西村清吾(左)vs田村聖。戦う度激しさが増した両雄、田村の反撃も凄まじかった

プロレス技ではありません、無我夢中でスリーパーホールドへ?

◎神風シリーズvol.4
9月23日(祝・土)後楽園ホール17:30~21:10
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

田村聖vs西村清吾戦は、今年2月5日のNKBミドル級王座決定戦で、田村聖が最終ラウンドにヒザ蹴りで2度ダウンを奪い、形勢逆転の判定勝ちした王座獲得でした。

初黒星を喫した西村は、6月25日のチャンデー戦でムエタイ技術を学ぶ経験をした自信と、この日、元・ラジャダムナン系ライト級チャンピオン.梅野源治がセコンドに着いてくれた後押しで、西村は第1ラウンドの左ストレートをヒットさせ田村をグラつかせる好調な出だしでしたが、ヒットすると思っていなかったか、間を置いてしまい慌てて詰めに入るがタイミングが一歩遅れてしまう。しかしこれで田村は距離感が狂い、西村が主導権を握った展開でパンチのヒットが目立ち、田村も蹴りで応戦の前回よりアグレッシブな展開。前々回の昨年10月は凡戦だったことからみれば、かなりの成長の両者。

以前から交流のあった梅野源治氏からのジムでの指導とセコンドに着いての相当尻を叩かれた後押しは、苦しい修行を耐え抜いた西村の、この1年を、待たせた成長は大きいと言える第7代NKBミドル級チャンピオン誕生。

西村清吾vs田村聖。西村のクリーンヒットが目立った重いパンチ

苦しみから立ち上がって西村清吾が勝利、いろいろな想いが脳裏を過ぎる涙。セコンドは梅野源治

安田一平はこの日がラストファイト。重いパンチを振るい、洋介は蹴りで対抗するも、安田は距離を詰め、強打で仕留め有終の美を飾る。洋介は担架で運ばれる失神KO負け。公式戦後、簡素な引退式ながら、小野瀬邦英会長からのお言葉は「安田一平は一度引退しています。まあいろいろあって、一平は何年か後に、僕のところへ帰ってきました。“やり残したことがある”と、それを燃やし尽くす為に帰ってきました。燃やし残したものを真っ白に燃やし尽くす為に、今日の今日まで練習して戦ってきました。そして今日、その燃やし尽くせなかったものを真っ白に燃やしたと思います。またこれからの安田一平の人生も、いろいろなもの(人生の節目の)をかき集めて、それを燃焼させながら人生歩んで行くと思いますので、今まで同様、温かい愛情の応援を、これからも宜しくお願い致します。」とファンへ激励と感謝の御挨拶。

安田一平の強打が洋介にヒット、ラストファイトを飾る

完全燃焼して引退式に臨む安田一平と、労いの言葉をかけるSQUARE-UPジムの小野瀬邦英会長

安田一平は「僕なんかがこのリング(引退式)の上で喋るなんて数年前まで思ってもなかったことでした。小野瀬会長、高橋コーチと出会って、ここまでやれるようになったこと凄く感謝しています。また、ここまで来れたのはここに居る皆さんのお陰です。本当に有難うございました」と感謝を述べ、テンカウントゴングに送られました。

12月16日にNKBライト級新チャンピオンの高橋一眞(真門)に挑戦予定の、前チャンピオン.大和知也は新鋭の棚橋賢二郎にKO負けの意外な結果となりました。昨年の試合での怪我で王座を返上し、休養していた大和は試合勘がやや鈍ったか、余裕の序盤からペースを乱したか、第4ラウンドに一気に棚橋の右ストレートを受けあっさりダウン。立ち上がるもパンチ連打の追い討ちを受け、2度目のダウンを喫し立ち上がろうとするもフラついて、レフェリーに止められてしまいました。

棚橋賢二郎の右ストレートが大和知也にヒット

棚橋賢二郎の連打で崩れ落ちる大和知也

昨年6月デビューの5戦目の棚橋賢二郎が31戦目の元ライト級チャンピオンに勝利してのインタビューに応える

デビュー戦から7連敗し、初勝利を得て話題が広まった岩田行央は、KO勝利で3勝目。デビュー戦から岩田と3連戦を戦った藤田直道(藤田の2敗1分)もパンチ、首相撲からのヒザ蹴りなど技を酷使し、判定勝利で成長を見せ初勝利を飾る。普通、話題にならない30歳過ぎの新人が繰り広げた戦いにも人生有り。期待は薄いものの、二人がどこまで上位に進めるか、注目を浴びる存在であります。

