ミャンマー人の夫の弟、T(38歳)は、難民としてアメリカに渡った。テキサス州の、ミャンマー(ビルマ)人が多く住む食肉加工場がある地域で、ミャンマーやアジアの食品・雑貨などを販売する店をオープン。同じく難民としてアメリカに移り住んだ仲間たちが、彼の事業パートナーや部下となった。
客は主にミャンマー人難民や移民だが、アメリカ人も、アジア食材を求めて来店する。いまや、テキサス州最大都市、ヒューストンを含め、5つの店舗を構え、業績は伸びている。

アメリカに住むミャンマー人難民の中で、Tは、かなり事業を成功させた部類に入る。しかし私生活が幸せかというと、そうでもない。毎日仕事ばかりして、仕事以外の出会いがない。もっぱら私たち親族とスカイプやインターネット電話をして、余暇を過ごす。当然、結婚に至るような出会いはない。

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