発生11年の兵庫2女性バラバラ殺害事件──今も残る「くみとり便所」の謎

どんなに社会の注目を集めた重大事件でも年月が経てば、人々の記憶から消えていく。1月9日に発生から11年を迎えた兵庫2女性殺害事件も例外ではない。

2005年1月、兵庫県相生市の無職・高柳和也(当時39)は自宅で交際していた女性A子さん(同23)とその友人・B子さん(同23)を相次いでハンマーで殴って殺害した。その挙句、被害者2人の死体をバラバラに解体し、海や山に遺棄。そんな凶悪事件は、被害者の家族の訴えをないがしろにした警察の怠慢な対応などもあり、当時、社会の耳目を集めた。

今も高柳が収容されている大阪拘置所

だが、2013年11月に高柳が最高裁に上告を棄却され、死刑判決が確定すると、この重大事件もマスコミで取り上げられることはほとんどなくなった。そのため、関係者や地元の人以外で、今もこの事件を記憶している人はそう多くないだろう。

しかし実を言うと、この事件には、ある重大な謎が残されている。それは、殺害現場となった高柳の自宅の「便所」をめぐる謎である。

◆“くみとり便所”を強調した弁護側

「高柳さんの自宅は、“くみ取り便所”でした。高価な装飾品を置いていたわけでもありません。しかも、高柳さんはどもりがありました。A子さんは風俗嬢で、世の中の裏を知る人なのに、そんな高柳さんのことを会社を経営する資産家だと信じ続けたわけがありません」

2013年10月、最高裁第一小法廷で開かれた上告審の公判で、高柳の弁護人は書面の主張をそう読み上げた。“くみとり便所”という単語を読む時、声に力が込められたように感じた。では、なぜ裁判で便所が問題になったのかというと、こういうことだ。

一、二審判決によると、高柳は自分のことを資産家と偽ってA子さんと交際したため、金品を貢ぐ羽目になり、その挙句に金銭トラブルに陥ってA子さんを殺害。さらに居合わせたB子さんまで口封じのために殺害したとされた。

弁護側はこれに対し、実際にはA子さんは、自分を資産家だと称する高柳のウソを見抜いており、逆に暴力団の叔父の存在も利用して気弱な高柳に金品を貢がせていたのが真相だと主張した。それを裏付ける根拠として、高柳の家が「くみとり便所」だったとアピールしたのだ。

結果、最高裁は弁護側の主張を退け、「犯行の態様等につき不合理な弁解に終始しており,真摯な反省の情をうかがうことはできない」(判決)と高柳の死刑を確定させたのだが――。

取材してみると、実は弁護側の主張は案外切り捨てがたいのだ。

◆どもりながら必死に訴えかけてきた被告人

自分なりに事件の真相を見極めるべく、筆者が大阪拘置所まで高柳の面会に訪ねたのは、最高裁の判決が出てからしばらくした時期だった。面会室に現れた高柳は、透明なアクリル板越しに必死に訴えかけてきた。

「家・・・・・・く、くみとり便所・・・・・・金持ち、思うはずない・・・・・・」

高柳は鑑定でIQが69しかないと判定されていた。どもりは予想以上にひどく、確かに資産家には見えがたい人物だった。仮に最高裁の判断が正しく、被害女性が高柳のことを資産家だと信じ続けていたという一、二審判決の認定が真実だとすれば、被害女性は一体、高柳の自宅が「くみとり便所」だったことや高柳のどもりをどう理解していたのだろうか。

判決確定から2年経った今も筆者は時折、この事件の真相に思いをめぐらせることがある。だが、被害女性たちはこの世になく、高柳も今は確定死刑囚ゆえに一般面会はできない。今さら真相に迫るのは現実的に難しく、謎は永遠に謎のままかもしれない。

▼片岡健(かたおか けん)
1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、フリーのライターに。新旧様々な事件の知られざる事実や冤罪、捜査機関の不正を独自取材で発掘している。広島市在住。

◎家族3人の命が奪われたのに──広島県警が放置する「ある重大未解決事件」
◎10月はなぜ未解決の重大事件が多いのか? 刺殺、放火、バラバラ殺人も迷宮入り
◎再審取り消し決定文書にもパクリ疑惑!──冤罪説が根強い鹿児島「大崎事件」
◎発生から15年、語られてこなかった関東連合「トーヨーボール事件」凄惨な全容
◎3月に引退した和歌山カレー被害者支援の元刑事、「美談」の裏の疑惑

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2月号!【特集】安倍政権を支える者たち!

ベッキー、SMAP、甘利明大臣を繋ぐ「ゲスの極み乙女。」川谷絵音「死神」伝説

「ゲスの極み乙女。」のボーカル、川谷絵音(えのん)とベッキーの不倫騒動がいまだに尾を引いているようだが、芸能界では、「川谷絵音と関わると不幸になる」という伝説が生まれつつある。

『週刊文春』で、川谷の妻が告白しているように、不倫でも妻やバンド仲間が肩身が狭くなり、出演交渉していた 音楽番組も出演を見合わせてスタッフが慌てて代わりを探すなど、 周囲を振り回し、ただでさえ不幸にしているが、それだけではない。川谷が触るものはすべて「崩れ落ちて」いくのだという。

