西日本大水害2018から4年 改めて振り返る〈2〉「宴会とカジノ」優先だった故・安倍晋三さん さとうしゅういち

◆凶弾に斃れたからといって検証の手を緩めてはいけない

西日本大水害2018から4年がたった2022年7月10日執行の参院選。その終盤でとんでもないことが起きました。

7月8日、奈良市内で自民党候補の応援演説中だった水害当時の総理・安倍晋三さんが、凶弾に斃れました。このことについては、お悔やみ申し上げます。しかし、亡くなったことで故人を神格化するかのような論調には違和感を覚えます。神格化することで、故人の事績の分析が適切に行われないと、とくに安倍さんのような大物政治家に関する場合は、危機管理の改善が行われずに、人命に関わることも考えられるからです。とくに、西日本大水害2018の場合は、後世に教訓とするためにも、きちんと当時の安倍晋三さんの総理としての災害への向き合い方・安倍内閣の危機管理能力を検証する必要があります。14日、安倍さんの国葬を法的根拠もないまま岸田総理が独断で決めてしまいました。これを批判するとともに「今後の危機管理」のためにも、故人を神格化しないことを呼びかけます。

◆7月10日 被災地の混乱よそに、カジノ法案審議に突入

 

さて、2018年に時を戻します。7月8日(日)朝8時の閣議で、安倍晋三さんは非常災害対策本部を立ち上げました。しかし、その時には大災害があちこちで起きていたのです。その後も安倍さんの「ヌルさ」は続きます。なんと、予定していた外遊を取り消したのが7月9日(月)だったのです。

7月10日、参院内閣委員会でカジノ法案の審議がはじまりました。ちなみに、この日は筆者が、広島市安佐北区口田の被災地入りしています。被災地は、右上の写真のようなありさまでした。1時間半、土砂除去作業に従事しただけで、マスクも手袋も泥まみれでした。ちなみに、いまは、コロナ対策でマスクがデフォルトになってしまっていますが、このときはもちろんそうではない。しかし、マスクがないと泥を吸い込んで大変なことになります。

また、この日は、広島県安芸郡府中町で上流に災害でできた「ダム」が崩れ、大雨から3日たってから市街地に洪水が押し寄せたのです。

そんな被災地の混乱をよそに、この日からカジノ法案の審議でした。この時、安倍総理は出席しませんでした。国土交通大臣らが答弁をしました。実は、石井国交大臣は、府中町の洪水については、「ニュースで知った」と答弁する始末でした。本当に浮足立っていたのです。

◆安倍政府のヌルさをただした野党議員

この日、自由党参院議員だった山本太郎が質問にたち、安倍内閣の危機管理のヌルさを指摘するとともに、具体的な提言をおこなっています。

山本太郎は「気象庁が警鐘鳴らして、実際に規模の大きい避難勧告が出た日から非常災害対策本部が設置されるまでは3日間、3日間掛かった。」と指摘しています。

そして、熊本大震災2016については「震災発生から非常災害対策本部立ち上げまでは約1時間。今回は、気象庁が警鐘を鳴らし、実際に規模の大きい避難勧告が出た日から非常災害対策本部が設置されるまでは3日間。」

九州北部豪雨2017については「昨年7月に起こりました平成29年7月九州北部豪雨、このときには、実際に豪雨が降る前から予測して対応していたんですよ。たまにはいいことするんですね。」

と実例を挙げて、今回の政府の対応のヌルさを明らかにしました。

また、この非常時に防災を担当する国土交通省幹部が国会に多数出席しておられることを憂いて「その上、本日、ばくちの解禁法案審議スタートですか。多くの野党が求めているのはカジノではないですよ。災害対応ですよ、今国会でやるべきは。カジノの審議が遅れて誰か人死にますか。国民生活、誰か困りますか。困るの利害関係者だけじゃないですか、遅れたらどうするんだよみたいなことで。」とせまっています。

そして、九州北部豪雨2017と比べても20倍近い自治体に災害救助法が適用されているという答弁を引き出し、安倍政権に覚醒を促しました。

その上で、「災害派遣等従事車両の証明書の発行の簡素化」を提案しました。ボランティアが高速料金を払わずに広島など現地に行けるようにするためのものです。これは、「水害は2週間が勝負。」であり、それまでに多くの人が現地入りできるようにしなければならないからです。土砂や洪水にまみれた家を二週間以上放置すれば腐ったりカビが生えたりするなどして、衛生上よくないからです。たとえ床下浸水でも、土砂を除去して消毒をしないといけないのです。筆者も実際に、県内の被災地でボランティアに従事し、被災から二週間以上経った土砂の匂いやカビなどには閉口したのを記憶しています。

山本太郎のこの提案に対して石井国土交通大臣も「ボランティアが現地に入るのになるべく手続を簡素化してほしいという御要請かと思います。私、直接の所掌ではありませんけれども、委員の御指摘、非常に重要なことかと存じますので、閣僚懇談会を待ちますと今度の金曜日になりますから、それを待たずになるべく早く伝えるようにしたいと思います。」と答弁。この提案は実現しました。おかげで、神奈川や大阪など遠方からも応援が広島県内の被災地に多く来られるようになりました。

また、被災地に入りやすい重機の充実整備、そして、民有地の土砂の除去を自衛隊もしてほしいということも要望し、前向きな答弁を得ています。

山本太郎以外にも活躍した野党議員はいます。弁護士でもある日本共産党の仁比聡平議員です。仁比議員は地盤である広島など各地を回っておられる姿をわたしも拝見しました。仁比議員は民有地の土砂を除去する場合に公費負担をという趣旨の質問を行い、実現しました。

◆関東の高学歴安倍支持者「西日本の物流なんて崩壊すればいい」

さて、7月11日には、関東地方の安倍内閣支持者を名乗る人物、それも高学歴でそれなりの社会的な地位のある人物が、わたしのSNSサイトに「西日本の物流なんて崩壊すればいい」という趣旨の書き込みをされるという事件がありました。ボランティア活動で疲れ切っているときに、イライラさせられたのを覚えています。呆れましたが、実は驚きはしませんでした。

実を言えば、関東のブルジョア・インテリで、「東京と神奈川東部・千葉北西部以外日本じゃない」ような感覚の方も多いのは、筆者自身、東京で過ごした中高、大学時代の同級生の言動でよく存じています。

あえて暴言と言われるのを承知で申し上げれば、「関東南部生まれで東京のいわゆる難関中高から東大卒でたいした苦労もしてない」方々ほど、そういう世界観になりやすい傾向がある、というのは現実あると思います。

そういう方々が2011年頃は東北の被災者に冷たく、2018年には西日本の崩壊を事実上喜んでおられるのも不自然ではない現象です。安倍総理の取り巻き高給官僚とかブルジョア知識人などもそういう方が多いのかもしれません。だから誰も総理に「こんなときに酒盛りをやっていたら不味いですよ」などと注意しなかったのでしょう。

◆7月12日 被災地の泥、水が抜けてだんだん固まる 国交大臣「退席して災害に専念を」の諫言に耳貸さず

7月12日、筆者は、再び同じ安佐北区の被災地を訪れました。

だんだんに水分が泥から抜けていました。しかし、これにより、泥が固まり、泥を掘り崩す(というのが一番正確な感じ)のも苦労が多くなってきます。発災から6日。二週間のタイムリミットが迫ってきます。この日は日本共産党の大門みきし参院議員が、国交大臣に「退席して災害対策に専念していいですよ」と勧めたのですが、大臣は耳を貸しませんでした。

この日はわたしは、熱中症でぶっ倒れてしまいました。ボランティアセンターを主導された伊藤昭善広島市議に手厚い救護をいただいたことを感謝しています。

 

◆7月14日 水道民営化法案、ようやく審議見送り 総理は五十股で来広中止

この日、水道民営化法案が審議見送りという報道がされました。当然です。災害で水道が壊れまくっているのですから、そちらの復旧が当たり前です。
一方で、総理はこの日、来広予定だったそうですが、五十股にかかられ、中止になりました。

このことについて、年配のボランティア男性は「天皇陛下は来てくれたらうれしいけど、総理とか政治家は警備で作業の邪魔になるだけだ」という本音を漏らされました。

◆7月15日 被災者生活再建支援法改正成立を野党が日曜討論で提起も

阪神淡路大震災を契機に成立した被災者生活再建支援法。立憲、共産、自由、社民など野党は、共同で全壊世帯の支援金を300万円から500万円に引き上げる改正案をすでに3月に提出していました。これをのこり6日の国会会期で成立させよう、と野党側はこの日の日曜討論で提起しました。

しかし、与党側はけんもほろろな対応でした。

◆7月17日 猛暑続き作業と休憩半々

筆者は安佐北区口田の被災地入りしました。猛暑でもう、作業と休憩時間を半々でもいいくらいの感じでした。道路の復旧は進んでいますが、泥が固くなって作業に手間取るようになってきました。

その前後に、広島市安佐南区内で街頭演説を実施し、現場の状況の報告や、ボランティア参加にあたっての注意点、そして、政府や自治体への提言を行いました。

まず、現場については「土砂が乾燥してサウジアラビアかイラクかと思われるような状態になっている。や鼻をガードしてほしい。マスクは必須だし、目が弱い人はゴーグルを」と注意を喚起。

「人手は足りていない。土砂がまだ多く残っている。しかし、この猛暑だ。作業時間と休憩時間半半でも良いくらいの暑さだ。体力温存重視で参加してほしい。」と訴えました。

そのうえで「総理や石井国土交通大臣からは言い訳ばかりでやる気が今一つ伝わってこない。本気で災害対策に取り組むなら、水道民営化や国民投票法案だけでなくカジノ法案も取り下げよ。そして野党が提案している被災者への支援を300万円から500万円に引き上げる法案を、たまには与党も野党案に賛成して成立させたら(与党も株が上がるのでは)?」と提案。

 

さらに「これだけ災害が続発する一方、朝鮮半島は緊張緩和だ。今後は、自衛隊を分割し、サンダーバードのように、地球上どこでも災害や事故に対応する救助隊を設置したらいい国際貢献になる。戦争のための海外派兵(のための改憲)よりサンダーバードを。」と訴えました。

さらに「災害のたびに住む場所に困る人が出る。普段から住宅政策が貧困なことも背景にある。例えば、安全な場所の空き家を県や市が借り上げて公営住宅として貸し出す仕組みをつくっておけば、災害の時にも役に立つのではないか? 平時でも、若い時に買ったマイホームが山岳地帯にあって日常生活に困っているお年寄りの住み替えをスムーズに進めるのに役立つのではないか?」と借り上げ公営住宅の推進を訴えました。


◎[参考動画]西日本大水害 ボランティアは体力温存優先で 政府幹部は災害対策にもっと本気に

◆改憲で緊急事態条項導入ならむしろ危機管理は後退!

