カズ・ジャンジラ、ラストファイトは大差で勝利、有終の美を飾る!

堀田春樹

正哉はカズ・ジャンジラの対戦相手としてNKB初参戦。
マサ佐藤もNKB初参戦。健吾にボディーを蹴られてどす黒く腫れ上がるも巻き返して引分け。
大月慎也は連敗から脱出。田村大海をヒザ蹴りで圧倒。

◎鐵人シリーズvol.2 / 4月18日(土)後楽園ホール17:15~20:55
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

戦績はプログラムを参照にこの日の結果を加えています。

◆第10試合 66.7kg契約 5回戦

カズ・ジャンジラ(=佐々木和也/Team JANJIRA/1987.9.2東京都出身/ 66.55kg)
47戦22勝(4KO)18敗7分
        VS
ジャパン・ウェルター級3位.正哉(誠真/2002.10.24神奈川県出身/ 66.05kg)
13戦7勝(3KO)6敗
勝者:カズ・ジャンジラ / 判定3-0
主審:前田仁
副審:笹谷50-44. PIRIKA50-45. 関49-45

カズ・ジャンジラは前戦2月21日、どん冷え貴哉(TOKYO KICK WORKS)に判定負けで王座陥落。

正哉は去年3月23日、梅沢遼太郎(白山道場)を2ラウンド、レフェリーストップに追い込むTKO勝利から約11ヶ月振りの試合。

初回、パンチと蹴りの攻防は正哉の左ジャブと、カズ・ジャンジラのハイキックがそれぞれ相手の顔面を掠めるスリルある様子見から、カズは左ハイキックや飛びヒザ蹴りで正哉を追い詰め、正哉も重い左右のパンチで応戦。

第2ラウンド、正哉は見入ってしまい、カズが徐々に蹴り中心の攻めで距離を保っていく。

第3ラウンドには左ストレート打って出た正哉にカズは左ハイキックをカウンターし、ノックダウンを奪った。正哉は落ち着いた表情でダメージは小さそう。

第4ラウンドはカズも手数減るが、打ち合いに出るタイミングを計る。正哉も出て行こうとするが迷いが見られる。

勝負を懸けたラストラウンド、打ち合いの距離でカズがやや攻勢に出る。正哉のローブローでカズに一旦インターバルは入るが、カズの前進が目立つ中、カズの左ハイキックで正哉はブロックの上からだがノックダウン。立ち上がるも大差着いた勝負ありのムードの中、カズがノーガードで「来い!」と挑発。ここに来て打たせるのは危険な行為。しかし顎を引いて身を躱してディフェンスするカズ。正哉は委縮したか、強打とはならないが、幾つかはクリーンヒットも見せた。打ち返すカズの最後のラッシュで盛り上がったが試合終了。カズ・ジャンジラが大差判定勝利で有終の美を飾った。

ラストラウンド、カズ・ジャンジラのハイキックで正哉はノックダウンを喫する
「来い!」とノーガードで挑発するカズ・ジャンジラ、危ない行為である
「来い!」に乗った正哉、どこまで効いたかは分からない

試合直後に予定どおり引退セレモニーが行われた。深いダメージがあっては中止となるが、カズに怪我無く、今回も無事にテンカウントゴングまで進行、ミッション完了である。

テンカウントゴング直後のカズ・ジャンジラ。なかなかカッコいい

◆第9試合 65.5kg契約3回戦

マサ佐藤(WSR三ノ輪/1987.8.21東京都出身/ 65.35kg)53戦27勝(14KO)21敗5分
        VS
NKBウェルター級5位.健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 65.15kg)
9戦5勝(1KO)2敗2分
引分け 0-1
主審:宮本勲
副審:鈴木29-29. PIRIKA29-29. 前田28-29

初回、健吾が積極的に蹴りからパンチで攻める。マサ佐藤はテクニック有りながらやや劣性。第2ラウンドも健吾がパンチから蹴りで攻勢を維持。健吾のミドルキックでマサ佐藤は脇腹が赤く腫れ上がる。しかし、マサ佐藤は組み合っても蹴り合っても下がらず、徐々に調子を上げて来た。第3ラウンドも健吾の左ミドルキックがヒットし、マサ佐藤の脇腹がどす黒くなるが、首相撲での攻防と右ストレート、蹴り返しの踏ん張りで巻き返して引分けとなった。

健吾のミドルキックでマサ佐藤のボディーが歪む

◆第8試合 ウェルター級3回戦

NKBウェルター級4位.田村大海(拳心館/1995.11.20新潟県出身/ 66.35kg)
13戦5勝(5KO)8敗
        VS
大月慎也(Team arco iris/1986.6.19埼玉県出身/ 66.65kg)29戦12勝(6KO)13敗4分
勝者:大月慎也 / TKO 2ラウンド 1分56秒 / レフェリーストップ
主審:笹谷淳

