日本政府の引き止めにもかかわらずイランを訪問した、鳩山由紀夫元首相は結局、非難の渦を巻き起こすことになった。

イラン大統領室は4月8日(現地時間)、アフマディネジャド・イラン大統領と鳩山元首相の会談直後、「鳩山元首相が『国際原子力機関(IAEA)はイランを含む一部の国に二重基準を適用していて、これは不公平だ』と批判した」と発表した。これは、イランを激しく非難しながらも、イスラエルの核兵器保有は黙認するIAEAは不公平だという意味として解釈された。この報道について鳩山元首相は記者会見を行い、「ねつ造された発表だ。私はそういう話をしたことはない」と強く否定した。

しかし鳩山元首相は「会談で『核拡散防止条約(NPT)に入らず核保有国になっている国にとって有利になっていることは知っているが、非核の世界をつくるためにも国際社会との協力が必要だ』という話はした」と述べた。この発言が「IAEAの二重の基準」に変わったことを表明する形となった。

永田町に根を張る、全国紙政治部記者は語る。
「イランの思惑にのったのでしょう。イランは非公式に北朝鮮から核兵器や弾道ミサイル関連の物品や関連技術を提供されていると、国連(UN)安全保障理事会・北朝鮮制裁委員などに指摘されている。北朝鮮がミサイルを撃つと、各国をけん制しているのに巻き込まれての国際世論をかわすためのスケープゴートにされたのです」

国連はかつて、北朝鮮に対してかなり強硬な態度をとった。北朝鮮の核保有についての報告書を作成したが、ここでは8つの組織と5人の個人を資産凍結や旅行の禁止などの制裁対象に指定していた。この報告書は北朝鮮が核兵器開発計画や核兵器以外の大量破壊兵器の保有、弾道ミサイル開発をやめる兆候はないとしていた。

それにしても、鳩山元首相は、イランの要請を断れなかったのだろうか。
「あくまでも一説ですが、鳩山元首相は、フリーメイソンの人脈でイランに行くように要請があったとされます。かなり見返りもあったのでしょうね」(政治記者)

さて、国会での参考人招致も検討されている鳩山元首相の今後は、民主党政権にどう影響を与えるのだろうか。

小沢一郎の判決も迫ってきた。「審判の日」はすぐそこまできている。

(渋谷三七十)