鹿砦社代表 松岡利康
ロシア史専攻の藤本和貴夫さんの訃報が伝えられました。

藤本さんと出会ったのは学生時代でした。
当時の鹿砦社が出版した『赤軍の形成』に掲載されていた「赤衛隊から赤軍へ」という長い解説文を読んで講演に招いたことがきっかけとなりました。学生時代から当時の鹿砦社の本を読んでいましたが(一番感激したのは学費値上げ阻止闘争で逮捕され勾留された京都拘置所で読んだ『左翼エス・エル戦闘史』でした)、まさか、その私が鹿砦社の経営を引き継ぐとは思ってもいませんでした。早々、鹿砦社を紹介してくれたのも藤本さんでしたし、取次会社との契約更改の保証人にも就いていただきました。
卒業後も付き合いは続き、連続講座をやってもらったこともありました(画像参照)。

当時はまだロシア革命への幻想があって、この問い直しを試み、そして革命の意味を探究するということでした。反(非)日共系は、スターリン主義に反対しレーニン主義を問い直し、トロツキーから左翼エスエル、クロンシュタット叛乱、マフノ……などを読み込んだものでした。第一期トロツキー選集は全巻揃えたものですが、誰かに貸したままです。「ロシア革命の栄光であり誇り」といわれたクロンシュタットや左翼エスエルを弾圧したのが、軍を掌握したトロツキーという歴史の皮肉、今でもロシア革命が歪曲されたのは、ここのところだと思っています。私も、クロンシュタットについての論文を翻訳し掲載しています。
それにしても、私よりも上の世代、同世代、ちょっと下の世代がどんどん亡くなっています。中道武美、内藤隆両弁護士など、鹿砦社の裁判闘争を長年支えていただきました。
やり残しているものは何か?
焦りに苛まれます。
(松岡利康)