筆者は、この西日本大水害2018を振り返り、もし、憲法改悪がされ緊急事態条項が導入されていたらどうだったかとおもうと、背筋が凍ります。緊急事態条項は、緊急時に、総理大臣に独裁的な権力を与えるものです。国会を開かない、といったこともできます。

しかし、安倍晋三さんや石井国土交通大臣の当時の対応を拝見するかぎり、もし、国会が開かれなければ、山本太郎や仁比聡平ら野党議員の提言も届かず、「ゆるゆるの災害対応」で進み、さらに多くの人が困ったり、命を落としたりしたことでしょう。あるいは、政府の災害対応に街頭演説やビラで注文をつけたわたしのような市民も取り締まられたかもしれません。

くどいようですが、安倍晋三さんが、凶弾に斃れられたこと。そのことについてはお悔やみ申し上げたい。

しかし、一方で、安倍晋三内閣の緩慢すぎる危機管理についてきちんと検証しなければ、「危機管理のための緊急事態条項改憲」が進み、その結果、危機管理は後退する上に市民は弾圧されるという最悪な結末が想定されるのではないでしょうか?
今後も、筆者は西日本大水害当時の安倍晋三内閣の危機管理について検証をしていきます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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西日本大水害2018から4年 改めて振り返る〈1〉 さとうしゅういち

西日本大水害2018から4年が経過しました。広島県で114人、岡山県で64人、愛媛県で27人など263人が犠牲になるなど、普段は雨が少ない瀬戸内地方を中心に大きな被害が出ました。日本の災害に悪い意味で新たな歴史を刻んだ水害でした。

◆50年前の飛騨川バス転落事故に似た状態に

2018年7月4日夕方。台風一過とは思えぬどんよりとした雲がかかっていました

この水害をもたらした大雨が降り始めたのは2018年7月5日(木)のことです。その前々日、台風7号が対馬海峡付近を通過し、広島でもそれなりの暴風雨になりました。台風は日本海で温帯低気圧に変わりました。普通は台風が通過して「台風一過」で梅雨明けになる場合が多いのですが、そうはいかなかった。

筆者はそのとき、ふと、1968年8月18日未明に岐阜県の飛騨川にバスが転落して104人が犠牲になった事故のことが頭をよぎりました。

以下は7月4日夕方の筆者のブログへの書き込みです。台風一過とは思えぬどんよりとした雲がかかっていました(写真右)。

「50年前の飛騨川バス転落事故を思い出します。台風通過後にそこから伸びた前線と湿った空気のために岐阜県で大雨となり、犠牲者100人超の大惨事になりました。明日以降、飛騨川バス転落事故と似た気圧配置ですのでご注意ください!」

その筆者の予感は当たってしまいました。

翌5日は午前3時ころから大粒の雨が降りはじめました

◆7月5日朝から本降り

翌5日は、筆者がいた安佐南区でも午前3時ころから大粒の雨が降りはじめました。そして、9時ころから本降り、10時前から土砂降りとなりました。

14時には気象庁が会見し、未曽有の豪雨になるおそれがある、と発表しました。

15時から夕方18時くらいまでは、次々と強烈な雨雲がレーダーでも次々と広島市内に流入している様子が明らかになりました。

17時に広島市中区の広島地方気象台で累加雨量85ミリ。広島瀬戸内新聞安佐南支社の近くの祇園山本で117ミリ。広島市全域に避難準備情報が出されました。

◆安倍晋三さんはそのころ、大宴会

しかし、こともあろうに、この後、当時の総理というよりは、まるで皇帝のようにやりたい放題だった安倍晋三さんが、岸田現総理らを招いて自民党本部で大宴会を開いていたのです。そこで総理が差し入れた山口県岩国市の地酒も、蔵元が大被害を受けてしまったのですが、そんなことになるとも知らずに安倍さんはのんきに宴会をしておられたのです。

「こんな人たち」に、独裁権を与えてしまう「緊急事態条項」。こんな改憲をしても、日本の危機管理能力がアップするとはとても思えない。そういう事件でした。

翌日6日(金)11時半頃、東区不動院前では太田川河川敷に水があふれ始めました

◆5日夜は小康状態も6日5時頃から再び大雨に

とはいえ、広島市内の雨雲はいったん東へ抜けて、筆者の周囲では小康状態でした。5日の合計雨量は広島気象台で81ミリでした。しかし、翌日6日(金)5時には、大雨が降り始めました。

11時半には、広島市のほとんどが、土砂災害警戒レベルが警報レベルの3に達しました。0-12時までに、新たに52ミリの雨が気象台では降り、合計133ミリに達しました。

このころ、東区不動院前では太田川河川敷に水があふれ始めました(右写真)。

15時までに降り始めからの雨量が183.5ミリに達します。5日の降り始めから6日16時までに196.5ミリ、17時までに206ミリに達します。ここまでは、1時間に10-20ミリの雨が長時間続く感じでしたが、このあと、状況がさらに悪化します。

18時までに合計雨量が237.5ミリ、すなわち1時間に41ミリの激しい雨となりました。すでに200ミリの雨で地盤が緩みかかっているところに激しい雨。たまったものではありません。

続く19時までにも広島市で48ミリ。これが振り返れば「決定打」となって、19時40分に気象庁は大雨特別警報を広島県にも出しますが、すでにその時には大被害が出始めていました。

安佐北区でまず、芸備線の安芸矢口駅前が水没。さらに、土砂災害で犠牲者も出てしまいます。

強烈な雨雲は北東から南西に伸びており徐々に北東へ流れつつ、全体として東へ移動していきました。すなわち、安佐北区に大被害を与えた雨雲はさらに、安芸区・安芸郡海田町や南区を結ぶライン、そしてさらに安芸郡熊野町・坂町を結ぶライン、さらに東広島市~呉市を結ぶラインへと少しずつ移動しながら激しい雨を降らせていきます。

7日午前3時までに広島市中区の気象台では降り始めからの雨量が362.5ミリとなりました。このころには、雨雲の中心が福山市や尾道市、三原市、竹原市などに大きな被害を与えながら移動していたのです。

2018年7月6日17時頃の安佐南区民文化センター付近。会話が聞き取れないくらいの激しい雨だった

◆被害が大きかった地域ほど「過少」報道

7日(土)朝8時半に報道されていた被害状況は以下でした。

三原市で1人死亡、4人不明。
福山市で1人死亡。
竹原市で4人不明。
府中市で1人不明。
東広島市で1人死亡、不明者相次ぐ。
呉市で2人不明。
坂町でも2人不明。
広島市安佐北区で2人不明。
東区で土砂に埋まった人?
安芸高田市で1人死亡。
4人死亡、15人不明というのがこの段階での被害報道でした。

本当に被害が大きかった坂町、呉市、広島市安芸区、熊野町などの被害が小さめに報道されているのが特徴です。しかし、それは、これらの地域が道路や鉄道の寸断で孤立してしまったから把握されていないだけだったのです。

筆者はそれでもこの日は太田川を渡って、老人ホームに出勤して仕事をしました。
太田川河川敷のゴルフ場はすべて水没していました。

ゴルフ場の常連客とみられる男性が、ゴルフ場の従業員に詰め寄り「いつになったらゴルフができるようになるのだ?!」とおっしゃっていたので、従業員も困っておられました。人間、好きなことのためには非常事態もそっちのけなのだ、ということを感じました。

しかし、一般市民である「普通のおっさん」はそれでよくても内閣総理大臣が、相変わらず宴会三昧では困ります。

安倍晋三さんは、結局、ずっと毎晩、総裁選対策の宴会をしておられたようでした。

7日22時には全国で47人死亡、49人不明で広島では23人死亡22人不明と報道されました。22:30には全国で47人死亡、64人不明となりました。事態の把握が進むにつれて死者と行方不明の合計が増えていったのです。

◆8日朝、ようやく安倍晋三さんが非常災害対策本部

7月8日(日)朝8時の閣議で、安倍晋三さんは非常災害対策本部を立ち上げました。しかし、その時には大災害があちこちで起きていたのです。

広島市も含めて、山岳地帯に人が多く住む広島の場合は土砂災害がメインでしたが、平原地帯が比較的広い岡山県では倉敷市真備町で大洪水となっていました。救助の手も十分でない中で、多くの方が、自宅で水死という結果になってしまいました。

このような男がいま、維新などと連携するかのように、岸田総理を右から攻撃し、改憲を煽り立てています。しかし、こんな男が総理のときに、独裁権が総理にあり、西日本大水害があったらどうだったのでしょうか? 緊急事態条項発動で、国会も閉じられ、批判する言論も抑え込まれれば、危機管理能力がないこの男が暴走していた。そう思うとぞっとします。

しかし、安倍晋三さんの「本領発揮」は、非常災害対策本部が立ち上がったあとの復旧局面においても続きます。

そのことへの地元の被災者やボランティアの皆様のいら立ちの声も今後、稿を改めてお届けします。

※本稿は故・安倍晋三さんの生前に書かれたものです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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《参院選2022》「反安倍野党共闘2016」は賞味期限切れ! 市民にねざした政治勢力の確立を さとうしゅういち