開始早々は田村大海のパンチと蹴りで優る攻勢も大月慎也は組み付いてのヒザ蹴りでリズムを掴み、第2ラウンドも大月の距離に応じたパンチ、首相撲からヒジ打ち、ヒザ蹴りで田村大海を圧倒。防御も出来なくなった田村はノックダウン。立ち上がるも更に掴まれてのヒザ蹴り連打を受け、レフェリーストップが掛かって大月慎也がTKO勝利となった。

大月慎也が攻勢に転じ、田村大海をローキックで攻めた
大月慎也がヒザ蹴りでノックダウンを奪う

◆第7試合 フライ級3回戦

NKBフライ級1位.則武知宏(テツ/1994.12.岡山県出身/ 50.7kg)22戦9勝(5KO)9敗4分
        VS
緒方愁次(ケーアクティブ/2004.1.6東京都出身/ 50.7kg)6戦3勝3敗
勝者:則武知宏 / TKO 1ラウンド 1分54秒 / カウント中のレフェリーストップ
主審:鈴木義和

開始から則武知宏の先手の攻めが功を奏した展開。ローキック、ハイキック、パンチと散らして左ストレートヒットさせ、一発で仕留めるレフェリーストップのTKO勝利。勝てない試合が多かった則武知宏は、久々に強さを見せた一戦となった。

則武知宏が左ストレート一発で仕留めた。久々の勝者コールを受ける

◆第6試合 60.0kg契約3回戦

村上祐馬(聖域中部ライト級Champ/不死鳥道場/1994.6.23長野県出身/ 58.85kg)
11戦7勝(3KO)3敗1分
        VS
利根川仁(TOKYO KICK WORKS/2003.1.24東京都出身/ 59.7kg)9戦8勝(2KO)1敗
勝者:利根川仁 / 判定0-3
主審:前田仁
副審:PIRIKA26-29. 関26-29. 鈴木26-29

開始から数秒で利根川仁の左フックで軽いがノックダウンを奪う。ダメージはあまり無い村上祐馬だが、利根川仁のリズム掴んだパンチの攻勢が続いた。第2ラウンドも利根川仁のパンチヒットが目立ち、村上祐馬は鼻血を流す。しかし終盤、村上は蹴りからパンチで利根川にヒットすると、チャンスを逃すまいと連打で攻め、利根川をコーナーに圧し込んだ。

第3ラウンドは勢いに乗って逆転したい村上と突き放したい利根川仁の激しい攻防に移った。村上のパンチがやや優る展開。村上の左ストレートヒットで利根川の顎が上がる。更にコーナーに利根川を追い詰めた村上だったが、利根川のカウンター右ストレートで村上はこの試合2度目のノックダウンを喫してしまい、勝負は大きく利根川に傾いた。ダメージはあまり無い村上は打ち合いに出て左ストレートヒットさせるが試合終了。利根川仁が大差判定勝利した。

利根川仁が右ストレートで村上祐馬からノックダウンを奪った

◆第5試合 63.0kg契約3回戦

横山典雄(元・聖域統一60kg級Champ/不死鳥道場/1986.5.13新潟県出身/ 62.1kg)
11戦7勝(5KO)4敗
        VS
森野允鶴(渡邉/2001.1.17東京都出身/ 64.9kg=1.9kgオーバー、計量失格/減点3)
5戦3勝(1KO)2敗
勝者:横山典雄 / TKO 1ラウンド 1分45秒 / レフェリーストップ
主審:宮本勲

計量失格した森野允鶴は打ち合いは互角も横山典雄の右ストレートでノックダウン。立ち上がるも横山のパンチ連打で攻め込まれスタンディングダウンに近いところでレフェリーストップが掛かった。

精彩無い森野允鶴に右ストレートでノックダウンを奪った横山典雄

◆第4試合 ライト級3回戦

リョウヤ・ハリケーン(テツ/2002.10.20兵庫県出身/ 60.95kg)6戦4勝(2KO)2分
        VS
KEIGO(TOKYO KICK WORKS/1984.4.10千葉県出身/ 60.85kg)25戦7勝12敗6分
勝者:リョウヤ・ハリケーン / 判定2-0 (30-29. 30-28. 29-29)
主審:関勝

◆第3試合 バンタム級3回戦

シャーク・ハタ(=秦文也/テツ/1987.10.20大阪府出身/ 52.95kg)12戦4勝5敗3分
        VS
風間祐哉(WSR三ノ輪/1997.7.17石川県出身/ 53.45kg)8戦2勝4敗2分
勝者:風間祐哉 / 判定0-3 (28-30. 28-30. 29-30)
主審:PIRIKA