「別にやっかみ半分じゃなくて、川谷は現実に死に神みたいな存在ですよ。まずは、川谷が曲を提供した『SMAP』です。去年の9月に55枚目のシングル曲『Otherside/ 愛が止まるまでは』初週から15万枚以上を売り上げ、初登場1位を記録するスマッシュヒットとなったが、ごらんの通り、女性マネージャーが独立を画策して失墜、唯一の理解者であった女性マネージャーを失い、事務所内でも味方がいなくなりつつありますし、いまだにマスコミの餌食となっています。また、昨年の5月にマイナンバーのPRおよび説明をするときに『私以外、私じゃないのぉ~あたりまえだけど だからマイナンバーカード♪』と「ゲスの極み乙女。」の曲を歌ってみせた甘利明経済再生相は、独立行政法人都市再生機構(UR)が行っている道路建設の補償を巡り、甘利事務所に口利きを依頼した件で政治資金規正法とあっせん利得処罰法違反に問われている。さらに、2014年に楽曲『戻れないから』を10月8日に提供した山下智久は、直後の11月4日に、六本木の路上で 錦戸亮、赤西仁らといるときに、暴行事件を起こし、警察沙汰を起こしているのだ。まさに『人生を崩壊させる』悪しきエネルギーに満ちているのが川谷だというのです。つけ加えるなら、山下は「5→9~私に恋したお坊さん~」(フジテレビ)が平均視聴率11.7%(ビデオリサーチ調べ)など主演のドラマが あいついで低視聴率にあえいでいます。ドラマのオファーはなくなりました」(芸能ジャーナリスト)

こうした偶然がつぎつぎと重なるものだろうか。タロットや四柱推命を駆使し、政治家、実業家や歌手などの大物が好んで契約する占い師「くら葉」は人の持つ運気が見える。

「もしかしたら、川谷さんが体から発している負のエネルギーは、人の幸運をすべて吸い尽くすたぐいのものであると言えます。私にははっきり言って、紫の色が見えます。人の幸運を吸い取る運気としては、最悪の色ですね」と指摘する。

心配なのは「ゲスの極み乙女。」が所属するレコード会社の韓国アーティスト『BIGBANG』に解散の噂が出てきたこと。

「まあ、川谷と縁を持つと、人生が崩壊しつつあるというのは、半ば冗談で音楽関係者が語っていたのだが、この話が業界を席巻するとビジネスに悪影響が出てしまう。川谷サイドは、関係者に『変な噂に惑わされないでください』と否定に躍起だが、今後の推移によっては『業界の死神扱い』をされるかも」(レコード会社社員)

川谷に人生を崩壊させられたとすれば、バンドの新曲『両成敗』というわけにはいかない。
一方的に「あいつのせいでビジネスがうまくいかない」と罵倒されるであろう。

(鈴木雅久)

◎コカイン所持で逮捕された高部あいが狙っている「韓国での再デビュー」
◎福山雅治はマスコミを煙にまくのが天才的に上手かった!
◎川島なお美の死に群がる自称「写真集コーディネーター」たちの醜態

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芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』

《脱法芸能55》吉松育美VS谷口元一裁判(15)谷口氏の証人尋問2

谷口元一氏の主尋問が続く。

池田尚弘弁護士 続いて、吉松さんのお父さんについてお話を伺います。吉松さんのお父さんに電話をしたことはありますか?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 電話をしたのはいつごろか覚えていますか?

谷口元一 正確な日時は覚えていません。

池田尚弘弁護士 吉松さんの方からその時の録音を反訳したものがあって、それによると平成24年6月ということなんですけど、だいたいそのぐらいで間違いないですね?

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 吉松さんのお父さんに電話をしたのは何の目的でしたか?

谷口元一 マットさんからお金が返ってこないので……吉松さんから僕もしくは弁護士さんに連絡を……。

池田尚弘弁護士 マットさんにお金を返してもらおうと、そういう風に伝言を伝えたということですね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 何回ぐらい、お父さんに電話をしましたか?

谷口元一 2、3度。

池田尚弘弁護士 その2、3度以上に何回も何回も電話をしたり、早朝に電話をしたり、深夜に電話をしたことはありますか?

谷口元一 ないです。

池田尚弘弁護士 あなたは吉松さんのお父さんとの電話の中で吉松さん、もしくはその家族に対して生命・身体に危害を加えると言ったことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 はい。一番最後に先ほど、2、3度お話をしたとおっしゃっていましたが、一番最後にお話したのをいつの日か覚えていますか?

谷口元一 詳しい日時は覚えていません。

池田尚弘弁護士 はい。原告吉松さんが提出した甲3号証の1を示します。ここによると、2013年の9月25日にお話をされています。3回目、この時、どのくらいの長さ、お父さんと話したか覚えていますか?

谷口元一 2、30分。

池田尚弘弁護士 2、30分ですか? ここに通話記録約28分とありますが、だいたいこのぐらいの長さ、お父さんと話されていたということでよろしいですか。さあ、その30分間、お父さんと話している間、吉松さんのお父さんはあなたに対して恐怖を感じたり、興奮しているといったような状態でしたか、それとも淡々と話しているといった状態でしたか?

谷口元一 淡々と話している感じでした。

池田尚弘弁護士 30分ほど、普通に淡々と話していたということですね。平成25年6月から9月まで3回ぐらいお父さんに連絡をされたということなんですけど、その間、吉松さんのお父さんはあなたに対して連絡を拒否したり、敵対的な態度をとったりということはありましたか?

谷口元一 ないです。

池田尚弘弁護士 そのお父さんに連絡をされたころ、あなたは吉松さんの実家、お父さんが暮らしているところに何か資料を送ったことはありますか?

谷口元一 あります。

池田尚弘弁護士 どういった資料を送りましたか?

谷口元一 私がいかにだまされたかという資料を送りました。

池田尚弘弁護士 先ほどおっしゃっていた判決でテイラーさんが谷口さんを騙したから、1000万円払えという判決が出たので、その判決の資料を送ったということですね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 なぜその資料を送ったのですか?

谷口元一 お父さんから求められて、その資料を……。

池田尚弘弁護士 お父さんの方から依頼されて、送ったということですね。その他にも何か送ったものはありますか?

谷口元一 どこの新聞かは忘れましたが、新聞記事を送りました。

池田尚弘弁護士 はい。あの甲20号証を示します。「ミス・インターナショナル美女に怪しい男の影」というタイトルが記載されている新聞の記事、これを送ったということですね。なぜ、「ミス・インターナショナルの美女に怪しい男の影」という新聞記事を送ったのでしょう?

