映画「ダーク・プレイス」はなぜかくも難解なのか?

映画「ダーク・プレイス」を見た。この原作は、ギリアン・フリンという才能あふれる作家でデビュー作の『KIZU―傷―』は、英国推理作家協会が主宰するCWA賞で2つのダガー賞を受賞、40週間以上もニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに選ばれた。この映画の原作となる「冥暗」は、ニューヨーカー誌の〝批評的選書〟ウィークエンド誌の「この夏で一番の本」、パブリッシャーズ・ウィークリー誌の〝2009年最高の本〟シカゴ・トリビューン紙の「おすすめのフィクション」などに選ばれている。そして続く「ゴーン・ガール」が世界的にヒットする。なんと世界で1500万部も売れているのだ。手元の文庫は、すでに7刷を突破している。

そんなわけで、この「ダーク・プレイス」は、過去に一家惨殺をされて生き残った少女、リビー・デイが、成長し、もはや同情から慈善家たちから寄付がもらえなくなり,弁護士から「働くべきだ」と指摘されるところから物語は始まる。このとき「殺人クラブ」という、謎解きが趣味の集団が賞金を出すから「新犯人捜し」に協力してほしいと頼まれる。

事件当時、『悪魔教』に染まっていた兄が犯人として逮捕されるが、実は事実を掘り起こしていくと、自分が思ってもいない犯人象が浮かび上がってくるのだ。これは、主人公のリビー、兄、リビーの母親という3つの観点から描かれているので、いささかわかりにくい。

そこで、私の小説のほうの師匠、若桜木虔氏がリリースした最新書籍「ミステリー小説を書くコツと裏ワザ」(青春出版社)をもとに分析してみる。この映画はじつにわかりにくかった。原因は何か? それは、回想シーンを使いすぎたからだと僕は想う。

若桜木氏はこう綴る。

「どうしても画期的な冒頭が思いつけない、という理由で、その物語の中でもっとも劇的なシーンを冒頭に持ってくる手法がある。第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作『首挽村の殺人』(大村友貴)や、第37回メフィスト賞受賞作の『パラダイス・クローズド』(汀こるもの)のような構成で、つまり同一シーンが作中の肝心な箇所と、冒頭と、二度と亘って出てくることになる。はっきり言って、この手法には賛成できない。物語の時系列が狂うからである。ミステリーに限らず、エンターテインメントでは回想やカットバックを可能な限り避け、エピソードを出来事の順番通りに並べる〝時系列厳守〟が鉄則なのだ。それは、なぜか。時系列に頓着しない,物語が過去と現在をいったりきたりするような作品でも、頭が混乱しないでストーリー展開を追える読者もいないわけではない。だが、頭が混乱して前後関係が把握できなくなる読者も、確実に存在する。また、時系列が狂った作品が大嫌いな選考委員も、一部には存在する。最終選考で時系列の狂いを扱き下ろされて受賞し損なった実例も、いくつかある。そもそも、ミステリーを含むエンターテインメント系の作品は『楽しみのために読む』のであって、知恵を絞って悪戦苦闘しながら読む、という性質のものではない。」

そうなのだ。この映画はたしかに頭を絞らないとなかなか時系列の流れに追いつかない。ただし主演のシャーリーズ・セロンはこの映画のプロデュースも兼務しているが、いい演技をしているし、暗闇をうまく使ったジル・パケ・ブランネール監督(脚本兼任)もなかなかいい演技を引きだしている。難解なパズルを楽しみたい諸兄には、ぜひおすすめしたい映画だ。

◎若桜木虔小説講座 http://prosakka.main.jp/kouza/

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

 7日発売!タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!
「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

原発推進インチキ・メディアを斬る!《2》澤昭裕の遺言

あいかわらず無反省の経団連御用達マガジン 『WEDGE(ウェッジ)』3月号に国際環境経済研究所前所長の澤昭裕が病床から書いたというコラムであり、遺稿となった「戦略なき脱原発へ漂流する日本の未来を憂う」を斬ってみる。澤の言論は、あくまで「原発推進」を軸にして進む。澤は原子力事業を一社か二社かに再編した上で、火力や水力も含む包括的合併を提唱する。

