筆者は、広島県庁職員を辞して、大物広島県議だった河井案里さんに挑んで敗れた2011年の翌2012年以降、元旦はいつも、原爆供養塔前に集合し、はだしで黙とう、平和公園内の原爆慰霊碑を巡って献花する「元旦はだし供養」に参加しています。大学時代に政治家を志して以来の核兵器ゼロ・戦争ゼロ・原発ゼロという筆者の政治活動の原点を新年に当たって再確認する意味合いもあります。

今年2023年も、2022年と同じ毎回参加のNHK記者も含む6人という少人数ですが決行しました。この中には、筆者の家の前を通り、工事が難航してトラブル続きの高速道路二葉山トンネルに関する市民運動に取り組む方などもおられ、「少数精鋭」の活動となりました。

 

筆者の元職場である広島県庁

◆「被疑者教育長」が居座る広島県庁経由で現地へ

筆者は、岸田総理の地元の広島1区(中区、東区、南区)の東区に住んでいます。平和都市といいながら、超保守王国で、筆者自身も、昨年の参院選再選挙での得票率は自分が住んでいる東区では隣接する安佐南区(3区)と府中町(4区)と比べても大きく低迷しています。

筆者は1月1日早朝、その東区の自宅をバスで出発し、中区の筆者の元職場である県庁前にあるバスの終点で降車しました。

奥の県庁東館には広島県教育委員会も入っています。そのトップは教育長の平川理恵さんです。平川教育長が親しくしていた故郷・京都のNPOと県教委の契約が官製談合防止法違反、地方自治法違反であることが外部の調査で認定されています。

さらに、別の大阪の親しい女性社長のコンサルタント会社とも問題が発覚。そして、京都のNPOとの件については市民団体から告発されています。平川教育長はいわば「被疑者」です。

しかし、平川教育長は1月1日現在、辞任の気配もなく、知事の湯崎英彦さんも彼女を罷免しようとしません。県議会も一部の議員を除き、厳しい追及の動きはありません。いったい、何か、彼女を庇わないといけない別の後ろめたい理由があるのではないか?

故・安倍晋三さんの政権の下で、財務省の佐川宣寿局長(当時)の隠ぺい工作のために赤木俊夫さんが命を自ら断っています。最悪の場合、そのようなことが、広島県庁で起きないように、県民や県議会の監視、あるいは労働組合などによるチェックが必要ではないでしょうか?

一方、平川教育長は、県内の公立学校で1000人以上非正規の先生がおられるのに、正規化については「予算がない」と放置です。湯崎知事・平川教育長の新自由主義とも厳しく対決していかねばならない。その思いを強くしました。

◆原爆ドーム前、G7首脳見学予定も広島の「西側国家ベッタリ化」心配

 

初日の出に赤く染まった原爆ドーム

原爆ドームもまた初日の出に赤く染まっていました。今年は、G7サミットが5月に開催されます。各国首脳に原爆ドームも当然、見学していただくことになるでしょう。被爆の実相を世界の首脳に伝えるということ自体は否定しません。だが、現実問題として、ロシアvsウクライナの戦争もさることながら、それ以外でも、西側「民主主義国家」vs中国に、多くの途上国も米中の間で複雑な動きをするという状況があります。そういう中で、広島が西側「民主主義」国家とべったり、という方向へ進むことを危惧します。その兆候は、昨年の平和祈念式にロシアを招待しなかったことです。たしかに、ロシアのウクライナ侵略はけしからん。しかし、アメリカは、そもそも広島を核攻撃した加害者ですし、イスラエルのパレスチナ虐殺、サウジアラビアのイエメン空爆なども問われなければならないでしょう。国家間の対立は超えて、核の悲惨さを訴え、核兵器ゼロを訴えるというのが自治体としての広島の立ち位置であるべきでしょう。

なお、反グローバリズムの立場から「バイデンも岸田総理も広島に来るな」的な左翼のスタンスもあり、筆者個人としてはそのスタンスに近いし、そういう立場の言論も県民の間で大いに展開されるべきと思います。

それはそれとして、自治体としての広島(県・市)としてはどうあるべきかと言えば、国家同士の対立をいったん脇においたスタンスではないかと思うのです。バイデン大統領にもプーチン大統領にも習近平主席にもムハンマド皇太子にもネタニヤフ首相にも金正恩総書記にも来ていただくのが自治体としての広島県・市のスタンスであるべきでしょう。

◆6人で決行 元旦はだし供養

原爆供養塔に到着すると、市民活動家の女性が先に到着しておられました。彼女は、先般、高速道路二葉山トンネル問題でテレビに映っておられました。最終的に毎回参加されているNHK記者を含む6人に増えました。