谷口元一 マネージャーのマットさんについて書いてあるものがあれば送ってくださいと言われましたので。

池田尚弘弁護士 会話の中でお父さんから吉松さんのマネージャーのことを聞かれ、そういった記事を送ってくださいと言われて、お父さんの依頼を受けて送ったということですね。さあ、続いて、久光製薬との契約についてお話をします。原告が出したあなたと吉松さんのお父さんとの会話の中で久光製薬の中冨社長というお名前が出てきますが、どういった流れでこの中冨会長という名前が出てきたんでしょうか?

谷口元一 どこの誰か分からないのがいきなり電話しても信用してもらえないと思い、(吉松さんの出身地である)佐賀を代表する久光製薬の名前を出しました。

池田尚弘弁護士 久光製薬とあなたは何か関係があったんですか?

谷口元一 仕事上で過去。

池田尚弘弁護士 過去、仕事をしていた? じゃあ、急に連絡をしても誰か分からないので、そういった佐賀を代表する会社と以前仕事をしていたという自分の身分を分かってもらいたかったということですね。さあ、久光製薬と吉松さんとの宣伝広告契約の締結を妨げる目的で久光の関係者にあなたは吉松さんやテイラーさんのゴシップネタを何か直接告げたことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 その当時、久光製薬と吉松さんは企業CMの件で打ち合わせをされていたようなんですけど、そのことをあなたは知っていましたか?

谷口元一 いえ。

池田尚弘弁護士 中冨社長に対して、テイラーさんや原告吉松さんのことを何か話したことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 久光製薬の宣伝の担当の代理店からあなたに対して吉松さんやテイラーさんのことで何か問い合わせはありましたか?

谷口元一 マットさんと僕との訴訟の事実を、詐欺でだまされたっていう判決が出た、そのことを知った電話が先方からありました。

池田尚弘弁護士 先方というのは具体的には?

谷口元一 (電通系キャスティング会社の)ホイッスルのアマヤさん。

池田尚弘弁護士 ホイッスルのアマヤさんからテイラーさんのことについて、問われたということですね。その質問に対してあなたはどう答えましたか?

谷口元一 全部、だまされた状態で……。

池田尚弘弁護士 そのホイッスルの社長さん、アマヤさんから原告吉松さんのことについて何か聞かれましたか?

谷口元一 聞かれておりません。

池田尚弘弁護士 ホイッスルのマツシマさんという方はご存じですか?

谷口元一 存じあげておりません。(続く)


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

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新井竜太死刑確定囚の獄中手記を全公開! 裁判員裁判初の「冤罪」主張へ

〈『さいたま地検の出鱈目を暴くゲーム』の話をしよう。〉

筆者の手元には、そんな書き出しで始まる45枚に及ぶ手記のコピーがある。執筆者は、新井竜太という。昨年12月4日、最高裁で上告を棄却され、死刑確定した46歳の男だ。

横浜市で内装業を営んでいた新井は2010年に、2件の殺人事件の容疑で検挙された。容疑内容は、従弟の無職・髙橋隆宏(42)に指示し、2008年3月に髙橋の「養母」安川珠江さん(当時46)を保険金目的で殺害させ、さらに2009年6月に金銭トラブルとなった伯父の久保寺幸典さん(同67)も殺害させた疑い。「実行犯」の髙橋が罪を認め、一足早く無期懲役刑が確定したのに対し、新井は裁判で「いずれの事件も自分は無関係で、髙橋が1人でやったことだ」と無実を訴えていた。しかし2012年2月、さいたま地裁の裁判員裁判で死刑を宣告され、この死刑判決が控訴審と上告審でも追認されたのだ。

45枚の手記は、新井が昨年の秋、最高裁の判決が出る直前に綴ったものだ。無実の自分が髙橋に罪を押しつけられて容疑者となり、警察や検察の不当な捜査によって連続殺人事件の首謀者へと仕立て上げられていく過程が当事者の立場から詳細に綴られている。

手記によると、警察や検察は当初、髙橋の供述に基づいて、新井の家族を「殺人家族」だとみており、新井のみならず、家族で殺人に関与しているかのように疑っていたという。そこで、新井は家族を巻き込まないように取り調べで自白したが、裁判では容疑を否認し、さいたま地検の作り上げた出鱈目なストーリーを暴くゲームをしているという意識だったという。

結論から言うと、筆者は2年間に渡って取材を重ね、この新井を冤罪だと確信するようになった。髙橋が実際には自分1人で2件の殺人に手を染めたにも関わらず、死刑を免れるために取調室で首謀者は新井だというストーリーをでっち上げたことを示す事実が散見されるからだ。

たとえば裁判では、髙橋が事件屋のような男や暴力団組長の元妻である女と結託し、新井から金をだまし取り、笑い者にしていたことを示すメールの記録が示されている。そしてそもそも、髙橋は新井とは関係なく、安川さんをはじめ、出会い系サイトで知り合った様々な女性を売春させるなどして金をむしり取るなどの悪事を重ねていたことも明らかになっている。にも関わらず、髙橋は2件の殺人については唐突に新井の指示で実行したような話をしているのだが、あまりに不自然なことである。

◆手記に示された冤罪の難しさ

新井竜太の手記01

ただ、何も知らない人が新井の手記に目を通しても、おそらく新井のことを無実だとは思えないだろう。その文体には独特のクセがあるからだ。

たとえば、新井は手記で、逮捕された時のことを次のように書いている。

〈騙し討ちのような突然の拉致、そして監禁――
そんな、隣国の秘密警察が得意とする卑怯な行為を仕掛けて来たのは、さいたま県警の連中だった。
「俺達は、正規の手続きを踏んで逮捕しているんだ!」
抵抗する僕に、刑事は紙切れをひらひらさせて胸を張る。〉