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 東芝や日立といった原子力メーカーが進めてきたような、海外電力事業者との連携を契機とした再編も選択肢の一つだ。電力会社と例えば米国電力事業者との間でアライアンスが実現すれば、安全保障上の連携効果も高まる上、閉鎖的な我が国の原発オペレーション能力を海外に効果的に発信していく契機ともなる。若手技術者が「直営技術力」を高めていく絶好の機会ともなろう。(中略)
 海外事業者とファンドを組成して国内の原発資産を購入していくことも考えられるし、先に上記のような「原子力地域連合」を作り、ファンドが出資することも一案だ。こうした再編を進めた場合、特に経営規模の小さい会社にとっては、投資体力や技術人材プールの充実、発電ポートフォリオ拡大による不稼働リスク分散等の効果が期待できる。ただし、原子力の場合、既に地理的な分散やアウトソースが進んでおり、「重複・過剰設備の廃棄による効率化」や「研究開発や人件費等の固定費縮減」までは期待できない。
 また、「全電源停止」が生じリスク分散の意味はない、したがって、「再編はリスクの大きな電源の寄せ集めになる」との指摘もある。また、電力事業の歴史的経緯を考えると、他業種の再編事例をそのまま当てはめることは現実的とは言えない。各社は「政府及び他社に対する経営の自主・独立性」に強い自負を持ち、「地元密着で建設・稼働を進めてきた実績」をレゾンデトールとしてきた。今は苦境にあるとはいえ、送配電の「地域密着の安定収益基盤」を有していることもあり、従来の路線を変えてまで再編に踏み切るほどの危機感を持つ会社は未だ多くはないのではないか。このように各社・単独の能力・体力では状況の打開が難しいことが明らかな一方で、すぐに事業再編が進む地合いも整っていない。「事業者間協力」のあり方としては、会社再編に限らず様々なバリエーションを想定する必要があるし、協力の促進に向けては、漸新的・現実的なアプローチが必要であろう。(戦略なき脱原発へ漂流する日本の未来を憂う『WEDGE』2016年3月号
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故人が病床で書いた遺稿にケチをつけるのはやや気が引けるが、それでも間違いは間違いである。「原発推進のための電力事業の大同団結」などクソ喰らえである。もしも包括的に事業を統合するなら「脱原発のための電力再編」であるべきなのは、当然だ。

真剣に電力のありかたについて考え、病床で新しい電力事業のスタイルについて書いたことは認めよう。しかし澤よ、天国で今一度、電力について考えていただきたい。

(渋谷三七十)

タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!
『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

ベースボールマガジン社池田社長、斎藤佑樹選手に法外な「利益供与」の謎

最低でも800万円を超えるポルシェのマカンを斎藤佑樹(北海道日本ハムファイターズ)にプレゼントしたベースボールマガジン社の池田哲雄社長の『わけがわからない利益供与』に社員たちが憤慨。続々と転職活動をしている社員が増えている。中堅出版社の総務が小さい声で語る。

「具体的には言えないが、今月は、社員12人が履歴書を送ってきました。まあ経営悪化でリストラがあいつぐ中で、社長だけが年収3千万円をキープして、社員たちの給与は下がる一方。そんな中で斎藤選手を社長が優遇したわけで『やってられねえ』という雰囲気が社内に充満しているのは確かです」(ベースボールマガジン社社員)

そもそも、ベースボールマガジン社は経費に渋いことで知られる。
「外注ライターとの打ち合わせは、ほとんど社内ですし、とにかく経費を抑えろと編集は教わる。入社して最初に上司に言われた言葉が『飯は吉野家か松屋の牛丼にしておかねーと給料じゃ貯金がたまらないぞ』ですからね」(同)

さらにせこい話もある。
「2011年3月に破産手続きが終了した日本スポーツ出版社では、『週刊ゴング』で取材したときのジャイアント馬場やアントニオ猪木など貴重な写真8千枚を破産管財人から80万円で購入。これも管財人が提示した100万という提示を何回も値切る交渉をして競り落としたものです」(同)

