来る9月9日(木)午後1時30分から大阪地裁第16民事部809号法廷において、鹿砦社が、元社員であり「カウンター/しばき隊」の中心メンバーだった藤井正美を相手取って損害賠償を求めた裁判における証人調べ(本人尋問)が行われる。

この裁判は藤井正美が鹿砦社の社員時代、就業時間中に膨大なツイッター発信を行っていた事実が偶然判明したことに起因する。この時まだ「M君リンチ事件」の情報は鹿砦社にはもたらされてはいなかった。また、「カウンター/しばき隊」の源流「反原連(首都圏反原発連合)」との関係に齟齬が発生しつつあった頃だった(絶縁宣言が出されたのはこの直後)。

偶然発見された藤井のツイッター発信は膨大な量であり、「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」をはじめとする松岡への誹謗中傷も少なくなかった。就業時間中の明らかな〈怠業〉(サボリ)に衝撃を受けた松岡は藤井入社以来のツイッター発信の一部(この時点では、あまりに膨大だったので全部は見れなかった)の記録、内容を点検した上で元警察官の飛松五男氏と弁護士立会いのもと藤井と話し合った。

ツイッター書き込みの一部を示し穏やかに話し合った結果、藤井本人が希望した「通常解雇」とした(普通こういうケースでは修羅場になることもあるが、それを抑止するために弁護士と飛松氏に立ち会いいただき終始録音もし、この音声データも保有してある)。

藤井は、何の魂胆があったのか推して知るべしだが、うまく鹿砦社に入り込み、在職期間の3年間、まさに「獅子身中の虫」として蠢動したのである。

「ここまで深入りしていたのか」と松岡に衝撃を与えた画像。先頭に立って街宣活動を行う藤井正美

◆姑息にも証拠隠滅を図った藤井正美

ところが、藤井は会社所有のパソコンで「謝罪文」を書く素振りを見せながら、実はツイッター発信同様に〈怠業〉をしていた私的メールなどの証拠の隠滅を図っていたことが、後日発覚する。この詳細については『カウンターと暴力の病理』のなかで詳細に記述があるので是非ご覧いただきたい。

《自分を取り巻く今の環境は、3・11以降に反原発~反レイシズム~反安倍の流れを当たり前のように進んできた「縦糸」と、音楽やサッカーなどが「横糸」になったゆるやかな繋がりで編まれているんだけど、いずれ誰かが本にでもしてくれるだろう(笑)》

2015年9月5日(土)、18時43分の藤井によるツイッターの書き込みだ。ある意味、本人が「本にでもしてくれるだろう」と“希望”するから、激烈な怠業ぶりと、鹿砦社を騙った企業恫喝などの詳細を「本」の一部に掲載したのだ。しかし、後日詳細に藤井の行動を再確認したところ、就業時間中ほとんど仕事をしていなかった実態が明らかになったため、鹿砦社は代理人を通じて「給与返還」を求める内容証明郵便を藤井に送付した。藤井からは何の返答もなかったので、仕方なく損害賠償請求訴訟を大阪地裁に起こした。これがあらましである。

社員が偶然発見した藤井のツイッターの一部

◆藤井はなぜ神原元弁護士を選任したか──吉と出るか凶と出るか注目を!

藤井は、鹿砦社に対して並々ならぬ敵意を持っている(とわれわれは認識している)神原元弁護士を訴訟代理人に選任した。これまで鹿砦社ならびに特別取材班が取材を試みた人物の少なくとも5人以上(李信恵はむろん香山リカ、秋山理央ら)の代理人に神原弁護士は就任している。その時点、つまり藤井が神原弁護士を代理人に選任した時点で藤井が「反省などまったくしていない」構図が明らかになった。大阪に山ほど弁護士がいるにもかかわらず、わざわざ神奈川の神原弁護士を選任しなくてもよいものを……。当初われわれはため息まじりに苦笑したものだった。

鹿砦社はこの裁判に、元裁判官で在任中から「日本裁判官ネットワーク」で活動し裁判所の内部から司法の変革を訴え続け、今は自由法曹団に所属する森野俊彦弁護士を選任、森野弁護士は先の対李信恵控訴審でも李信恵のリンチ関与と「道義的責任」を判示する判決を引き出した弁護士である。

神原弁護士も自由法曹団に所属し常任幹事を務めていることから、これまでの一連の訴訟とは代理人の立場が異なる展開で裁判が始まった。裁判長は審理の中で「和解」を進める場面もあり、条件次第では鹿砦社も和解に応じる腹づもりはあったが、藤井サイドはこれに応じないどころか、あろうことか「プライバシーの侵害」だと鹿砦社を反訴。あれだけの〈怠業〉の限りを尽くし、自ら《いずれ誰かが本にでもしてくれるだろう(笑)》と“希望”しておきながら、願いが叶うと「プライバシー侵害」だと駄々をこねる姿は滑稽そのものであるが、滑稽な主張が裁判所で堂々と主張されているのだから、笑ってもいられない。

一躍有名になった「声かけリスト」

◆自称「常勝」に曇りが出ている中での、9月9日(木)証人調べ(本人尋問)の意味

そのようなやりとりを経て、非公開の争点整理を重ね、9月9日(木)午後1時30分から証人調べ(本人尋問)が行われるのだ。原告の証人は松岡。被告の証人は藤井である。神原弁護士は審理の過程で、証人に特別取材班キャップの田所敏夫を求める旨の発言を一時していたが、最終局面ではその要請は行わず、逆に鹿砦社側が田所敏夫と鹿砦社社員Fの証人申請を行った。「来るなら来い!」ということである。裁判長は前回期日で「田所、Fの証人については保留」と述べたが9月初旬の現時点で裁判所から連絡はないので、松岡、藤井2名が証人として証言するのは間違いないだろう。

