「値上げは権利だ」と前社長の西澤俊夫が言った通り、9月1日より、東京電力は電気料金の値上げを強行した。
各戸に投函された「電気料金値上げのご案内」には、合理化への取り組みのひとつとして、「現役・OBともに、年金を減額いたします」とあった。減額とはなんだろうか?
国土のほとんど、海外にも放射能をまき散らした福島第一原発事故を引き起こした会社の社員が、なぜ年金など受け取っているのか。すべて放棄して、被災者の救済、復興に当てるべきだろう。

東京電力に電話して、「事故当時の会長の勝俣、社長の清水は年金を受け取っているのですか?」と問うと、「個人情報なので答えられません」とのこと。本来なら2人とも、業務上過失死傷罪で咎を受けなければならない人物だ。彼らが年金を受け取って、消費者には値上げを押しつけるなど、とんでもないことだ。

東京電力が答えない、と言うのなら、私たち市民ひとりひとりが、彼らの所に出向いて、直接問い質すしかない。
今回刊行された、『タブーなき原発事故調書~超A級戦犯完全リスト』(鹿砦社)には、福島原発事故に責任のある26人について、彼らのなしてきたことを克明に記すとともに、居住地を地図入りで掲載し、それを可能にしている。

そのうちの何人かを、本書のスタッフは訪ねている。
事故当時の会長の勝俣恒久は、自宅近くを孫と一緒にのんびりと散歩していた。
なんということだろうか。ボランティアで福島に赴き、除染活動を行っている心ある市民も多いというのに。事故の最高責任者は、悠々と老後を楽しんでいるのだ。
他人の生活を根底的に破壊しながら、なんら心に痛みを感じない人々が原発を動かしてきた、という何よりの証左だろう。

また、「プルトニウムは飲んでも大丈夫」と言い放った東大工学部・大橋弘忠教授の研究室を訪ね、「安全だから飲めるんですよね?」と問いかけた。「ナンセンスだから答えたくない」と大橋は、御用学者の無責任ぶりを露呈した。

本書では、広瀬隆、蓮池透、北村肇、山本太郎、日隅一雄氏(インタビュー直後逝去)ら、原発と闘う人々の怒りの声も収録した。
大手メディアではタブーとして封印されている、福島第一原発3号炉で起きたのは核爆発であること、80センチの不等沈下をしている4号炉は日本を壊滅させるほどの危険をいまだはらんでいること、などを明らかにしている。

原子力畑を歩んできた東京電力元社員の勇気ある激白も、収録。検査官との騙しあいの実態、ズブズブの原子力ムラの癒着ぶりなど、安全性などはなから無視されている実情が、赤裸々に語られている。

ところが、タブーを恐れずに真実を書いた本書を、取次各社は、昨年の『東電・原発おっかけマップ』に引き続き、ほぼ新刊委託配本拒否を通告してきました。
『東電・原発おっかけマップ』は、多くの心ある方々のお力をお借りし、直販でほぼ販売でき、焚書処分を阻止しました。

今回、委託配本されるのは発行部数の一部(10数%程度)にしかなりません。できるだけ鹿砦社販売部(sales@rokusaisha.com)に直接ご注文をお願いいたします。直接お申し込みの方には早速発送します。送料サービス/代金後払いです(冒頭の表紙写真をクリックすることで、販売ページに飛ぶこともできます)。

原子力ムラの解体、すべての原発の廃炉に向けて、必須の書であると、自信を持ってお勧めします。原子力ムラの野望を、ともに打ち破っていこうではありませんか。

(FY)