〈「ワタシ、ハングル、ノーノ―」と抗ったのも僕としては妥当な行動だ。
「フザケるな」と刑事に怒鳴られたが、フザケてないし。〉

この文章を読み、新井のことを無実と思えないどころか、殺人者が悪ふざけしているような印象を抱いていた人もいるのではないかと筆者は懸念する。新井の45枚の手記では、このような記述が延々と続く。それゆえに筆者は、新井の手記を読み、新井のことを無実だと思える人は少ないだろうと予想するのだ。冤罪の難しさはここにある。

◆「普通ではない人」が重大犯罪の濡れ衣を着せられる

新井竜太の手記02

というのも、筆者はこれまで様々な冤罪事件を取材してきたが、殺人のような重大犯罪の濡れ衣を着せられる人は、実は大半が「普通ではない人」だ。最たる例があの河野義行だろう。

河野はオウム真理教が起こした松本サリン事件によって奥さんが寝たきり状態となり、自らも負傷したうえに重大な冤罪被害に遭った。にも関わらず、事件の首謀者を「麻原さん」と呼び、「限りある人生の時間は人を恨むより、有意義なことに使いたい」と言ってのけている。無実だと誰からも知られた今だからこそ、河野はこうした言動によって「立派な人」だとか「人格者」だと評価されている。しかし、世の多くの人は仮に河野がまだ疑われている時期に、河野のこのような人柄に触れたなら、「あいつは犯人だから、そんなことを言うのだろう」と思ったことだろう。

同じようなことが、警察車両で4人殺害事件の容疑者として連行されながらニコニコし、毎日新聞に「不敵なうす笑い」などと書かれた袴田巌にも当てはまる。袴田が日本の大半の人から冤罪被害者と認識された今でこそ、この時の袴田の笑みは「すぐに自分の疑いは晴れるはずだ」と確信しているからこその余裕の笑みだと誰もが思う。しかし当時、この記事を見た人たちは「なんというふてぶてしい犯人だ」と思ったはずである。無実の身で有罪なら死刑という重大な事件の容疑をかけられながら、ニコニコするというのは「普通ではない」からだ。

では、新井はどうか。筆者は2年間、新井を取材してきて、新井のことも「普通ではない人」であるように認識している。人となりに関する評判はむしろ良い。ただ、ものの考え方や言動が独特で、誤解をまねきやすいところがある。それが今、新井が苦境に陥っている原因の1つになっている。それが筆者の見方である。

仮に今後、新井が誰からも無実だと思われる冤罪被害者になれば、この手記も「死刑確定が間近に迫った時期においても、(ブラック)ユーモアあふれる手記を獄中で綴っていた人物」と評価されることになるだろうと予想する。だが、そうならなければ、そこに待っているのは冤罪処刑という悲惨な結末だろうと筆者は考えている。

実を言うと、新井は2009年に始まった裁判員裁判で、完全無罪を訴えながら死刑が確定した初めての例である。そんな人物が今後どんな運命をたどるのかをぜひ、読者諸氏にも注視して欲しい。そんな願いをこめ、ここに新井の手記45枚を公開しておく。

◎全文公開=新井竜太の手記45枚のPDF

新井竜太の手記

▼片岡健(かたおか けん)
1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、フリーのライターに。新旧様々な事件の知られざる事実や冤罪、捜査機関の不正を独自取材で発掘している。広島市在住。

◎家族3人の命が奪われたのに──広島県警が放置する「ある重大未解決事件」
◎3月に引退した和歌山カレー被害者支援の元刑事、「美談」の裏の疑惑
◎発生から15年、語られてこなかった関東連合「トーヨーボール事件」凄惨な全容

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2月号!【特集】安倍政権を支える者たち!

新日本キック新春興行「WINNERS 2016 1st」は好カードづくしでファンを魅了!

◎WINNERS 2016 1st / 2016.1.10 後楽園ホール 17:00~21:25
 主催:治政館ジム / 認定:新日本キックボクシング協会

メインイベントは志朗(松本志朗/治政館)が挑戦するISKA世界バンタム級王座決定戦。チャンピオンのディーン・ジェームス(イギリス)が負傷欠場で王座返上。1位.ダニエル・マッグウォーン(イギリス)と5位.志朗が王座決定戦を行なうことになりました。志朗は昨年5月17日にISKA世界ランキング査定試合で、ネクター・ロドリゲス(スペイン)にKO勝利しており、挑戦資格圏内に入りました。

この日の志朗の試合は1月30日(土)テレビ埼玉で20:00より、土曜スペシャル枠で「志朗ドキュメンタリー」が放送されます。

◆ISKAは「キック系ではいちばん権威ある世界王座」

世界認定機構が多く存在するキックボクシング系競技は、プロボクシングの発展経緯とは異なり、発展途上の段階で多くのマイナー世界認定機構が出現した競技でしたが、その中でISKA(International Sport Kickboxing Association)は、1986年にアメリカ・フロリダ州に拠点を置く組織として設立し、同年ヨーロッパに統括本部が発足。1990年代にはヨーロッパ各国で活発な世界戦開催で権威を増し、2000年代に入って日本でも世界戦が行なわれてきた経緯があり、「キック系ではいちばん権威ある世界王座」とファンや業界内では言われています。

ルール別により王座が複数あったり、階級リミット設定がプロボクシングより異なる点はありますが、知名度と活動実績は他の団体より、はるかに進んでいるようです。今回のISKA世界戦開催に当たり、ISKA日本代表・加藤勉氏が立会人として認定宣言をされています。

《主要5試合の結果》

◆ISKAムエタイ世界バンタム級(55.0kg)王座決定戦 5回戦
1位.ダニエル・マッグウォーン(イギリス/55.0kg)vs 3位.志朗(治政館/54.7kg)
勝者:志朗 / 0-3 (主審 和田良覚 / 副審 少白竜 47-48. 桜井 47-48. 仲 46-49)
ムエタイルールとして行なわれている展開としてはどちらにポイントが流れるかわからない攻防ながら、志朗がローキックによる主導権支配とボディーへのパンチがダニエルの動きを鈍らせ判定勝利。