今年1月に水道橋の本社ビルを売却、日本橋に移ったときも「野球選手のブロマイドをまとめて高く売りつける交渉にきた」と神保町の老舗書店。

そんなケチな出版社だが、「池田社長の周辺に聞くと、斎藤は見切って、今度は同じ北海道日本ハムの大谷翔平を会社で囲い込もうとしている。確かに、大谷を出せば売上げはよくなるだろうが、今度はマスコミには見えない形で接待するだろう。懲りない人たちだね」(同)

「食えない」と逃げ出す社員たちをよそに、もしかしたら大谷と池田社長の豪勢な話が近く聞けそうだ。

(伊東北斗)

芸能界の闇を暴く震撼の書!『芸能界薬物汚染』(鹿砦社薬物問題研究会編)
 在庫僅少!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!

『ヘイトと暴力の連鎖』の基層にある在日韓国朝鮮人への差別構造の歴史

差別問題への考察と取り組みには長い歴史がある。容易に明快な回答の出ない難問なのだ。江戸時代以前から続く被差別部落の人々への差別、15年戦争によって日本に併合された朝鮮半島から強制徴用され、また自分の意志で日本や当時の満州へ渡った朝鮮人への差別。大東亜共栄圏を掲げ白人支配に対するアジアの独立を掲げた大戦時、日本のプロパガンダは、植民地の人びとに希望を与える一定の効果があったが、全く通用しない地域もあった。

第二世界大戦の歴史を紐解くと、その原因が満州国を立ち上げた関東軍の歴史を無視することは出来ない。傀儡国ではあっても一応「国家」の体をとった満州国内と内地では第二次大戦開戦後にも生活ぶりに大きな差があったことはあまり知られていない。

内地で憲兵隊が強化され、治安維持法による検挙が吹き荒れている東条内閣時代に、「贅沢は敵だ」のスローガンの元、あらゆる物資が軍事優先にまわされ、日々の食料も大方が配給制となっていた時代に、満州の首都新京では「鰻屋」や「カフェ」が依然繁盛していて、内地から出張に出かけた人々は、その余裕のある暮らしぶりに内地での生活を儚んだという記録が多数残っている。

まどろっこしい第二次大戦時代の話などを枕に持ってきたのには事情がある。実は『ヘイトと暴力の連鎖』には1つ重大な誤植がある。3章【対談】高島章さん(弁護士)×田中宏和さん(ブログ「世に倦む日日」主宰)「しばき隊・SEALDs現象の病巣を斬る!」の中で司会者の発言が一か所誤植されている。

同書38頁、
「拉致問題を考える時に、少なくとも一九七〇年ぐらいまでは遡る視点を欠くことは出来ないのではないかと思いますが如何でしょうか」とある(これは取りも直さず本書をご購入いただかなければ訳の分からない問題である。よってこの不可思議を解明するためにも早期にご購入いただく事を再度お願いするものだ)。

しかし原稿段階では、「拉致問題を考える時に、少なくとも一九一〇年ぐらいまでは遡る視点を欠くことは出来ないのではないかと思いますが如何でしょうか」であった。ここは重要な点であるので明確にしておきたい。

1910年は日本が当時の大韓帝国との間で日韓併合条約を締結した年だ。その背景には大韓帝国政権内の分派闘争や日本が要人を暗殺したりと、複雑な背景があった。しかし結果的にこの年を境に朝鮮半島は日本の支配下になった。その中で所謂「従軍慰安婦問題」や「創氏改名」(朝鮮半島に住む人々の氏名を日本式の名前に変えさえる)や、強制連行などが発生した。前述の通り、当時の朝鮮半島からは日本や、満州に意識的に渡った人もいたし、徴用された人もいた。

当時、朝鮮半島は一つの国で現在の様に分断国家ではなかった。今38度線で休戦協定が成立し、一応の停戦状態になっているが、どうして38度線が分断国家の分かれ目にされたのか。それはかつての関東軍が38度線の北を管轄し、大本営が38度線の南を管轄していたことに由来する。

朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国の間では1950年に激烈な朝鮮戦争が起こり、第二次大戦で敗戦した日本は「朝鮮特需」に沸いた。朝鮮半島の戦争、かつての植民地の戦争でまたしても経済復興を遂げるきっかけを掴んだのだ。同一民族による内戦、不幸極まりない惨劇の上に日本の戦後復興があったことは忘れてはならない。

その様な視点から私たちは差別の問題を考える。勿論街頭で「朝鮮人死ね」などと叫ぶ人間は恥ずかしい限りだ。そのような人たちの行動を私たちは決して認めない。しかし悲しいことに「朝鮮人死ね」とがなり立てていた在特会に在日韓国朝鮮人の人びとが少なからず属していたのは、悲劇というしかない。

私たちはそこに表層で現れる言葉による差別だけではなく、もっともっと深刻な差別構造と在日韓国朝鮮人の方々の苦悩を想像しなければならないと考える。と同時に在日韓国朝鮮人の方々だって個性や嗜好は様々で、「敢えてそんなカテゴリーでくくってから自分を見てほしくない」と言う人もいる。なるほどと思う。

しばき隊と言われる彼らが本気で差別問題に取り組んでいたのであれば「ヘイト」や「シットイン」という敢えてカタカナを用いる必要もない言葉を使う必要があったか。「差別」や「座り込み」ではどうして具合が悪いのか。「ANTI-FA」とアンチファシズムを標榜しているつもりかもしれないけれども、そんな連中が機動隊と懇ろな関係を誇示し、少しでも意見の異なる人達の逮捕を警察に懇願したりするだろうか。彼らの使う言葉、行動、獲得目標が極めて薄い表層的にしか感じられて仕方がない。街頭から「ヘイトスピーチ」が無くなるのは結構だが、そうなれば本質的な「差別解消」に繋がるだろうか。私は訝る。

差別の問題はそれほど簡単に答えを出せるものではない。だから多くの先人が何十年もその課題に向き合い悩んできたし、議論も重ねてきた。冒頭満州国の例を出したが、満州国は言わずもがな日本の傀儡国家だった。その中で認められる言論や政治的自由は、日本国監視の元許される範囲のものに限られていた。植民地や傀儡国家とはそういうものだ。

しばき隊の主張に接するたびに、あたかも私たちは「傀儡国家内」の言論に封じ込められているのではないかとの思いを強くする。

私たちは今日流のファッショナブルでありながら、真の攻撃目法を外した運動や行動ではなく、根深い差別の根絶や戦争に反対する。彼らは「軽すぎないか」、という思いをついぞ解消することは出来なかった。『ヘイトと暴力の連鎖』はそのような思想で世に出された書物であることを付け加えておきたい。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

ヘイトと暴力の連鎖 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター

鹿砦社特別取材班=編著
A5判/104ページ ブックレット 紙の爆弾2016年7月号増刊
定価540円(税込) 7月14日発売!

国会議員、著名作家、ジャーナリスト、学者らを巻き込んで
隠蔽された集団リンチ事件の知られざる真相を追及!
リベラル左翼勢力がもてはやす反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンターの
恐るべき実態を明らかにする!

【主な内容】
1 SEALDs奥田愛基君への手紙
[インタビュー]ろくでなし子(美術家・漫画家)
  「逮捕」も「ぱよちん騒動」も笑いで吹き飛ばせ!
[対談]高島章(弁護士)×田中宏和(ツイッター&ブログ「世に倦む日日」主宰)
しばき隊・SEALDs現象の病巣を斬る!
4 社会運動の中の獅子身中の虫 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター
5 反差別運動内で発生した深刻なリンチ事件の真相はこれだ!
6 急展開した「しばき隊リンチ事件」の真相究明
7 有田芳生参院議員の宣伝カーに乗ったしばき隊員に襲撃された市民
[特別寄稿]合田夏樹(愛媛県四国中央市在住 自称しばき隊研究家)
8 有田芳生参院議員の「集団リンチ事件」隠蔽関与の疑惑

7月14日衝撃緊急出版!『ヘイトと暴力の連鎖』(『紙の爆弾』増刊)

 7月14日衝撃緊急出版!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!
 「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』
 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』8月号!

アマゾンで予約在庫切れの『ヘイトと暴力の連鎖』本日書店で衝撃発売開始!