第26回参院選が7月10日執行されました。今回の選挙はひとびとの暮らしがコロナの前から厳しく、コロナが追い打ちをかけ、さらにロシアのウクライナ侵略による輸入物価上昇に苦しめられる中で行われました。また、ロシアのウクライナ侵略に乗じて、自民党が防衛費倍増を打ち出し、安倍晋三さん(故人)や維新などが改憲や核共有を叫ぶ中で行われました。

さとうしゅういちは、憲法は変えずに財政出動で25条を主にいかす立場、新自由主義をやめて公共サービスを充実させる立場、そして核兵器禁止条約を進める立場、原発ゼロでの気候変動対策を進める立場で、比例代表ではれいわ新選組の躍進に取り組みました。


◎[参考動画]【参院選2022】消費税の73%が法人税減税に/教育・防災のプロ #れいわ新選組 #大島九州男を三度国会へ さとうしゅういちIN広島・五日市


◎[参考動画]参院選 さとうしゅういちIN横川駅前「れいわの頭脳・ダブルケアの当事者 #長谷川ういこ を国会へ」「原発ゼロのグリーンニューディールを」

れいわ新選組比例区候補の代理での遊説中に同じ地域の遊説中の中村たかえ候補を激励する筆者。7月8日撮影

広島県選挙区では島根原発再稼働反対、憲法改悪反対などがはっきりしている中村たかえ候補を応援しました。当初は筆者自身も選挙区での立候補準備を進めていましたが、広島の2議席を自民高級官僚と補完勢力に推薦されたタレントで独占させないとの観点から中村候補の応援に回りました。

わたし自身も党是の財政出動により人々の暮らしを底上げすることを軸に、憲法問題については緊急事態条項改憲ではなく、具体的な感染対策・防災対策の充実を、ということ、ロシアのウクライナ侵略という今こそ核兵器禁止条約と緊張緩和の外交こそ必要だということなどを訴えました。

また、介護福祉士としての経験や、介護医療担当の県庁マン時代の経験から、これまで軽視されてきたケア労働の給料抜本改善や、公務員バッシングは止めて地方に十分な人と財源を保障することを力説しました。また、今こそ原発禁止と再エネ、スマートグリッドなどへの大胆な投資をするべきことを街頭やネットで訴え抜きました。

この選挙の結果、れいわ新選組は選挙区で代表の山本太郎が1議席、比例区で2議席を確保しました。

広島市内では総理の地元の超保守王国であるにもかかわらず比例代表で15,002.548票(衆院選2021では14240票ですので支持を伸ばしています。) をいただきました。ご支援に感謝申し上げます(ネットでのお礼は合法ですがプリントアウトすると違法なのでご注意ください) 。

他方で、自民党が定数1の選挙区では青森、山形、長野、沖縄以外を獲得するなど、改選議席の過半数を単独で確保し、大勝してしまいました。憲法を変えることに前向きな勢力が引き続き3分の2以上を確保することになってしまいました。

なお、女性当選者は125人中35人で28%。過去最多割合となりました。女性議員が減ってしまった衆院選2021とは一転して女性議員が過去最多割合となりました。この点は遅々としながらも歴史の進歩は感じます。

広島県選挙区では自民党の官僚出身の現職が有効投票の過半数を獲得し、2位で当選した国民民主党などが推薦するタレントに二倍以上の差をつけました。中村候補は58461票の4位で及びませんでした。

参院選広島2022に立候補された皆様

《参院選広島2022開票結果》

宮沢洋一【当選】 530,375 自民現職公明党推薦 元大蔵官僚、世襲
三上えり【当選】 259,363 無所属新人 タレント 芳野連合、国民民主党、立憲民主党など推薦
森川ひさし 114442   維新新人 京都市議会で辞職勧告決議。
中村たかえ 58461 共産党新人 筆者が応援。
浅井ちはる 52969 参政党新人
渡辺としみつ 11087 NHK新人
玉田のりたか 7335 無所属新人
野村まさてる 7149 幸福新人
うぶはらとしふみ 6717 無所属新人
猪飼のりゆき 5846 NHK新人

今回の参院選の特徴は以下です。
・2016年以降のいわゆる野党共闘が崩壊、多党化が進んだこと。
・立憲民主党が労働貴族化し、衰退が決定的になったこと。
です。

なお、選挙運動期間終盤の7月8日に安倍晋三さんが応援演説中に、統一教会に恨みを持つと報道されている被疑者の凶弾に倒れるという凶事(総理経験者の暗殺は2.26事件の高橋是清以来86年ぶり)がありました。ただ、開票結果を拝見すると、今回の選挙に限って言えば大きな影響があったようには思えません。自民党が着実に地盤を固める一方で立憲民主党が後記の事情で自滅したことによるある意味で順当な結果というのが、筆者の見方です。

◆「反安倍野党共闘2016」賞味期限切れと多党化

2016年、当時の安倍晋三さん(故人)の暴走を止める目的で、野党共闘が始まりました。広島県内でも翌2017年に市民連合が広島3区で県内はじめて発足しました。

安倍晋三さんという「共通の敵」が総理だった時代には野党共闘は一定の役割を果たし、とくに2016参院選、2019参院選で一定の一人区で野党側が議席を確保する原動力になりました。

しかし、2020年、安倍晋三さんが退陣し、後継の菅義偉さんも1年で退陣して岸田内閣にかわるころから、野党共闘に求心力の低下がみられました。そこへ、連合の芳野友子会長が立憲民主党と日本共産党の選挙協力にネガティブな発言を繰り返したこともあり、2021衆院選では立憲民主党も日本共産党も議席を減らす結果になりました。

一つは、安倍晋三さんという強烈な個性を持った共闘の「標的」の消滅です。野党共闘は安倍晋三さんを標的に求心力を高めたのは間違いありません。それだけ、安倍晋三さんの政治がひどかったということなのですが。

もう一つは、地域にもよりますが「政策軽視での候補者一本化」の副作用が顕在化してきたことです。

一本化においては、日本共産党さんが一方的に候補者を下ろすパターンが多かったのですが、政策の大きく違う候補を推すことで内部的なご苦労もあったと推察されます。同党の比例票も野党共闘を開始したころから減りはじめたことの背景となったとも思われます。

さらに泉代表にかわった立憲民主党が衆院選の議席減少の原因を共産党との共闘のせいにしてしまいました。

それにもかかわらず、共産党は立憲との共闘を追求したことで、立憲の衰退に巻き込まれる形になって今回の参院選では票を減らした面もあると思われます。

一方で、ガツンとモノを言うように見える参政党が初めて比例区で議席を獲得しました。参政党の選挙区候補が広島でもいきなり落下傘で5万票以上取ったのは衝撃でした。NHK党も前回に続いて議席を確保しました。

すでに衆院選2021では、広島県内の小選挙区、特に広島市関連の1-4区では野党は「一本化しても惨敗」でした。

◆市民連合は、当面は「一本化」よりも「政策・政治姿勢本位の政治」に力を

現時点では野党はこれ以上、政策不在での一本化を無理にするよりは、各党がとくに参院選複数区や、地方選挙で積極的に候補を出し、切磋琢磨し、次期衆院選までには「共闘すれば勝ちが見える」状況までもっていく必要があります。

もちろん、憲法改悪反対、核兵器禁止条約推進など個々の政策課題では協力は大事です。しかし、現時点では参院選複数区や県議選、市議選などで候補者の「一本化」工作は難しいし、効果も疑問符です。

そこで、市民連合さんにおかれても、無理な一本化よりも、市民が各政党や候補者の政策を吟味する機会をもっと設けて、野党の切磋琢磨を促すことをお勧めします。市民が「政策・政治姿勢」を重視するようになれば、広島の政治もかわってきます。

そうした意味では7月2日に市民連合さんが主催された「投票に行こう 参院選2022 候補者や政党の政策チェック市民集会」は素晴らしい取り組みでした。立憲、共産、社民、れいわ(筆者)が政党からは参加し、市民の質問に答えさせていただきました。

立ってお話ししているのがれいわ新選組を代表して筆者

◆「労働貴族」化した立憲民主党の衰退

もう一つの特徴は立憲民主党が労働貴族化し、衰退していることです。

広島県内では、主に、高級官僚・経団連中心の自民党と、大手企業正社員中心の労組中心の勢力で国政や地方議会の議席を分け合ってきました。

しかし、そうした構造の中で、多くの労働者・市民の実態や思いがおきざりにされてきたのではないでしょうか?

筆者自身も元県庁マン、介護福祉士として、そのことを強く感じます。

「自民党も、野党第一党も公務における非正規労働をふやす方向の政策を進めてきた。」
「自民党も、野党第一党も介護現場の労働者の抜本的待遇改善に後ろ向きだった。」
という思いが強くあります。

そして、今春、立憲民主党は公務員労組の推薦を受けながら、公務員ボーナスカットに賛成してしまいました。また、広島県選挙区で連合や国民民主党とともに立憲民主党も推薦するタレント女性候補は、7月2日のイベントでの市民連合の政策質問の最低賃金1500円の賛否を問う質問に対して「分からない」と答えておられました。

コロナの前から厳しくコロナが追い打ちをかけ、さらにロシアのウクライナ侵略を背景にした輸入物価上昇が拍車をかけている庶民の生活苦。そうした中で、立憲民主党やその推薦候補の態度はあまりに生ぬるかったと言わざるを得ません。敢えてたとえれば、武士というより公家・貴族のような対応である。「労働貴族化している」といわざるをえません。

このような態度が参院選での立憲民主党の衰退を招いたのではないでしょうか?また、原発ゼロ・島根原発再稼働の是非についても曖昧な態度を、広島県選挙区の上記タレント女性候補もとっています。立憲民主党はこうした労働貴族体質を打破できないと再起は難しい。しかし、今回の参院選でも、比例区では辻元清美さんを除けば連合の組織内候補ばかりが当選する形になりました。こうなると、余計に同党の衰退に拍車がかかるのではないかと心配です。すなわち、「労働組合組織内議員比率上昇」→「立憲民主党の労働貴族化」→「労働貴族以外の支持者が逃散」→「労働組合組織内議員比率上昇」の悪循環が止まらなくなる恐れが出てきました。