ダニエル・マッグウォーン(左)vs志朗(右)。接近戦ではヒジ打ちに注意だが、志朗も対策は充分

◆55.5kg契約 5回戦
日本バンタム級チャンピオン.瀧澤博人(ビクトリー/55.45kg)vs タイBBTVバンタム級チャンピオン.パカイペット・ニッティサムイ(Prakyphet/タイ/55.5kg)
勝者:パカイペット・ニッティサムイ / TKO 5R 1:38 / 左ミドルキック受け劣勢の中、タオル投入による棄権。
ローキックとパンチの重さと次に繋げるパカイペットの前進力が瀧澤を後退りさせる。昨年、強気で“日本を越えて上のステージでの戦い”をアピールしていた瀧澤でしたが、やっぱりムエタイ一流選手相手には、瀧澤が新人のように見える力の差が表れました。この敗北からまた瀧澤の再浮上に期待と注目が集まります。BBTVはタイ7チャンネルのテレビ局で、歴史は古い団体です。

パカイペット・ニッティサムイ(左)vs瀧澤博人(右)。ミドルキックで瀧澤の腕を殺していく、すべてが重い蹴りだったパカイペット

◆52.0kg契約 5回戦
日本フライ級チャンピオン.麗也(高松麗也/20歳/治政館/52.0kg)vs 伊藤勇真(前・WPMF日本フライ級C/18歳/キングムエ/51.7kg)
勝者:麗也 / 3-0 (49-47. 50-47. 50-47)
学年でひとつ違い、話題の低年齢のアマチュアキックから始め、タイでも戦ってきた両者で、その頻度と現地定着率は伊藤が上回っていますが、タイで活躍している方が負けるのは昔からよくあるパターンでした。 ホームリングで戦う麗也のキックボクサーとしての積極性が主導権を握り判定勝利。両者の経験値が増せばまた違った展開になるでしょう。今後も何度でも対戦して欲しい両者です。

麗也(左)vs伊藤勇真(右)。若い対決。主導権を握った麗也のハイキック

◆日本ウェルター級挑戦者決定戦3回戦
1位.松岡力(目黒藤本/66.3kg)vs3位.政斗(治政館/66.25kg)
引分け / 0-0 (29-29. 29-29. 29-29 / 延長戦 9-10. 9-10. 9-10)
引分けにより、上位進出を懸ける試合に義務付けられる“優勢”を決める延長戦に入り、政斗の優勢点で“勝者扱い”。戦歴では7戦同士、このところ、大物に勝利している松岡有利かと思われましたが、政斗のしぶとさと、松岡もスタミナ切れか戦略を誤ったか、失速が目立ちました。政斗は、チャンピオン.渡辺健司(伊原稲城)への挑戦権獲得。

松岡力(左)vs政斗(右)。松岡力もしぶとい技があり、ヒザ蹴りで攻める

◆日本フェザー級挑戦者決定戦3回戦
2位.瀬戸口勝也(横須賀太賀/56.9kg)vs3位.石原将伍(ビクトリー/56.9kg)
勝者:石原将伍 / 0-3 (26-29. 26-29. 26-29)
強打者同士の対決。第1ラウンドに右ストレートでダウンを奪った石原でしたが、次第に回復した瀬戸口の反撃に押されるも、第3ラウンドに再び連打でダウンを奪って結果的に大差判定勝利となりましたが、打ち合い激しく勝利がどちらに転ぶかスリルある展開でした。石原将伍は、チャンピオン.重森陽太(伊原稲城)への挑戦権獲得。

瀬戸口勝也(左)vs石原将伍(右)。ダウン奪われてもパンチ力に自信ある瀬戸口が反撃

新日本キックボクシング協会、次回興行は3月13日(日)伊原プロモーション主催のMAGNUM.40が開催されます。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

◎芽が出始めたムエタイ新時代──タイで通用する若手選手が続々出現!
◎ティーンズチャンプがキック界を刷新する?──2015年回顧と2016年展望
◎強くなるためにタイへ行く!日本キックボクサー「ムエタイ修行」今昔物語
◎ルール変更の紆余曲折から辿る日本キックボクシング界の栄枯盛衰クロニクル
◎キック新時代を牽引するRIKIXジムの「NO KICK NO LIFE」

『紙の爆弾』2月号!【特集】安倍政権を支える者たち!

「先頭で行動する政治学者」山口二郎氏を迎えて前田日明ゼミ第4回開催!

1月16日西宮市甲子園ノボテルで第4回の「前田日明ゼミ」がゲストに法政大学教授で政治学者の山口二郎氏を迎え80余名の参集のもと行われた。

松岡社長の挨拶に続き、山口氏の講演がはじまった。「おとなしくアカデミズムの世界で仕事するのは終わりかなと考え東京に移った」という山口氏は、この間、先頭に立って行動してきた学者である。

山口二郎氏

「天皇制と、戦争放棄が密接な関係にある憲法、天皇陛下の方が安倍総理より余程真っ当な歴史認識を持っている、無責任な支配の特徴、主観と客観の区別がつかない。かつての自民党には官僚出身の合理的政治家、地べたを這いずるように弱者を助けようとする政治家がいた。政治に蔓延する『反知性』主義、今年は闘いの年、自由は突然奪われるのではなくひたひたと圧迫や弾圧のレベルが上がってくる。民主主義をどう育てるか、私自身も野党結集を画策している。選挙に行かないとどうにもならない。安倍政治が本当にいいかどうか考えたら変わる。やればできる」(山口氏)

山口二郎氏と前田日明氏

休憩をはさんでホストの前田氏との対談に移った。

前田氏が対談で訴えたことは、「小泉政権から始まった偽りのグローバルスタンダード」「安倍政権は経団連株を買っている」「学生の連中も安保法案に対いて頑張った。そこが日本政治を変えて行けるように期待している。次の選挙は18歳から選挙権が与えられるので注目している」ということだった。

