(屁世26年9月30日)

おい、清水!

KO大学の皆さま、原発テロ犯の摘発にご協力ください…の巻

 

ここは都内某所にある警視庁「三途の川原署」。
「三途の川」なんて物騒な名前だが、ただの警察とはちがう。
桜田門のお偉方たちが一目置く“心霊警察”なのだ。

なにしろ刑事課の捜査第一係(別称・強行犯捜査係)の刑事たちは
「ボス」こと納骨堂俊介係長を筆頭に、
念仏読誦で容疑者を必ず自白させる「拝みの寺さん」こと寺村精進警部補、
ゴリゴリと墓をあばいて隠された証拠を発掘する名人である
「墓あばきのゴリさん」こと墓石誠警部、
お経のように刑事訴訟法を朗誦する「雨ダライ猊下(げいか)」こと雨田雷警部、
新入りだが鋭い霊感で犯人を突きとめていた「摩訶浪人(マカローニン)」こと早見純警部、
そのマカローニン刑事が立ち小便中に暴漢に刺されて殉職したため
後任として同署に赴任した新人「袈裟(けさ)ジーパン」こと柴田淳警部など、
心霊捜査にめっぽう強い腕きき警部がそろっている。

都内某所の警視庁・三途の川原署。
心霊捜査の腕利き刑事たちの拠点である。

盆休みの線香の、白檀のかおりがすっかり消えてしまったある九月の朝、
“拝みの寺さん”が出社すると、すでに職場でスタンバッていたボスが
ウイスキーを舐めながら、新しい指名手配書をにらみつけていた。

寺さん 「お早うございます、ボス!」
ボス 「おう! 寺さん、本庁から手配書がきたぞ」
寺さん 「ま~た本庁が手に負えない凶悪犯ですか」
ボス 「今回は最強最悪のテロリストだぞ。これを見てみろ」

寺さん 「うわっ! 心霊的に……業が深い人相ですなあ(絶句)。で、こいつ何をしでかしたんです?」
ボス 「本庁から捜査資料が届いている。寺さん、みんなに聞こえるように大声で読んでみてくれ」
寺さん 「じゃあ、ワシじゃなくて若い奴に読ませましょう。おい! 袈裟ジーパン、これ大声で読んでくれ」
袈裟ジーパン 「おっす! こういうのは女にやらせりゃいいんっすよ! しん子はどこっすか? お~い、しん子!」
ボス 「しん子は総監の接待要員として今日は本庁づめ。ガタガタ文句いわずにオマエが読めジーパン」
袈裟ジーパン 「はいはい。読めばイイんでしょ。じゃあ読みます……。

容疑者の概略――本件容疑者である清水正孝は、慶應大学経済学部を
卒業後、東京電力に入社して資材調達などの事務屋として出世街道を
邁進し、同社の社長になった。東電の社長時代には「コストカッター」の
あだ名で呼ばれ、政財界から一目おかれていた。

……ところでボス、“コストカッター”って何すか?」
ボス 「“経費出し惜しみのケチ野郎”って意味だよ。続けろ」
袈裟ジーパン 「へいボス。
清水容疑者は“コストカッター”の異名をとるだけあり、
「大事故なんて起きるわけがない」と原子力発電所の危険性をナメきって、
出費をケチって安全確保の手抜きをしつづけた。そのあげく平成23年3月に
東日本大震災が起きると、想定しえた地震と津波で福島原発は火災と
爆発が生じて大破にいたり、膨大な量の放射性物質を野外にばらまいて
日本のみならず全世界に放射能汚染を広げた。社長の清水は、この未曾有の
環境汚染犯罪の責任を負うべき犯罪者なのである。

……なるほどボス。わかりました。清水ってのは最悪の環境テロリストですね」
ボス 「感心してないでどんどん読んでいけよ、大声で」
袈裟ジーパン 「了解!ボス。

ところが未曾有の原発公害が起こしておきながら、清水は社長の職責を
放り出して巨額の退職金を手にし、東京電力から逃亡し、系列会社に天下り
した。しかも3年前の原発公害発生当時、すでに彼は慶應義塾の「最高意思
決定機関」である評議員会のメンバーだったのだが、こちらは辞めもせずに
今も続けており、それどころか本年10月1日に行なわれる改選「評議員選挙」
に立候補して、あいかわらず慶應義塾の「最高意思決定機関」に居座るつもり
でいる。

……ちょっとボス、質問なんすけど。こんな悪党が、なんで名門中の名門であるケーオー義塾の評議員なんかやってられるんっすか? ケーオーの運営幹部たちが黙ってないハズでしょ?」
ボス 「そこだジーパン。いい質問だ。ヒントは資料のその先にちゃんと書いてある。さっさと読み進めてくれ!」
袈裟ジーパン 「へいボス。了解!