◆市民にねざした新しい政治勢力を広島でも確立

れいわ新選組はこうしたなか、2019年の結党以来、財政出動で消費税廃止などを軸にあなたの暮らしを底上げすることを一貫して訴えてきました。

原発国有化により雇用を保証しつつの廃炉と再生可能エネルギー・蓄電池・スマートグリッドなどへの200兆円の投資、食料安保への財政出動、ケア労働の抜本的待遇改善などグリーンニューディール政策を提案しています。組織のえらい人ではなく「あなた」、すなわち、ひとりひとりの労働者・市民のための政策がれいわ新選組の政策だと思います。

自民党が大手企業(経団連)・高級官僚党なら、旧民主党政権も残念ながら労働貴族党でした。それが旧民主党政権の失敗の背景にありました。そもそも根っこが同じである以上、同じような花しか咲かない。だから、市民に根ざした政治の新しい花を広島でも全国でも咲かせたい。

こうした思いで新しい政治勢力を広島県内でも確立していく先頭に、筆者はれいわ新選組のみなさまとともに立ってまいります。

2023年には統一地方選が行われます。現状のれいわ新選組は広島市議も県議もいません。国政で決まった政策も多くは地方自治体で実施されます。自治体現場での政治活動を展開しないと、今後は苦しいものがあります。筆者自身もふくめて、広島県議や市議をつくっていく先頭に立ってまいります。

当面は、そのことを通じ、被爆地広島から核のない平和な世界、そしてひとりひとりが大事される社会を皆様と一緒につくっていくための不断の努力を続ける所存です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年8月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の脱原発季刊誌 『季節』2022年夏号(『NO NUKES voice』改題 通巻32号)

核兵器禁止条約、オブザーバー参加もできぬ岸田総理 広島サミット2023の意味があるのか? さとうしゅういち

核兵器禁止条約締約国会議が6月21日~23日オーストリアのウィーンで開催されました。

核兵器をはじめて法的に禁止する核兵器禁止条約。その締約国があつまり、「核抑止」を真っ向から批判するウィーン宣言と行動計画を採択しました。

◆核兵器廃棄や撤去への段取りも策定進む

22日には、核兵器保有国が条約に入るときの「執行猶予」は10年、他国の核兵器を置いている時は90日と定められました。過去、冷戦後に米ロが核兵器を削減していたときのペースを続ければ10年で可能、また、台湾(中華民国)や韓国にアメリカが、キューバに旧ソビエトがおいていた核兵器を撤去した際に90日かからなかったということから計算したものです。このように、核兵器禁止条約を実施するために必要となる「段取り」もどんどん決まっています。

すでに、核兵器禁止条約は66か国が批准しています。近隣で言えばASEAN加盟の東南アジア諸国はお隣のフィリピン(南沙諸島を含めて中国との安全保障上の緊張関係は日本同様ある)を含めてほとんどが批准しています。ドイツ、ノルウェー、オーストラリアといういわゆる西側の国もオブザーバー参加しているのが核兵器禁止条約です。

◆爆心地出身、しかし会議にオブザーバー参加すらしない総理

しかし、かたくなに会議に顔を出すことすら拒否している国があります。情けないことに我が日本です。爆心地の広島1区を選挙区とする岸田総理率いる日本。来年2023年5月後半には広島サミットを開催する予定です。

自民党政府は長年、「核兵器保有国と非核兵器保有国の橋渡しをする」と公約してきました。

そうであるならば、結論は簡単です。いますぐ核兵器禁止条約を批准までできれば理想です。しかし、そこまでいかなくとも、条約にオブザーバー参加すればいいのです。そして、今回の会議に顔を出して、条約をつくった市民や国の意見に耳を傾け、来年のサミットでそれを米英仏の核保有国に伝えればいいではありませんか?このままでは、それこそ、核兵器禁止条約のオブザーバー参加国で、今年のG7議長国でもあるドイツあたりに橋渡しをとられてしまうのではあるますまいか?ただ、今のショルツ首相にはメルケル前首相とちがい、それをやるだけの外交的な力量はないとも思いますが、そんなことを日本人が喜んでいる場合ではありません。

◆米欧主導の世界を平和公園舞台にアピールするだけに? 2023広島サミット

残念ながら、来年の広島サミットがたいした意味があるものにならない。それどころか、一般県民・市民の多くにとっては警備や交通規制で大迷惑するだけになるのは、容易に予想がつきます。せいぜい、首脳が平和公園をめぐって、被爆者の話を聞いて、それで終わり、になりかねない。おそらく、核兵器による威嚇には反対しても、核兵器廃絶をめざすものにはならない。そう筆者には思われて仕方がないのです。

岸田総理は、5月23日、広島でのサミット開催について来日中のバイデン大統領に「おうかがい」を立て、大統領に「裁可」を得ました。そのあと、こう言いました。

「世界が、ウクライナ侵略、大量破壊兵器の使用リスクの高まりという未曽有の危機に直面している中、来年のG7サミットでは、武力侵略も核兵器による脅かしも国際秩序の転覆の試みも断固として拒否するというG7の意思を歴史に残る重みをもって示したいと考えています。

唯一の戦争被爆国である日本の総理大臣として、私は広島ほど平和へのコミットメントを示すのにふさわしい場所はないと考えています。核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを世界に示し、バイデン大統領を始め、G7首脳と共に、平和のモニュメントの前で平和と世界秩序と価値観を守るために結束していくことを確認したいと思っています。私は、バイデン大統領にもこうした考え方を伝え、来年のG7サミットを広島で開催し、その成功に向けて共に取り組んでいくことを確認しました。」
参考 https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2022/0523kaiken.html

あくまでも、西側先進国、踏み込んでいえば白人中心(いまは、移民政治家も多いから白人だけとは申しませんがそうはいっても白人中心であることは間違いない)の「西側帝国主義(ロシアは東側元帝国だったと言える)」の国々が平和公園という舞台装置を自分たちの「世界秩序と価値観」を正当化するために使う。平和といっても、あくまでもアメリカにとって都合のよいそれに利用する。そういうことではないでしょうか?

◆NATO招待「名誉白人」扱いで喜んでいる場合ではない!

そう言えば総理は、核兵器禁止条約締約国会議にはいかずに、NATOの首脳会議には招待されて大喜びでした。厳しい言い方をします。白人中心の先進国(踏み込んでいえば帝国主義国)の仲間に入れてもらい、「名誉白人」扱いに喜んでいるだけではないでしょうか?明治時代の「脱亜入欧」から全く進歩がないといっても言い過ぎではありません。戦前の日本はそれで勘違いして調子にのっているうちに、第二次世界大戦で近隣諸国に加害をし、また、ナチスと組んだことで今でも国連の敵国条項適用国になっています。

こうした過去への反省を忘れたスタンスだと、たとえ核兵器廃絶を言っても、かつて日本が加害をしたアジア太平洋の国々から本気度を疑われるでしょうが、まあ、核兵器廃絶に及び腰の現状ではその心配はないでしょう。

東南アジア諸国は上記でご紹介したように核兵器禁止条約に入っています。こうした国々でまとまって、アメリカにも中国にも物申す態勢をつくっています。一方で、日本は白人中心の国々にちやほやされて喜んでいるけれど、近所では浮き気味。それが今の状態ではないでしょうか?核兵器禁止条約という場をいかして、東南アジア諸国とも組んで、東アジア全体の集団的安全保障体制をつくる。それくらいのことをいまこそ、打ち出すべきときではないでしょうか?

たとえば、ロシアが制裁逃れで中国やインドに資源を安く買ってもらい、それで、日本が経済的に劣勢になったとしても、欧州の国なんて自分たちのことで精いっぱいで助けてくれませんよ?地理的に利害を共有している東南アジア諸国と核兵器禁止条約というツールをいかして連携を強化するほうがいいと思うのですが。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年8月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の脱原発季刊誌 『季節』2022年夏号(『NO NUKES voice』改題 通巻32号)

規制緩和はやはり失敗だった! 広島経済の落ち込み象徴 緑井天満屋が25年の歴史に幕 さとうしゅういち

筆者の政治活動の事務所がある広島市安佐南区で最も大きな駅はJR可部線の緑井駅です。その緑井駅から歩いて2~3分、そして、山陽自動車道広島ICにも近く自動車交通の要衝でもある場所に天満屋緑井店がオープンしたのは1997年秋のことでした。しかし、2022年6月30日、緑井天満屋は25年の歴史に幕を下ろしました。

◆広島市内で天満屋の灯が消える

天満屋は、岡山市に本社がある中国地方に展開する百貨店です。広島県内にも展開しており、福山市生まれの筆者にとっては、天満屋といえば、福山駅前店です。同社は広島市内でも最盛期には広島市中区天満屋八丁堀ビル(1949年建設、1954年天満屋に移管)、広島市安佐南区の緑井店、そして西区新井口駅前のアルパーク店(1990年開店)と、3か所に店舗を構えておられました。

しかし、2012年、まず、都心部の八丁堀ビルの百貨店を閉鎖。ヤマダ電機などが進出しました。このころは、中区など都心部から安佐南区はじめ、郊外型店舗との客の取り合いに都心側が負けていた時代の終盤でもありました。大型店舗が広島では当時は過当競争でした。その中で「郊外居住者がクルマで行ける」郊外型の店舗がウケていたのです。しかし、その郊外型の店舗の間でも競争は激しかったのです。このころの同社は「郊外型のアルパーク店と緑井店に集中する」という戦略であると報道されていましたし、「まあそうなのだろう。」と我々広島市民も納得していた人が多かったようにおもえます。

しかし、異変が起きます。同社は2020年3月に、郊外型の天満屋アルパーク店を撤退させました。残るは緑井店だけになりました。そして、その緑井店もついに閉鎖となってしまったのです。

