しばらく前のことだ。御茶ノ水駅前を歩いていると、聞き覚えのある声が聞こえてくる。「おいら ジャパニーズ バンドマン」と歌っている。昔親しんだ、竜童組の曲だ。
公園とも言えない、駅とビルとの間の小さなスペース。並べられたパイプ椅子に座って、100人ほどが聴いている。立ったままの人や、その辺りにしゃがみ込んでいる人もいる。
その前で、ステージもなく、設えられたマイクの前で、歌っている男に目を走らす。

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