放射能テロリストの清水容疑者が慶應義塾の評議員選挙に立候補できた
のは、同塾の理事会委員たちから推薦があったからである。慶應義塾に
おいては「評議員会」が最高意思決定機関、理事長および理事会が執行部
という位置づけになっている。国政にたとえれば、慶應義塾の評議員会は
“国会”、理事会は“内閣”と考えてよい。いわば内閣の大臣たちが、
次期国会議員選挙の候補者に、テロリストを推薦したようなものである。

袈裟ジーパン 「うわぁ……エグいっすねえ。清水容疑者だけの問題じゃなくて、ケーオー義塾の上層部にはびこる組織ぐるみの犯罪ってことですか。ぜんぜんオーケーじゃねえな。オーケーの正反対だわ、やっぱケーオーだな。しかもタオル投げ込んでTKO。もう戦いようがないボロボロの試合だわ……」
ボス 「おう! ガタガタ言ってないで読み進めろ!」
袈裟ジーパン 「イェスサー! ボス!

慶應義塾の理事たちが何故、放射能テロリストを次期評議員候補として推薦したか?
理事たちの不可解な行動の背景には、理事会のメンバーの多くが、原子力マフィアに
自ら関与してきた、という事情がある。現在、慶應義塾の理事会は、塾長の清家篤の
下に、常任理事9名、他の理事24名という構成になっている。後者の24名の理事は、
半数が慶應大学各学部長など現職の学内者であり、残りの半数が慶大出身の学外者
である。清家塾長と常任理事および学外者理事が原子力マフィアに関与している。
以下に、原子力マフィアに関与していると思しき主な人物についての調査結果の
概略を述べる。

……うわっ。ここから先、調査報告が長々と続いてますぜ。ボス、端折っちゃいましょうか?」
ボス 「ダメ! ぜんぶ丁寧に読めよ、オマエも公務員なんだからさ!」
袈裟ジーパン 「へいへい了解、ボス!

まず慶應義塾の塾長で、2009年以来、慶應大学の学長でもある清家篤だが、
この人物は、原発再稼働を強硬に唱えながら政府の経済政策に感化を及ぼし
てきた。カナダの由緒ある日刊紙『ラ・プレス』が東日本大震災から半年後
に掲載した「日本:目前に迫る新たなエネルギー危機」(2011年9月26日付、
)という記事には、清家篤塾長のつぎのような発言
が紹介されている――
「国内では人口も消費も減少の一途を辿っているのだから、〔福島原発事故によって〕
今回あらたに起きた電力危機のせいで日本が誇りにしてきた大手メーカー各社の海外流出
に拍車がかかる恐れがでてきた。「これは国外流出を正当化する絶好の言い訳になる」と
言うのは清家篤教授だ。慶應義塾の大学長で、東日本大震災復興構想会議の委員も務める
この人物は、(原発災害当時の民主党)政府が決めた脱原発への方向転換を、馬鹿げた
慌て者の決め事である、と言い放った。「ドイツが(原発撤廃を)決めたんだから日本も
できる、と言ってるけれど、そんなのは大嘘だ。ドイツは今後も近隣諸国、とりわけ
フランスから電力を買い続けることができるだろうが、皮肉なことにその電力源は原子力
だからね。だが日本はそういうマネはできない。自給自足するしかないんだ」。清家教授
によれば、日本が原子力なしで何とかなると考えるのは全く非現実的なのだそうだ。
「原子力発電への依存率を減らすことは考えてもいいが、完全に撤廃するなんて考えられない」
と言うのだ。おまけにたとえ日本が原子力を撤廃しても、中国や韓国のような近隣諸国は
原発の運転を続けるのだから、その危険から解放されるわけでもない、と清家篤は付け加えた。」