広島市では現在、広島市中区紙屋町のそごう(八丁堀からは500mくらい)の新館(1994年開店)の2023年閉鎖という激震が走っています。

◆「規制緩和時代」の新規開業店舗が苦戦する2020年代

この2年~3年は1990年代に新たにできたものが閉鎖されているという流れになっていると感じます。都心部のそごう新館しかり、天満屋アルパーク店しかり、天満屋緑井店しかりです。

1991年、もともとはアメリカの圧力(トイザらス事件が有名)により大規模小売店舗法(大店法)が改定され、大幅な規制緩和が行われます。2000年に大店法は完全に廃止され、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、都市計画法改定が施行されます。

以下に流れを略して記します。

1990年 トイザらス事件、アメリカ政府が日本政府に圧力
    天満屋アルパーク店開店
1991年 大規模小売店舗法大幅規制緩和
1994年 そごう新館開店
1997年 天満屋緑井店開店
1999年 福屋広島駅前店開店
2000年 大店法廃止
2004年 イオンモール広島府中開業
2009年 イオンモール広島祇園開業
2012年 天満屋八丁堀店が閉店しヤマダ電機に
2020年 天満屋アルパーク店閉店
2022年 天満屋緑井店閉店
2023年 そごう新館閉館(予定)

規制緩和で、広島でも雨後の筍のように、郊外にも都心にも大型店舗が増えました。それでも、1990年代はちょうど、日本円の実質実効為替レートが一番高かった時代です。実質実効為替レートとは、その国の経済の強さをあらわすもので、1994~95年が一番のピークです。日本人が、円高を利用してとくに海外の輸入品などをガンガン買った時代です。その舞台となったのが広島でも大型店舗でした。しかし、今や日本の実質実効為替レートは、1970年代前半なみに落ち込んでいます。そういう日本の中でも、広島県は人口の社会減が全国最悪です。日本が沈む中でも広島がさらに沈んでいるという構造があります。そういう中では、デパートの経営が真っ先に悪化するのは当然といえば当然です。その中でも新規開業の店舗はそもそも、需要の伸びを見込んで開いたものです。しかし、その伸びが消し飛んでしまった以上、撤退も新規店舗からというのはわかります。

さらに、コロナが追い打ちをかけましたが、おそらくコロナがなくても、天満屋緑井店、アルパーク店などの維持は難しかったように、筆者も感じていました。

◆駅前でさえ苦戦、ましてや郊外においておや

右がフジグラン、左がコジマ電機(緑井天満屋側から撮影)

広島の老舗の地元百貨店としては福屋があります。実は1999年に整備された福屋駅前店も駅前という好立地にかかわらず、経営が芳しくありません。そこで、広島市の松井市長は中央図書館と子ども図書館を福屋駅前店が入っているビルに移転させようとしています。この案については議会でも反発がおき、2002年度予算案に対して日本共産党や一部の保守系議員からも修正案が出されました。結局、市長提案の2022年度予算案が自民主流、公明、立憲系の賛成多数でぎりぎりで可決される際に「移転ありきではない」という付帯決議が可決されるなど混乱が続いています。

駅前というのは旧市民球場も近くにあり、商売には有利なはずです。それでも苦戦するのは広島市民の絶対的な購買力が落ちているということに他なりません。ましてや郊外においておやです。郊外では安佐南区にイオンモール広島祇園、府中町にイオンモール広島府中がそれぞれ三菱重工業、キリンビールの跡地にできました。緑井天満屋ならそちらとの客の取り合いもあるでしょう。もちろん、近接するフジグランやコジマ電機との競合もあるでしょうが、むしろこちらは「コジマでパソコンを買って、天満屋で服を買い、フジグランで飯を食う」という補完性もあるので悪影響とまでは断定できません。

◆郊外から都心へという流れもあるけれど……

もちろん、2012年に天満屋八丁堀が閉鎖されたころから流れは変わっています。都心回帰です。

2014年に安佐南区を中心に被害が大きかった広島土砂災害2014ころからとくにそれは加速しています。増え続けていた安佐南区の人口が災害を契機に減少に転じます。また、中区など都心部に回帰する流れもあります。年を取れば車の運転も不安になってきます。そうした中で買い物や通院に便利な都心のマンションが年配者にも人気です。

◆規制緩和はやはり失敗だった!

それにしても、規制緩和はやはり失敗だったと言わざるを得ない。ただ、1990年代の状況では日本共産党と新社会党以外はこうした規制緩和には賛成していた状況もあります。正直、如何ともしがたかった。新自由主義が大政翼賛会のように猛威を振るっていた。「経団連党」である自民党支持者は言うに及ばず、社会党→民主党→立憲民主党の支持基盤の例えば公務員労組の組合員でも「別に商店街なんかつぶしてアメリカみたいな大型店だけでいいよ。」みたいな人も結構おられました。ただ、その結果が、過当競争による大型店でもおきた共倒れであり、地域の疲弊だったのではないでしょうか?

[写真左]売り尽くしセールの告知、[写真中央]天満屋緑井店の歴史を振り返るパネル、[写真右]閉店の挨拶

◆広島は賢い縮小を! 相次ぐ大型開発計画大丈夫か?

正直、広島は少し郊外に市街地を拡大しすぎました。場合によっては無理な場所を開発した。その結果、近年、土砂災害も多発しています。広島大学なども東広島市から広島市中区に一部の学部が戻るなどの変化も起きています。身の丈にあった街の大きさにしていく。

しかし、現実には、広島市内各地で大きなビルを「再開発」と称して建設する計画が多数持ち上がっています。知事の湯崎さんに市長の松井さん。本当に大丈夫なのでしょうか?

なお、今までの国が進めてきたコンパクトシティは、一方で、新規大型店舗開発は野放し、というケースもあります。やはり、国は思い切った「原則、新規土地開発は禁止」するくらいの施策が必要ではないでしょうか?なぜ、国かといえば、「都市間競争」で地方同士、過剰な開発を進めているからです。さりとて、全体の人口は減っているから共倒れになる。それならば、むしろ国が「原則、新規開発は禁止」するくらいの施策を打ち出すべきではないか?そういう議論を政党や政治家もしていくべきだと思います。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号

「政府の内部被曝無視を許さない」 黒い雨の被害者もあらたに伊方原発ストップへ提訴 さとうしゅういち

四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めている広島での裁判は6月8日、第28回口頭弁論がありました。

この口頭弁論を前に、「黒い雨」裁判原告の高東征二さんら6人が新たに提訴しました(裁判所に提訴しに入場する高東さんらの後ろ姿)。
これで本裁判の原告は367人となりました。

この日の口頭弁論では、被告の四国電力が、前回、水蒸気爆発の危険性を否定したのに対して、原告側が福島でも水蒸気爆発があった可能性を指摘して反論しました。次回の法廷は9月14日水曜日14時からです。

◆「政府の内部被曝無視を許さない」

法廷後の報告集会で高東さん(写真左から二人目)から決意表明がありました。
高東さんは、今回、伊方原発運転差し止めの原告になった理由として、内部被曝をしているという面で「黒い雨の被害者は原発の被害者と同じだから」と訴えます。

ご承知のとおり、「黒い雨」裁判は、当時の菅義偉政権が広島高裁の判決を受け入れました。しかし、当時の菅政権の談話は内部被曝については、「容認できない」としました。判決をもとにした救済策は長崎の被害者や黒い雨に濡れた11疾病以外の人は対象外で、判決で確定したことを実施していません。

高東さんは、こうした政府の対応について、「黒い雨の被害者が病気で苦しみどんな生活をしているか見にもこないし調査もしない。」と強く批判しました。

高東さんは、1945年8月6日を4歳6ヶ月のとき、現在の広島市佐伯区で体験しました。「空は暗くなり、ホコリやゴミがただよい、焼け焦げた紙や板が落ちてきた。」「大粒の雨が降り出したが濡れた記憶はない」と証言しました。しかし、「濡れたかどうかではなく、放射性微粒子が身体に入り込む事情があったかどうかが問題だ」と「黒い雨裁判」で高東さんは、主張したそうです。

高東さんは、小1、小2のころは体がよわく、できものや鼻血に悩まされたそうです。小3でリンパ腺がはれて切開をしたあとは元気でしたので被爆しているとは思っていなかったそうです。そして、黒い雨裁判の原告になるのも躊躇されたそうです。
しかし、地裁での勝訴判決を受けたころから脳梗塞や不整脈など多くの病気に悩まされました。「黒い雨の被害者」は病気だらけの人生でも国を訴えずにひっそりなくなった方が多い、と高東さんは、憤ります。

そして福島についても、国は「黒い雨」と同じ手法、すなわち内部被曝を隠蔽してごまかそうとしている、と怒ります。高東さんらは、最初は地域でも冷たい対応をされるなど署名運動に苦労されました。しかし、秋葉市長の時代に広島市による詳細な調査を勝ち取ります。ところが、民主党政権時代の2010年12月にやっと立ち上がった厚労省の「黒い雨検討会」に広島市の独自調査の結果は、蹴られてしまいます。

そこで、放射線影響研究所の理事長と話し合ったところ、同研究所には「爆心地から2km以遠での被曝や内部被曝のデータはない。」と言われて、びっくりしたそうです。

この放射線影響研究所の指標が国際基準にもなり、福島原発の問題も核心には触れずに進められているのです。

高東さんは、「原発の恐ろしさをしらないふりをして進めている」と国を批判し「核のない地球をめざし、命尽きるまでともにがんばりましょう」と呼びかけました。

法廷後の報告集会の様子。写真左から二人目が「黒い雨」裁判原告の高東征二さん

◆「青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分場にしない条例を」

また、裁判原告団の事務局もつとめる筆者からは青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分場にしないよう求める条例制定を求める署名への協力を呼び掛けさせていただきました。

なぜ、本裁判原告団でこの問題に取り組むのでしょうか? 今回の署名運動は、高レベル放射性廃棄物の最終処分をどうするか、とは切りはなして、青森県に死の灰を押し付けることに反対するという社会正義の観点からおこなうものです。青森県のこころある人たちは、青森県が六ヶ所村の再処理工場がけっきょく死の灰の最終処分場になってしまう、という危惧を抱いています。

