先発薬の製造特許が切れると、後発薬が売り出されるそうです。特許の期限がお薬の販売には大きな影響を持っているようです。薬局のかたでも、正直なかた(親切なかた)は、「ジェネリックはたしかに薬価が安いですね。そして我々は『効果は同じ』と製薬会社からは説明を受けています。先発薬に比べて、ジェネリックは薬の値段が薬は、1/4ぐらいのもあります。どうして、こんなに安いのか。同じ効果がある薬で、本当に特許が切れただけの理由で安いのであればいいのですが。どうもそれだけではないようですね」とおしゃいます。ジェネリック医薬品に疑問を持ちながら、はっきり言うことができずジレンマを感じている薬剤師さんがいらっしゃるように思います。

たしかに、消費者(患者)にとって、薬の値段が安いことは、ありがたいことです。とくに、病院に通う機会の多い年金生活者にとっては、負担軽減になりますから。でも、昔から「安かろう悪かろう」という言葉があります。つまり、安いものは、それなりの材料で作られているから注意しなさい、という教えでしょう。

もし、ジェネリック薬が「安かろう悪かろう」であってはたまりません。私自身は飲み続けている薬はありませんが、身内には高齢の人も多く、血中のコレステロールが高いとか、血圧が高い、血液をサラサラにする薬を何年も飲んでいるひとたちがいます。でも、高齢の方はあまり、先発薬とかジェネリック薬とかに関心なく、薬袋の中の成分説明書を見てみると、「ジェネリック薬」と書いてあることがなんどもありました。薬効(品質)が同じであれば、それにこしたことはありません。でも安い薬を飲んで、効果が低いだけでなく副作用などが出てしまっては、薬を飲む意味がありません。

どうしてこんなに安いのか。ネットで調べると、意外なことがわかりました。ジェネリック薬品の大部分は、海外から輸入して販売されているようです。日本の製薬会社の名前で販売していても、製造元は海外が多いのです。

※後発医薬品の原薬調達状況に関する調査結果
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/kouhatu-iyaku/dl/h24-02_3.pdf

これは厚生労働省の発表です。資料が長くて読むのが面倒ですが、ジェネリック薬品は、半分程度が輸入品であり、その輸入元は、購入金額ベースで「インド」が全体の 30.0%を占め、次いで「韓国」(26.0%)、 「中国」(24.1%)、「ドイツ」(9.6%)という順であることがわかります。

厚生労働省「後発医薬品の原薬調達状況に関する調査結果」より

次に、そのジェネリック薬がどのように認可されるのか調べてみました。「先発医薬品の承認申請には、発見の経緯や外国での使用状況、物理的化学的性質や規格・試験方法、安全性、毒性・催奇性、薬理作用、吸収・分布・代謝・排泄、臨床試験など数多くの試験を行い、20を超える資料を提出する必要がある」

これに対して後発医薬品では、有効性・安全性については既に先発医薬品で確認されていることから、「安定性試験・生物学的同等性試験等を実施して基準をクリアすれば製造承認がおりる。」つまり、生物学的同等性だけ確保されればよいのです。では、生物学的同等性試験とはどんなものでしょうか? ウィキペディアでは以下のように説明されています。

「ヒト(健常人)に先発品・後発品を投与し、両者の血中濃度推移に統計学的な差がないことを確認する。より具体的には、先発品・後発品を各10~20名程度の健常人に投与し、一定時間ごとに採血を行い、薬物血中濃度の推移を比較し、両群の間に統計学的な差がないことを証明する手法がとられる。ただし、倫理的な面や、製剤特性等の理由から、ヒト以外の動物での試験が認められることもある。」

「人間が実際に服用して、副作用を確かめる」試験を行わず、「動物実験」だけでも認可される。そういう意味のようです。人間が飲んだこととがないかもしれない薬である可能性もあるのでしょうか。であればとても不安になりませんか?

また、海外から輸入されているわけですから、先発薬と全く同じものと言うわけにはいかかないと考えられます。製造する工場や手順が違うわけですから、含まれる副産物も多少違ってくると思われます。でも、その辺は厳密に調べていない様です。

本当に、ジェネリック薬は、先発薬と同じなのかという疑問が湧いてきます。ジェネリック薬の副作用で、また、新たな薬を飲まなければならなくことはゴメンです。この疑問を解くのに「遺伝子ゲノム」の解析が役に立つようですので、次回は「ゲノム」について調べてみたいと思います。

 

◎連載過去記事(カテゴリー・リンク)
赤木夏 遺伝子から万能細胞の世界へ ── 誰にでもわかる「ゲノム」の世界 
http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=73

▼赤木 夏(あかぎ・なつ)[文とイラスト]
89歳の母を持つ地方在住の50代主婦。

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