小野寺力興行、NO KICK NO LIFEも年々パフォーマンス豪華に(2016.3.12)

誰にでも許される訳ではないラウンドガールの狭き門。ほとんどの場合がプロのファッションモデルなどの事務所から起用されるものと考えられます。それ相応の容姿端麗な若い女性が毎度起用されています。という条件ばかりでなく、たまには素人さんかと思われる女性も登場。リング上がった途端、足が震えている、そんな子もいました。

◆見た目は20代前半、とても35歳過ぎてるとは思えないラウンドガールも

3年ほど前ですが、リングアナウンサーが資料のラウンドガールのプロフィールを見て「1976年生まれって、これ間違ってない?」と言って直接ラウンドガールに尋ねてみたら、「間違いではありません」ということで、見た目若くて20代前半、とても35歳過ぎてるとは思えない。そんなラウンドガールもいたようです。

毎度の綺麗なラウンドガールがリングに上がればカメラマンも当然カメラを向けます。そこには次のラウンドが分かるように撮っておくことが一番の目的であり、また各方面での使用出来るよう撮っておく事情もあります。と言いつつも、水着の綺麗な女性が目の前にいては、エロい気持ちでシャッターを押すことも自然にあります。そんな私(堀田)は、ラウンドガールにいちばんカメラを向けている一人でしょう。それを否定はしませんが、そのリングに上がれる立場の人々が、そこに関わる時間を考えると撮らざるを得なくなっていきました。

新年は晴れ着で登場(2015.1.11)

◆命を懸けた試合のリング上はまさに戦場

まず、選手が現役生活で、公式試合としてリング上で戦って居られる時間はどのぐらいかを考えると、1ラウンド(=3分)×5回戦=15分として、96戦すると24時間になります。入退場・セレモニー・インターバルを加えてリング上に居られる時間を30分としても48戦。ノックアウトもあり、3回戦制もあり、実際はもっと短くなります。

素人目に見てですが、こんな命を懸けた試合のリング上はまさに戦場で、生きた心地のしない空間です。戦い慣れた選手はそうでもないでしょうが、少なくとも勝利の瞬間に至る前まではリラックス出来たものではない空間でしょう。「こんな非現実的な空間に居られる時間を撮っておいてやりたい」という想いでビジネスとしてですが、撮影をするようになりました。

◆選手と同様、短く儚いラウンドガールという華

こんな想いで選手を見ていると他のスタッフにも似たようなことが言えてくると考えました。リングアナウンサーがその任務でリングに立って居られるのは一生でどのぐらいの時間でしょうか。レフェリーも同様に。ラウンドガールの場合は世代交代は早く、若くしてそんな特殊な空間のリング上に立つ時間は限りなく少ないでしょう。「こんな華やかなリング上での瞬間も選手と同様に撮っておくべき」と偏見ながら思いました。

M-ONEムエタイ興行でも、ラウンドガール起用の采配(2016.3.21)

層が厚い本場ムエタイでのチャンピオンも、すぐ上がって来た若い奴に王座を奪われ、若い奴に敵わなくなっていく、そんな覇者の立場でもあり、ラウンドガールも花の命は短くて儚い瞬間であります。私自身もカメラマンで居られる時間も少ない、そんな最終ラウンドが迫ってきていることを考える日々も増えました。

NO KICK NO LIFE全9試合でラウンドガールが10人も登場(2016.3.12)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」