三村知事は青森県を最終処分場にしないという口約束は国から引き出していますが、あくまで口約束です。したがって条例にする必要があります。

六ヶ所村のすぐちかくでは政府がM9.3の海溝型超巨大地震の発生の可能性が高いと認めています。もし、実際におきれば、六ヶ所村も震度6強で830-1500ガルに達します。再処理工場の耐震基準は700ガルですから耐えられません。なお、アクティブ試験で再処理工場の設備は放射能汚染されていますので、いまさら耐震補強もできません。

また、わずか60kmの地点には過去にレベル6の巨大な噴火を起こした十和田湖があります。十和田湖の地下には過去に巨大噴火した当時と同じくらいのマグマが溜まっているおそれがあるということです。

このように、自然災害の危険が高いところに、死の灰を一極集中させることの危険性を今回の署名運動でわたしたちは訴えていきます。ご協力よろしくお願いいたします。

なお、12日執行で村長選が六ヶ所村であります。村長選は、毎回、核燃料サイクル賛成派の現職が圧勝しまくりで、前回は反対派新人が供託金没収となっています。筆者は昨年の自身の参院選で供託金没収となったことに言及して笑いをとりつつ「今回は新人が供託金は奪還できるよう応援しよう」と呼びかけました。

署名を呼びかけている大元の連絡先は以下です。ネット署名もできます。期限は8月末です。伏してご協力よろしくお願いいたします。

子どもたちに負の遺産を残さない「青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地としない条例」制定を求める県民の会
〒039-1166 八戸市根城9-19-9 浅石法律事務所内  http://www.kenminnokai.shop/
インターネット署名 (form-mailer.jp) https://ssl.form-mailer.jp/fms/ad5b6e88679317

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
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〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
季節 2022年夏号
紙の爆弾2022年7月増刊(NO NUKES voice改題 通巻32号)

2022年6月13日発売開始
A5判 132頁(巻頭カラー4頁+本文128頁)
定価 770円(本体700円+税)

[表紙とグラビア](写真・文=おしどりマコ&ケン
《福島第一原発・現場の真実 第2弾》事故後11年、構内劣化が止まらない

樋口英明(元裁判官)
ロシアのウクライナ侵攻と原発問題

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
放射能汚染の環境基準とハザードマップの作成を
《講演①》戦争と原発 ── ウクライナから考える
《講演②》「四〇年で廃炉」のデタラメと無責任 福島の放射能汚染と原発の後始末

「脱原発をめざす首長会議」発足10周年記国際シンポジウム
ドイツ脱原発への歩みと日本の十一年
《講演》菅 直人(衆議院議員、元内閣総理大臣)
〈核の共有〉でなく〈農と太陽の共有〉を!
《開会の辞》桜井勝延(元南相馬市長)
事故から十一年経った現実
《講演》ユルゲン・トリッティン
(ドイツ連邦議会議員、「同盟90・緑の党」会派所属、元環境・自然保護・原子力安全大臣)
ドイツ脱原発への歩み
《講演》飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
この十一年間で起きた三つの世界史的な出来事
《質疑・討論》先崎千尋(元瓜連町長)×桜井勝延(元南相馬市長)
×田中全(元四万十市長)×村上達也(元東海村長)
太陽光発電は自然破壊の原因になっているのではないか?

《対談》鎌田 慧×鴨下全生
未来に向けて真実を!
《講演》鴨下全生(大学生)
福島から東京へ 十九歳が問う原発事故 
《講演》鎌田 慧(ルポライター)
僕が原発に反対する理由

おしどりマコ(漫才師/記者)
私は広瀬隆氏の「地球温暖化説はデマである」を支持しません

尾崎美代子(西成「集い処はな」店主)
《関係者証言録公開》もんじゅ職員不審死事件
元動燃職員・西村成生さんは「自殺」していなかった!

森松明希子(東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表)
逃げずに火を消せ お国のために
「避難」は「権利」だと考えたことはありますか?

伊達信夫(原発事故広域避難者団体役員)
「汚染水海洋排出」は可能なのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
福島第一原発からの「汚染水海洋放出」に反対する

三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
ロシアのウクライナ侵略と原発

板坂 剛(作家/舞踊家)
何故、今さら昭和のプロレスなのか?

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈16〉
核による人類滅亡を目の前にしながら子孫を残すことができるのか

再稼働阻止全国ネットワーク
《北海道》瀬尾英幸(北海道泊村在住)
《新潟》山田和秋(なの花会)
《トリチウム》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
《東海第二》相沢一正(脱原発とうかい塾)
《東海第二》志田文宏(東海第二原発いらない首都圏ネットワーク)
《首都圏》柳田 真(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会、たんぽぽ舎)
《東京電力》佐々木敏彦(東京電力本店合同抗議実行委員会)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《鹿児島》江田忠雄(蓬莱塾)
《読書案内》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

[反原発川柳]乱鬼龍

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れいわ新選組参院選比例予定候補のキムテヨン東洋大教授、子ども時代の貧困体験もとに教育無償化など熱弁 さとうしゅういち

れいわ新選組参院選比例予定候補のキムテヨンさん

6月11日、東洋大学教授でれいわ新選組参院選比例予定候補のキムテヨンさんが来広、広島市中心部を遊説しました。

これに先立ち、筆者が、遊説の出発点となる旧広島市民球場前でキムテヨンさんの遊説を告知するとともに、消費税廃止や、ガソリン税ゼロ、奨学金チャラなどのれいわ新選組の政策をご紹介。

総理の地元の広島でガツンとものをいうれいわの支持が比例で広がるとともに、選挙区では、れいわと多くの政策が共通する中村たかえさん(共産党新人36歳)を押し上げることが、総理に軌道修正をさせることにつながると訴えました。

キムテヨンさんは1963年、愛知県生まれ。お母さんは広島県世羅町ご出身で母方のご親戚は多く広島県におられます。

18歳までは在日コリアンであることを隠していたというキムさん。

ご家庭が貧しかったため大学は大阪の公立大学の夜間を苦学生でご卒業されました。

2009年に日本国籍を取得し、キムテヨンという「コリアンとしての実名を使用する日本人」となりました。

現在は東洋大学教授(社会学)を勤めておられます。


◎[参考動画]さとうしゅういちIN旧広島市民球場前 キムテヨンIN広島告知

◆雨の原爆ドーム前で広島「第一声」

この日の広島は雨。原爆ドームに近い旧市民球場跡地でキムさんは広島での第一声を上げました。

物価高による生活苦に対しての消費税廃止やガソリン税ゼロなどのれいわ新選組の対策を紹介。その上で、「小さいころにはあすのご飯のお金も心配な状況だった。小学校のとき修学旅行のお金がなくて隣の家に借りにいったのが思い出。」「大学は夜間に通った。昼間はいろいろな仕事をして夜、学校に通った。こうした自分の苦労から、れいわ新選組の保育園から大学まで教育無償化を是非とも実現したい。」と強調。

「いまや49%の学生が奨学金をかりている。」
「わたしの友人も3人の子どもを大学や看護学校に通わせて、多くの借金を抱えている。」
「家が貧しくて自分のつめを食べて、変形してしまっているこどももいる。これはどこかの途上国の話ではなく日本でおきていることだ。」
「日本では子どもを大学まで出すのに2000万円かかる。先進国ではこれが無料なのが当たり前になってきている。」
「子どもさんから若者、現役世代、そして高齢者にいたるまで生活は苦しい。みなさまが安心してくらせるような社会をつくりたい。」
などと、自身の幼少時の苦労をベースに貧困をなくしていく決意を表明しました。

その後は、広島市内の中心部である中区の本通駅前交差点へ移動して演説。若い方が時折手を振って応援してくださいました。なかには、一緒に写真撮影をもとめてこられる高校生くらいの若者もおられました。キムさんは昼食を挟んで本通りを練り歩いてパルコ前でも街頭演説をおこないました。


◎[参考動画]子ども時代の困窮生活もとに教育無償化などを母の地元の広島で熱弁 キム・テヨン東洋大学教授

◆支持者からの叱咤激励に謙虚に耳を傾ける

街頭演説のあいまに、中区内の会議場でおしゃべり会も行いました。キムさんからは、社民党から当初は立候補される予定だったのを変更された経緯についてもご説明はいただきました。また、今後は、在日コリアンの女性からも国政選挙に出てほしいという想いもうかがいました。参加者からは、なんとしてもキム・テヨンさんの得票をのばしたいという想いから、キムさん個人にも、れいわ新選組にも厳しい意見も含めて出されました。

「過去のことをあんまり引きずっても前向きではない。政策で票をのばしてほしい」
「最近、れいわ新選組の国会議員もちょっと、パフォーマンスが目立つのではないか? もうちょっと幅広い層から票をとるにはマイナスでは?」
「れいわの長所は事実を提示すること。これはれいわと共産党がこれまできちっとやっていること。」などの声が出されました。

一方で配偶者とともに他党を支持していたが、いまはれいわだという方もいらっしゃいました。

筆者も「過去の経緯はそれとして、キムさんの子どものころの貧困体験をベースにした政策の訴えは迫力があった。キムさんの時代はいわゆるバブル世代だったが、いまや、むしろキムさんの子ども時代のような状況の子どもがおおくなっている。そういう中でご自身の子ども時代の貧困体験をベースにした訴えをもっとされたらどうか?」などと進言しました。

これらの参加者の言葉に対して、キムさんも謙虚に耳を傾けていました。

◆キムさんに刺激され筆者も本人並みに気合

その後、我々は、広島駅南口でもキムテヨンさんと筆者と交代で街頭演説を実施しました。

キムさんの演説に刺激を受けて、おもわず筆者も応援演説に力が入ってしまいました。そのため、支持者の方からも後ろから「予定候補じゃないのだから」とチクリとご注意いただくありさまでした。しかし、キムさんの演説がかなり心に刺さるものだったからこそ、筆者も気合が入ったのです。