◆第2試合 フェザー級3回戦

隼斗(テツ/1987.9.21徳島県出身/ 56.7kg)11戦4勝6敗1分 かなり久々の復帰戦
       VS
鈴木ゲン(拳心館/1973.6.5新潟県出身/ 56.35kg)17戦6勝(4KO)10敗1分
勝者:隼斗 / 判定3-0 (30-27. 30-28. 30-27)
主審:関勝

開始早々、隼斗がパンチ連打で圧倒し、鈴木ゲンをロープに追い詰めるが、防戦一方となりながら、まともなパンチを喰わず凌いでしまう鈴木。スピードは無いが追い上げるパワーがあるのは強いということか。終盤は蹴り返した鈴木ゲンだが、隼斗のパンチに阻まれ、ポイントには結び付かず終了。隼斗の判定勝利。

◆プロ第1試合 52.0kg契約3回戦

大北龍輝(BOSS/2009.9.15岡山県出身/ 51.4kg)2戦1勝1敗
    VS
輝流(BIG MOOSE/2009.7.2千葉県出身/ 51.9kg)1戦1敗
勝者:大北龍輝 / 判定3-0 (30-28. 30-28. 30-29)
主審:PIRIKA      

◆アマチュア第3試合 オヤジキック・ライト級タイトルマッチ3回戦(90秒制)

王者.帝王(D-BLAZE/1986.6.28福島県出身/ 64.25kg)
        VS
挑戦者.チョキチョキ清水(TARGET SHIBUYA/1973.9.20東京都出身/ 64.4kg)
勝者:帝王 / 判定3-0 (30-27. 30-27. 30-28)

◆アマチュア(オヤジキック)第2試合  75.0kg契約2回戦(90秒制/延長1R)

伊東泰行(JANJIRA/1965.5.27東京都出身/ 74.0kg)
        VS
ナオマサ・ルトタナモンコンスック(D-BLAZE/1974.2.27大阪府出身/ 74.15kg)
勝者:ナオマサ・ルトタナモンコンスック / 判定0-3 (19-20. 19-20. 19-20)

◆アマチュア(問答無用)第1試合 55.0kg契約2回戦(2分制/延長1R)

問答無用関東55kg級王者.井上優贈(不死鳥道場/2010.8.23新潟県出身/ 53.95kg)
       VS
EXPLOSIONバンタム級王者.大貫悠陽(D-BLAZE/2008.9.8東京都出身/ 54.05kg)
勝者:井上優贈 / 判定3-0 (20-18. 29-19. 20-19)

◆女子50.0kg契約3回戦はAkiの体調不良により中止

Aki(T.T.PROMOTE)vs坂村優子(ハイボルテージ/宝塾蒲田支部/ 49.15kg)

《取材戦記》

カズ・ジャンジラは昨年10月に宣言していた引退試合を迎えました。2月21日にどん冷え貴哉に王座を奪われたことは悔いが残るも、ラストファイトは完勝で有終の美を飾りました。引退セレモニーは20分程のそれほど長くないセレモニーでしたが、応援団の多い歓声に包まれた温かみある展開となりました。リングを下りた後も、なかなか控室に帰れないカズさんの人気度、仲間内の集まりが通路の混雑差を物語っていました。

2023年2月18日に笹谷淳とNKBウェルター級王座決定戦で判定勝利し王座獲得。防衛は出来なかったが、ノンタイトル戦でもNKB重量級を支えて来たカズ・ジャンジラである。

対戦した正哉は竹村哲マッチメイカーに対し、「カズ選手に花持たせちゃってすみません。」と力及ばずの結果に反省も笑いに包まれる周囲。

そんな正哉に対し、「大差は付いたが紙一重の戦いだった」という竹村哲マッチメイカー。

観衆の中では「正哉のパンチ、左フックとか、あれ貰ったらカズ・ジャンジラもヤバいよ」という声もあったらしい。ノーガードで挑発したカズは“倒すか倒されるか”を体現した見せ場となった。

試合について正哉は「皆に同じこと言われます。もっと攻めてれば勝てたと。見過ぎました。カズ・ジャンジラさんの左ストレートとハイキックを警戒し過ぎました。左ハイキック(ノックダウンとなった)は2回とも見えましたけど、思い切り喰らいました。」
「見えてなかったら多分立ててなかっただろうな」という陣営の声がありました。

日本キックボクシング連盟鐵人シリーズvol.3は6月20日(土)に後楽園ホールにて開催予定です。メインイベンターは誰か。他団体やフリーから参戦するのは誰か。今後もっと話題性が欲しい日本キックボクシング連盟興行である。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」