7・12「鹿砦社反転攻勢の集い・関西」、50名余の参加で盛況! 祝っていただくと共に、叱咤激励され、いろいろ語り合った集いでした。4・5東京、7・12関西と、二つの反転攻勢の集いの成功をステップに次の10年に向けて歩き出そう!

鹿砦社代表 松岡利康

かねてよりお知らせしていますように、去る7月12日、鹿砦社のホームグラウンド・西宮で開催された反転攻勢の集いに、50名余りの方が参加され成功裡に終了いたしました。

詳しいご報告は後日行うとして、4・5東京、7・12関西の集いを成功させ、多くの支援者によって鹿砦社、これが発行する『紙の爆弾』『季節』が支えられていることを、あらためて認識した次第です。

なんとしても生き延び、新型コロナによる閉塞状況を皆様と共に突破し全面展開に努めます!

挨拶する松岡
連帯の歌声を披露してくれたPaix2(ぺぺ)
病をおして遠路はるばる駆け付けてくださった、著名な精神科医・野田正彰先生

キックボクシング系の戦い!真夏は誰が盛り上げるか!?

堀田春樹

メインイベンターは馬渡亮太。エース格は睦雅。注目度ではHIROYUKIがどんなインパクトを残すか。

◎KICK Insist.23 / 7月13日(日)後楽園ホール17:15~
主催:ビクトリージム / 認定:ジャパンキックボクシング協会

今月はWMOの戦い。世界の頂きに立てるか。馬渡亮太がジャパンキックボクシング協会以外でも試合を行ない、実績を積み重ねての挑戦です。

KICK Insist 23、世界の頂きに立つのは誰か

◆第13試合 WMO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ 5回戦

Champion.オーウェン・ギリス(イギリス)vs 挑戦者11位.馬渡亮太(治政館/2000.1.19埼玉県出身)
オーウェン・ギリスは3月にWMO世界王座を獲得。
馬渡亮太はWMOインターナショナル スーパーバンタム級チャンピオン。

馬渡亮太、世界を獲れるか

◆第12試合 63.0kg契約3回戦

WMO・INスーパーライト級チャンピオン.睦雅(ビクトリー/ 1996.6.26東京都出身)
vs
タイ・ジットムアンノンStadiumライト級4位.ペットムアンデット・コルウッティチャイ(タイ)

睦雅(=瀬戸睦雅)は3月23日にポムロップ・ルークスワンを左フック一発で初回TKO勝利し、5月にタイ・ルンピニースタジアムでのONE Friday Fightsに出場し、ミャンマーの選手に判定勝利。ONEでは通算4戦3勝1敗。

円熟、睦雅。安定した実力で日本とタイでトップを維持

◆第11試合 57.5kg契約3回戦

WMO・INフェザー級チャンピオン.瀧澤博人(ビクトリー/1991.2.20埼玉県出身)
vs
ヌンプーシン・コルウッティチャイ(元・BBTVバンタム級5位/タイ)

3月23日にプラカイトーン・トー・タラヤンにKO勝利した瀧澤博人が続いて出場。

瀧澤博人、世界再挑戦に向けて安定した試合展開を見せるか

◆第10試合 54.5kg契約3回戦

HIROYUKI(=茂木宏幸/RIKIX/1995.10.2神奈川県出身)
      vs
アカラデット・クェイバンコーレーム(元・ジットムアンノン・フライ級3位/タイ)

新日本キックで2017年に瀧澤博人から王座奪取した元・日本バンタム級チャンピオンの茂木宏幸はジャパンキックに2度目の出場。ONE Friday Fightsにも出場など活躍する勢いで波乱を起こすか。。

波乱を起こすかHIROYUKI

◆第9試合 60.5kg契約3回戦

キヨソンセン・ビクトリージム(元・WMO・ICスーパーフェザー級Champ/タイ)
         vs
WMC日本スーパーフェザー級チャンピオン.吏亜夢(ZERO)

◆第8試合 52.5kg契約3回戦

ジャパンキック協会フライ級1位細田昇吾(ビクトリー/1997.6.4埼玉県出身)
        vs
ゴリム・クェイバンコーレーム(元・True4Uフライ級9位/タイ)

3月23日にKO負けを喫し再起を賭ける細田昇吾。

◆第7試合 ウェルター級3回戦

ジャパンキック協会ウェルター級3位.正哉(誠真)vs 同級5位.我謝真人(E.D.O)

◆第6試合 スーパーフェザー級3回戦

ジャパンキック協会フェザー級3位.石川智崇(KICKBOX)vs 青木大好き(OZ)

◆第5試合 58.0kg契約3回戦

ジャパンキック協会フェザー級4位.眞斗(KIX)vs 松岡優太(チームタイガーホーク)

◆第4試合 73.0kg契約3回戦

白井大也(市原/千葉県市原市出身/22歳)vs タイン・ノーナクシン(タイ)

◆第3試合 スーパーフライ級3回戦

花澤一成(市原/2004.4.9千葉県市原市出身)vs 磯貝雅則(STRUGGLE)

5月25日に地元市原興行で3年ぶり勝利をノックアウトで飾った花澤一成。ここから浮上成るか。

他、新人戦2試合、アマチュア1試合。

※          ※          ※

◎NJKF 2025 west 3rd / 7月20日(日)開場12:45 / 開始13:00
主催:誠至会 / 認定:NJKF
会場:堺市産業振興センターイベントホール(大阪府堺市北区長曾根町183-5)

NJKFでは関西エリアでも定期興行が行われています。更なる上位目指す佐藤亮、5月11日に新日本キックボクシング協会TITANS NEOS 36で快勝した期待の新人、庄司翔依斗出場。

NJKF west、大阪の戦い。佐藤亮がメインイベンター

◆第12試合 60.0kg契約3回戦

佐藤亮(NJKFスーパーフェザー級認定王者/健心塾)
vs
KTKフェザー級7位.ソ・ヨンテク(韓国)

◆第11試合 Semi Final  ライト級3回戦

NJKFライト級4位.麻太郎(健心塾)vs NJKFライト級5位.田邊裕哉(京都野口)

ヒジ打ちによる2連続KO勝ちの麻太郎。

◆第10試合 フェザー級3回戦

NJKFフェザー級7位.坂本直樹(道場373)vs 同級8位.森田陸斗(誠至会)

◆第9試合 スーパーウェルター級3回戦

NJKFスーパーウェルター級2位.岩本光太郎(誠至会)vs 村木大樹(京都野口)

◆第8試合 バンタム級3回戦

NJKFバンタム級5位.中島隆徳(GET OVER)vs 天(誠至会)

