3月7日に佐村河内守の会見があってから、ワイドショーでは、弁護士、心理学者、音楽家、耳鼻咽喉科の医師まで参加して、バッシングの祭りが続いた。
それに比べて、マスメディアであまり報じられないのが、389日ぶりに保釈され、3月13日に第3回公判が開かれた、片山祐輔被告についてだ。
佐村河内守を“天才”に仕立て上げたのもマスメディアなら、片山被告を“犯人”に仕立て上げたのもマスメディアであるにも関わらず。
片山氏を尾行したマスメディアは、逮捕前日に猫カフェで猫と戯れる彼の姿まで撮って、NHKなどがそれを放映した。

わずかに片山被告の保釈を伝えたマスメディアも、膨大な証拠があるから、かなりグレーであるかのような印象で報じている。
先の4人の誤認逮捕と同様、パソコンが遠隔操作されてたなら、片山氏が犯人だと思われるように、証拠と見られるようなものを真犯人が残しておくのは当たり前のことだ。
真犯人がパズル付きのメールで、江ノ島で記録媒体の入った首輪を猫につけたと伝えてきた時期に、片山氏が江ノ島に行っていたことなども、彼が江ノ島に行く計画を持っていることをパソコンを覗き見て把握していたなら、偶然の一致ではない。

日本では、逮捕された99パーセントが有罪になる。
検察の特別抗告を退けて、最高裁が片山被告の保釈を認めたことは、英断と言ってもいいくらい、ほとんどの裁判官は検察の言いなりになっている。
だが司法は、無実の可能性の極めて高い片山被告を1年以上にわたって監禁し、すでに刑を科しているに等しい。
以前から指摘されてきたこのような問題に切り込む、絶好の機会なのに、マスメディアはそれを行おうとしない。

マスメディアは、なぜ佐村河内守を執拗に叩くのか。彼が一個人だからだろう。
佐村河内守に騙されたとわめくことによって、なにかしら、いつもは真実を伝えているかのような印象を与えることができる。
マスメディアは、なぜ片山祐輔被告について報じないのか。彼を犯人だとした、警察・検察を敵に回したくないからだろう。
要するに、へたれ、なのである。

(深笛義也)