◎司会 
◎伊東北斗(芸能記者)
◎ミスターX(中堅放送作家)

 

[増補新版]ジャニーズ50年史(ジャニーズ研究会)

司会 昨年は1月から「SMAP」解散報道にベッキーと「ゲスの極み。乙女」の川谷絵音との不倫が連発して、記者たちは大忙し。寝る時間がないほど情報集めに奔走していたと聞きます。

伊東 「SMAP」解散報道は、いち早く芸能記者の片岡亮氏がスクープしていましたよね。いまでは「SMAP解散報道を抜いた片岡」と業界内で名刺代わりに言われています。

ミスターX 「SMAP解散」騒動を抜いたのは、一般的にはスポーツ紙だとされているが、これはジャニーズ事務所の意向を受けてのもの。まるで一部のスポーツ新聞は、ジャニーズ事務所の広報と化したかのように、「SMAP」の権威を守るために、こぞってSMAP独立を画策した「飯島三智元マネージャー」を悪者にしていた。

司会 その通りです。

ミスターX 飯島マネージャーが焦ってさまざまな芸能界の大御所に相談したようです。しかし、木村拓哉は工藤静香の反対に遭うとすぐに飯島マネージャーに「ついていけない」と伝えた。あの夏から「SMAP」は狂い始めたんです。あまりにも報道はジャニーズ事務所が作った「飯島の策略」というストーリーに乗りすぎています。「SMAP」は昨年の8月に独立の話が持ち上がった時に、すでに崩壊の序曲が始まっていた。このときに中居はすでに親しい松本人志に『SMAPが飯島マネと一緒に事務所を出るかも』と相談したようです。

伊東 まあいまだに中居が独立して事務所を立ち上げるとか報道されているが、楽曲の原盤をジェイドリームに抑えられているわけで、出ても飯が食えるわけがない。

 

中居正広 MERAMERA★メラメラ★PRINCE(ジャニーズ研究会)

司会 けっこうみんな「中居が独立」と書き飛ばしていますね。

伊東 この1月から始まった「SMAP解散騒動」では、どのスポーツ新聞やテレビ局がジャニーズ事務所と仲がいいかが如実にわかってしまった。それと「ジャニーズ事務所」ほどマスコミに関して口が堅い事務所はない。記事で「ジャニーズ関係者が語る」なんていうのはすべて嘘。この前あったDeNAの医療サイトでミ「取材なしのでたらめ医療記事」を掲載するミスがあったが、あれと同じレベル。

司会 続いて、社会問題ともなったベッキーと川谷との「ゲス不倫」ですが、「センテンススプリング」「文春砲」「ゲス不倫」が流行語大賞のノミネートされるほど大騒ぎとなりました。

ミスターX ベッキーと川谷がやりとりていたLINEの画面が流出しており、それを週刊誌の誌面で公開。もはや「ネットでのやりとり」は他人が確実に覗ける時代になった証左ですね。東野講じ関西の番組で熊切あさ美とこのやりとりを「音読」して、のちに「ワイドナショー」(フジ)に出演したベッキーに謝罪していたが「連日、バラエティ系ニュース番組は放送作家は何も考えなくても『ベッキーネタ押しで』で会議はすんだので相当、楽だったね。

伊東 熊切にまで揶揄されるとはかなり悲惨だね。

ミスターX 川谷については、ベッキーと別れたあと、ほのかりんと飲酒して「未成年に飲酒させていた」とさらにたたかれていた。半同棲ということだが、ほのかが事務所に支払うべき賠償金の1千万円を肩代わりするらしい。もう結婚する準備に入るのでは?

伊東 その可能性は大だね。その情報がとれればまたスクープだけど。

 

『芸能界薬物汚染 その恐るべき実態』

◆逮捕から3年間、警察の行確がついていた清原

司会 記者のかたたちが2013年あたりから「覚せい剤で逮捕される」とことあるごとに行っていた元プロ野球選手の清原和博が久しぶりに「社会復帰」しましたね。

伊東 昨年2月3日に覚せい剤取締法違反(使用・所持)で逮捕されて以来、ひさびさに七・三分けでスーツと、それまでの「番長キャラ」を捨てたスタイルでスポーツニッポンのインタビューに(2016年12月24日)答えていた。「自分だけでやめることなんか不可能。いろんな人に支えてもらうことが必要だし、厳しい留置場生活も一生忘れてはいけない。何より子供たちに自分の父親が逮捕された姿を二度と見せたくない。その気持ちがないと、薬物には立ち向かえない」なんて殊勝にも話をしていましたが、格闘技系の支援者がこっそりと会員制バーに通わせているの事実はプロ野球関係者ならだれでも知っています。