いよいよ本日14日、『ヘイトと暴力の連鎖』が書店に並ぶ。発売を前にアマゾンには予約が殺到し、13日現在、在庫なしの状態だ。アマゾンには昨日追加搬入したのにまたしてもの完売。お蔭さまで大変な注目を頂いている『ヘイトと暴力の連鎖』について、今日はさらに詳しくご紹介しよう。

◆しばき隊によるリンチ事件──彼らの犯した民事上の責任はこれから白日の下に晒されてゆく

「十三ベース事件」とネット上で呼ばれた、しばき隊によるリンチ事件の詳細が余すところなく収められていることは12日に田所氏が紹介した通りだ。そして、偶然ながら被害者のM君がツイッター上で李信恵氏をはじめ、5人を相手取り大阪地裁に損害賠償請求の提訴を行ったことを12日明らかにした。本書内でも詳述しているが、加害者たちは事件後一旦「謝罪の意」を明らかにするが、直ぐにそれを反故にしてしまった。

そしてあろうことか、加害者は「事件は無かった」、「デマに惑わされるな」などとまで発言するようになる。人間として失格だ。

誰にでも過ちはある。私だって大小の過ちを犯してきたし、中には未だに悔やんでも消すことの出来ない大きな間違いもある。それは死ぬまで自分が背負いながら、日々生きて行かねばならない業として受け入れている。私の心を離れないのは、ある事件に対峙した時の判断間違いである。ところがM君リンチ犯どもの心の中にはそのような「負い目」は全くないようだ。私は加害者について、ここでこれ以上の言及を避ける。しかしながら、大阪地裁で彼らの犯した民事上の責任はこれから白日の下に晒されてゆくことになるだろう。

◆合田夏樹さんへの威圧行為と有田芳生議員の選挙カー

「十三ベース事件」のような物理的暴力は回避できたものの、一市民の職場と自宅にまで押しかけて威圧を行うという行為が、やはりしばき隊により行われていた。被害者は合田夏樹さん。合田さんはかねてより、しばき隊によるリンチ事件被害者のM君を支持することをツイッターで明らかにしており、意見の異なる人びとともツイッター上での議論を交わしていた。またどんな人であれ「約束をしてから来てくれたら会う」とも明言していたそうだ。

合田さんはご自身も述べている通り保守的な考えの持ち主だ。しかし、「民主主義」と「言論の自由」は断固守らなければならないとのお考えの持ち主でもある。まかり間違っても差別をまき散らす連中や、ましてや在特会の構成員ではない。

ところが、先日の参議院選挙で再選を果たした、民進党の有田芳生議員が選挙公示前に行っていた宣伝活動中の選挙カーによる「襲撃事件」に見舞われているのだ。前代未聞の現役国会議員の選挙カーによる個人の職場、自宅への襲撃については、じっくりと解析がなされているので同書をご覧頂きたい。

え? あの人が? あの良心的な○○さんがこの様なことに加担し、あるいは隠蔽に奔走していたのかと読者には落胆の覚悟もして頂いた方がよい。それほどに「しばき隊」を巡る人間模様は広範であり、侮りがたい力を保持している。

◆さっそくネットで湧き出てきたしばき隊構成メンバーによる「罵声」

7月11日に本ブログで『ヘイトと暴力の連鎖』の紹介記事が掲載され始めてから、同書取材班のトップ記者である田所敏夫氏やM君へのネット上での「罵声」が散見されるようになった。いずれもしばき隊の構成メンバーによるもので、彼らの意図は当該人物たちをツイッター上に「引きずり出す」ことを目的にしている。残念ながら田所氏はツイッターのアカウントを持たないようだし、M君もそんな陽動作戦に動じる気配はない。

ここで加害者に加担する悪質な攻撃を行っている人物たちを明らかにすることは、簡単だ。だが、M君はこれから法廷で加害者の責任を問うのであるから、私が軽率な言及をすることは控える。

紙の爆弾増刊号『ヘイトと暴力の連鎖』はここ数日で完売してしまうかもしれない。読み物的要素があると同時に事件資料としても貴重な記録となるはずだ。真実を知りたい人たちは急いでご購入を!