これに対して、山口氏も強い危機感で反応した。
「日本はまとまった見解を米国にぶつけたことがない。それが出来る政治家を作り上げていかなければいけない」「選挙で下手をすると二大政党制は無くなってしまう」「政権奪取の意欲が民主党に薄れている」「自信喪失。新しい物を議論すればいいのに、おおさか維新と組みたいとか『集団的自衛家』一部容認など言い出せば国民への訴求はない」

前田氏はさらに「日本の美しさ、理念の破壊が90年代頃から進んでいる。日本人は自国のものでなくとも技術を磨きそれを改良していく美しい連鎖があったが、アメリカの『グローバルスタンダード』で潰されそうだ。そのきっかけを作ったのは小泉純一郎だ」と喝破する。

次いで両氏が最近の動向について意見を交わす。

山口 大人が若者に利用され搾取されている。マスコミの現場の人が頑張って視聴者が応援していく。

前田 はっと気づいたらおかしな時代になっているのではないか。安保法制はどうとも思わないけど憲法9条は絶対守るべきだと思う。自国は自国で守るべきだと。国として自衛をするんだったら自分は賛成。自衛隊法のような不備な法律では戦えない。でも安倍はアーミテージから言われたこを実行しているだけ。

丁々発止の議論がテンポよく行われた。次いで会場からの質問が出された。

質問者「日本へのアメリカの影響力具体的な行動を教えてください」

山口 「90年代から日米安保運用が変化してきた。実務的には既に様々な関係がある上に安保法制を上乗せするのはおかしいと言うのが言いたかったこと。でも米中には絶対戦争しない黙約がある。尖閣も棚上げて数十年前に戻すべきだと思う。これからISの地上戦にアメリカが進む時に日本はどう対処するかを考えておくべき。ISを軍事力で解決できるかという問いがある。下等生物は切っても、切ってもまた増殖する。アメリアの軍事力行使と距離をおいて考えていくべきだ」

前田 「東京オリンピックにおける『テロ』が怖いと思う。報道にも大きな問題があり一概にISが悪いとは言えない。アメリカの誤爆、誤射にも大きな原因がある。安倍首相はそこで何か起こったら『ほらこんな体制では危険だろ』といってさらに強化を図ろうと考えているのではないか」

と多岐にわたる話題展開され、あっという間に終了時間を迎えた。

「ゼミ」終了後はお二人の講師を交えて懇親会が行われた。時あたかも甘利経済再生担当大臣への1200万円の賄賂疑惑が沸き起こり、株価は連日暴落を続けている。
益々の混迷が明らかな2016年。鹿砦社主催の「西宮ゼミ」は今年も多様な価値をお届けし続けることだろう。

次回2月28日(日)には木村草太氏をゲストにお招きし手の開催が決定している。受講ご希望の方は早目のお申し込みを。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎第3回「前田日明ゼミin西宮」──田原総一朗氏を迎えて聴衆120人の大盛況!
◎第1回前田日明ゼミ開催!──新右翼鈴木邦男さんと「真の愛国者」を問う!

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《脱法芸能54》吉松育美VS谷口元一裁判(14)谷口氏の証人尋問1

吉松育美対谷口元一裁判の証人尋問は、谷口氏の主尋問(谷口氏側弁護士からの質問)へと移った。

谷口氏は、大手芸能事務所ケイダッシュの取締役、ケイダッシュの関連会社、パールダッシュの社長を務めている。ケイダッシュといえば、バーニングプロダクションの取締役でもある川村龍夫が代表取締役会長を務めており、芸能界での影響力は大きい。

谷口氏の経歴は不明な点が多いが、「芸能界のドン」と言われるバーニングプロダクションの周防郁雄社長はかつて用心棒だった神戸を拠点とする非指定暴力団、ニ代目松浦組の笠岡和雄組長に対し、「谷口は息子の家庭教師をやってもらったことがあって、身内なんですよ」と語ったことがある。

芸能界では「本籍ケイダッシュ、現住所バーニング」と言われ、ケイダッシュに籍を置きながら、バーニングの意向を体現し、権勢を振るっているとの指摘がある。

だが、証人尋問での対に口氏は、弁護士からの質問に蚊の鳴くような声でしか答えず、「芸能界の権力者」というイメージからは程遠いものだった。

本稿では、谷口氏の発言であまりに聞き取りにくい部分については、「……」として省略している。

池田尚弘弁護士 被告代理人池田から質問します。乙52号証と54号証を示します。これは陳述書というものですが、これはあなたから私たちが聞いたお話を私たちがまとめ、それを確認の上、署名・捺印してもらったということでよろしいですね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 まずは、マット氏との関係を伺いします。あなたは原告の海外エージェントと言ってますけど、吉松さんの海外エージェントのマット・テイラー氏とはどういう関係ですか?

谷口元一 詐欺の被害者です。核兵器を解体するという映画を撮らせるということで……。

池田尚弘弁護士 (マット氏が谷口氏に対して1000万円の支払いを命じる)判決以降、あなたはマットさんからお金を返してもらいましたか?

谷口元一 1円も返してもらっていません。

池田尚弘弁護士 1円も返してもらっていない? 分かりました。さあ、続いて、日本テレビ局内の出来事について伺います。平成24年12月30日、日本テレビ局内にあなたいましたね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 そのとき、あなたは何の用があって、日本テレビ局内にいたんですか?

谷口元一 年末ということで、各局を回って挨拶をしていました。

池田尚弘弁護士 日本テレビにいる方に挨拶をするためにいたということですね? テレビ局内にはどうやって入ったのでしょうか?

谷口元一 入構証を持っていたのでそれで入りました。

池田尚弘弁護士 乙55号証を示します。ここに下に書いてある日テレ、これが入構証ということですね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 この入構証は、一定の番組だけに入れるものなんですか?

谷口元一 日本テレビ全局に入れます。

池田尚弘弁護士 分かりました。『バンキシャ!』のスタジオに入ったのもこの入構証ですか?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 そうすると、『バンキシャ!』のスタジオに入るための入構証ではない、別な局の入構証を使って入ったということはありますか?

