一攫千金を! 宝くじの当選欲に飢えた人々が銀座に集結。11月25日、「年末ジャンボ宝くじ」の販売初日とあって、すでに朝6時から300人を超える人が今か今かと「西銀座チャンスセンター」の前で「年末ジャンボ宝くじ」の発売を待っていた。

そんな中、普通の芸能人、またそれを取材するスタッフならまず寝ている午前8時40分から「西銀座 チャンスセンター」前で「年末ジャンボ宝くじ&年末ジャンボミニ7000万記念イベント」なるイベントが開催。所ジョージ、米倉涼子、原田泰造ら「宝くじCM」に出ているメンツが集まり、1等賞金が7億円、前後賞が各1億5000万円ということで、「10億円分の札束を積み上げたツリー」の前で「もし1億円当たったらどうするか」をテーマにMCを展開するという、必死に並んでいる客からすればなんともむかつく〝ちゃらいイベント〟が行われていた。


カメラ約50台がひしめくなかで、「もし10億円が当たったら」というテーマでトークは進む。米倉涼子が「セレブ留学」、原田泰造が「サウナ経営」、所ジョージが「世田谷のガレージを改造する」というなんのひねりもない答えをフリップに書 いて、スタッフだけの乾いた笑いと拍手が、雨模様の空にむなしく響いていた。

所ジョージが「俺のところなんか朝着いたとたん、連れてきたスタッフがいつのまにかいないと思ったら、宝くじをいつのまにか買いに言っていたよ」などと購入を誘導するような台詞を吐けば、女性MCが原田に「どこで宝くじを買う予定ですか」と聞くと「あちこちで買います。今日もマネージャーにここで(西銀座チャンスセンター)で買いに行ってもらいましたけど」と暗に購入を勧めれば、米倉も「ぜひ年末ジャンボ宝くじを買ってこのツリーを一度、自宅で見てみたいです」とまるで街中で「年末ジャンボ」のコマーシャル撮りが行われているのではないか、というわざとらしさだ。


米倉たちは、札束のツリーを目の前に奪い合うようなポーズをしてお茶目なフォトセッションになっていたが、実はスタッフが「撮影禁止」という札を持って立ったポイント(パーティションで仕切られていた)の裏では売り場があり、客がタレントたちをうらめしそうに見ていた。

「この仕切り線が天国と地獄を分けているよな。何が夢の10億円だよ。3人あわせれば10億円くらいありそうなメンバーだよな」とサラリーマン風の中年男性が友人とおぼしき若い男につぶやいていた。囲み取材では、米倉が私生活のことを聞かれるのを避けたためか、原田と所だけがインタビュアに対応し、シナリオありきのやりとりをこなした。

「まあ、庶民と金持ちタレントの差がクリアになったイベントだったな」と見物客。イベント終わりで大粒の雨が落ちてきて、濡れながら長蛇の列を作る客たちがまるでこの「年末ジャンボ」狂騒曲に踊らされたようにも見えた。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。
◎愛国的な韓国人や日本のネトウヨが卒倒しそうな韓国艦「テ・ジョヨン」の姿
◎美しきムエタイ女子リカ・トングライセーンのど根性ファイトに大喝采!
◎川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化

「脱原発」×「反戦」の共同戦線雑誌 『NO NUKES voice』第6号が11月25日発売開始!