2ヶ月後に43.7キロになったものの、昨年の夏ごろは通常よりも4キロは増量という。

「峯岸は、トレーニング前は50キロを越えていたのではないでしょうか。ランニングなどの有酸素運動をいやがっていたので、背筋と腹筋を中心にプログラムを組んだはずです」(事情通)というが、鍛えていた昨年の秋から冬にかけては「午後6時以降は、水分しか摂取していないほどストイックに生活していたようです」(アイドルライター)というから、ダイエットへの執念は相当なものだろう。

このダイエット宣伝は、本人がローソンの「骨つきスモークチキンを食べていた」と話すと売り上げが急激に上がるなど、実に多角的な宣伝プランの「仕掛け」の臭いがふんだんに漂う。

RIZAPを経営している会社に「あえて峯岸を太らせてから、ダイエットのプログラムに入らせたのか」と聞いたが、期日までに回答はなかった。

ただし、このところまたリバウンドしてきているようで、「着替えをしているシーンを見たAKBのメンバーのひとりは『また小太りが始まっている』と仲がいい記者にリーク。ネットにはバーベルをあげたり、ベンチプレスで歯を食いしばる映像が流されているが、今もなお、誰か記者がこっそり「爆食い」している映像を狙っているという話だ。

それはさておき、「ブロイラーのごとく太らせてから一気に体重を落とす」やりかたは健康学的に無理がありそうだ。そのあたりの「反論」もぜひ医療学者たちに期待したいところだ。

さて、そんな峯岸の昨年の総選挙の順位は19位だ。 今年、「AKB48 45thシングル 選抜総選挙」は、6月18日に行われる。8回目のチャレンジで念願のトップ10に「ダイエット効果」に入るか、峯岸。注目したい。

(鈴木雅久)

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池袋サンシャイン噴水広場で見た「Crystal Kay」

 

5月3日、僕は「池袋サンシャイン噴水広場リニューアルイベント」に来ていた。ここでは、17時から「Crystal Kay」(以下、ケイ)が新曲を発表する。とはいっても、すでに3月23日に発売されている作品で、「サクラ」というタイトルだ。

あまりにも実力がずば抜けているという点で、この歌手はさまざまな羨望と嫉妬をかき集めた。そして安室奈美恵とコラボした「レボリューション」(https://www.youtube.com/watch?v=k0eaOuwA1mc)ですら、「事務所の力で強引にコラボを申し入れた」と囁かれた。

しかし現実に目の前で歌い、踊るケイは、情熱をたたきつけるようにして、初夏で熱気がこもりがちな噴水広場でめいっぱい、観客を惹きつけた。

 

サンシャイン噴水広場は、実はリニューアルして、大きなスクリーンがお目見えしている。だからコンサート会場にいるような迫力があるのだが、いかんせん音響には工夫がない。ものすごくシンプルに言うなら、「リバーブ」がかかり、カラオケボックスの中にいるように音がまわる。
「しかたないね。ライブ会場としては、まだまだ未成熟ですから」と音楽ライターは言う。

そして、驚くべきことにCDは見ていれば十数枚しか売れなかった。音楽が不遇の時代だ。しかし、それでも、と僕は思う。「伝える力のある音楽は残る」と。

 

そして「伝わらない音楽」は、歴史から消えていく。これは当たり前のことだ。実力とはまたちがう、「人の心に残る歌」を持っているミュージシャンは幸福だ。そしてどのような事情であれ、消えていった音楽家には哀悼の意を表したい。

来年の今日と【今年の5月3日】では、音楽シーンをリードする顔ぶれはまったくちがうだろう。だがそれでいいのだ。それでいて「新陳代謝」がなされる。大塚家具の老人社長のごとく、古い音楽家は去り、また今年も「アイドルの聖地」であるここ、池袋・サンシャイン噴水広場に新しい顔ぶれの音楽家や歌手がやってくる。

(伊東北斗)

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芸能界の勢力図を塗り替えろ。「欅坂46」デビュー

秋元康が乾坤一擲の力を注ぎこむ「欅坂46」がいよいよ「サイレントマジョリティー」というデビューシングルで登場した。
https://www.youtube.com/watch?v=DeGkiItB9d8

シングル発売は、4月6日で、22日にはすでに「ミュージックステーション」に登場、プロモーションに秋元サイドが力を入れているのがわかる。個人的には、「櫻坂よ、売れろ」と思う。「櫻坂46」はたとえば前田敦子に象徴されるような素人集団「AKB48」とはもっとも遠い地点にある。たとえば洗練されたダンスと、ボーカルたちには実力がある。現在、センターを担当している指原莉乃がかつて語った「AKBに入ろうとおもったら、ダンスの練習はしなくてもいいです。素人っぽいほうが受けるので」というふざけたコンセプトからも距離を置いているプロ集団だ。AKBのコンサートでチケットが3割も売れ残っているという今の状況下で、幸いにも大衆たちは「本物」を求め始めたのだ。

まず特徴のひとつは、とにかくセンターの平手友梨奈の評判がいいことだ。応募総数2万2509名からセンターに選ばれた14歳の平手は、CMやドラマに引っ張りだことなるだろう。もしかして宝塚にでも入れたのではないかと思うほどの妖艶さを持つ平手を売り出すためのチームが「欅坂」だという声もあるが、この際、そんな斜めからの視点は無視しよう。