《メインイベント、アンダーカード8試合》

◆NKBミドル級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.田村聖(拳心館/72.2kg)vs挑戦者1位.西村清吾(TEAM-KOK/72.35kg)
勝者:青コーナー・西村清吾 / 判定0-2 / 主審 鈴木義和
副審 佐藤友章49-49. 馳48-50. 亀川48-49

◆64.0kg契約 5回戦

NKBウェルター級1位.安田一平(SQUARE-UP/63.9kg)
VS
NKBライト級6位.洋介(渡辺/63.65kg)
勝者:安田一平 / TKO 2R 0:41 / ノーカウントのレフェリーストップ
主審 川上伸

◆ライト級 5回戦

NKBライト級1位.大和知也(SQUARE-UP/61.2kg)
VS
同級8位.棚橋賢二郎(拳心館/61.1kg)
勝者:棚橋賢二郎 / TKO 4R 1:13 / カウント中のレフェリーストップ
主審 馳大輔

◆女子50.0kg契約3回戦

喜多村美紀(テツ/50.0kg)vs佐藤“魔王”応紀(PCK連闘会/49.25kg)
勝者:喜多村美紀 / 判定2-0 / 主審 鈴木義和
副審 亀川30-29. 佐藤彰彦30-29. 馳30-30

◆68.0kg契約3回戦

NKBウェルター級8位.チャン・シー(SQUARE-UP/67.7kg)vsゼットン(NK/67.85kg)
勝者:チャン・シー / 判定2-0 / 主審 佐藤友章
副審 川上29-28. 馳30-29. 鈴木30-30)

◆ライト級3回戦

NKBライト級7位.パントリー杉並(杉並/60.75kg)
vs
同級9位.野村怜央(TEAM-KOK/61.1kg)
勝者:パントリー杉並 / 判定3-0 / 主審 亀川明史
副審 馳29-28. 佐藤彰彦30-29. 佐藤友章29-28

小笠原裕史vs岩田行央。岩田行央がKOできる武器を持って勝ち星を増やせるか

◆60.0kg契約3回戦

岩田行央(大塚/59.6kg)vs小笠原裕史(TEAM-KOK/59.5kg)
勝者:岩田行央 / KO 2R 1:12 / テンカウント
主審 川上伸

◆フェザー級3回戦

藤田直道(ケーアクティブ/56.9kg)vs鈴木孝則(TRIAL/59.9kg)
勝者:藤田直道 / 判定3-0 / 主審 佐藤彰彦
副審 亀川30-28. 鈴木30-28. 馳30-28

他、2試合は割愛します。

《取材戦記》

西村清吾は試合直後の応援してくれたファンに囲まれての記念撮影にリング下から会場ロビーまで移動してファンの応援に応えて長引き、控室に帰れない中で合間を縫っての私の質問に、今後の目標を聞くと「まず防衛」で、「他団体などのビッグマッチ出場を目指す気はありますか?」と尋ねると「これから考えたいです!」とその場では考えがまとまらないのは当然ながら咄嗟に応えてくれました。

新チャンピオン・西村清吾の誕生。ここまで来れたのも梅野さんのお陰、防衛して恩を返さねば

「控室に梅野源治さんも待っているのだから早く戻った方がいいよ」とは頭を過ぎりつつ、言いませんでしたが、退場はサッと一旦引き上げた方がカッコいいと思うところ、支援してくれた後援者も居るので仕方ないところでしょうか。最終試合の後はこんな光景が目立つことがあります。

次回興行は12月16日(日)後楽園ホールに於いて、NKBライト級とフェザー級のタイトルマッチが行なわれます。フェザー級は村田裕俊(八王子FSG)が2度目の防衛戦、再び優介(真門)を迎えての2度目の防衛戦となります。

村田裕俊は6月25日のライト級王座決定戦出場に際し、フェザー級王座は返上していなかったのかと疑問に思いましたが、その村田裕俊(八王子FSG)に2-1判定勝利で王座獲得した高橋一眞(真門)が王座初防衛戦。挑戦者の大和知也(SQUARE-UP)が今回KO負けを喫した為、現在保留の状態です。誰が挑戦して来ても、高橋一眞の今後を占う大事な一戦となるでしょう。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

本日発売『紙の爆弾』11月号!【特集】小池百合子で本当にいいのか

一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』