◆第7試合 スーパーライト級3回戦

中野功貴(誠輪)vs 天の助(ノーナクシンムエタイ)

◆第6試合 女子ミネルヴァ・アトム級3回戦(2分制)

ピン級4位.杉田風夏(谷山ジム小田原道場)
        vs
アトム級6位.RIANA(TOKEN)

◆第5試合 50.0kg契約3回戦

庄司翔依斗(拳之会)vs マグナム・カンタ(直心会)

他、新人戦4試合、アマチュア NEXT☆LEVEL関西王座各階級決定戦(数試合)

※          ※          ※

◎MAGNUM 62 / 7月27日(日)後楽園ホール17:15~
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会

日本スーパーフェザー級チャンピオン木下竜輔は出場予定だったが、体調不良による欠場は残念。NJKFから山浦俊一と岩橋伸太郎が参戦。ジョニー・オリベイラが岩橋伸太郎を迎え討つ。

MAGNUM 62、木下竜輔に代わり山浦俊一出場

◆第16試合 59.0kg契約 木下竜輔(伊原)欠場

NJKFライト級1位.山浦俊一(新興ムエタイ)代打出場
vs
ガン・エスジム(元・ラジャダムナン系フェザー級5位/タイ)

木下竜輔の代打でメインイベンターを務める山浦俊一。NJKFの存在感を見せるか

◆第15試合 ライト級

ジョニー・オリベイラ(ブラジル/トーエル)vs NJKFライト級2位.岩橋伸太郎(エス)

岩橋伸太郎は4月20日にTAKUYA(K-CRONY)にノックダウン奪って判定勝利。

ジョニー・オリベイラと対戦する岩橋伸太郎。こちらもNJKFの存在感をどう見せるか

◆第14試合 女子ミネルヴァペーパー級3回戦(2分制)

ペーパー級2位.AIKO(AX)vs 同級3位.Uver∞miyU(T-KIX)

◆第13試合 フライ級2回戦

手塚瑠唯(VERTEX)vs 渡邊匠成(伊原)

◆第12試合 スーパーフェザー級

山本龍平(拳粋会宮越道場)vs 翔吾(DANGER)

◆第11試合 62.0kg契約

平田康輔(平田)vs 光基(DANGER)

◆第10試合 フライ級

トマト・バーテックス(VERTEX)vs RIKIYA T-KIX(T-KIX)

他、アマチュア含む10試合予定。

※          ※          ※

◎SHOOT BOXING 2025 act.4 / 8月9日(土)後楽園ホール17:30~
主催:(株)シーザー・インターナショナル / 認定:シュートボクシングコミッション
放送・映像制作:U-NEXT

キックボクシングから約20年遅れて誕生の、創設40周年を迎えたシュートボクシング。定期的イベントはなかなか豊富である。

SB act,4、主要メンバーの山田虎矢太、山田彪太朗、笠原弘希、安本晴翔、高橋幸光

以下、概要は配信リリースを引用しています。

これまでにライト級(SB-62.5kg)、スーパーフェザー級(SB-60.0kg)、フェザー級(SB-57.5kg)の国内三階級を制覇した笠原弘希は現在、スーパーライト級(SB-65.0kg)を主戦場に4階級制覇も目指しており、2月にコムキョウ・シットポージョーウォー(タイ)に1ラウンドKO勝利。4月にはジャック・ラーチャーノン(タイ)との再戦で勝利しリベンジ成功。今回、どのようなマッチメイクが組まれるか。
11月24日(月・祝)に創設40周年記念イベントで開催されるS-cup世界フェザー級トーナメントの決勝戦での山田ツインズ対決実現に燃えている山田彪太朗と虎矢太が2月以来の揃い踏み。兄・彪太朗は4月、川上叶の挑戦を退けSB日本フェザー級タイトル初防衛に成功。弟・虎矢太は6月、魁斗を1ラウンドTKO勝利で強烈なインパクトを残している。

第6代RISEフェザー級チャンピオン安本晴翔(橋本道場)もS-cup出場を視野に入れての出場。S-cup出場権を懸けた熾烈なサバイバルマッチ査定試合として3人にはどんな相手が用意されるか。

6月興行でSB日本スーパーウェルター級1位、RYOTAROを2ラウンドに左ハイキックで沈めた高橋幸光(飯伏プロレス研究所)も連続出場。タイトル戦線に絡む試合が組まれるか注目。
 
◆出場予定選手

笠原弘希(SB日本ライト級Champ/シーザー)
山田彪太朗(SB日本フェザー級Champ/シーザー)
山田虎矢太(SB日本スーパーバンタム級Champ/シーザー)
安本晴翔(第6代RISEフェザー級Champ/橋本道場)
高橋幸光(WMC日本スーパーライト級Champ/飯伏プロレス研究所)

以上は7月7日にシュートボクシング協会よりリリースされました情報です。対戦カードは今後決定していく模様です。毎度リリースを頂きながら取材も告知にも至らず申し訳ありませんが、今回は興行予定を活用させて頂きました。

※          ※          ※

キックボクシングとシュートボクシング。似て非なるものでも原点は一つ。どちらも進化を遂げて来ました。シュートボクシングも今後は拾える話題は扱っていきたいところです。

そんな中、新日本キックボクシング協会から枝分かれした三派。“協会”と名の付く団体の原点は日本系(=日本キックボクシング協会)となりますが、元の一つに戻らないかなあと願うファンも多いのです。連立政権ではないが纏まれば強い勢力になりますね。という取り上げるほどのことではない春樹のひとり言でした。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧から20年 ── 今、静かな怒りを込めて振り返る

鹿砦社代表 松岡利康

朝日新聞(大阪本社版)2005年7月12日朝刊。松岡はこれを見てみずからの逮捕を知った。

しばらくして神戸地検の一団が家宅捜索─松岡連行にやって来た。 次々頁は、同 夕刊。神戸地検と朝日大阪社会部が連携し周到に準備されたスクープだった。

朝日新聞(大阪本社版)2005年7月12日朝刊

私たちにとって〈7・12〉という日は、決して忘れることができない屈辱のメモリアル・デーだ。もう20年が経ったのか……想いの一端を書き記す。

◆2005年〈7・12〉に何が起きたのか? 

