5月31日、午後6時30分から元アイドル・レスラーの風香さんの自伝『風香自伝 負けて、負けて、輝く~私がプロレスで学んだ輝くための方法』(発行/株式会社エム・ジェー・アール 発売/鹿砦社)の発売を記念してのサイン会が、神保町『書泉グランデ』で行われ、約百名ほどのファンが集まった。

駆けつけたファンのひとりは言う。
「楽しみにしていました。気取らなくて芯が強いところが風香さんの魅力ですね」

風香さんの人生は波乱万丈だ。バスケットに夢中になった少女時代は、バスケ部の顧問の先生との仲がこじれてバスケットができなかった挫折や、芸能プロダクションに詐欺に遭ったり、女子プロ時代は痴漢に遭ったけれども、執念で痴漢を逮捕したりと実に慌しい。女子プロ時代には、キュートな笑顔で売った風香さんだが団体「JDスター」の解散も経験している。風香さんの引退した理由は、一般にはなかなか伝わってこなかった。個人的には、女子プロそのものの人気が、風花さんの引退で揺らぐのではないかと心配した記憶がある。

風香さんは著書にこう書いている。
「引退の理由はいくつかあります。この頃、私の体は悲鳴を上げていて、特に『頭の痛み』は引退を決める上で大きかったです。デビューしてしばらくした頃、トップコーナーから、頭から落ちてしまったことがありました。しばらく欠場させてもらって一時は良くなったけど、また悪くなったり。悪くなった時は練習をセーブしたんですけど、格闘技とプロレス両方をするようになってからは忙しくてセーブすることができなくて。(中略)引退したら頭の痛みはなくなりました。ダメージもあったけど、それ以上に無理をしすぎてたんだと思います。(中略)それから、一応『アイドルレスラー』『ビジュアル系』と言っていただいていたので(笑)、見た目が落ちても続けるのは、ある意味応援してくれる人への裏切りだと思ってたんです。今、このタイミングで辞めるのがファン孝行なんじゃないかなって」(第7章 突然の引退より)

2010年3月28日、後楽園ホールで高橋奈苗戦を最後に引退、今は「スターダム」のゼネラルマネージャーを務めている。風香さんは「女子にしかない華やかさ」をテーマにプロレスに取り組んでいた。その精神はきっと後輩たちに受け継がれていくだろう。

(鹿砦丸)

(写真)
▲ファンと交流する風香さん