この裁判は直接的には、就業時間中の怠業を理由に元社員に給与の返還を求めるものであるが、前述のように神原弁護士の登場で、異なった意味合いも帯びざるを得なくなった。われわれは決して望まなかったが、鹿砦社vs「しばき隊」の代理戦争ともいえる構図が、藤井の主体的選択により法廷に持ち込まれたのだ。

藤井の怠業の中には、この5年余に渡り鹿砦社が追及してきた「M君リンチ事件」隠蔽に加担するメールも多々残されており(われわれが発掘し一躍有名になった「説明テンプレ」「声かけリスト」なども藤井が発信源である)、藤井自身も「しばき隊」内ではかなりの存在感を示していたようである。だからといって、鹿砦社は無理やり「M君リンチ事件」と藤井の怠業を結び付けるつもりはなかった。にもかかわらず、日本中に4万人以上弁護士登録者がいるといわれている中から、藤井はよりによって、ピンポイントで、おそらく日本の弁護士の中で最も鹿砦社を嫌悪しているであろう神原弁護士を選任したのだ(あーあ、疲れるなぁ)。

もとより、神原弁護士は本人が高言するほど「常勝」ではない。週刊金曜日現社長植村隆氏の裁判でも負けているし対森奈津子訴訟控訴審でも敗訴、さらに鹿砦社の対李信恵訴訟控訴審でも、このかんこの「通信」でも再三報じているように大阪高裁は、M君訴訟でも一貫として免責された李信恵のリンチへの連座と「道義的責任」を判示した(この判決を取材班は実質勝訴と評価し、松岡は減額されたとはいえ賠償金を課されたことで「敗北における勝利」と評価している)。

鹿砦社が求めたのは、さぼっていた元社員に「給料その他を返しなさい」という極めてシンプルな要求だ。ややこしい話ではない。「謝罪文」まで書き退職した藤井が開き直り、鹿砦社本社の間取り図を作為的に偽造し証拠として、ぬけぬけと裁判所に提出するなど、本筋が歪められたのだ(神原弁護士の法廷戦術だったのかもしれない)。

しかし、神原弁護士の態度には最近大きな変化が見られる。M君訴訟では「でっち上げ」として判決文をみずからの事務所のHPにアップしたにもかかわらず、鹿砦社の対李信恵控訴審判決内容には触れることはないし、自信を喪失しお疲れのように感じられる。

同時に感触ではあるが裁判長の姿勢にも提訴当初に比べると、藤井側のトンデモない主張や偽造された事務所の間取り図などで、われわれへの理解が深まっているのではないかと感じられる(裁判〔非公開の争点整理〕に出た社員の感想)。

同じく「説明テンプレ」

◆油断を排し、「鹿砦社憎し」に凝り固まった神原元弁護士らの野望を打ち砕け!

油断は禁物であるし、法廷では何が起こるかわからない。前述したように、つい最近われわれは、対李信恵裁判の高裁判決でそれを経験したばかりだ。

鹿砦社は原告であれ被告であれ、裁判の当事者となることを望まない(が、この四半世紀、鹿砦社の規模で1億円超の訴訟費用を使い、こちらから喧嘩を売ったことはさほどないが売られた喧嘩には真っ向から対決してきた。今後もこのスタンスは変わらない)。言論には言論で対抗するのが、出版を生業とする者の原則であり、われわれは法廷が戦場だとは考えていない。やむにやまれぬ法廷戦ではあったが、主たる戦場は、あくまでも言論戦である。われわれは言論戦からは一歩も退かない。

李信恵にしろ神原弁護士にしろ出版をできる環境にあるにもかかわらず、われわれが取材・調査を重ね6冊もの出版物に編纂して真相究明に当たったにもかかわらず、「デマだ」「クソだ」「でっち上げ」だと鸚鵡返しに繰り返すのみで、彼らは反論本の1冊も出すことはなかった。李信恵・上瀧浩子共著で『黙らない女たち』という本を出したので、興味深く拝見したが、リンチについての言及やわれわれの出版物に対する反論は1行もなかった。

李信恵は、大阪高裁の判決に記されたようにリンチに連座しその「道義的責任」から終生逃れられない。リンチ隠蔽に加担した藤井も同罪である。李信恵らに血の通った人間の心があるのならば、李信恵を背後から支えた「コリアNGOセンター」と共に公的に謝罪すべきだ。人間だれしも間違いを犯すことはある。ここできちんとした対応を取れるかどうかで、その人の人間性が現われ、人の評価も変わろうというものだ。そうでなければ、いつまでも狡(ずる)い人間だと思われ続け、それがたとえ今は小さなものであっても、徐々に拡がっていくであろう。これは藤井にも当てはまる。開き直るのではなく謙虚にみずからの非を認め反省し謝罪するのが先決だ。われわれの言っていることが間違っているのなら指弾していただきたい。

9月9日残暑下、コロナ禍の中ではあるが、圧倒的な注目と、時間の都合がつく皆さんにはぜひ傍聴をお願いしたい。藤井がやらかした悪行を代理人の神原弁護士が「正義」と言うのかどうかわからないが、藤井や代理人・神原弁護士の詭弁や三百代言、蠢動を打ち砕こう!

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