松本人志の「高額納税者だと知れ」発言の真意

先月、ダウンタウンの松本人志が「タレントの高額所得を取り上げる前に高額納税者だと知れ」とtwitterで発言した。「頑張った人が頑張った分だけ多く持っていかれるって何だか府に落ちないですよね」「いい車に乗って、いい家に住んでる人が高い税金を払うのは当然」といった賛否の意見が多数寄せられたそうだ。

現在は長者番付の公示こそ廃止されたものの、少し調べれば納税額で大体の高額所得者の収入がわかってしまい、実際にそれを元に非公式なランキングをせっせと作っている御仁もいる。松本氏は以前からこの長者番付を批判しており、多少なりと知っているのであれば、twitterの発言はそれに対する批判だろうとは直に予想できることだ。

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引退を決めた二岡(日本ハム)と、Qちゃんに共通するもの

巨人と日本ハムで活躍した二岡智宏(37)が9日、千葉・鎌ケ谷の日本ハム2軍施設で引退会見を開き、「たくさんの人に支えられて15年間の野球生活をまっとうできた。完全燃焼できた」と穏やかに語った。昨年10月に戦力外通告を受けたが、トライアウトには参加せず、年末までオファーを待っていたが、どこからもなかった。一部、「二岡、引退」という先走った報道があったが、引退を決めたのは、今年に入ってからである。

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あの本庄保険金殺人事件の再審請求即時抗告審で重大局面

日本では死刑囚が再審で無罪を勝ち取った例は4件しかない。しかも、そのすべては80年代に集中しており、1989年1月の赤堀政夫さん(島田事件)以来、現在まで20年以上も死刑囚に対する再審無罪判決は出ていない。そんな中、今年は袴田事件や飯塚事件という有名死刑事件で再審開始可否の決定が出るのではないかとみられているが、実はそれ以外にもう1件、再審の重大局面を迎えている死刑事件がある。90年代末にマスコミが「第2の和歌山カレー事件」として騒ぎ立てた本庄保険金連続殺人事件である。

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「世に倦む日々」も「きっこのブログ」も藤井誠二も大谷昭宏も、同じ穴のムジナ

匿名ブログ「世に倦む日々」の主は藤井誠二という説を紹介するとともに、その共通項を指摘したところ、いろいろな反応があった。
まず、指摘した共通項はその通りだが、明らかに違うという意見である。これは、「世に倦む日々」がひどすぎるので、藤井誠二も一緒にしてはさすがに気の毒ということだ。「世倦」は陰謀論を連発していて、これを書いている人はどう考えても妄想家であり、そこまで藤井は重症ではない。

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林眞須美有罪の、唯一の有力な証拠が覆ったことも報じないマスメディア

マスメディアが、決して報じないことの一つに、冤罪の問題がある。再審が行われて、無罪判決が出てから初めて報じる。
なぜ報じないか。有罪がどうか決めるのは法廷のはずなのに、逮捕された瞬間から、その人物を犯人だと決めつけて、徹底的に叩くからだ。逮捕される前から、それが行われることも珍しくない。

筆者が『女性死刑囚』を執筆中の頃。知り合いのシナリオライターから電話があって、近況を話す中で言った。
「膨大な資料を読んでるんだけど、林眞須美は、冤罪みたいだよ」
「ええっ!? あの人は無理でしょう」
「なんで?」
「だって、ホースで水撒いてたじゃない」
家の前を取り巻いている報道陣に、林眞須美が水をかけたことを言っているのだ。そのシーンはテレビで何度も放映されたので、印象深い。
確かに彼女を、おとなしい奥さんと見るのは難しい。だが、水をかけることと、殺人との間にはずいぶん隔たりがある。無関係だと言ってもいい。
だが、ある程度知的な者でも、そのようなイメージに意識を操作されてしまう。私だって人のことは言えない。資料を読み込むまでは、同じような感覚を持っていたのだから。

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ハプニングバーで裸になるのは犯罪か

我ながら、情けないほど動転してしまったことがある。かれこれ20近く前のことだ。
素っ裸の若い女性が、前から歩いてきたのだ。新宿の厚生年金会館の辺りである。
「ヤバイ、逃げなきゃ」
とっさに考えたのが、それである。抱きつかれでもしたら、自分が犯罪者になってしまう、とそこまで頭を巡らせたわけではないが、とにかく尋常ではないことが起こっていると思った。