2005年7月12日、野球開催時以外は閑静な兵庫県西宮市甲子園の住宅街が突然、早朝から大騒ぎとなった。配達されたばかりの朝日新聞を持って母親が血相を変えて階段を上ってきて私を起こし、「あんたが逮捕されるよ」と叫んだ。朝日新聞(大阪本社版)の一面トップ、この時点ではまだ会社名と私の名は出されてはいないが、「出版社」が鹿砦社で「社長」が私だとすぐに判る。自分の逮捕を新聞報道で知るという奇妙な体験をした。

この日は朝から東京出張の日だった。このことは前週事情聴取の際に主任検事の宮本健志検事(現在は退官し滋賀県で公証人)には言っていたので、これを見越して早朝から検察は動いた。やがて神戸地検の一団がピンポンと呼び鈴を鳴らす。「シャワーぐらい浴びさせろ」と言うほど少しは落ち着いていた。

自宅の家宅捜索が始まった。すでに多くのマスコミ記者とカメラマンらが自宅、会社を取り囲むように集まってきた。次いで近くの事務所に同行、事務所の家宅捜索が始まった。検察が持ってきた箱が足りなくて事務所にあった宅急便用の袋まで使うほど多くの資料等を押収していった。

1972年の会社設立関係の貴重な資料も押収され、今に至るまで出てこない。家宅捜索の途中で神戸地検に連行され、そこで逮捕を宣告され手錠を掛けられた。手錠を掛けたのは主任検事、宮本健志。 地元・西宮東高校から早稲田に進み検事になった男だ。事務所の家宅捜索の最中に会社関係者も駆けつけ、終了のサインをしたのは近くに住む経理の女性だった(今も勤めている)。経理の責任者は、会社に来る途中で事件を知り自宅に引き返したという。

同じ頃、東京支社にも家宅捜索が入った。家宅捜索は他の関係先にも及び、さらに事情聴取は大株主(当時)、製本所、倉庫会社にも、そしてトーハン、日販、大阪屋(現楽天)など大手取次3社にも及び、これ3社は簡単に応じ取引資料を提出している。日頃「言論・出版の自由」を守れと嘯くのなら断固拒絶して欲しかった。

そうして、昼前には神戸拘置所に移送、全裸にされケツの穴まで見られる“身体検査”後に独房に入れられた。今度は、くだんの逮捕劇をラジオ放送で聴いた ── 。

松岡逮捕後急遽発行された『紙の爆弾』2005年9月号
警察癒着企業アルゼを告発し弾圧の元になった4冊の本

この時点では、すぐに釈放されると安易に考え、まさか以後192日間も勾留されるとは思ってもいなかった。

山口組の本拠・神戸だが、当時の神戸拘置所にはヤクザの有名人はおらず、私の逮捕のニュースは拘置所内に広まったようで、風呂などで私の房を通るクリカラモンモンの入った人に「頑張ってや」と激励されたこともあった。

『週刊朝日』2005年7月29日号。スキャンダリズムの大先輩、『噂の眞相』岡留安則編集長が怒りを込めて検察の横暴を弾劾!
松岡が勾留された神戸拘置所の在る神戸市北区ひよどりの紹介をした朝日新聞2005年10月31日付け記事。偶然にも勾留中に掲載された。
保釈され、神戸拘置所の前に立つ(2006年1月20日夜)

◆朝日・平賀拓哉記者は逃げずに私と会え!

朝日新聞大阪社会部・平賀拓哉記者は、この前に数度取材に訪れ、資料や本などを多く持ち帰った。オモテはわれわれの出版活動を「理解」しているかのように振る舞い、ウラでは神戸地検特別刑事部・宮本検事と連携し、いや“結託”と言ってもいいだろう、密に連絡を取り合い「官製スクープ」をものにした。

こういうことを、大阪高検公安部長の要職にあり検察の裏金を告発し逮捕された三井環氏によれば「風を吹かせる」というとのことだ。その後、平賀記者は中国瀋陽支局勤務となり連絡が取れなくなったが、ある冤罪事件の記事を署名入りで寄稿していたことを見つけ、数年前に大阪に戻ってきたことがわかり、恩讐を越えて何度も面談を申し入れたが、本人からではなく広報部からそっけない拒絶のメールがあった。

こちらは人生一変したんだ、わかっとるのか!? メディア人として以前に一人の血の通った人間として対応すべきではないのか? 逃げ回らず出てきて話そうぜ!

神戸地検と連携して”官製スクープ”を仕組んだ朝日新聞大阪社会部・平賀拓哉記者。逃げ回らずに出てこい! 

この事件では、刑事裁判(神戸地裁‐大阪高裁)では懲役1年2月、執行猶予4年が確定、また民事訴訟では約600万円の賠償金が確定した。いずれも最高裁まで争ったが遺憾な結果になった。特に民事訴訟では、一審(東京地裁)300万円が控訴審(東京高裁)では倍額600万円になり最高裁で確定した。

一審判決を報じるテレビ画像
一審判決を傍聴した山口正紀さんのレポート(『週刊金曜日』2006年7月14日号)
言論弾圧は、日本で活動する外国人記者にも衝撃を与え記者会見に招かれた(2007年2月14日。東京有楽町・外国人記者クラブにて)

◆私を嵌めた者らに起きた“不幸”

この事件に蠢いた輩には、不思議なことに、のちに「鹿砦社の祟りか、松岡の呪いか」と揶揄されるように相次いで“不幸”が訪れている。

まずは、私を刑事告訴したパチスロメーカー大手「アルゼ」(現ユニバーサルエンタテインメント)の当時の雇われ社長の警察キャリア・阿南一成、耐震偽装企業との不適切な関係により辞任に追い込まれている。

弾圧当時のアルゼ社長・阿南一成が耐震不正企業との不適切関係により辞任(朝日新聞2006年1月19日朝刊)。阿南は元中国管区警察局長→参議院議員を経てアルゼ社長に天下り、公判でも出廷し告発本による「被害」について述べた。

私に手錠を掛けた主任検事・宮本健志は、徳島地検次席検事として栄転していたが、深夜泥酔して暴れ降格、懲戒処分されている。さらに、最近身内の衝撃的な事件に巻き込まれていることが発覚。宮本は現在、検事(最終任地は大阪高検)を退官し滋賀県で公証人に就いているということだが、某国立大学の工学部を卒業し一流企業に勤めていた実弟が凄惨なストーカー殺人事件を起こし懲役20年で服役中だという。裏付けを取ったが事実である。みずからが起こしたものではないとはいえ、宮本にとっては、深夜に泥酔して暴れたことどころか、人生最大の汚点である。おそらく在阪マスコミも知っていると思うが、事件が起きたのが四年前の2021年、このかん全く報じられていない。ふだん芸能人や著名人であれば、メディはこぞって大騒ぎするだろう。検事本人が起こした事件ではないとはいえ、宮本らにいたぶられた私としては不快感を覚える。

松岡に手錠を掛けた、地元出身の主任検事・宮本健志検事が、昇任にして赴任した徳島で泥酔して暴れ降格懲戒処分になった事件を報じる徳島新聞(2008年3月26日付け)