谷口元一 ないです。

池田尚弘弁護士 なぜ『バンキシャ!』のスタジオに行ったのでしょう?

谷口元一 生放送中、知り合いのマネージャー、福澤朗さんのマネージャーの野沢さんという方がいらっしゃって、親しい間柄なのでその人が来るかなと思って行きました。

池田尚弘弁護士 福澤さんは『バンキシャ!』に司会者として出ていることは、ご存知なんですね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士
 そのマネージャーさんに挨拶をするために行ったということですね。そこにテイラーさんがいたと思うんですけど、バンキシャのスタジオにテイラーさんがいることをあなたは予め知っていましたか?

谷口元一 知りません。

池田尚弘弁護士 そうすると、偶然に会ったということなんですか?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 そこでテイラーさんに声をかけましたか?

谷口元一
 はい。

池田尚弘弁護士 どのような目的で声をかけましたか?

谷口元一 お金を返して欲しいので、連絡を、弁護士さん、もしくは僕にどうして入れないのかと。

池田尚弘弁護士 具体的にどのように声をかけたのか覚えていますか?

谷口元一 具体的には覚えていないです。

池田尚弘弁護士 相手方、原告が言うには、あなたは日本テレビのスタジオ内でテイラーさんに対して「詐欺」「自己破産した」「金返せ」「本当のマネージャーではない」と大声で叫んだと言っていますけど、こういった事実はありますか?

谷口元一 生放送中なので大声を出すことはしません。

池田尚弘弁護士 そのスタジオに吉松さんもいましたか?

谷口元一 いたと思います。

池田尚弘弁護士 今まで日テレで吉松さんを見かけるまで吉松さんに会ったり話したりしたことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 日テレ以降、吉松さんに会ったり話したりしたことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 そうすると、日テレで吉松さんを見かけた一度だけということでよろしいですか?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 生放送終了後、あなたはスタジオの中で原告吉松さんに声をかけたことはありますか?

谷口元一 ないです。

池田尚弘弁護士 あなたはどなたかに声をかけましたか?

谷口元一 マットさんです。

池田尚弘弁護士 その放送終了後、あなたはマットさんに声をかけ、マットさんはどういうような行動をとりましたか?

谷口元一 逃げて行きました。

池田尚弘弁護士 どちらの方へ逃げて行きましたか?

谷口元一 スタジオから控室に……。

池田尚弘弁護士 誰の控室ですか?

谷口元一 出演者全員の。

池田尚弘弁護士 スタジオから出てからの吉松さんとマットさんと谷口さんの位置関係を教えて下さい。

谷口元一 吉松さんが今、裁判官がいるあたりにいて、その数メートル後に出演者以外のスタッフがいて、そのあたりに……。

池田尚弘弁護士 まず、吉松さんのすぐあとにテイラーさんがいたんですか?

谷口元一 2、3メートルあとに。

池田尚弘弁護士 谷口さんはテイラーさんの何メートルあとにいたんですか?

谷口元一 同じぐらい。

池田尚弘弁護士 そうすると、吉松さん、2、3メートルあと、テイラーさん、そのあとに谷口さんということですね。さあ、あなたはテイラーさんに対して、廊下で何か声をかけましたか?

谷口元一 同じように、お金返してということと……。

池田尚弘弁護士 それはテイラーさんに対して?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 あなたは吉松さんの控室に入って吉松さんの手をつかんで無理やり出そうとしたことはありますか?

谷口元一 ないです。

池田尚弘弁護士 あなたはテイラーさんにお金を返してと話していたようですが、その後、テイラーさんはお金を返してくれましたか?

谷口元一 ……1円も返してくれません。

池田尚弘弁護士 連絡くれましたか?

谷口元一 ないです。(続く)


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

○吉松育美さん公式サイト=http://ikumiyoshimatsu.com
○吉松育美さんFacebook=https://www.facebook.com/yoshimatsuikumi
○吉松育美さんYouTube=http://www.youtube.com/user/yoshimatsuikumi

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』
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これで終わるような人ではない! SMAPを育てた飯島マネージャーが復活する日

1月18日の「SMAP×SMAP」(フジテレビ)で解散を回避すべく生放送で5人で謝罪してみせた「SMAP」だが、すっかり雲隠れしていると言われていたチーフマネージャーの飯島三智氏は、捨てる神あれば拾う神あり、で、韓国の芸能関係者から「ぜひうちのタレントの面倒をみてほしい」とオファーが来ているという。

「もともと、草なぎ剛が韓国語を覚えて、韓国芸能界に進出する様子を描いた『チョナン・カン』(フジテレビ)を通じて韓国の芸能界との交流を始めたのです。番組はクォン・サンウやイ・ミンホなど韓国の有名タレントがたくさん出てきて、太いパイプがジャニーズと韓国の芸能事務所との間にも築かれたのです。番組が始まって以来、2001年から続く韓国芸能界と飯島女史は深いパイプがあり、番組が終わってからもプライベートで韓国の芸能界関係者と会っていたようです」(芸 能ジャーナリスト)

飯島氏には、ジャニーズ事務所関係者のみならず、今は近親者でも連絡がとれない状態だとされているが、事情通によると、「今月いっぱいでジャニーズ事務所を退社するが、SMAPのテレビでの会見を見て安心して旅立つ決意を固めたようです。そもそも、今回の騒動に関してひとことも話さないと一筆、ジャニーズ事務所サイドにとられていますから、まあ、今回の騒動のことは墓場までもっていくでしょうね」とのこと。

「馬鹿な週刊誌の記者が、寒空の下で毎日、女史が住むマンションで張り込んでいるが、そんな場所に帰ってくるわけがない。記者の取材手法や腕、実力が問われたのが今回のSMAPの解散騒動だったのです」(前出・ジャーナリスト)

さて、飯島氏の韓国行きをバックアップしているのは政財界に顔がきく大物だと言われている。
「もちろん、何か発言すれば日本の経済に影響を与えるような人がバックアップしています。法律的にも、経済的にも彼女を守っていくことでしょうね」(同)

