『錯乱の時代を生き抜く思想、未来を切り拓く言葉』で語る前田日明【ブックレビュー】

「どこに逃げるんじゃ。前田、来い!」と怒鳴りながら、リングサイドに乱入。格闘家の前田日明(あきら)が主催した格闘技大会「THE OUTSIDER」を妨害し、威力業務妨害などの罪に問われた、金城旭被告の初公判が、3月27日、大阪地裁で開かれた。
ヤジを飛ばす人を集めるよう指示したという疑いに、「間違いない」と被告は認めた。

事件が起きたのは、昨年の9月8日、大阪市中央体育館。「THE OUTSIDER」で、第9試合が終わり、リング上で勝者をたたえる前田さんに向かって、客席からペットボトルが投げ込まれた。客席から男たちが次々と乱入。「調子のんなよ、コラ」などと言いながら、前田さんにつかみかかった。

男たちは、アマチュア格闘技団体「強者(つわもの)」の元関係者ら。「同じたこ焼き屋が隣に来たら、腹立つわな」との言い分で、挨拶もなしに大会を開いたという、歪んだ縄張り意識からの行動だった。

このような男たちは、何人いても前田日明に適うはずはなかった。だが、前田さんは鍛え抜かれた肉体に頼ろうとはせず、その場を落ち着かせようと、冷静沈着に振る舞った。
なぜ、そのような行動を取れたのか?
それは、『錯乱の時代を生き抜く思想、未来を切り拓く言葉  鈴木邦男ゼミin西宮報告集 Vol.3』(鹿砦社)を読めば分かる。
「鈴木邦男ゼミin西宮」で、前田日明は鈴木邦男と語っているのだ。

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無実を訴える下関女児殺害事件被告男性が二度目の有罪に「ただ悔しい」

当欄では、「冤罪疑惑」と「検事の取り調べ中の民族差別発言疑惑」を繰り返しお伝えしている2010年発生の下関女児殺害事件。一貫して無実を訴える被告人の湖山忠志氏(30)は一昨年7月に山口地裁(長倉哲夫裁判長)の裁判員裁判で懲役30年の判決を受け、今年1月に広島高裁(木口信之裁判長)で控訴を棄却されたが、現在も無罪への希望を捨てず、最高裁に上告中だ。

筆者はこの湖山氏の控訴審判決公判をスケジュールの都合で傍聴できなかったのだが、判決文が入手できたので、遅ればせながら判決内容に言及しておきたい。結論から言うと、事実関係を精査しているように見える体裁を取り繕っているものの、重要部分から目を背けた明白な不当判決だ。

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タレントのおっぱいを品評してスラップ訴訟という、世知辛い世の中

「スラップ訴訟反対 被害者支援の会」のホームページ管理人としては、見逃せないスラップ訴訟が起きた。
前田敦子ら女優8名らが所属するプロダクションおよび関連会社5社が加盟する一般社団法人日本音楽事業音楽協会が3月25日、無断で写真を合成・掲載されパブリシティ権を侵害されたとして『週刊実話』の発行元、日本ジャーナル出版などを相手どり、総額8800万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
原告は他に篠原涼子(40)、国生さゆり(47)、綾瀬はるか(29)、石原さとみ(27)、深田恭子(31)、優香(33)。

訴状によると、同誌2013年11月21日号の記事 「勝手に品評!! 芸能界妄想オッパイグランプリ」で、「アーティストの写真に人格を 傷つけるような加工を施した」とのことだ。同誌編集部は「まだ訴状が届いていないのでコメントできません」としている。確かに、記事は妄想でタレントの裸を想像しているが、シャレで笑う度量はなかったのだろうか。

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XPのサポート終了後も使い続けるには

4月1日から消費税増税に加えて、4月8日でマイクロソフトがWindows XPのサポートを終了するおかげで、秋葉などではPC買い替えの駆け込み需要で賑わっているようだ。サポート終了後のXPの危険性は、各所で注意を呼び掛けているのもあり、今更書くことでもないだろう。どちらかというと、駆け込み需要が終わった後にありがちな「PC関連製品が全く売れない不況」に陥らないことを祈りたい気持ちだ。

PCの寿命は使用環境にもよるが、凡そ5年、とよく言われる。5年前はWindows 7が発売された年であるし、その3年前にはWindows Vistaが出ている。現在XPを使っている人の殆どはもっと前から使用を続けている人達だろう。となると当然、PC自体にガタが来ていてもおかしくはない。買い替えのタイミングとしては良い頃かもしれない。5年以上前から使い続けているPCではWindows 7を動かすのは難しいし、評判の悪いVistaをわざわざ使う理由もない。今やWindows 8.1が出ている時代なので、時代に遅れないという意味でも新しいものにしておきたい。

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国が上げた消費税をお客様に納得させなければならない小売業者の悲哀