……なんだケーオーって! 塾長からしてゴリゴリの原発推進派かよ。しかも韓国やら中国も原発推進だから日本で脱原発するのは無意味だなんて言ってますね。テメエの国の責任を外国におっかぶせてやがる。性根の腐った卑怯な奴ですねえ。」
ボス 「おう! こういうふうに、世間の強い奴におもねって学問をねじまげる奴を“曲学阿世の徒”って言うんだ。学者といえども油断はできねえぜ。警察官たるもの、油断は禁物だ。」
袈裟ジーパン 「塾長からしてこんな調子ですか。これじゃケーオー義塾じゃなくて、ケーオー未熟ですね(笑)」
ボス 「…だな(笑)。慶應って医学部なんかは私学の雄ってことで、いちばん入試の偏差値が高かったわけだが、塾長からしてこんな偏屈な奴なんだから、癌なんかになって慶應病院に入院したら大変なことになるかもな。世間的には“名医”だけど実は何かのカルト信者で、そんな奴が主治医になって患者はみすみす殺されるかもしれないぜ。」
袈裟ジーパン 「ボス! それに30年早く気づいていたら、あなたの人生は大きく変わったかもしれませんよ。」
ボス 「な~に意味深長なこと言ってんだよ。無駄口たたいてないで、調査報告を読み進めろ。」
袈裟ジーパン 「ヘイヘイ。了解です、ボス!

慶應義塾の常任理事である清水雅彦は、同大の経済学部教授で産業研究所所長
でもあるが、核燃料サイクル開発機構の「高速炉・燃料サイクル課題評価委員会」
メンバーとして活動してきた。同じく常任理事の國領二郎は、経営情報システムの
専門家で総合政策学部の教授であるが、電力会社や電気メーカーが結集した「次世代
電子商取引推進協議会」の特別会員である。同じく常任理事で薬学部教授の増野匡彦
は、中国や近隣諸国からの輸入冷凍食品に含まれる人工および自然放射性核種の測定
を行なってきたが、国産食品の放射能汚染に関しては見て見ぬふりをしている。

……理事たちも原子力については、原子力マフィアの業界などと危うい関係にあるということですか?」
ボス 「…だな。産業政策とか放射線とか、そういう方面のことを専門にやってれば、どうしてもマフィアとの接触は出てくるわけだが、問題はそこでどんな態度をとるか……ってことだ。警察だって刑事やってりゃ日常的にヤクザと接するわけだが、だからってヤクザになるわけでもないだろ。」
袈裟ジーパン 「……って本当ですか?(笑) 半分ヤクザの刑事だっているじゃないですか。……まあ、ここ三途の川原署は、俗世を離れた線香くさいデカの吹きだまりになってるから、ヤクザとつるむような俗っぽい刑事はいないでしょうけど(笑)」
ボス 「この野郎、無駄口たたいてないで読みすすめろ。掛け合い漫才やってんじゃねえんだぞ!」
袈裟ジーパン 「ハイな了解、ボス!