原爆供養塔に献花。そして、8時15分、チャイムが鳴り、黙とうしました。


◎[動画]元旦はだし供養 原爆供養塔

 

韓国人原爆犠牲者の慰霊碑に参拝

続いて、韓国人原爆犠牲者の慰霊碑に参拝。新年から朝鮮(金正恩総書記)がミサイルを発射したというニュースが流れています。しかし、実際には、韓国も、30日にロケットを打ち上げて、日本でも謎の光ということで通報が相次ぐ騒ぎが起きています。こういうエスカレーションは、朝鮮戦争が正式に終結していないからこそ起きることです。

そもそも、朝鮮のミサイルの狙いは日本ではなく、アメリカを交渉に引っ張り出すのが目的です。植民地支配をしていた日本は、韓国人被爆者が発生する原因をつくり、また、南北分断に一定の責任がある。岸田総理は武器倍増ではなく、過去の歴史的な経緯を押さえたうえで、関係各国及び、国連(米軍にお墨付きを与えている)に朝鮮戦争終結を働きかけるべきだ。ましてや、武器倍増で緊張のエスカレーションに加担しつつ、原発を増やしてミサイルの標的を増やすような岸田総理の愚行は止めないといけない。そういう思いで参拝しました。

◆地域での慰霊祭は難しく

ついで、川内村の「義勇隊の碑」、ついで、広島二中=現広島観音高校=慰霊碑へ向かいました。川内村は現在、安佐南区に属しています。今は、マンションや住宅が林立する中に、広島菜やホウレンソウを栽培する農家も多少残っているという感じです。義勇隊に参加して爆心地近くに来ていた川内村の男性がほぼ全滅。戦後しばらくは人口バランス的に女性が多い村として知られ、そういう中で、広島菜が女性中心の産業として発展してきた経緯もあります。

いまや、被爆当時を知る方も少なくなり、地域で行われる慰霊祭も存続が困難になっています。他方で、広島二中の慰霊祭については、後輩の生徒たちが引き継いでいるため、体制を維持できているということです。

地域の自発的な活動はどの分野でもなかなか存続が困難な状況があります。それは平和の分野でも変わりがないということを改めて痛感しました。

[左]川内村の「義勇隊の碑」。[右]広島二中(現広島観音高校)の慰霊碑

◆安佐南区の神社で初詣後、事務所近くの駅でご挨拶

 

祇園の安神社

筆者は、その後、バスでれいわ新選組推薦で県議選に立候補を予定している安佐南区に移動。祇園の安神社に初詣しました。この神社は、わたしが、この安佐南区で河井案里さんに挑んで以来、毎年参拝しています。

ちなみに、広島市民の初詣の定番は厳島神社か、護国神社です。しかし、護国神社に筆者は参拝しません。護国神社とは、戦前、戦争を推進した靖国神社の自治体版だからです。広島が戦前、アジア侵略の拠点となった時代の遺物でもあるからです。特に、地元の岸田総理が武器倍増に突き進むいまだからこそ、護国神社は避けたいのです。

その後、筆者の事務所近くの中筋駅前で、看板を立てて、新年のご挨拶をさせていただきました。「明けましておめでとうございます」とお声がけしながら、時に紙ベースの「広島瀬戸内新聞」をお渡ししました。

筆者も12年間、活動してきただけあり、多くの地元有権者、とくに年配の方ほど、筆者のことをご存じのようです。政策、政治姿勢をよくご存じの方も多い地域では、マイクを通じて話すより、個別の双方向の対話を重視していきたいと考えています。この点は、昨年の参院選再選挙とはやや趣を異にします。

 

筆者の事務所近くの中筋駅前で新年のご挨拶

特に、地方選挙を前にした活動です。筆者の政策・政治姿勢を具体的に県政に落とし込んでいくには、県内の実情を踏まえないといけない。それには、双方向の対話が一番重要だからです。

その上で、
「新自由主義を脱却し、県民の暮らしを立て直す」
「旧統一協会・利権まみれの広島の政治を平和都市にふさわしいものにリニューアルする」
「岸田総理の暴走に地元・広島から待ったをかける」
という軸はぶれずに頑張る所存です。引き続きご協力を伏してお願い申し上げる次第です。

◎カンパ先
郵便振替口座 01330-0-49219 さとうしゅういちネット
広島銀行本店(店番001) 普通 口座番号3783741 さとうしゅういちネット

ただし、ご寄付頂けるのは日本国籍の方、そして一人年間150万円以下に制限されます。また、
・年間5万円を超えてご寄付頂いた方
・筆者への寄附による所得税の控除を受けられたい方
については、法の定めるところにより、政治資金収支報告書等で筆者からご住所・ご氏名・ご職業を広島県選挙管理委員会に報告させていただきます。何卒ご了承ください。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

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