今回の解散騒動ですっかり「ヒール」となった感のある飯島氏だが、その実力は折り紙つき。
「これで終わるような人ではないでしょうね。またどこかで彼女は浮上してきますよ」(同)

ジャニーズ事務所に飯島氏の居場所を聞くと「お答えできません」と冷たいこたえが返ってきた。

番組で「SMAP」の木村拓哉は「ただ前を向いて進みたい」と語った。
袂をわかった飯島氏も、顔をあげて前に進み始めたようだ。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

◎SMAP解散を当て込んで中国人業者のSMAPレアグッズ爆買いが始動!
◎今春3月28日『AKB卒業』と同時に解禁される高橋みなみのスクープ戦!
◎川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化
◎国勢調査の裏で跋扈する名簿屋ビジネス──芸能人の個人情報を高値で売買?

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《大学異論44》同志社大学幹部職員逮捕は学内政治と無関係な事件なのか?

1月19日、同志社大学の幹部職員をはじめとする6名が逮捕されたと報じられた。容疑は廃棄物の処理方法に関することだと言われているが、この程度で大学の職員が令状逮捕されるのは極めて異例だ。テレビでは被逮捕者も含め実名報道がなされている。思い起こしてほしい。直近に起こったカレーチェーン店の処理物廃棄問題との際立ちを。

この逮捕劇には必ず裏がある。この程度の事で令状逮捕を強行する裏にあるのは「政治的」理由に他ならない。昨年「戦争推進法法制」に賛意を国会で表明した村田現学長を同志社が落選させたこととの関連はもちろん不明だ。

かなりの注意深さを持って推移は見守られるべきだ。理事長水谷氏が「今後このようなことが無いように注意する」とコメントを発しているが、被逮捕者は依然、起訴すらされいない。

学内政治と無関係な「事件」と断じる方が無理があろう。
同志社よ「腹をくくれ」。

◎[参考動画]2015年7月13日衆議院平和安全特別委員会中央公聴会(村田晃嗣は動画13:35から)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎「一期限り」を公言しながら再選狙った村田前学長が同志社大学長選で落選!
◎奨学金地獄と高すぎる学費──揺るぎなき教育貧困国・日本
◎沈黙する大学の大罪──なぜこんな時代に声を上げないのか?
◎2015年日本の現実──日本に戦争がやってくる

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《脱法芸能53》「訴訟の準備をしております」と筆者に警告してきた匿名メール

当連載で前回お伝えしたような奇妙な電話は、私が『芸能人はなぜ干されるのか?』を出版する前からあったことだ。

もう何年も前のことになるが、「何かネタはないか?」と面識のないヤクザ風の男から探りを入れるような電話があったし、「ブローカーをしている」というやはり面識のない人物から「仕事を頼みたい。安室奈美恵の下半身スキャンダルがある」という電話が非通知でかかって来たことがあった。

2014年8月に安室奈美恵の独立騒動が持ち上がったことがあったが、その際、安室と安室に独立を焚き付けているされる人物との関係がクローズアップされ、「これのことだったのか」と思った。

◆「星野の自宅を教えれば、もうメールは送らない」という匿名メールが編集者に届いた後に

つい先日も奇妙な出来事があった。鹿砦社の忘年会で知り合いの編集者からこんな話を聞いた。

「最近、匿名のおかしなメールが届くようになって困っている。さっきもほとんど知っている人がいないはずの携帯メールに、忘年会での僕の様子について書いてあって、まるで自分が監視されているようだ」

そして、その数日後、この編集者のメールに「星野の自宅を教えれば、もうメールは送らない」という趣旨のメールが届いたという。

そして、12月28日に私のメールアドレスに届いたのが次の文章である。

——————————————————————————————————————————————

警告

鹿砦社通信について

こちらも憤慨の気持ちが収まらず、刑事事件として警視庁本部ならびに原宿警察署、そして東京地方検察庁に対して被害届を申請する運びといたしました。

東京地方検察庁は、倉持俊宏 検察官検事、原宿警察署は生活安全課の伊藤課長ならびに鈴木係長、警視庁本部は、熊谷氏に一任をしております。

また、弁護士に関しては、リーガルキュレート総合法律事務所の高柳孔明弁護士、木下・脇田虎ノ門法律事務所の藤田武俊弁護士、鵜飼パートナーズ鵜飼大代表弁護士、東京成功総合法律事務所・上海市成功綜合律師事務所長、真貝曉弁護士に相談を受けて準備しています。

日本において「忘れられる権利」が浸透しておらず、それどころか事実とはまったく異なる記事として依然、WEBサイトに掲載しており、風評被害・名誉棄損に値するからです。

現在、私に該当する情報に関しては、すべてに対して訴訟の準備をしております。それまでに少しでも解決したく仮処分として、削除申請を各公共団体、各署に手続きをしている次第です。

——————————————————————————————————————————————

この種の通知は、通常、弁護士が内容証明で相手方に送付するものでだが、このメールは差出人は不明であり、「私に該当する情報に関しては、すべてに対して訴訟の準備をしております」と言われても、対応は困難だ。

現在、当連載では、ミス・インターナショナルの吉松育美さんと大手芸能事務所、ケイダッシュ幹部の谷口元一氏の証人尋問の様子をレポートしているが、吉松さんの証人尋問を伝えるだけでは、公平性に欠けるだろう。次回からは谷口氏の言い分も出来る限り掲載したい。

そもそも、日本国憲法第82条第1項に「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ」とあり、裁判の公開は憲法が保障している。

また、名誉毀損については、互いに言論を交わすことができる平等な立場であり、被害者が加害者に対し自由に発言し、必要十分な反論ができているのであれば、違法性は阻却されるという「対抗言論の法理」という考え方がある。

その意味で適法性の観点からも、法廷における谷口氏の言い分を掲載することは重要であると私は考えている。

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』
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