神戸地検特別刑事部長として事件を指揮した大坪弘道は、厚労省郵便不正証拠隠滅事件で逮捕・失職している。しばらく浮浪人だったが、今は弁護士として活動しているという。加入を認めた大阪弁護士会の見識を疑う。

弾圧を指揮した大坪弘道検事逮捕を報じる朝日新聞(2012年10月2日付け朝刊)

そうして、アルゼ(現ユニバーサル)の創業者オーナーだった岡田和生、海外で逮捕され、みずからが作り育てた会社から放逐されている。一時は高額納税者総合1位だったこともあるパチスロ長者だったが、今は実子らに裏切られ風前の灯だ。

岡田逮捕を報じるロイター通信電子版(2018年8月6日付け)

事件の関係者に次々と不幸が訪れながら、事件10周年にはまだ岡田は逮捕も追放もされていなかったが、やはり悪いことはできないな。フィリピンで政府高官に賄賂を贈ったりしてカジノホテル開業に向け精力的に活動している間に、東京の本社では息子や子飼いの雇われ社長、そして、あろうことか後妻らによってクーデターが画策され岡田は放逐される。

カジノ建設を狙うユニバーサル(旧アルゼ)による比高官接待を報じる朝日新聞(2012年12月30日付け)
クーデターによって、みずから育てた会社から放逐され愚痴る岡田(『週刊ポスト』2019年3月22日号)

こうしたことから思うに、人を嵌めた者はみずからも嵌められるということだろう。お天道様は見ている。「因果応報」とはよく言ったものだ。

一方私たちは、このかんは新型コロナで苦闘しているが、彼らが不幸に遭っている間にみなさん方と共に奇跡の復活を遂げた。誰もがもう復活はないとささやいていたそうだが、愚直に本業に取り組んでいれば、必ず浮かぶ瀬がある ── 20年前の弾圧以上の事件は滅多にないだろうから、これを乗り越えた私たちは、どのような困難をも乗り越えることができると信じている。勾留中は電話一本、メール一本、ファックス一枚もできなかったが、今はそれらは勿論できるし、自由に動き回ることができる。

[左上]弾圧10周年記念集会(2015年7月12日。地元・兵庫県西宮市)。[左下]弾圧10周年集会二次会。西宮冷蔵・水谷洋一社長が手配してくれた。[右]弾圧10周年記念集会に大学の後輩にして書家・龍一郎が贈ってくれた書

◆寄り添っていただいた、ジャーナリスト・山口正紀さん、主任弁護人・中道武美弁護士、民事訴訟を担当してくださった内藤隆弁護士らの死を悼む ──

この事件に対しては多くの方々に支えていただいた。特に、公判のたびに毎回東京から自費で傍聴に来られ秀逸な記事を最高裁決定が出るまで連続して『週刊金曜日』に書かれた山口正紀さん、主任弁護人を務めていただいた中道武美弁護士、対アルゼ民事訴訟を担当していただいた内藤隆弁護士が、いずれも20周年を待たずして相次いで亡くなられた。内藤弁護士は、なんと本年正月早々に亡くなられた。約四半世紀、東京での訴訟関係をお世話になった。

私も、山口さんや中道弁護士、内藤弁護士が亡くなられた歳を過ぎたり過ぎようとしている。思うところも多い。事件から20周年を共にすることができなかったことに、寂しさが募る。慎んでご冥福を祈り生前のご厚誼に感謝を申し上げたい。と同時にお三方のご遺志を汲み、私が、先の逮捕事件をはじめ長年の裁判闘争で身をもって培った、私にしか解らない生きた教訓を後世に遺していく作業に着手したいと考えている。合掌

【お知らせ】関係書籍として、一部品切れの本がありますが、『紙の爆弾2005年9月号』『パチンコ業界のアブナい実態』『パチンコ業界 タブーと闇の彼方』『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』『アルゼ王国の崩壊』『アルゼ王国 地獄への道』は僅かながら在庫あります。当時の雰囲気や弾圧の実態を知っていただきたく、ぜひご購読お願いいたします。

出版弾圧事件を記録した本、『パチンコ業界のアブナい実態』と、この続編『パチンコ業界 タブーと闇の彼方』

7・12「鹿砦社反転攻勢の集い・関西」をPaix2(ぺぺ)と共に祝い歌い語り合おう!

鹿砦社代表 松岡利康

これまで節目の集いにはPaix2に来ていただき共に祝い歌い語り合ってきました。今回もそうです。

奇しくも今年はPaix2結成25周年を迎えました。「プリズン・コンサート」と称する、全国の刑務所、少年院などでの獄内ライブも500回も越え、北は網走から南は沖縄のすべての刑務所を踏破、凄いです。もっと社会的に評価されるべきです。

4・5東京の集いでは、会場で歌うことはできないということで司会を務めていただきましたが、7・12はミニライブを行っていただきます。

7・12、多くの皆様方と共に、西宮インティ・ライミに結集し、共に有意義な時間を過ごそうではありませんか!

本年4・5の東京の集いで
鹿砦社創業50周年でも歌ってくれた
鹿砦社主催のライブで(大阪)
新聞記事
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間近に迫った7・12「鹿砦社反転攻勢の集い・関西」に圧倒的に結集し、共に語り合い、共に苦境を突破しようではありませんか!! 参加できない方は、カンパでご支援ください!

鹿砦社代表 松岡利康

鹿砦社の出版活動を支持、支援される皆様──いよいよ7・12が間近に迫ってまいりました。

コロナ以前、私たちは、今回の集いの会場となるカフェ・インティライミにおいて、幾度となく、こうした集いを開催してまいりました。今回招くPaix2さんのライブを初めて行ったのも、『紙爆』10周年の集まりも、鹿砦社創業50周年の集まりも、インティライミでした。それが新型コロナによって休止を余儀なくされ、コロナ以降は開催できなくなってまいりました。加えて鹿砦社の経営苦境も重なりました。

しかし、それは世の中の多くの企業、個人もそうだったわけで、私たちだけではありません。それでも多くの企業、個人の経営者は頑張っておられます。私たちも、決してコロナのせいにするのではなく、前を見据え反転攻勢を勝ち取らなければなりません。かつて、落ち込んだり浮上したりしてきた私たちは、必ずや勝機を掴み復活する気概と自信はあります。

鹿砦社の出版活動を支持、支援される関西の皆様はぜひ、圧倒的に総結集し、やむなく参加できない場合は、カンパやご祝儀などでご支援ください。

鹿砦社創業50有余年、私たちは幾多の困難を乗り越えてまいりました。今、多くの皆様方のご支援により復活の緒に就きました。7・12の集いを成功させ、共に大道に躍り出ようではありませんか!