慶應義塾理事会の理事に関しても、学外者の理事には、東京電力と
ひとかたならぬ関係をもつ者が少なからずいる。まず理事の勝俣宣夫
であるが、彼は「産業界の勝俣三兄弟」の一人である。兄弟の勝俣孝雄
は新日鉄の副社長、勝俣恒久は東京電力の会長に他ならない。同じく
理事の菊池廣之は極東証券(株)の代表取締役会長であるが、極東証券は
三井グループと親密な企業であり、同じ三井グループを通じて東京電力とも
浅からぬ関係がある。すなわち極東証券は1990年10月に三井グループ主要
各社の資本協力を得て資本増強を行なった事があり、それ以前にも主力銀行
の三井住友銀行(旧三井銀行)と業務提携を締結していた。一方、東京電力
も、三井住友銀行が旧三井銀行の時代から融資団(旧興銀・旧三菱銀ほか)
の主要メンバーである。さて小林陽太郎であるが、彼は慶應義塾の理事である
のみならず、経済同友会の終身幹事(元代表幹事)で、財団法人朝日新聞
文化財団の理事なども務めている。この経済同友会については、東京電力
がらみで注目すべき事件が起きたことがある。2002年9月3日、当時の東電の
社長だった南直哉が、経済同友会の副代表幹事を辞任した。理由は1999年
9月14日に発覚した関西電力の、高浜原子力発電所三号炉に使用予定だった
英国製ウラン・プルトニウム混合燃料(MOX燃料)ペレットの寸法データの
改ざん事件と、同月30日に起きた東海村JCO核燃料加工工場での臨界事故である。
いわゆる「バケツ臨界事件」として知られる後者の事故は、バケツに入れて作業
していたウラン溶液が目の前で臨界を起こして大量の中性子が発生し、それを
じかに浴びた作業員は2名が死亡、1名が重症となっり、被曝者は667名に及んだ。
原子力業界で相次いでおきた極めて悪質なこれらの事件は、経済同友会の重要
ポストにいた南直哉・東電社長の面目をすっかりつぶしてしまい、彼は急きょ、
同友会の副代表幹事を辞任するはめになったのである。この不祥事について、
南直哉は当時つぎのように発言していた――「原子力はすべてつながっている以上、
法的な責任は別として道義的な責任は電力会社にもある。私自身もJCO、そんな
企業があったか、という認識だった。臨界事故が起こるような重要プロセスを
任せていたというのにうかつだった。原子力への不信感が強まっていることを含め、
その責任は電力会社にある」、「JCOの臨界事故、MOX燃料データ改ざんは、原子力
に対する国民の不信感を増幅した。原子力産業全体の安全に取り組む」。
小林陽太郎は同友会幹事として、南副代表幹事の辞任を苦々しい思いで発表し、
記者たちの質問に応対したのである。それから9年後に福島原発の火災爆発が起き、
東電・清水社長のずさんな経営が露呈したわけだが、母校である慶應義塾の理事で
ありながら、その清水正孝が評議員で居続けることを黙認してきたのである。
慶應義塾の理事でありながら、清水の評議員留任を認めてきたという意味では、
佐治信忠も同様の責任があるだろう。佐治はサントリーホールディングス代表取締役
社長で、関西公共広告機構に起源をもつ公益社団法人ACジャパン(2009年の改称前は
「公共広告機構」)の理事長でもあるが、福島原発災害のあおりで東京電力が2012年
4月から電気料金を値上げすることを決めた時は、「東電にも事情はあると思うが、
あれだけの事故を起こして、当たり前の顔をして値上げしますというのは遺憾。
自らのコスト削減努力など、説明責任が欠如している」と苦情を公言したのである。
ところがその東電の社長が、佐治の母校でもある慶應義塾の評議員で居座り続けて
いるのに、それは黙認している。けっきょく佐治信忠の関心は電気料金の値上げで
自社の経営に迷惑がおよぶという、利己的なものにとどまっていたのである。

……いやあ、実にロクでもない理事ばかりですねえ。やっぱりノックダウンのKO大学だわ(笑)」
ボス 「おう! 今回は稀代の放射能テロリストを、慶應義塾の幹部たちがグルになって庇護(ひご)しているってことだ。」
袈裟ジーパン 「そこまでは了解しましたが、なんで警視庁心霊セクションのウチらに、この捜査が回ってきたんです?」
ボス 「それなんだけどさ。ゴリに慶應大学の念写をさせたら、トンデモない未来が写ったんだよ。この写真、見てみい。」


ゴリさんが念写した慶大日吉キャンパス。中央道路のむこうに原発が立ち並んでいる。

袈裟ジーパン 「なんじゃ!これは!! こ、これはケーオー大学日吉キャンパスですね。中央道路の有名な銀杏並木だ。……むこうに見えるのは……ゲゲゲっ、原発じゃねえか!」
ボス 「道路にも横断幕がかかってるだろ。福島の原発銀座みたいに……」
袈裟ジーパン 「あっホントだ! “原子力、正しい理解でゆたかな暮らし”って書いてある。ダっせえ(笑)。しかも大嘘じゃねえか(笑) ……ボス! これが慶應大学の未来の姿なのですか?」
ボス 「…だな。ゴリの念写って当たるからな。摩訶浪人がウチに赴任してきたときも、ゴリはさっそくあいつが殉職した殺害現場を念写してたほどだから。」
袈裟ジーパン 「なんじゃ!それは!! ……ということは、俺たちが殉職するかどうかも、ゴリさんは念写で死亡現場を写してあらかじめ知ってるってことですか?」
ボス 「それは企業秘密だから言えない。大体そんなこと知ったら、おめえの士気が下がるだろ。」
袈裟ジーパン 「なんじゃそりゃ? イヤなこと言いますね。まるで俺たちテレビドラマの『太陽にほえろ』みたいじゃないっすか。」
ボス 「雑談はともかく……としてだ。慶應に巣くう原発マフィアを放置していたら、とんでもないことになるってわけだ。」
袈裟ジーパン 「そんなこと、霊界の福沢諭吉さんが知ったら草場の陰で号泣するでしょうね。」
ボス 「…だな。実際、ゴリが三田キャンパスで強烈な霊感を感じて“幻の門”のまえで念写したら、この大学の情けない未来が写ってしまった。……それがこの写真だ。」


