発売以来、早くも各所で話題になっているのも当然だろう。『終わらないオウム』(鹿砦社)では、殺しの標的になった者と、殺人者とが、会って語り合っているのだ。
標的になった者は、上祐史浩。かつてオウム真理教最高幹部として、テレビを始めとして様々なメディアに登場し、スポークスマンを務めた。
殺人者は、徐裕行。18年前に、オウム真理教の「科学技術大臣」であった、村井秀夫を刺殺した。同書で徐は、「本当に殺そうとしたのは、上祐さんだった」と語っている。状況的に刺せるのが村井だったわけだが、上祐にとって村井は、当時の同志であり親友である。
殺されようとした者と、殺した者が、向き合って語り合う。
間を取り持ったのが、鈴木邦男である。この奇跡の対談に至る経緯は、同書に詳しく書かれている。

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