かつては、繋がらないものの代名詞となっていた、カスタマーサポート。最近は、メーカーのサービス競争の中で、繋がるようになっている。しかし、その質はどうなのだろうか?
KDDIの光回線を使っているのだが、引っ越しをする間、回線が繋がっていない時期が生じた。
出張の時など、どのパソコンからでもメールが見られるウェブメールというサービスが、KDDIにはある。回線が繋がっていない間も、同様にウェブメールで見られるとカスタマーサポートでは聞いたのだが、実際には見ることができなかったのだ。

カスタマーサポートの対応では、他にも不思議なことがあった。
引っ越し先のマンションでは、電話のモジュラージャックを別の部屋に移す工事を行った。
「電話線を通すパイプの口径を電話会社から指定される場合があるので、確認してもらえますか?」とリフォーム会社に言われた。
それで聞くと、カスタマーサポートは、「22πでお願いします」と言ったのだ。
ずいぶんと久しぶりに聞く、πという言葉。
「πって、数学で使う奴? あ、円周率でしたっけ?」と言うと「そうです」とのこと。
しかしある数値にπを掛けたら、径ではなく周になってしまうのではなかろうか。
「専門家にそう伝えれば、分かるんですよね?」と聞くと、「そうです」とのこと。

リフォームの工事が始まって、担当者から電話が掛かってきた。
「思ったよりも壁が薄くて、22㎜のパイプは通りません。14㎜でもいいかどうか確認してもらえますか?」とのこと。
πが、いつの間にか㎜になっているのに驚いたが、カスタマーサポートに連絡する。
「パイプの口径などをこちらで指定することはありません。いったい誰がそんなことを言ったのか? 名前は分かりますか」と問い質される始末だ。
「14㎜でもいいですよ」とリフォーム会社に伝える。

当日、引っ越し先で、モバイルのパソコンでウェブメールを開いてみるが、メールは届いていない。
カスタマーサポートに確認してみると、回線のない状態ではサーバーがメールを受け付けないので見られない、とのこと。
ツィッターやフェイスブック、ミクシィ、ニフティに来たメッセージは見られるのに、メインのメアドに来たメールが見られないというのは、実に不思議な気分だ。
第一、見られないなら見られないと言ってもらえば対処のしようがあったのに、カスタマーサポートは、見られると言ったのだ。

蛇足だが、リフォーム会社にも問題があった。
回線を開通させようとKDDIの工事担当者が来て見たところ、パイプだけ通って、電話線が通っていなかったのだ。
改めて、リフォーム会社に電話線を通してもらったが、電話もメールも不通の状態が10日間も続いてしまった。

様々な技術の高度化に、個々の人間がついていけていない、と言うことなのだろうか。
繋がらないカスタマーサポートよりはまし、と諦めて、不都合に耐えるしかないのだろうか。

(FY)