関西在住の多くの皆様方のご参加と、ご支持、ご支援をお願い申し上げます!

2025年7月8日
株式会社鹿砦社代表兼集い実行委員長 松岡利康

【追記】
直前となりましたので、今後の参加申込は、
まず「参加申込書」をファックスかメール(チラシに表記)にて送ってください。
会費は、当日払いとなります。

『紙の爆弾』2025年 8・9月号に寄せて

中川志大(『紙の爆弾』編集長)

東京都議選、そして参院選前の重要な時期にマスコミを席巻した元TOKIO国分太一の騒動。本誌校了時点で、彼が何をしたのかは明らかになっていないものの、これを「スピン」と見る声が相次いでいます。別のニュースを大々的に流すことで、権力にとって不都合な事態から大衆の関心を逸らせる「スピン報道」を疑う指摘がしばしばみられるようになりました。その点で、今月号で政治経済学者・植草一秀氏が解説する「令和の米騒動」の本質を隠す小泉進次郎農水相の“三文芝居”、そのどさくさ紛れの年金制度改悪、「103万円の壁」と「106万円の沼」、かき消されつつある企業・団体献金禁止と消費税減税。問題から目を逸らさない姿勢が求められます。また、そこに本誌の役割も見出しています。

今月号では、「遺伝子組換え米でつくる、飲む新型ワクチン」こと「ムコライス」について解説を試みました。問題は、これ自体に潜むmRNAワクチンと同様の危険性はもとより、コロナ・パンデミックを機に(ひょっとするとそれ以前から)日本人がかけられてしまった「ワクチンを打たないと病気になる」という洗脳です。そもそも製薬会社が“薬”よりも“ワクチン”の開発に積極的であるのはビジネス上の理由です。記事ではその点から、現代社会における医療の現実に迫るとともに、本来的に人間に備わっている免疫システムについても確認しています。

ところで、6月20日の「中身は言えない」ことを言っただけの日本テレビ社長会見。犯罪行為である「24時間テレビ」寄付金着服で会見を開かないところから、アリバイづくりの目的が明らか。都議選後の石丸伸二氏の会見で、ネット配信カメラをひたすら記者に向ける様子が話題になったものの、フジテレビも含めて取材者に批判的な反応を視聴者から引き出す狙いとして、やっていることは同じではないかと思われます。もちろん、メディア側が対抗策を持っていないことも問題です。

本誌発売日は参院選期間中。まともな論点が提示されるかが問題であるものの、この間、財務省のあり方を含めて「税」に注目が集まっているのは、悪い流れではないと思います。石破茂首相の「2万円選挙買収」は、受け取る人が自民党に投票すれば「買収」が成立する、という指摘があり、これが正解でしょう。

7月号で採り上げた「日本航空123便墜落」の真相究明を続ける青山透子氏インタビューには、“多方面”から大きな反響をいただきました。本誌記事は、参院選を前に青山氏や遺族の吉備素子さんへの言論妨害といえる佐藤正久・自民党参院議員の国会質疑に反論する形で、青山氏の活動の一側面を紹介したものです。7月4日発売の新刊『日航123便墜落事件 四十年の真実』(河出書房新社)が発売。本誌記事が同書を読むきっかけになれば幸いですし、青山氏の著作を読んだ方が、本誌を手に取るきっかけになれば幸いです。

さらに今月号では、5年前の7月18日に命を落とした俳優・三浦春馬の“不審死”について、究明活動を続けるファンの声を集めました。ほか、広島県の水を汚染する産廃処分場問題、米価格をさらに上昇させる“農薬”、そして権力の不正に大して“非開示”を許さない「情報公開制度」の“画期的判例”など、本誌でしか読めないレポートを多数お届けします。『紙の爆弾』は、全国書店で発売中ですので、ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2025年 8・9月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2025年7月7日発売

「令和の米騒動」の正体 その裏で進む複数の危険事態 植草一秀
日本に野党はあるのか 自民党が権力を握り続けた「日本型民主主義」の真相 田中良昭
“投資の神様”ウォーレン・バフェットの光と闇 浜田和幸
攻撃開始後に政権支持率上昇 イスラエルが「イラン戦争」を始めた理由 広岡裕児
「ワクチンを打たないと病気になる」という洗脳 コメで作った新型ワクチン「ムコライス」とは何か 早見慶子
芸能・広告界の虚構の営業戦略「清純派女優」の終焉 片岡亮
民主主義国家における「秘密」とは何か「スパイ防止法」と憲法九条 足立昌勝
「横田空域」「米軍司令部移転」「PFAS」東京都の米軍基地問題を衝く 木村三浩
「行政の不法を隠す非開示は許されない」情報公開制度の壁を取り払う画期的判決 青木泰
5年を経ても抗議を続ける理由 三浦春馬“不審死”の真相究明活動 三川和成
三原本郷産廃処分場「産廃フリーパス」という広島県の惨状 さとうしゅういち
国内農業を守るためにすべきこと 米価格と農薬の語られざる関係 平宮康弘
ジャニーズ、スターダスト、そして松山千春「反省」しない芸能人と芸能プロ 本誌芸能取材班
亡国「自罠党」を葬り去るために 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪 南馬込実母焼殺事件 片岡健
「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧から二十年 松岡利康

〈連載〉
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER Kダブシャイン
【最終回】「ニッポン崩壊」の近現代史 西本頑司

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0FFMHLY49/

7・12「鹿砦社反転攻勢の集い・関西」まで、1週間足らずとなりました。圧倒的なご参加、ご支援を重ね重ねお願い申し上げます!

鹿砦社代表 松岡利康

月日の過ぎるのは速いもので、今から20年前の2005年、『紙の爆弾』創刊から3カ月後、「名誉毀損」に名を借りて大坪弘道検事(彼は厚労省郵便不正事件により逮捕、検事失職)率いる神戸地検特別刑事部は、朝日新聞と連携し、松岡逮捕→鹿砦社潰しの挙に出ました。実際に、私の逮捕―長期勾留により、私は肉体的にも精神的にもずたずたにされ、私たちの出版社=鹿砦社は壊滅的打撃を受けました。誰もがこのまま沈むものと思っていたことでしょう。

ところがどっこい、自分で言うのも僭越ですが、瀬戸際にある時に強いのが鹿砦社です。多くの方々のご支援により復活することができました。逮捕から4年余り費やしましたが……。この時、取引先やライターさんらのご支援、ご協力がなければ、復活はできなかったでしょう。

復活したのは2009年秋、かの事件から4年余り経っていました。その後、勢いは加速し、逮捕前よりも良くなりました。実験的1000部ほど出した限定豪華本が即日完売、限定版なので増刷はできず、普及版(特別装丁版)を出したところ、これがブレイク、実売3万部以上のヒットとなりました。

以降、快進撃は続きました。コロナが襲来するまでは……。

新型コロナ以降、他の出版社や書店同様、再び奈落の底に落とされました。しかし、私たちはぺしゃんこにされてもへこたれません。「捨てる神あり、拾う神あり」で、熱心な読者の方々のお力で、青色吐息で生き残り、ふたたびの復活を目指しています。私たちは潰れません! 鹿砦社55年余りの歴史、『紙の爆弾』20年、『季節』10年の実績を踏まえ、必ずや復活を誓います!