慶大三田キャンパスの「幻の門」。ゴリさんの念写によれば、近未来には三田キャンパスが核廃棄物貯蔵所に成り果て、門前に「放射能危険!立ち入り禁止」の標識が掲げられることになるらしい。なおゴリさんはこの念写の最中に、悔し泣きする福沢爺の思念を感じていたという。

袈裟ジーパン 「これは凄いですねえ。三田キャンパスも将来はこんなみっとない姿になっちゃうのか……。福沢諭吉の怨霊も出てますねえ。」
ボス 「そりゃ出るわな。せっかくの慶應義塾が、不心得者たちによって核汚染の墓場になるとすれば、極楽往生なんてしてられないもんな。」

ゴリさん 「ただいま帰りました。ボス、とんでもない写真が撮れましたよ!」
ボス 「おう、ごくろう! …で、今度は何が撮れた。」
ゴリさん 「昨晩から強烈な霊感を感じてまして。
日の出前に、吸い寄せられるように三田の慶應大学に向かいました。で、東館のまえで手が勝手に動いてどんどんシャッターを切っていくんです。」
ボス 「死霊に憑依されていたんだな。」
ゴリさん 「そのときは意識が飛んでいて……。で、気がついたらこんな写真が撮れていました……」


慶應義塾大学東館の正面に刻まれているラテン語で書かれた福沢諭吉の格言。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という意味。


ゴリさんが霊的憑依状態で撮った東館の写真。壁面から血が噴き出していて、福沢の格言が真っ赤になって浮き出ていた。ラテン語で「地獄は地獄を呼ぶ(ABYSSUS ABYSSUM INVOCAT)」と書かれていた。

ボス 「うわっ! 禍々(まがまが)しいな。なんだこれは?_」
ゴリさん 「上の写真は最初に撮ったものです。ふだんの状態はこれです。横文字が刻んでありますが、これラテン語で『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』っていう意味です。」
ボス 「おう! 福沢諭吉の有名な格言だろ。……で、下の写真は?」
ゴリさん 「わたしが憑依状態で撮ったものです。赤いシミは血痕だと思います。ふだんと違う文字が浮き出ています。怒張……といった感じです、」
ボス 「で、こっちの横文字はどういう意味だ?」
ゴリさん 「ラテン語で『地獄は地獄を呼ぶ』という意味だそうです。」
ボス 「どういうことだ?」
ゴリさん 「ふつうは道徳的な“たとえ”として語られる警句です。いったん悪の道に踏み出したら、どんどん悪に深入りしていく、という意味でしょう。」
ボス 「麻薬中毒みたいだな。」
袈裟ジーパン 「マフィアの人づきあいも“地獄は地獄を呼ぶ”の類でしょう、」
ボス 「おうジーパン。オメエ、若いくせに知ったようなことを言うじゃないか。」
ゴリさん 「でもこの格言を文字どおりに読めば、慶應大学は悪の道に踏み出したら地獄まっしぐら……ってことですな。」
ボス 「恐ろしい話じゃ……」
ゴリさん 「くわばらくわばら……」
袈裟ジーパン 「オレら警察がどうこうする……って次元を超えてますよね。慶應義塾はこれを自分で始末できなきゃ地獄行きってわけだから。」
ボス 「……だな。」

(屁世滑稽新聞は無断引用・転載を大歓迎します。
ただし《屁世滑稽新聞(http://www.rokusaisha.com/wp/?p=4853)から引用》と明記して下さい。
この記事で言及された「調査報告」の内容については事実ですが、三途の川原署の
刑事たちの会話は、屁世滑稽新聞記者がトランス状態で受信したものです。)