学部生の卒論に匹敵する、A4判28ページにもおよぶ長大な文書をもって、母親の借金問題を釈明(解説)した小室圭氏。つぎの一手は「解決金」をもって、借金問題の根本的な解決をダメ押しするものだった。これに対して、元婚約者が反論を明らかにした。もはや泥沼である。

 

『週刊現代』4月24日号のスクープ記事を転載する「現代ビジネス」(2021年4月16日配信)

このかんの言動をもとに、法律論的な道筋から、双方の言い分を整理していこう。
元婚約者は当初、婚約中の金銭の授受であるから「返してもらうつもりはなかった」としていた。将来は家計をひとつにする予定なのだから、これには合理性がある。
だが、婚約が解消されたときに、結婚という前提がなくなったのだから、小室家がわに返済の義務が発生する。そのことに気づいた元婚約者は、小室佳代氏に返済をもとめたのである。これまた、至極当然の法的要求といわなければならない。
なぜならば、婚約解消がみずから言い出したこととはいえ、もともとは「貸していただけないか」「返済の意思はある」と、小室家が借金であることを認めていた金銭だからである。

いっぽう、小室家においては「一方的な婚約解消」であり、当初は「返済を断わられた」のも事実である。婚約を解消されたことで、心身に傷を負ったというのも、当然の言い分である。

したがって、双方の言い分は民事訴訟での調停をうけることで、和解交渉として決着するしかない。いわば「相当な理由のある」主張なのだ。

そこで紛争の解決のために、小室家がわから出されたのが「解決金」ということになる。この「解決」にあたっては、元婚約者がわに「守秘義務」などの条件が課せられると推察される。

よってもって、事件は解決して小室圭氏は母親の借金問題(その大部分は自らの学業資金)から解放され、晴れて眞子内親王との婚儀への道をひらいたのである。たとい皇籍を離脱しても、眞子内親王が令和天皇の姪であり、秋篠宮文仁親王の実の娘、悠仁親王の実の姉であることに変わりはない。すなわち小室圭氏は、皇室皇族の親族となるのだ。

◆傷ついた元婚約者のプライド

ところが、小室家がわの「解決金」の提示を予期していたかのように、元婚約者がわが「週刊現代」で反撃に出た。28頁の文書で、一方的に悪者にされたことに傷ついたとして、全面的な反論を展開したのである。

上記の内容を補完するものとして、借金は小室佳代氏の申し出であったこと。その理由が小室圭氏の学費に充てるためのものと、申し出があったこと。借金の返済についても、婚約者ではなくなったのだから要求したこと。その婚約解消の理由が、ほかならぬ小室佳代氏からの金銭要求にあったこと。

そして極めつけは、かりに「解決金」が提示されたとしても、受け取るつもりはないと断言したのである。もはや借金の返済云々ではなく、プライドの問題だというのだ。金銭による解決を拒否する。このことは未来永劫にわたって、小室家が「借りた金を返さなかった母子」になることを意味している。

元婚約者の「小室圭さんは眞子さまと結婚する前に、やるべきことがあるのではないか」は、圭氏の文書の撤回および全面的な謝罪を求めているのだといえよう。
このことはまた、小室圭氏は虚偽文書をもって、世間をあざむいた。もはや眞子内親王の伴侶には、とうていふさわしくないという印象を国民の前に晒すことにほかならない。

◆民事紛争に介入したプリンセス

ところで、健康で健全な「太陽の王子」から、ある意味で「周到な策士」へと成り下がった小室圭氏。紀子妃に面談をせまった小室佳代氏の「不敬」に批判がおよぶと思われていたところ、世論のリードは思いがけない方向に進んでいる。眞子内親王への批判である。いわく「一線を越えてしまった」というのだ(週刊文春ほか)。

ここにあるのは神聖な皇族、天皇制に聖域をのぞむマスメディア、あるいは清浄な皇室アイドル化をのぞむ国民の意識がさせるものにほかならない。

眞子内親王が小室家と結託して借金問題の解決をはかり、むしろ積極的に民事介入することで「皇族の体面を汚した」というのである。これが現在、キャンペーンされている「一線をこえた眞子内親王」なのだ。

過去にも大正天皇の「奇行」、貞明皇后の「認知症」(祈念式典などで、昭和天皇と一緒に前に歩み出せない)、皇后時代の美智子上皇后へのバッシング、あるいは雅子妃への「人格攻撃」、秋篠宮家の教育問題という具合に、皇室・皇族はマスメディアの興味本位な批判に晒されてきた。芸能人のスキャンダルを暴き、賞味するがごとき暴露記事の横溢。

その裏側には「天皇制の理想」があり、皇室の伝統から逸脱するふるまいは、ことごとく批判するというアイドル化の裏返しの偶像化があった。宮内庁内部の守旧派によるリーク、天皇制護持派による公然たる天皇批判などなど。

いままさに眞子内親王は、旧体制を突き破って自由恋愛をつらぬくがゆえに、猛烈なバッシングに遭おうとしているのだ。ここにこそ、われわれは天皇制崩壊のきざしを見ないわけにはいかない。

おそらく今秋にはどのような形であれ、眞子内親王と小室圭氏の婚儀は成就するのであろう。世紀の大恋愛となった場合に、どこまで皇室の在り方を掘り崩すのか。それは戦後天皇制に課せられた、理想的なシンボルの崩壊の序曲になるのは間違いない。

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)
編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。

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