2つめの特徴は、「櫻坂」が明らかに6月8日の「45THシングル総選挙」へのアドバルーンとして「使われている」ということだ。もう「AKB48」そのものに新しさはない。もしかして「おばさん」となった「48」を集客でひっくり返すかもしれないのだ。

3つめの特徴は、「欅坂」は特定の劇場にこだわらず、全国規模で展開する存在だということ。もはや「箱」を捨てて「電波」を選んだ彼女らの死に場所にして、生きる場所はメディアという四角い画面である。これが吉と出るか、凶と出るか。

いずれにしてもこのシングルはわずか3日間で約25万1000枚を売上げ、もはや100万枚突破は堅いところだろうと指摘されている。芸能界を席捲するのか、それとも「ダダ滑る」のか。「欅坂」よ、売れろ。芸能界に本物志向を呼びもどせ。個人的には、実力ある「欅坂」を応援したいが、様子を見てみよう。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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[増補新版]ジャニーズ50年史
[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル

ジャニーズ転機のマイルストーン 『ジャニーズ50年史〈増補新版〉』

[増補新版]ジャニーズ50年史

本書は、2014年初版の『ジャニーズ50年史』に、今年1月に起きたSMAP解散・脱退騒動の流れを加筆した増補版である。

ジャニーズ事務所は2013年に50周年を迎えている。『ジャニーズ50年史』は50年間のジャニーズにまつわるできごとを、時系列で並べてまとめた、ジャニーズの歴史を俯瞰するのには最適な書だ。ここでのジャニーズの歩みは、途中の浮き沈みはあるものの、大筋では逆境を乗り越えての発展・拡大の軌跡となっている。

◆年明け早々のお家騒動がジャニーズ衰退への大きなトリガーに

2015年までのジャニーズは、男性アイドルという市場にあって、ぶっちぎりの強さを誇っていた。行き着くところまで行ったという頭打ち感は徐々に出ていたが、まだまだ当面その覇権状態は安泰に見えた。ところが2016年の年明け早々、SMAP解散・脱退騒動が、ジャニーズ帝国の根幹を大きく揺るがした。このお家騒動は、ジャニーズを予想外に早く衰退に向かわせる大きなトリガーになった可能性がある。

SMAP育ての親、ジャニーズ中興の立役者だった飯島三智は1月でジャニーズを去り、この4月からメリー・ジュリー母娘の一本化された新体制に本格的に入った。飯島が最後に残していった置き土産のような仕事もなくなり、いよいよ次期社長ジュリーの真価が問われることになる。  

そもそも、飯島に若手タレントを任せたのはジャニー喜多川の意向だったといわれる。タレントが増え、ジュリー・メリー母娘のキャパシティーを超えてきていたので、長年別働隊だった飯島の能力を活用するのは理にかなったことだった。飯島は、人気の如何にかかわらず、律義に新たな仕事を作り傘下のタレントに振りあてて、SMAP以外のマネージメントでも敏腕ぶりを発揮した。ジュリー・飯島の二頭体制はうまくいき、2011年から2015年の間に、ジャニーズの業界内領土は最大版図を獲得するに至った。それをわざわざぶち壊したのだから、経営者としてはクレイジーというよりほかはない。普通に考えれば、飯島をバックアップし十分に働かせその成果を享受する方が、どれほどおいしいことか。

新体制では、すでに子飼いタレント同士で仕事を奪い合うような状況が生じており、この先旧飯島派タレントが合流した大所帯を捌き切れるようにはとても見えない。
 
◆ジャニーズ事務所はもう「国民的アイドル」を生み出すこともできない?

事務所のイメージも悪くなる一方だ。4月から、テレビでSMAPを見かけることが露骨に減っており、1月の「公開処刑」に続き、SMAPが干されるように陰湿に仕向けていることが容易に推測される。夢を売るはずのジャニーズ事務所は、夢の代わりに、SMAPを通じていじめの雛型を日本中に示し続け、多くの人々を嫌な気分にさせている。これでは子供のいじめがなくなるはずもなく、ジャニーズがしばしば口にしてきた「子供たちへの影響を考えて云々」というキレイ事はすべて嘘だったことがよくわかる。そしてこれだけイメージに傷がついたジャニーズ事務所には、もう万人に愛される「国民的アイドル」を新たに生み出すこともできないだろう。

やることなすことがあえて自滅の道に向かっているようにしか見えないのだが、一体この母娘はどういうつもりなのだろうか。実はもう、芸能事務所の経営などどうでもいいのかもしれない。すでに孫子の代まで何もしなくても悠々自適に暮らせるくらいの資産は十分にあり、貸しビル業でも営んだ方がよほど楽で儲かるはずなのだ。だからソニーにおける電機事業のように、芸能業務はアイデンティティと趣味の部分で残していけばよい。そうであるなら、目障りで気に入らないものを叩きつぶし、自分たちの好みの色に染め上げることが再優先になるのもわからなくはない。気の毒なのはそれに付き合わされるタレントたちだ。若手たちは、中高年の先輩タレントたちのような将来があるとは思わない方がいいかもしれない。

しかしファンでもない立場から眺める分には、今後予想されるジャニーズの縮小・衰退フェーズも、味わい深く面白いものになるのではないか。ぜひジャニーズの大きな曲がり角に建てられたマイルストーン『ジャニーズ50年史 増補新版』を傍らに、巨大芸能事務所盛衰の歴史を鑑賞してみて欲しい。
 
(遠藤サト)

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