そうした想いで、4・5「鹿砦社反転攻勢の集い」(東京・日本プレスセンター)を開催し、年度初めの慌ただしい中でも、100人超の方々が結集し叱咤激励をしてくださいました。

それを踏まえ、やはりホームグラウンドのある関西でもやるべしという皆様方からの強い要請で開催することにしたのです。

来る7・12、20年前のこの日、私は逮捕され、そして1週間後の7・12に「鹿砦社反転攻勢の集い・関西」を開催いたします。圧倒的なご参加、ご支持、ご支援をお願い申し上げます! 

本年4・5からコロナ苦境にありましたが、7・12を目指し多くの熱心な読者、支持者のお力をお借りし頑張り、ようやく復活への突破口を開こうとしています!
私たちはくたばりません! 必ずや復活いたします!

NKB爆発シリーズvol.3は釼田昌弘引退試合!

堀田春樹

剱田昌弘のラストファイトは力出し切る全5ラウンドを戦い、僅差ながら判定勝利で有終の美を飾った。

ジャパンキック協会から参加の樹(治政館)は昨年からのフェザー級に転級後のパワーも備わり、ムエタイブルファイターに僅差ながら判定勝利。

カズ・ジャンジラへの王座挑戦権を懸けたトーナメントはどん冷え貴哉と健吾が挑戦者決定戦へ駒を進めた。

◎爆発シリーズvol.3 / 6月21日(土)後楽園ホール17:15~21:25
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

長くなりますが、アマチュア結果も掲載致します。
戦績はいつもどおり、連盟データを基にこの日の結果を加えています。

◆第13試合 73.5kg契約 5回戦

NKBミドル級チャンピオン.釼田昌弘(テツ/1989.10.31鹿児島県出身/ 73.4kg)
22戦7勝(1KO)11敗4分
          VS
TOMO・JANJIRA(JANJIRA/1992.1.12京都府出身/ 73.35kg)10戦4勝(3KO)5敗1分
勝者:釼田昌弘 / 判定2-0
主審:前田仁
副審:高谷50-46. 鈴木48-48. 笹谷49-48

両者、パンチと蹴りの攻防から剱田昌弘は得意の組み付いて行く手段も使いたいが、徐々にヒザ蹴りから崩して転ばせる勢い増して来た。TOMOは剱田昌弘の多彩な戦法にリズムを掴めない。

剱田昌弘のハイキックがヒット、出さないようで何でも出せる技の一つ

第4ラウンドに入っても手数減らない両者の攻防は次第に疲れが見え始めたが、パンチと蹴りの攻防からTOMOのヒジ打ち、剱田昌弘の飛びヒザ蹴りも見せ、主導権を奪って終わりたい一進一退の我慢の展開は5ラウンドを戦い終えて、剱田昌弘の判定勝利。予定どおりその場で剱田昌弘の引退セレモニーが行われ、テンカウントゴングに送られた。

TOMOのヒジ打ちを避けつつ、鼻がペチャンコの剱田昌弘

剱田昌弘は試合後、「全て出し切りました!」と完全燃焼した表情。「TOMOがフックパンチでガンガン来るイメージあったので、そこを潜っていく作戦も、それが無さそうだったんで、他の技で何でも出して行こうと思いました!」とラストファイトの作戦も語っていました。

TOMOは「もうちょっとパンチや蹴りとか貰わずに戦えるかなと正直思ったんですけど、目茶目茶貰って、5ラウンドなので、剱田さんもうちょっとスローペースで来ると思ったんですけど、それが想像以上に体力削られてしまいました!」と語った。

悲し気な剱田昌弘のテンカウントゴング

◆第12試合 58.0kg契約3回戦

ローッボット・スターライトジム(元・タイ国イサーン地区フェザー級Champ/2006.2.19ナコンパノム出身/ 57.2kg)198戦141勝55敗2分(参考)
          VS
ジャパンキック協会フェザー級2位.樹(治政館/2004.10.12埼玉県出身/ 57.8kg)
16戦8勝(3KO)7敗1分
勝者:樹 / 判定1-2
主審:笹谷淳
副審:高谷30-28. 鈴木29-30. 前田29-30

開始早々は両者、ローキック中心に様子見。更にパンチや多彩な蹴りで倒しに掛かるアグレッシブな攻防。樹はローッボットのムエタイ技を凌ぐ蹴り返しで対抗。互角に進んだ攻防はスプリットとなる見極め難さだったが、樹がローッボットの勢いを凌いで判定勝利した。

樹とローッボットの一進一退の攻防。忍耐の戦いが続いた

◆第11試合 NKBウェルター級挑戦者決定(4名参加)トーナメント準決勝3回戦

NKBウェルター級5位.Hiromi(=田村大海/拳心館/1995.11.20新潟県出身/ 66.5kg)
12戦5勝(5KO)7敗
      VS
どん冷え貴哉(TOKYO KICK WORKS/1988.10.15滋賀県出身/ 66.35kg)
49戦26勝(6KO)21敗2分
勝者:どん冷え貴哉 / 判定0-3
主審:高谷秀幸
副審:鈴木28-30. 前田28-30. 笹谷28-30

パンチのHiromiに対し、どん冷え貴哉は首相撲からヒザ蹴りに持ち込みHiromiの持ち味潰し、貴哉は首相撲だけでなくパンチと蹴りの多彩に攻め優った流れで判定勝利。

どん冷え貴哉が積極果敢にHiromiを攻め優った

◆第10試合 NKBウェルター級挑戦者決定(4名参加)トーナメント準決勝3回戦

大月慎也(Team arco iris/1986.6.19埼玉県出身/ 66.6kg)26戦11勝(5KO)11敗4分
        VS
健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 65.85kg)7戦5勝(1KO)1敗1分
勝者:健吾 / 判定0-3
主審:鈴木義和
副審:笹谷28-29. 前田27-30. 高谷28-30