(佐野 宇)

ヘイトと暴力の連鎖 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター

鹿砦社特別取材班=編著
A5判/104ページ ブックレット 紙の爆弾2016年7月号増刊
定価540円(税込) 7月14日発売!

国会議員、著名作家、ジャーナリスト、学者らを巻き込んで
隠蔽された集団リンチ事件の知られざる真相を追及!
リベラル左翼勢力がもてはやす反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンターの
恐るべき実態を明らかにする!

【主な内容】
1 SEALDs奥田愛基君への手紙
[インタビュー]ろくでなし子(美術家・漫画家)
  「逮捕」も「ぱよちん騒動」も笑いで吹き飛ばせ!
[対談]高島章(弁護士)×田中宏和(ツイッター&ブログ「世に倦む日日」主宰)
しばき隊・SEALDs現象の病巣を斬る!
4 社会運動の中の獅子身中の虫 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター
5 反差別運動内で発生した深刻なリンチ事件の真相はこれだ!
6 急展開した「しばき隊リンチ事件」の真相究明
7 有田芳生参院議員の宣伝カーに乗ったしばき隊員に襲撃された市民
[特別寄稿]合田夏樹(愛媛県四国中央市在住 自称しばき隊研究家)
8 有田芳生参院議員の「集団リンチ事件」隠蔽関与の疑惑

衝撃緊急出版!『ヘイトと暴力の連鎖』(『紙の爆弾』増刊)

 衝撃緊急出版!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!
 「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』
 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』8月号!

これぞリアル「紙の爆弾」!──『ヘイトと暴力の連鎖』明日発売!


「臥薪嘗胆、捲土重来」。もし帯があればそんな言葉を散りばめたくなる『ヘイトと暴力の連鎖』がいよいよ明日14日発売になる。これまで詳細な内容は明かさなかったがもう出版差し止め懸念はないので、今日は本サイトをご覧頂いている方々に限り、特別に内容を公開しよう。くれぐれもご友人やご家族、ましてやしばき隊と思しき人々には口外しないで頂きたい(嘘です! 拡散してください!)。

その理由は『ヘイトと暴力の連鎖』が日本においてここ数年発刊された書物の中で最も「過激」な内容だからである。何が「過激」なのか。それは起こった事件に遠慮容赦なく迫り、事件に関わった、あるいは加担や隠蔽した人物の実名を挙げて渾身の糾弾を行っているからである。

覚悟せよ! リンチ事件の加害者ども。そして一市民の職場や自宅をあろうことか「選挙カー」で襲撃した不逞の輩。更には綺麗ごとを並べ「差別」を生業にして来た薄汚れた知識人やジャーナリスト、国会議員連中よ。

◆「こじらせ左翼」と揶揄された鹿砦社松岡代表による「SEALDs奥田愛基君への手紙」

鹿砦社は偽善と欺瞞を何よりも嫌悪する。似非は許さない。よって言論戦においての流血を排除しない。もっとも『ヘイトと暴力の連鎖』発売に先立つこと5月頃にしばき隊の大学生部門ことSEALDsの奥田愛基からは『SEALDsの真実』(田中宏和著)の発売を前に自身のツイッターで「出版社みても、こじらせ左翼の内ゲバって感じがする」、「安倍政権よりも、SEALDsが気になって仕方がないのは一種の『病』なんだと思う」とご丁寧な挨拶を頂いている。

さすが「国民的アイドル」奥田君だ。自信満々。向かう所敵なし!と思っているのだろう。しかし奥田君のこの不用意な書き込みが、鹿砦社の覚醒不充分な闘志に着火する役割を果たしてしまった。もう遅いぞ。取り消そうとしても無駄だ。帝国ホテルで食事を奢ってもらった(そんなことに本気でこだわっている訳ではないけど)相手を「こじらせ左翼の内ゲバ」だと? お前達改憲派学生集団から頂く言葉としては上等だから有難く受け取っておこう。しかし「内ゲバ」? 誰とゲバルトを交わすのだ? まさかSEALDsと? オイオイ鹿砦社は大人だよ。選挙権があっても頭の中身は、「ん」?なSEALDs諸君などは、御免だけど相手じゃないんだよ。わかる? 奥田君?

