断りの連絡は岡田くんのメールアドレスと会社アドレス宛てに送った。
岡田くんにだけ送ってしまうと「頑張ります」「やります」と返事が来てまだやり取りが続く気がした。その日の深夜、メールに気付き慌てただろう岡田くんからLineにて『考え直して下さい』というような内容のものが10通ぐらいは送られてきていた。それに返事はしなかった。

翌日、WEBマガジンの作家全員にメールが来た。岡田くんの上司の山田という人物からだ。『弊社社員がご迷惑をお掛けしてすみません』という謝罪から入る文面ではあったが『こちらの事業に関しては、岡田が業務外に行っている個人的な事です。名刺交換など会社の事業と勘違いさせる行為があったことをお詫びします』と書いてあった。責任逃れにしても笑える。こっちはどれだけの時間、準備をしてきたと思っている。他のメンバーとも連絡を取ったところ、呆れていたようで「アホらしい」「別にもういいんじゃない? 他を探そう」「謝られてもしょうがない」という話になり、この件はたった一本のメールで幕を閉じた。

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