パンチと蹴りの様子見から健吾がサウスポーからの左ストレートで主導権を掴んで行った。健吾がボディーブローを打つと、二度目のボディーブローを大月慎也は前蹴りで突き放す上手さを見せたり、終盤はローキックで健吾の勢いを削りに掛かったが、健吾も左ストレートでなどパンチのリズムで対抗し前半の攻勢を維持して判定勝利。

健吾が先手を打ってのスピードと手数で大月慎也に攻め優った

◆第9試合 バンタム級3回戦

NKBバンタム級2位.雄希(テツ/2002.9.3大阪府出身/ 53.25kg)8戦6勝(3KO)
        VS
NKBバンタム級5位.香村一吹(渡邉/2007.2.22東京都出身/ 54.7→54.65kg/+1.13kg/計量失格減点3)5戦4勝(1KO)1敗
勝者:雄希 / 判定3-0
主審:笹谷淳
副審:高谷30-30(27). 前田30-29(26). 鈴木30-29(26)

初回早々からアグレッシブにローキック中心に蹴りパンチの攻防。雄希の首相撲からヒザ蹴りがやや攻勢も、香村一吹も蹴りからパンチ打ち込む積極性あり。ラストラウンド終了まで下がらない展開を見せた。

計量失格した香村はウェイト的には有利でも減点が大きく響いた。勝ちは拾えなくても倒しに行く意欲満々の香村に雄希も応戦。ともに好ファイトに繋げた。

雄希と香村一吹は互いに倒しに掛かる攻防から雄希が経験値で優った

◆第8試合 フェザー級3回戦

NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris/1981.4.28長野県出身/ 57.15kg)
34戦11勝(4KO)18敗5分
          VS
次難亮(TOKYO KICK WORKS/2002.6.23/千葉県出身/ 56.95kg)5戦4勝(1KO)1敗
勝者:次難亮 / TKO 2ラウンド 1分34秒
主審:高谷秀幸

次難亮の上下の蹴りがスピーディーに半澤信也を上回るが、半澤信也もパンチで互角に持ち込む。半澤信也が毎度の飛びヒザ蹴りも見せた。第2ラウンドにはガードの低い半澤信也に次難亮が右ハイキックでノックダウンを奪い、更に蹴りの圧力からパンチでノックダウンを奪うとレフェリーはほぼノーカウントでストップした。

次難亮のハイキックがガードの低い半澤信也にヒット、勝利を導いた

◆第7試合 52.0kg契約3回戦

NJKFフライ級4位.悠(=吉仲悠/VALLELY/2003.10.25北海道出身/ 51.8kg)
13戦6勝(3KO)5敗2分
       VS
緒方愁次(ケーアクティブ/2004.1.6東京都出身/ 51.7kg)4戦3勝1敗
勝者:悠 / TKO 2ラウンド 1分7秒
主審:前田仁

スピーディーな蹴りパンチで優る悠。首相撲で緒方愁次も反撃に転じたが、悠も体勢入れ替えパンチを打ち込む。第2ラウンドもアグレッシブに、パンチとローキックの交錯の後、悠の右ローキックで緒方がスリップダウンも、これはすでに狙っていた悠が突破口を開いて更にローキックでノックダウンを奪った。緒方は立ち上がったところでパンチの交錯から悠が再びローキックで倒すとノーカウントのレフェリーストップとなった。

顔はガードで隠れたが、悠がローキックで二度のノックダウン奪って倒し切った

◆第6試合 65.0kg契約3回戦

小磯哲史(元・J-NETWORKライト級Champ/テッサイ/1973.8.8神奈川県出身/64.65kg)
54戦19勝(6KO)30敗5分
       VS
TAIRA(TOKYO KICK WORKS/1989.1.21静岡県出身/ 64.85kg)12戦4勝7敗1分
勝者:小磯哲史 / 判定3-0
主審:鈴木義和
副審:笹谷30-29. 前田30-28. 高谷29-28

初回開始、首相撲からヒザ蹴り中心に動き出す両者。第2ラウンドには小礒が蹴りからパンチで適材適所上手く突いて攻勢を維持。TAIRAは失速の中、小礒は最後には飛びヒザ蹴りも見せたが圧倒には至らず僅差ながら判定勝利となった。

小磯哲史が縦横無尽に動いてTAIRAに攻め優った

◆第5試合 ウェルター級3回戦

ちさとkiss Me!!(安曇野キックの会/1983.1.8長野県出身/ 66.55kg)
43戦7勝(3KO)32敗4分
VS
安田学登(クボ/1995.9.14群馬県出身/ 66.65kg)11戦3勝7敗1分
勝者:安田学登 / 判定1-2    
主審:高谷秀幸
副審:前田30-29. 笹谷28-30. 鈴木29-30

初回は接近戦の攻防も主導権支配には至らない両者のパンチと蹴り。決定打は無いが、ちさとのヒジ打ちか、安田学登の右瞼辺りを切ったが傷は浅い。徐々に安田の圧す力がやや優ったが、ほぼ互角の展開。ちさとも打ち返したが判定も分かれるも安田学登が僅差勝利を掴んだ。

◆第4試合 60.0kg契約3回戦

鈴木ゲン(拳心館/1973.6.5新潟県出身/ 59.45kg)13戦6勝(4KO)6敗1分
       VS
辻健太郎(TOKYO KICK WORKS/1984.3.13東京都出身/ 60.2→60.0kg)
7戦3勝(1KO)1敗3分
勝者:辻健太郎 / 判定0-2
主審:鈴木義和
副審:前田28-29. 笹谷28-30. 高谷29-29

今日がラストファイトと言われた辻健太郎。鈴木ゲンは蹴りとパンチで前進するが、辻健太郎は距離とってローキックとパンチで鈴木より手数多く優った。終盤残り時間少ないところで鈴木ゲンが攻勢に出たが時間切れ。両者の手数ある攻防は鈴木への評価もある中、僅差だったが攻勢保った辻健太郎が力出し切る判定勝利となった。

◆第3試合 女子53.0kg契約3回戦(2分制)

MEGU(KICK SPARK/1979.12.4大阪府出身/ 52.85kg)10戦2勝8敗
VS
RUI・JANJIRA(JANJIRA/2000.11.5東京都出身/ 52.75kg)11戦4勝6敗1分
勝者:RUI・JANJIRA / 判定0-3 (28-30. 28-30. 29-30)

長身を利したMEGU。ミドルキックと前蹴りは効果的ながら、その距離を潰し接近戦で距離感を活かしたRUIのパンチや組み合ってのヒザ蹴りの細かい攻めが攻勢を維持し判定勝利。