だが、なんのことはない。後ろから、カメラを構えた男が3人、ついてきていた。
プロの業界人の仕事なら、カメラマンは1人だ。女性モデルを雇った、アマチュアのグループだろう。
それが分かると、業界人であるのに動転してしまった自分が、あまりにも恥ずかしかった。
言い訳をすれば、女性があまりにも素人っぽく、生々しかったのだ。
当時は、その道の業界人として、似たようなことをやっていた身である。
通報するなどの無粋なことはしなかったが、このような行為は、刑法第174条の公然わいせつ罪が適用されることになる。

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ハローワークでは詐欺が横行している

年末に、ハローワークで紹介された職場が詐欺会社で、業務命令で詐欺を働いた女性が逮捕されるという事件があった。

「詐欺」という言葉を辞書で引くと「1 他人をだまして、金品を奪ったり損害を与えたりすること。2 他人を欺く行為」と出てくる。言葉通りに従えば、ハローワークの求人は詐欺だらけということになる。

求人をしているものの、会社側は採用する気が無い求人で溢れ返っている。今は職種にもよるが、一人の求人に対して数十人の応募者が集まるような状態だ。その割にはいつまで経っても採用者が現れず、長いこと求人され続けている募集が多数ある。会社側に言わせれば「適確な人材がいない」ということだが、何十人と応募があるのに、一人の適正者もいない程高度な仕事ばかりなのだろうか。その割には経験不問、学歴不問と記載されている。つまり条件面では人を選ばないのに、誰も採用していない。採用されたとして、残業時間も各種保険、手当も求人情報とまるで違うなんてことは珍しいことではない。これを詐欺と言わず何というのだろうか。

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どっちがご乱心? 脱原発候補を「殿」と揶揄した、甘利明経済再生相

派遣で働いている、複数の知り合いが給料が上がった。もちろん格差社会の是正にはほど遠い。というか、安倍政権はそんなことまでは目指していないだろうが、経済がよくなっているのは事実だ。
自民党のホームページを見ると、昨年のほぼ1年間で株価は88%アップ。79.51円(2012年11月4日)から105.30円(2013年12月30日)と円高から円安へ。求人倍率は、083倍から1.00倍にアップ。GDPは-3.6%から4.5%にアップとなっている。

もちろん儲かっているのは円安の恩恵をダイレクトに受ける輸出中心の大企業。庶民が受けている恩恵は小さい。
だが、アベノミクスの成果を、それはそれとして評価してみるのも、1つの手である。
現在、日本では原発は1つも動いていない。原発を停めたままだと経済が停滞するという原発推進派の主張が、皮肉にも原発推進を是とする安倍政権の手で木っ端微塵に吹き飛んでいるのだから。

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辺野古埋め立て承認で、仲井真知事は辞職すべきか

辺野古埋め立てを承認したことで、仲井真弘多知事は辞職すべきであるという声が上がっている。
沖縄の人々が怒りの声を上げるのは、知事が公約違反したのだから当然だ。だが、沖縄以外から同じ声が上がっているの見ると、かなりな違和感を感じる。
米軍専用施設の75パーセントを沖縄に押しつけ続けてきたのは、日本政府であり、あえて言えば、沖縄以外の日本人だ。

移設先がどこにもない状態で、辺野古への移設を拒否し続ければ、普天間が固定され周辺住民への危険が続く。辺野古は以前から米軍が基地として欲しがっていた地域であり、移設は口実であるという説が有力だが、普天間が危険であり続けることは同じだ。
沖縄以外のどこにも引き受け手がないところで、知事としてはどこかで落としどころを見つけなければならなかった。

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なぜ議論されない? 日本が戦争に突入しかねない南スーダン情勢

日本と中国が戦争になるのではないか? そんな心配の声を耳にするが、実際に危険なのは南スーダンだ。
昨年12月23日、政府は、南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の銃弾1万発を、国連経由で韓国軍に無償で譲渡することを決めた。
武器輸出3原則に反するのではないかと批判されたが、その後の動きはマスメディアでは伝えられていない。

「緊急の必要性・人道性が極めて高い」とする日本政府の判断だったが、その後、韓国内では、銃弾の提供を受けることは安倍政権の「積極的平和主義」を後押しすることになる、との批判が高まった。朴槿恵大統領は、銃弾の提供は国連に要請したものだとして、日本への謝意は表さなかった。

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