「4月から消費税が8%になることを、当り前のようにお客様に言ってはいけません」
ある百貨店の朝礼での言葉である。
今般の消費税法改正では、お客様の手元に渡るのが4月以降になる商品に関しては、3月中に支払いをしても新税率が適用になるので、予約品などの承りの際には重々注意をするように、というお達しなのだ。
「8%に上がることを当然の話として言ってしまうと感じが悪いので、丁寧にご説明をしてご納得いただくように」と話は続く。考えうるクレームは細心の注意を持って未然に防ぎたい、というところだろう。
ここでひっかかるのは、店の都合による値上げではなく、小売業者が国に納める代行をする消費税に対して、「ご納得いただく」ところまでなぜ店が代行をしなければいけないのかということだ。
消費税増税は消費者にとっても大きな負担であるのは当然だが、小売いじめでもあると思ってしまう。

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フリージャーナリストの「虚偽記者席訴訟」控訴審でも姑息判決

フリージャーナリストの今井亮一さんが2011~2012年に「大髙事件」と呼ばれる刑事事件の裁判を取材していた際、東京地裁に「虚偽の記者席」で傍聴を妨害されたなどとして、国に1万円の損害賠償などを求めて同地裁に起こした国賠訴訟の控訴審で、またしても姑息な判決が出た。

昨年9月に出た東京地裁(山田明裁判長)の第一審判決は、「大髙事件」の公判で同地裁が毎回もうけた5席の記者席が「記者クラブに求められていない“虚偽”の記者席だった」という肝心の前提事実に踏み込んだ言及をせず、「憲法82条1項の規定は、各人が裁判所に対して傍聴することを権利として要求できることまでを認めたものではない」などという的外れな理屈で今井さんの請求を棄却。今井さんはこの判決に「傍聴できなかったこと以上に、虚偽記者席という卑怯・卑劣なものを見せつけられたことが不愉快だったと主張したのに、そこがスルーされたのは残念」などと不服を述べ、東京高裁に控訴していた。

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裁判所も「証拠のねつ造」を指摘 袴田巌元死刑囚の再審決定と釈放

3月27日、静岡地裁は、袴田巌元死刑囚に関する再審の開始を決定。袴田さんは釈放された。事態の推移を見守っていた多くの人々から、喜びの声が上がった。
司法を覆っているのは大きな闇……、そこに希望の光が差した。
袴田さんが犯人だとされたのは、1966年6月30日に静岡県清水市で起きた事件。味噌製造会社の専務宅が全焼し、焼け跡から一家4人の死体が発見された。
事件から1年2ヶ月も経って、現場近くの味噌醸造タンクから、鉄紺色ズボン、ねずみ色スポーツシャツ、白ステテコ、白半袖シャツ、緑色ブリーフ、5点の衣類が発見された。緑色ブリーフが袴田さんが穿いていたものと似ているとして、証拠とされた。
だが、2011年に静岡地裁でDNA鑑定が行われ、衣類に付いていた血液は、袴田さんや被害者4人のDNAと一致しないことが明らかになった。

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『笑っていいとも』に現職総理大臣が出演、番組だけでなく日本国も終了か

終了が決まった『森田一義アワー笑っていいとも』に、安倍総理が出演したが、このときスタジオ周辺には『安倍晋三アホー辞めていいとも』という皮肉のプラカードを掲げた人たちがやってきたことで、また話題となった。

この番組の司会者タモリこと森田一義に、お笑い芸人として恥ずかしくないのかと批判する人がいた。もちろん仕事だから仕方なく、ということだろうが、かつて彼は赤塚不二夫のもとで「密室芸人」と称しアングラな笑いを構築していたし、また、かつてタモリは朝日新聞の宣伝で、当時同紙の記者だった筑紫哲也編集委員と共演したことがあり、そのときタモリの見識に筑紫哲也は感心したと述べていた。
例えば、当時売り出していた竹村健一についてどう思うかと訊ねたら「あの人はお茶の間の無知に付け込む人です」ときっぱり言ったそうだ。

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何度も見たことのある「Japanese only」という表現

浦和レッズのサポーターによる「Japanese only」の横断幕は大々的に報じられ、厳罰に処された。あからさまな差別意識があって横断幕を掲げたのなら処罰されて当然であるし、過剰反応でもなく無観客試合といった処分は妥当なものだ。

私は、この「Japanese only」を何度も見たことがある。一つはネットが普及し始めてしばらく、日本語のみのサイトという意味で「Japanese only」と、個人のWEBサイトに頻繁に書かれていた。それに対してクレームが付けられた、という話はあまり聞かなかったが、表現が悪いと広まったのか、あるいは日本語だけのサイトが珍しくなくなったせいか、こう書かれるWEBサイトは殆ど見なくなった。10年以上公開し続けているサイトでは、当時の名残として今も残っているところもある。

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これからも頑張ってほしい 凡人と比べれば、やっぱり凄い佐村河内守

まだまだ続く、佐村河内守バッシング。ヒーローが堕ちていく様を見るのは、蜜の味だから、それも当然だろう。小出しにネタを提供し続けてくれる佐村河内守は、ありがたい存在。マスメディアにとっては2度美味しい、佐村河内守である。
それ以外にも、佐村河内守ネタが喜ばれる理由はある。
誰しもが、自分を大きく見せようと、あるいは仕事を有利に進めようと、何かしらのウソをついている。
自分はあそこまではやってないよ、と佐村河内守は安心させてくれる存在でもある。

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