◆第2試合 62.0kg契約3回戦

猪ノ川海(大塚道場/2005.9.30茨城県出身/ 61.9kg)5戦2勝(2KO)2敗1分
        VS
小林簾(アルン/2007.7.27新潟県出身/ 61.6kg)2戦1勝(1KO)1分
引分け 0-1 (29-29. 29-30. 29-29)

◆プロ第1試合 54.0kg契約3回戦

風間祐哉(WSR三ノ輪/1997.7.17石川県出身/ 54.0kg)6戦1勝3敗2分
      VS
早川曜平(ケーアクティブ/1994.1.13千葉県出身/ 53.25kg)3戦1勝1敗1分
引分け 三者三様 (28-30. 29-29. 29-28)

◆アマチュア第3試合
 
第2代オヤジキック関東スーパーフェザー級王座決定戦2回戦(90秒制/延長1分)
酒井“キッチンドリンカー”裕輝(EX M-FACTORY/ 60.9kg)
       VS
TAKENAKA(トイカツ道場/西日暮里ストライキング/ 60.85kg)
勝者:TAKENAKA / 延長判定1-2 (19-20. 10-9/20-20.9-10/20-20.9-10)

◆アマチュア第2試合

68.0kg契約2回戦(90秒制/延長1分)
ヒデジン(新興ムエタイ/ 67.95kg)vs河野友信(A-sk丈夫/ 67.05kg)
勝者:ヒデジン / 判定2-1 (20-19. 20-18. 19-20)

破れたが、河野友信は飛鳥信也さんの後輩です。A-skはアスカを意味するのだろう。

◆アマチュア第1試合

51.0kg契約2回戦(90秒制/延長1分)
奏太(スターライト/ 50.8kg)vs輝流(BIG MOOSE/ 50.95kg)
勝者:輝流 / 判定0-3 (19-20. 18-20. 19-20)

《取材戦記》

釼田昌弘は2022年6月18日に田村聖(拳心館)との王座決定戦で、2-1判定勝利で王座獲得したが、同年10月29日には田村聖引退試合(ノンタイトル)で再戦し判定負け。2023年4月15日には土屋忍(kunisnipe旭)と引分け。後に首の怪我で手術をして2年のブランクを作ったが、今回、自身の引退試合となった。

試合直後の引退セレモニーは寂しいものだった。勝者コールを受けたところから勝利者賞トロフィーと対戦者、TOMOからの花束を受け取っただけで剱田昌弘の御挨拶とテンカウントゴング。ここまでで10分足らず。まだ総合格闘技への今後に関わる諸々事情もあったかもしれないが、もう少し華やかに送ってやりたい引退セレモニーだった。

ジャパンキックボクシング協会から参加した樹は試合後、「自分でも負けたと思いました!」と言うも、昨年フェザー級に上げ、当時のチャンピオン皆川裕哉(KICKBOX)、挑戦者決定戦では勇成(Formed)に判定で敗れたが、石川智崇(KICKBOX)にTKO勝利と調子を上げて来ている中で、倒しに来るローッボットに互角に渡り合った展開には皆川裕哉と勇成へのリベンジへの展望も見える様子だった。

比較的、いつも最後まで会場に残っている、ちさとkiss Me!!は、「戦っている中では、イケるかなと思いましたけど、ちょっと当たると調子に乗り過ぎました。シーソーゲームになってしまったのが敗因かなと。出ちゃった結果はしょうがないです。けど安田学登選手の方がダメージあったと思います!」と展開には、もう一歩前進足りなかった反省もあるが、結構よく喋ってくれる明るいキャラクターだった。この後、長野への帰路に就いたようである。ダメージ無いからと酒でも飲みながら帰っただろうか。

メインイベンターが想定し難い日本キックボクシング連盟「爆発シリーズ」は8月3日(日)に大阪176BOXに於いてNKジム、テツジム二部興行。本興行は10月18日(土)に後楽園ホールに於いて、NKBウェルター級挑戦者決定戦、どん冷え貴哉vs健吾が、おそらくメインイベントで開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

西日本新聞 4月と10月に「押し紙」を増やす変則的な手口【YouTube配信9】

黒薮哲哉

「4・10増減」(よんじゅう・そうげん)と呼ばれる変則的な「押し紙」の手口がある。4月と10月に「押し紙」を増やす販売政策である。なぜ、4月と10月なのか。

結論を先に言えば、4月と10月のABC部数が、折込広告の設定枚数(折込定数)を決めるための有力なデータになるからだ。4月の数値は、6月から11月の折込定数に反映し、10月の数値は、12月から翌年の5月までの折込定数に反映する。新聞社は、それを知っているから「4・10増減」に走るのである。

西日本新聞の元販売店主(長崎県)が起こした「押し紙」裁判は、「4・10増減」が争点になった。裁判の中で、西日本新聞社が、全販売店の実売部数や残紙の程度を把握していたことを示す内部資料の存在が明らかになった。それにもかかわらず第一審で裁判所は、西日本新聞の「押し紙」政策を認定しなかった。7月3日には、控訴審の判決がある。

一目瞭然の「押し紙」政策の存在が客観的に立証されていながら、新聞社に軍配を上げ続ける裁判官の姿勢。

これは、裁判官が有する人を裁くただならぬ特権を悪用しているのではないか?

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2025年6月22日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

《7月のことば》禍福は糾える縄の如し

松岡利康

《7月のことば》禍福は糾える縄の如し(鹿砦社カレンダー2025より。龍一郎揮毫)

本日から7月、1年の半分が過ぎました。

今月の言葉「禍福は糾(あざな)える縄の如し」──これまでの私や鹿砦社の浮き沈みを言い得ている言葉で元々は『史記』にあります。

幸福と不幸は、より合わせた縄のように交互にやってくるという意味です。すなわち、災いだと思っていたことが幸運の原因になることもある。成功したと思ったら失敗する、失敗したと思ったら成功することもある。たとえて言うならば、より合わせた縄のようだ、という使われ方をされています。

私は20年前、「名誉毀損」に名を借りて逮捕され、会社は壊滅的打撃を受けました。しかし、その後、勝機を掴み復活しました。

ところが、私の人生に安穏はないようで、それはまた次の不幸の始まりでした。新型コロナの襲来によって今は塗炭の苦しみに喘いでいます。ここを切り抜けると必ずや何度も味わった栄光がやってくると信じたい。

さすがに龍一郎、うまい言葉を持ってきやがったな。

◇      ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

今月は〈7・12〉がもうすぐです。時の流れは速いものです。2005年7月12日の、晴天の霹靂の逮捕から20年です。皆様方と共に語り合い、有意義に過ごしたいと考えています。関西在住の方は、今からでもすぐに参加申し込みをお願いいたします。参加できない方はカンパやご祝儀などでご支援ください。

(松岡利康)