食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋と何をするにもいい季節ですね。ご飯は美味しいし、今年はスポーツ界も話題が満載です。

ラグビーのW杯では、いや腰を抜かしましたよね。まさか南アフリカに日本が勝つのを生きているうちに見られるなんて夢にも思いませんでした。それだけでなく、中3日で対戦したスコットランド戦以外(ラグビーは激しいスポーツで怪我が付き物なので中3日での対戦は国際レベルでは「無理」と言われています)は全て勝利の3勝1敗!この結果こそ驚嘆に値します。日本はこれまでW杯では1勝しかしていなかったんですから。それ以前にW杯に出場すら出来ない時代も長く続きました

文芸春秋『Number』特別増刊「桜の凱歌 エディー・ジャパンW杯戦記」表紙を飾った五郎丸歩選手(2015年10月23日臨時増刊号)

◆ラグビーは日本で稀なボーダレス・スポーツ──次のW杯は2019年、日本です!

日本人選手の実力アップは嬉しい限りですし、外国人選手を大胆に起用したのも勝因ですね。ラグビーに詳しくない方には「なんで日本代表チームなのに外人がたくさんいるの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。ラグビーはその国の国籍を持っていなくても、一定の条件を満たせば代表になれる、素敵な意味で「ボーダレス」なスポーツなんです。

そしてW杯の次回開催は2019年日本なんですよ! 自国開催だから益々力が入ることは間違いなしです。今大会で3勝1敗なのにベスト8に残れなかったのはちょっと残念ではありましたが、それは次回2019年日本大会で実現してもらいましょう。大会はニュージーランドの2連覇で幕をとじました。でもベスト15になんと五郎丸選手が選ばれたのです。日本選手がベスト15に選ばれるのはもちろん初めてで世界からも五郎丸選手をはじめとした日本チームの力が認められた証ですね。本当に立派だったと思います。拍手!

◆フィギュアスケートは羽生選手の「限界演技」に要注目!

シーズンが幕を開けたフィギュアスケートW杯のカナダ大会ではソチ五輪で金メダルの羽生結弦選手が2位に入りました。残念ながら勝利は1年半休養していた地元カナダとパトリック・チャンに譲りましたが、フリー演技の構成は世界中で羽生選手しか出来ない難度の高い技の連続でした。フィギュアスケートは技ごとに決められた基礎点を加算した技術点と芸術点の合計で点数が決まりますが、技をいかにきれいに決めたか、によって加点される仕組みになっています。簡単な技でも完璧、綺麗にこなすと1点プラスという具合です。

今回のパトリック・チャン選手は4回転ジャンプを1回、3回転半も1回というプログラム内容だったのに対して、羽生選手は4回転3回、3回転半1回というチャレンジングなプログラム構成でした。回転ってすごく体力を使うそうです。とくにプログラム後半のジャンプは転倒の危険もあるから、自信のない選手は後半にジャンプは入れません。

でも羽生選手はジャンプ盛りだくさん(これ以上はルール上も入れられないギリギリ)の「限界演技」を選択したわけです。フィギュアの選手はシーズンを通して同じプログラムを滑り、完成度を高めていくのが一般的です。羽生選手のプログラムはまだまだ「加点」要素がたくさんあります。技と技のつなぎもこれからさらに磨きがかかるでしょう。怪我さえしなければ今シーズンの終わりごろにはトータルで300点近い点数をたたき出す可能性もある、期待に満ちたプログラムです。要注目!

◆そして我が阪神タイガースは金本監督時代へ──「バカボン」掛布二軍監督にも期待大!

そして我が阪神タイガース。真弓、和田と地味な監督の後を引き継いだのが「アニキ」金本監督!二軍監督には天才バカボンのパパのように太って顔もそっくりになった懐かしの掛布!しばらく見ない間にバカボンのパパのような好々爺になった掛布二軍監督は選手がエラーしても「これでいいのだ」なんて言わないでしょうね(笑)。

でも伝説のバックスクリーン3連発、甲子園でこの目で見た私にはあの雄姿が忘れられません。甲子園当時はまだ外野席はプラスティックの椅子がなく、セメントの階段でした。もちろん自由席です。だから入場者数を数えるのもいいかげんで、内野から外野の通路が見えれば5万人、通路が見えなえれば5万5千人というのが基準だったそうです。

その満員の外野席、バックスクリーンにバース、掛布、岡田が巨人槇原投手に3連発を浴びせました。85年優勝した年です。あの時の甲子園の騒ぎ方はもう優勝決定のような喧騒でした。そういえばあの頃は観客の喜怒哀楽が今よりもっと激しかったような気がしますね。槇原が何度もマウンドに座り込んでいたのが印象的でした(関係ありませんが槇原は愛知県の大府高校出身です。この高校は公立でそれほど強くないけど時々秀でた選手を輩出します。元阪神の赤星も大府高校出身です)。

金本監督は秋季キャンプで全開モードです。フルイニング出場の世界記録をもつ47歳はまだ現役時代と体が全く変化していません。打撃だけなら今でもクリーンアップを任せられそうな筋肉のはりがあります。阪神に来る前は広島で鍛え抜かれた金本監督。広島といえばキャンプで練習をさせ過ぎるから、スタートダッシュはいいけれども例年鯉のぼりが空を舞う頃には落下が始まると比喩されるほど、伝統的にきつい練習で有名です。若いころの日々を金本監督は忘れてはいないでしょう。キャンプ2日目には7時間の練習を敢行したそうです。若手選手は「死にそうです」と弱音を吐いている中、金本監督は、なんと練習終了後トレーニングルームで足と膝のトレーニングを始めたそうです。選手はビビりますよね。3日にはキャンプを見に来ている観客が多いので、急遽練習メニューを変更して「今日は予定を変更して紅白戦をやります」と金本監督みずからマイクでアナウンスしました。観客は大喜び。

金本、掛布に加えて、矢野、今岡も脇を固めます。ピッチングコーチが誰になるのかが注目ですが、もうこの首脳陣の名前だけで観客を呼べるでしょう。プレーをする選手も全く気が抜けないでしょう。

来年の公式戦が今から楽しみです。


◎[参考動画]阪神タイガース 秋季練習 最終日 2015年10月30日

(伊藤太郎)

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