ミスターX 清原和博は、ニューハーフ美女と再婚するんじゃないかとささやかれ始めました。まあ逮捕されてから沖縄の宮古島でバカンスを楽しんでいる姿が写真週刊誌『FRIDAY』にスクープされていましたが、これはその支援者が『気分転換に沖縄に行こう』という話が清原の周辺から漏れたようです。

伊東 そもそも六本木の仲がいい医者に大金を渡して「シャブ抜き」を定期的に依頼していたのは裏社会では知る人ぞ知る事実。僕が手伝っているヤクザ実話雑誌には怪しいコーディネーターから「番長の遠吠え」なんていう連載企画が舞い込んできたのですが、事務所に連絡しても誰も出ないのであきらめた。そのコーディネーターも清原逮捕で海外に高飛びしたそうです。動いたライターは「何度も銀座に連れていかれてインタビューの前金をとられるなど振り回されて時間と金を無駄にされた」と訴訟も視野に入れているそうです。

ミスターX 清原を六本木で見かけたことがあったが、逮捕前はサラリーマンでもプロ野球関係者でもない、いわゆる半グレっぽい連中と一緒で不気味に見えました。歩いているところを直撃したこともありましたが、目はうつろでしたね。

伊東 清原のせいで母校のPL学園高校野球部に部員希望者がおらず、今年休部に追い込まれたといってもいいすぎじゃない。

司会 伊東さんは清原の裁判の傍聴に並びに行きましたね。

伊東 そうなんです。抽選に外れましたが、来ている人たちに話を聞いていくうちに「PL学園高校出身なんで気になって大阪から来ました」という「PL学園高校OB」のグループが2つや3つじゃなかった。野球が好き、嫌いということではなく“PL学園のOBに愛されていたプロ野球選手”だったんだなあと感じました。

ミスターX 清原については、警察のマークが厳しかったと聞いています。

伊東 僕も警視庁担当の新聞記者に何度も「いつ逮捕されてもおかしくはない」という情報が入ってきていました。ただし、清原をたどっても覚せい剤を扱う大物のヤクザなどは出ないと思いますね。小林和之という売人が暴露本を出したように、清原に覚せい剤を売っていたルートは何人も人が入っていて複雑ですし、僕から見て入手ルートは東南アジア系ですから。

ミスターX 僕も「スポーツニッポン」の清原のインタビューは見ました。「来年、入れ墨を消す」としているけど、なんですぐに消さないのかな。そのあたりからして反省の色を感じません。

司会 相変わらず敵が多いそうですね。逮捕前にたくさんキャバクラ嬢が「清原にドラッグやろうと誘われた」とさんざんぱら証言していた。またキャバクラ通いがはじまったら記者の餌食ですな。狩野英孝の6股騒動はなんだったのでしょうか。なんだか登場人物たちの売名行為にメディアをあげてつきあったような気もします。

 

商業出版の限界を超えた問題作!

伊東 今から思えば狩野売名行為だ指摘されていたのは加藤紗里なんですが、とにかくあとから狩野が「別に交際していない」と発言して、一気に話に信頼性が薄らいだ。有吉弘行が番組で「俺は(加藤とは)絡みたくないね」と発言して物議をかもしていた。「週刊女性」の神谷明良記者がニコニコ動画の芸能番組で「どう見ても加藤はバリバリ整形している顔」と過激な発言をしてネットではいっせいに「整形手術10回以上」なんて書かれていた。

ミスターX その有吉は、夏目三久と妊娠騒動を起こして、日刊スポーツにスクープされたが、当初は双方の事務所に確認してもはっきりとした答えは言わない。番組も降りる、降りないの話が伝わってきたが、結局は夏目の事務所に有吉が謝罪にいってこの話はジ・エンド。すっきりしないうちに日刊スポーツが「事実誤認でした」と報じた。

伊東 有吉もマスコミをかわすために、芸人仲間のマンションを転々としたようです。ところが人望がないせいか、こぞってマスコミに「有吉さんが来てます」とリークされていた。写真週刊誌に直撃されて、「なんで俺の居所がばれるんだろう」って。そりゃあんたの周辺が情報を流しているからでしょうが(笑)。

ミスターX とくに夏目は“芸能界のドン”と呼ばれる事務所社長のお気に入り。有吉は速攻で謝罪したから許されたものの、あと2、3日謝罪が遅れていたら、芸能界から“消されていた”可能性がある。(後編につづく)

(伊東北斗)