この行きがかり上、『ヘイトと暴力の連鎖』はかつて奥田君にインタビューしたことがある鹿砦社社長松岡利康による「奥田愛基君への手紙」から幕を開ける。「こじらせ左翼」と罵倒されても、若い者には優しい(それが時として裏切られる原因となる)松岡は奥田君に丁寧に呼びかける。この品の好さは一体何に由来するのだろう。若人とはいえ自分にうしろ足で砂をかけた人間への「手紙」はお人好しのなせる技か。

◆笑いのラディカル──揺るぎなき「ろくでなし子イズム」

ろくでなし子さん

「手紙」に続くのは不当逮捕を2度も食らった芸術家「ろくでなし子」さんへのインタビューだ。ツイッター上では不動の地位を確立している「ろくでなし子イズム」とも言うべき、揺らぎ無き価値観。警察に弾圧されようと、しばき隊にネットリンチされよと、炎上しようと、この人にかかれば全てとして「笑い」に回収されてしまう。本気で怒っている人間にとって笑われるほど腹の立つことはない。それが最大の武器だと知っている彼女のインタビューは、品性と独自の価値観のせめぎ合いで読者がヒヤヒヤすることは必至だ。

◆爆弾対談! 高島章弁護士×「世に倦む日日」田中さんが解き明かす「しばき隊の病理」

高島章弁護士

そして、ネット上で「反しばき隊」のフロント部隊として闘ってきた高島章弁護士と田中宏和さん(ブログ「世に倦む日日」主宰)の夢の対談が実現した。勿論初の顔合わせのお二人。一切遠慮妥協なし。しばき隊どもを斬りまくる。中性脂肪が溜まりすぎたようなマスコミ報道にうんざりしている読者諸氏は、この対談を目にして溜飲を下げ過ぎ、血圧が下がり過ぎないようにご注意を。

「世に倦む日日」田中宏和さん

このかん反原連による一方的絶縁通告から、相次ぐ非礼を投げかけられた鹿砦社が与り知らぬところで発生していた、所謂「十三ベース事件」と呼ばれたしばき隊による「集団リンチ」事件の情報に接し、鹿砦社の疑念は確信へと変わる。その本質を松岡が綴る。題して「社会運動の中の獅子の中の虫 反原連―SEALDs-しばき隊-カウンター」これらの団体や運動が一体のものであることを解き明かし、彼らが決して「リベラル」でも「左翼」でもなく、純然たる反革命=「黒百人組」であると論破する。

◆紙媒体では初! しばき隊による「集団リンチ事件」の全容を報告!

そして噂の「十三ベース事件」ことしばき隊による「集団リンチ事件」の全容が遂に明らかになる。ネット上で様々な情報が散逸しているが、紙媒体で事件の全容が明かされるのはこれが初めてだ。壮絶極まるリンチの様子と被害者の事件直後の写真を含め膨大な資料と取材報告。被害者の協力により実現した、悪質極まりない「リンチ事件」及びその後も続く、にわかには信じがたい、更なる加害者達の被害者への攻撃などは、目を背けたくなるほど凄惨な内容だ。しかし問題は、このような重大事件が何故報道されなかったのかである。それについての考察も本書には散りばめられている。

しかし、これで全てではない。まだまだ衝撃的な内容が詰め込まれている『ヘイトと暴力の連鎖』は明日発売だ。明日は、本書に詰め込まれた更なる衝撃の内容をご紹介する。

キーワードは「合田夏樹さん」だ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

ヘイトと暴力の連鎖 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター

鹿砦社特別取材班=編著
A5判/104ページ ブックレット 紙の爆弾2016年7月号増刊
定価540円(税込) 7月14日発売!

国会議員、著名作家、ジャーナリスト、学者らを巻き込んで
隠蔽された集団リンチ事件の知られざる真相を追及!
リベラル左翼勢力がもてはやす反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンターの
恐るべき実態を明らかにする!

