コロナ第5波は、日本ではようやく感染者数が落ち着いてきたようです。しかしオランダなど欧州ではすでに、次なる感染拡大の情報もあり、気を許せない状況に変わりはありません。

さて、コロナはわたしたちが生きる世代では、初めて経験する世界的なパンデミックですが、感染症以外の各種疾病は、コロナ流行の有無にかかわらずつねに目前にあります。なかでも「がん」は「国民の2人に1人」が罹患するといわれる病気として、誰しもが無縁ではいられない疾病です。かつて「がん」の響きは陰鬱に重く、医師が患者の「がん」を発見してもそれを「告知」するかどうか、が議論になった時代がありました。それほど回復が困難で、治療法が今日のように確立されていたかったため、「がん」=「死に至る病」の語感が社会的に共有される時代がありました。

「がん」は発現部位や、「がん」の種類(悪性度)により、さまざまな性質があることがかなり解明され、治療法も多岐にわたり日進月歩で確実に進歩しています。ですから今日「がん」は罹患しただけで「致命的」な疾病とは言えない病気ですが、それでも罹患した患者さんご自身やご家族の苦悩や心配、治療法の選択などは相変わらず、重い課題が残されているといえるでしょう。

男性特有ながら、近年罹患者数増加が止まらない「がん」に「前立腺がん」があります。このたび前立腺がんに自らも罹患し、治療を経験された安江博理学博士が、鹿砦社から『一流の前立腺がん患者になれ! 最適な治療を受けるために』を著されました。筑波大学の医学部で教鞭をとった経験もある安江博士は、ご自身が前立腺がんに罹患していることが判明したとき、やはりかなりショックを受けられたようです。しかし、医学分野の知識と見識を活かして、「前立腺がんとはなにか?」をまず徹底究明されたそうです。そして現在日本ではどのような治療が行われているのか? 治療法ごとのメリット・デメリットなどを詳細に検討し、最終的にご自身が受けることとなった、治療法を確信をもって選択されたようです。

『一流の前立腺がん患者になれ!』は安江博士がご自分の前立腺がん治療のために、集められた情報を更にアップデートして、2021年末時点での最新の医学的知見を紹介した本といえるでしょう。前立腺がんについて心配を抱く患者さんやご家族、さらには前立腺がん患者の予備軍の皆さんへの科学的見地からのメッセージであり、アドバイスの書です。(鹿砦社取材班)

11月24日発売! 安江 博『一流の前立腺がん患者になれ! 最適な治療を受けるために』 定価1,650円(税込)

一流の前立腺がん患者になれ! 最適な治療を受けるために

“治療法の選択こそがあなたを救う!”
国内外の最新医学論文から予後の驚くべき違いを解説! 
前立腺がん患者と予備軍のあなたへ
前立腺がんを経験した筆者から贈るメッセージ

目 次
第1章 日本における前立腺がん治療の現状
第2章 前立腺とは
第3章 前立腺がんの予兆
第4章 前立腺がんの見つけ方
第5章 病期の判断(進行度の判断)
第6章 前立腺がんの治療法の種類
第7章 監視療法
第8章 全摘出手術
第9章 放射線治療
第10章 トリモダリティー治療
第11章 男性ホルモン遮断治療(ホルモン療法)
第12章 抗がん剤治療
第13章 放射性医薬品をもちいた治療法
第14章 治療法の選択 その1
第15章 治療法の選択 その2
第16章 公表された治療成績のまとめ
第17章 治療により発生する障害
第18章 今後の展望

四六判/カバー装 本文128ページ/オールカラー/定価1,650円(税込)

著者プロフィール
安江 博(やすえ・ひろし)
1949年、大阪生まれ。大阪大学理学研究科博士課程修了(理学博士)。
農林水産省・厚生労働省に技官として勤務、愛知県がんセンター主任研究員、
農業生物資源研究所、成育医療センターへ出向。
フランス(パリINRA)米国(ミネソタ州立大)駐在。
筑波大学(農林学系)助教授、同大学(医療系一消化器外科)非常勤講師。
現在(株)つくば遺伝子研究所所長。
これまでに公表した査読付き学術論文205本。
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846314359/
◎鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=ichi&bookid=000686