演説終了後、広島駅前の広島の著名アスリートの写真が拡大して展示してある壁の前に移動。キムさんと同じく、在日コリアン出身で、カープとタイガースで大活躍した新井貴浩さんの写真の前で記念撮影を行い、必勝を期しました。

演説終了後、在日コリアン出身のプロ野球選手新井貴浩さんの写真の前で記念撮影

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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参院選広島予定候補の中村たかえさん「ヒロシマの心を国会へ」 さとうしゅういち

6月1日(水)、参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(日本共産党新人、参院選広島[改選数2]での唯一の原則的護憲かつ脱原発派候補)の事務所開きが日本共産党広島県委員会ちかくのYMCA2号館の地下で行われました。れいわ新選組所属の筆者も選挙区では中村たかえさんを応援する立場で参加しました。参加された方はマスコミ各社にくわえて、わたしがよく存じている日本共産党員・支持者の方がほとんどでした。

中村たかえさんは広島うまれ、広島そだちの36歳。広島修道大学ご卒業後、医療機関の事務で仕事をへて、青年団体の幹部を務められました。県知事選挙2021で選挙に初挑戦。現職のオール与党の知事・湯崎英彦さんに果敢に挑まれました。その度胸に筆者は舌を巻きました。ちなみに中村たかえさんと筆者とは20年近い知り合いです。

比例区候補の仁比そうへい弁護士

◆応援弁士から激励と決意

最初に比例区候補の仁比そうへい弁護士があいさつ。仁比弁護士は参院選2019で惜敗。今回の参院選での議席奪還を目指します。

アメリカによる核をふくむ拡大抑止戦略を受け入れつづけ、大軍拡を進める岸田総理に「何が広島出身なのか?」と憤りを示しました。そのうえで、軍拡に反対し、くらしにやさしい経済を進めると決意を表明されました。筆者は参院選比例区はれいわ新選組を党員(会員)としてバックアップしますので投票はできません。しかし、西日本大水害2018の復旧復興などで地元がおせわになった議員でもあり、是非ともかえりざいて欲しいと祈っています。

つづいて、日本共産党県後援会の尾野進さん、女性後援会の望月みはるさん、労働者後援会の神部やすしさん、また、青年後援会からも激励のことばがありました。

神部さんからは、栃木県の中村さんのファンという方から電話をいただいたことが紹介され、全国に中村さんが知られていることをうかがい知ることができました。
大平よしのぶ元衆院議員からは、中村さんらとともに、政府交渉にのぞんだときに出された県内の学生や保育士、中小企業者の窮状について紹介がありました。

県内の私立大学に通学する学生は両親に障害があって世話をするために親元から高速バスで通っているそうです。こうした状況についてコメントを求められた文部科学省の担当者は黙るしかなかったそうです。

鉄筋業者は毎月2%ずつ仕入れ価格があがっているのに、それを元請けに十分に転嫁できておらず、「どこまでがんばればいいのか?」と訴えたそうです。

◆自信に満ちあふれた本人あいさつ

中村たかえ予定候補本人が最後にあいさつ。中村さんは岸田政権がロシアのウクライナ侵略に乗じて自民や維新が憲法を変えようとしていると批判。「9条に基づいて外交を行う」こと、核兵器の脅威を取り除くために「核兵器禁止条約にはすみやかに参加する」ことを強調しました。

「平和の流れを発展させるのが日本の、広島出身の政治家には必要だ。」と指摘。「広島うまれの広島そだち、被爆者や若者と一緒に署名をあつめて国連に届けてきた自分こそ、ヒロシマの心を国会へ送るのにふさわしい。」と自信に満ちあふれた雰囲気で決意を表明しました。

そして、暮らしについて、「学費が高く自分の健康も削っている。政治が向き合わなくていいのか?」という学生。「0歳児を抱えて大変だが、お年寄り向けのサービスをけずってほしいわけではない。全ての世代が幸せになる社会を」という女性。「原材料値上げで手取りが目減りするいっぽう」という業者。こういう過酷な状態をおこしたのは、アベノミクスと自民党政治だと断じました。

その上で日本共産党がかかげる消費税減税(れいわは廃止)、インボイス中止、全国一律の1500円の最低賃金、学費は半減(れいわは無料化)、年金引き下げ中止、医療費負担増中止、男女賃金格差是正などを紹介。こうした政策は自民党でも補完勢力でもできない、と訴えました。

そして、改めて、「元首相(安倍晋三さん)らが核共有をさけぶなか、被爆3世として、被爆者のねがいをどうしても届けたい、国会へおくってほしい」ともう一度強調しました。


◎[参考動画]参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(さとうしゅういちも応援) 事務所びらきでの決意表明

◆自民党と補完勢力による広島の2議席独占は石にかじりついても避ける

参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(左)と筆者

筆者は参院選比例区ではもちろん、れいわ新選組を取り組みます。それとともに、広島県選挙区では原発推進・憲法改悪推進・軍備拡大推進の自民党の世襲財務官僚出身の男性現職および、自民党の補完勢力(国民民主党、連合の芳野会長、広島の場合は立憲民主党所属の現職参院議員もスタンスが危うい)が推す女性タレント新人による広島の2議席独占を石にかじりついても避ける構えです。そのようなことになれば、いくら超保守王国とはいえども、被爆地である広島の恥です。

なお、日本共産党さんと、筆者およびれいわ新選組の間では、財政出動について意見の相違はあります。れいわ新選組は超大金持ち・超大手企業への増税は否定しませんが財政出動論です。これに対して共産党さんは、財政出動に慎重です。

ただ、共産党さんの消費税減税(れいわは廃止)、インボイス中止などの方向性は共有しています。いまは憲法を変えるのではなく憲法をいかせ、というのも同じですし、核兵器禁止条約加入推進についても同じです。岸田政権の大軍拡に反対し、ねばりつよい外交努力を追求する点も一緒です。原発ゼロももちろん同じです。

筆者も参院選広島2022への立候補準備は進めてきました。しかし、このままでは間違いなく、自民党の世襲高級官僚現職と国民や連合の芳野会長が推すタレントが楽勝になってしまうところでした。

こうした情勢を受けて、5月下旬に筆者は参院選広島2022への立候補準備を中断、立候補を見送り、中村たかえさん支持を表明し、護憲・脱原発派一本化を図っています。憲法に緊急事態条項が加わったり、原発事故がまたおきたりしたら、財政出動をふくむれいわ新選組の政策を実現する以前の問題になってしまうからです。
(※拙稿参照 http://www.rokusaisha.com/blog.php?p=43051) 

すでに比例区のれいわ新選組を意識した県内各地の街宣の中で、筆者は自民、維新、国民が推進する大軍拡路線や改憲を厳しく批判しています。その上で憲法25条をとくにいかす視点でれいわ新選組を比例区で取り組むとともに、核兵器にも原発にも反対する「ヒロシマの心」実現へ選挙区では中村たかえさんを押し上げます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
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辻めぐむ弁護士 岸田総理の地元の広島中心部で自民・維新の軍拡・新自由主義に真っ向から対決! さとうしゅういち

れいわ新選組の参院選2022予定候補の辻めぐむ弁護士は5月31日、岸田総理の地元でもある広島市中心部を遊説し「戦争をしないと決めてきた国のあり方を軍備拡張で崩そうとしている岸田政権と対決する」「『官から民へ』で一部の企業の金儲けにしかなっていなかった新自由主義に真っ向から反対する」等と訴えました。

辻弁護士は1948年生まれ。大阪府立大手前高校ご卒業のあと、東京大学法学部へ。この年代のご多分にもれず、学生運動に参加され、ご卒業後は1981年から弁護士として活躍されました。ご本人によると、既成の政党には与党はもちろん、野党にもものたりなさを感じて、議会よりは市民の力で変えていく方向に魅力を感じておられたそうです。しかし、アメリカの要求で裁判の迅速化をもとめる法律が2002年にできてしまったとき、危機感を抱き、政界へ。「法律を変えるには権力をとらないと。それは、民主党しかない」ということで、それまで一度も投票したこともない民主党から衆院選に立候補し、2003、2009年に当選しています。

しかし、民主党が官僚やマスコミの攻撃の前にマニフェストを守れずに消費税も増税に舵を切ったことを悔いて、立憲民主党など、旧民主党の「本流」からは距離をおいておられました。そして2021年の衆院選2021でれいわ新選組から立候補。惜敗率が2位で惜しくもおよばず、今回の参院選2022全国区に復活をかけておられます。

◆自民や維新の核共有や大軍拡路線を批判

辻弁護士はこの日は爆心地に近い広島市中区の本通からスタート。中心部の商店街を練り歩いたり演説したりしながら通過しました。

岸田政権に対して「争点を隠して安定多数を得て、3年間でやりたい放題しようとしている」と指摘。

その上で、ロシアのウクライナ侵略は糾弾されるべきとしつつも、それに便乗して核共有や大軍拡を主張する自民や維新について「交戦権を否定してきた77年間の国のありかたを失うものだ。」と厳しく批判し、被爆地である広島市民に対して「外交努力を重視する」れいわ新選組への支持を訴えました。

◆民主党政権を反省

一方で、自分自身が関わった民主党政権については、「当時は『財源がないから』、という理由で(財務大臣になった民主党幹部が財務官僚に洗脳されて)マニフェストに掲げた公約の多くを実行せずに、みなさまを失望させてしまった。」と、反省と謝罪をした上で、「その反省の上に(財政出動を主張する)れいわ新選組がある。」と、紹介しました。そして、もう一度、れいわ新選組を大人の政党に育て、政権交代をもう一度やっていきたい、と決意を表明しました。

◆維新と正反対、公務員をふやして公共サービスを充実させる

国の広島合同庁舎前で演説するれいわ新選組の参院選2022予定候補の辻めぐむ弁護士(右)と筆者

また、「官から民へ」のスローガンで進められた「国鉄の民営化、郵政の民営化、水道の民営化」などについて「一部の人の金儲けのためだ。」と斬りました。

自身の地元の大阪においては、公務員をへらしすぎて役所の仕事をパソナにやらせ、結局公金が一部の人の金儲けに流れている、と紹介。また、水道の民間委託で検査の間引きなども行われて、日本のほこれる水道網が危機にある、と指摘しました。

