当欄では、「冤罪疑惑」と「検事の取り調べ中の民族差別発言疑惑」を繰り返しお伝えしている2010年発生の下関女児殺害事件。一貫して無実を訴える被告人の湖山忠志氏(30)は一昨年7月に山口地裁(長倉哲夫裁判長)の裁判員裁判で懲役30年の判決を受け、今年1月に広島高裁(木口信之裁判長)で控訴を棄却されたが、現在も無罪への希望を捨てず、最高裁に上告中だ。

筆者はこの湖山氏の控訴審判決公判をスケジュールの都合で傍聴できなかったのだが、判決文が入手できたので、遅ればせながら判決内容に言及しておきたい。結論から言うと、事実関係を精査しているように見える体裁を取り繕っているものの、重要部分から目を背けた明白な不当判決だ。

続きを読む