民主党政権もこうした新自由主義路線を自民党から引き継いだままだったことを反省。「れいわ新選組の公務員をふやすというマニフェストは、年々ニーズがたかまる公共サービスを充実させていくことだ。」と訴えました。

◆スタジアム近くではカープファンにもアピール

マツダスタジアムに近い広島駅南口では、球場にむかうカープファンに対して「1975年10月のカープ初優勝のときは、長嶋ジャイアンツをやぶって優勝を決めた試合では、三塁側でしゃもじをふってカープを応援した」とアピールしました。


◎[参考動画]「軍拡、新自由主義と真っ向から対決」総理の地元の広島中心部で辻めぐむ弁護士

◆辻弁護士来広前に市内各地で筆者らも宣伝

さとうしゅういちとれいわ新選組は、この日、辻弁護士が来広する前に市内各地で街宣をおこない、「憲法は変えるよりも25条をいかす」「公務員の労働条件はまもり、公共サービスをまもる」れいわ新選組の方針を紹介しました。

国の広島合同庁舎前では、登庁される国家公務員労働者の皆様にれいわ新選組はボーナスカット法案(組合が推薦する立憲・国民は賛成)に反対するなど、公務労働者の労働条件を最も守る党だとご紹介しました。そして、この2、30年の公務員削減路線はあらため、必要な公務員は補充すること、また、非正規差別・使い捨ては公務現場からあらため、非正規の正規化を進めると力を込めました。


◎[参考動画]公務員労働者の労働条件を最も守るれいわ新選組 さとうしゅういち合同庁舎前で訴え

その上で、「低い方にひきずりおろすのではお釈迦様のクモの糸の話のようにみんなで落ちてしまう。」「低い方にひきずりおろすのではなく、まともな方にひくすぎる方を底上げしよう。」と語りかけ、さとうしゅういち自身も該当する民間の介護労働者や保育労働者の給料アップなどの政策にも公務労働者の皆様のご協力をお願いしました。

れいわ新選組チーム広島とさとうしゅういちは、引き続き、公務労働者の皆様の労働条件をまもることも、市民、県民、国民の安全、安心を守ることにつながる、地域に若い人にきてもらうことになり、地域の活性化にもつながると、訴えて参ります。

その後、安佐南区の安田女子大学前、緑井フジグラン・天満屋近くでも街頭演説を行いました。
「憲法は変えずに25条をいかす」
「くらしにコロナや戦争による輸入物価上昇が追い討ちをかけているなか、消費税廃止、ガソリン税ゼロ、学費タダなどで緊急対策を。」
「軍拡ではなく粘り強い外交努力を」
などと、憲法と経済政策についての主張を中心に訴えました。


◎[参考動画]「憲法は変えずに25条をいかす」さとうしゅういちIN安佐南区緑井

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号
13日発売!〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

参院選広島2022は筆者が下りて共産・中村候補に護憲・脱原発派を一本化 自民と補完勢力による独占阻止へ さとうしゅういち

筆者は5月下旬、参院選広島2022への立候補を見送り、県議選2023に転進することとしました。

◆自民党と補完勢力(国民・芳野連合会長)による2議席独占阻止へ決断

筆者は2021年4月25日執行の参院選広島再選挙に立候補。それ以降も、れいわ新選組の地元の皆様と一緒に活動を継続していました。そして、参院選2022において広島県選挙区で立候補する準備を進めて参りました。とくに西日本大水害2018の被災地を中心に広島県内ほぼ全域を挨拶回りや街宣を続けてきました。さらに、すでに、選挙カーにすぐに使用できるクルマも支持者の方が準備してくださっていました。

しかしながら、現在、コロナ災害やロシアのウクライナ侵略という状況に自民党のみならず、日本維新の会や国民民主党が悪乗りし、改憲や軍拡に前のめりになっています。立憲民主党も泉代表が軍拡容認発言をするなど、雲行きがあやしくなってきました。

また、地元選出の岸田総理は新自由主義脱却という政権発足時の威勢のよい掛け声とは裏腹に、国家公務員労働者の給料カット法案や「稼げる大学法案」など新自由主義的法案を成立させました。我々介護現場労働者の給料改善策もわずかに3%アップと不十分極まりないものになっています。こうした岸田政権の予算に国民民主党が賛成して与党に寝返りました。

さらに、ウクライナ戦争に伴うエネルギー価格の高騰に悪乗りして、自民党はもちろん、維新や国民が原発推進姿勢を再び強めています。

こうしたなか、被爆地である広島県選挙区では、このまま傍観すれば、改憲、原発推進で、新自由主義脱却は不十分な勢力、すなわち自民党と補完勢力による2議席独占になってしまう状況です。すなわち、自民党の高級官僚出身世襲現職と、国民民主党や連合の芳野会長らが推すタレント新人が優勢である一方で、憲法をいかすことや反新自由主義、脱原発などをきちんと進める予定候補が日本共産党の中村たかえさんとれいわ所属の筆者(無所属でれいわ推薦を想定)の二人です。二人で票が割れれば、自民党と補完勢力による独占は確実な情勢です。

こうした状況をみて、筆者は5月20日、日本共産党広島県委員会を表敬訪問。筆者が立候補を見送るとともに、中村予定候補を応援することを伝達。また、中村さんと筆者の間での政策協定の締結や、政治とカネの問題についての政策提言をさせていただきました。

◆さっそく、尾道・三原で中村支援を宣伝

間髪を入れず、翌21日、筆者とれいわ新選組チーム広島とチーム福山は、尾道駅前とイオン三原店前で街宣を行いました。

尾道市、三原市は、県庁マンとして最後の仕事をさせていただいた場所です。また、尾道市は河井事件でお金をもらって辞職した自民党県議、そして、筆者の県庁マン時代に県の介護保険行政に不当な圧力をかけ、また、県費で海外旅行し放題だった国民民主党の県連幹部を務める県議の地元でもあります。国民民主党県議については鹿砦社刊行の『労働貴族』にも登場します。

イオン三原前での街頭演説

筆者はこの日、『自民党、国民民主党、維新がコロナやロシアによるウクライナ侵攻に乗じて緊急事態条項など憲法をかえると言っている。しかし、冷静に考えてほしい。あなたの安全、安心をアップするのに(自国維の)憲法を変えることは役立つのか?』と語りかけました。

そして、憲法は変えずに25条をいかせ、軍拡ではなく粘り強く緊張緩和を、という、という、さとうしゅういち と れいわ新選組 のスタンスを紹介。

その上で『このままでは、市町村合併押し付け、公務員削減で尾道を含む地方を苦しめたり、社会保障のためと称して消費税を増税して大半は社会保障に使わなかった自民党』の高級官僚現職と『県職員の仕事に不当な圧力をかけたり公費で海外旅行しまくりだった尾道選出の電力労組系県議を中心とした改憲・原発推進の広島の国民民主党』に推薦されたタレント新人という、与党と補完勢力による2議席独占になってしまうと危機感をあらわにしました。

その上で、中村たかえさん(日本共産党新人)とさとうしゅういちだけが、ガツン、と憲法を変えないでいかす、岸田さんも相変わらず進める新自由主義に反対、島根原発再稼働NO含む脱原発であるという状況だと指摘。

その上で、広島の2議席のうち最低1議席は、ガツン、と憲法改悪反対、新自由主義脱却、脱原発の人を送り出すため、自分が降りて、中村たかえ 予定候補を支援すると表明しました。


◎[参考動画]さとうしゅういちIN尾道駅前

◆地元の安佐南区では県議選2023への転進歓迎の声

さらに24日には事務所のある地元の広島市安佐南区で街頭演説と、近所の中小企業や神社などへのあいさつ回りを実施しました。街頭では『憲法に緊急事態条項を入れるよりもあなたの暮らしの緊急事態を救う政策が必要だ。』などと訴え『参院選広島で自民の高級官僚世襲現職と補完勢力推薦のタレントによる2議席独占を避けるため、中村たかえさんを推す』と報告しました。

あいさつ回りでは、参院広島選挙区で自民と補完勢力による2議席独占は避けるため自分が降りて県議選2023に回るとお伝えしました。『それがいい。まず広島から変えていこう!』(自営業60代男性)などと激励のお言葉をいただきました。

この安佐南区では、筆者は2011年に河井案里さんと対決した際には4278票をいただいています。また、直近の国政選挙では筆者と政策が同じか近いれいわ、共産、社民の得票合計が県議選の当選ラインを大きく上回っています。また、前回2019県議選は無投票でした。新規参入を渇望する声は強くあります。

この安佐南区は筆者の立候補の際の最有力の選挙区です。他方で、21日にまわった尾道市は、河井事件でカネをもらった自民党県議といわゆる労働貴族の国民民主党県議がおられるところです。三原市は産廃処分場問題が起きているところです。

また、安芸郡は府中町で再選挙2021の筆者の得票率が県内最高であり、筆者が坂町に西日本大水害2018でボランティアに入った経験もあります。安佐北区はお金をもらっていた県議がおられる上に筆者が同じく水害の際にボランティア活動に入った経験もある区です。安佐南区選挙区を軸に、これらの選挙区も候補に、今後、必勝を期して調整していきます。

◆福山では中村さんのポスターと並べてれいわののぼり

筆者やれいわ新選組の地元組織は、県内各地で中村候補への協力体制を整備しています。

福山市では、地元の共産党サイドの方の了承をいただき、中村候補のポスターとれいわ新選組ののぼりを並べて立てさせていただいております。

比例区はれいわ新選組を全力でとりくむとともに、選挙区は自民党と補完勢力による広島の議席独占という最悪の事態を石にかじりついてでも回避したいものです。

今後、共産党さんサイドと調整をしながら、中村候補を押し上げていきたいものです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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