【主な内容】
1 SEALDs奥田愛基君への手紙
[インタビュー]ろくでなし子(美術家・漫画家)
  「逮捕」も「ぱよちん騒動」も笑いで吹き飛ばせ!
[対談]高島章(弁護士)×田中宏和(ツイッター&ブログ「世に倦む日日」主宰)
しばき隊・SEALDs現象の病巣を斬る!
4 社会運動の中の獅子身中の虫 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター
5 反差別運動内で発生した深刻なリンチ事件の真相はこれだ!
6 急展開した「しばき隊リンチ事件」の真相究明
7 有田芳生参院議員の宣伝カーに乗ったしばき隊員に襲撃された市民
[特別寄稿]合田夏樹(愛媛県四国中央市在住 自称しばき隊研究家)
  いわゆる「十三ベース事件」との関わり
8 有田芳生参院議員の「集団リンチ事件」隠蔽関与の疑惑

7月14日衝撃緊急出版!『ヘイトと暴力の連鎖』(『紙の爆弾』増刊)

 7月14日衝撃緊急出版!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!
 「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』
 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』8月号!

しばき隊をめぐる事件報道は、なぜタブーとされてきたのか?


内実を明かすと、『ヘイトと暴力の連鎖』は当初7月6日に発売予定であった。しかしながら公職選挙法との関係で発売を延期せざるを得なかった。何故か。民進党、有田芳生議員が選挙公示前に宣伝車である通称「有田丸」で全国を回っていた時に、愛媛県在住の合田夏樹さんの職場と自宅を訪れ、その写真をネットに掲載するという事件が起きていたからだ。「有田丸」に乗車していたのはしばき隊の人間だった。『ヘイトと暴力の連鎖』にはこの事件の詳細な内容も報告、並びに合田さんから寄せられた文章も掲載している。

◆しばき隊顧問弁護士と有田芳生参議院議員の存在

発生した事実を発表するだけのことなので、『ヘイトと暴力の連鎖』を発売することは公職選挙法に抵触はしないだろう。しかし、最近しばき隊の顧問弁護士とも言われる人物は立て続けに、市民相手に恐喝まがいの請求や、提訴を繰り返している。明らかに懲戒相当の行為と思われる訴権の濫用(複数の弁護士談)行為の連続だ。一般人が行えば、一発で「脅迫罪」成立、検挙されるだろうに、やはり弁護士という肩書は侮りがたい力を持つ。

そんな弁護士を抱えるしばき隊、及び有田芳生参議院議員の選挙期間中に『ヘイトと暴力の連鎖』を発売すれば、内容が事実であっても、くだんの弁護士がどのような挙に出ただろうか。下手をすれば刑事事件として告訴される可能性も懸念された。昨今の当該弁護士の暴走振りを見るにつけ、その懸念は必ずしも的外れではなかったと思われる。そこで苦渋の選択ながら発売日を選挙後にずらすこととなったわけだ。

◆何故かしらタブーとされてきたしばき隊の問題点

しばき隊は次第にその本質を表出させるようになってきている。「リンチ事件」のような明らかな犯罪は必死に隠蔽を画策し、不幸なことにそれはある程度成功を収めてきた。『ヘイトと暴力の連鎖』以前にしばき隊問題をまとめて世に問う書物は『SEALDsの真実』を除けば皆無に等しかった。そこには数々の著名知識人、またマスメディアの関与(あるいは意識的な無視)があった。

何故かしら、タブーとされてきた、しばき隊の問題点指摘と、マスメディアの沈黙。しかしながらここに至りしばき隊の違法行為が多数発覚し、勇気を持ってそれに対抗する人が立ち上がり始めた。しばき隊はすでに「あがき隊」へと変質の途上にある。彼らは役に立たない人間を平気で切り捨てる。また、仲間内での異論は徹底して排除される。その姿はカルト集団そのものだ。

しかし、しばき隊を持ち上げる著名知識人、ジャーナリストの罪も限りなく深い。『ヘイトと暴力の連鎖』の中ではしばき隊に与する知識人、ジャーナリストらの本名が多数明かされている。乞う!ご注目! 一見良心派を装ったこれらの人びとの責任も私たちは徹底して追及してゆこうと考える。鹿砦社は岩波書店ではないので、鹿砦社と過去関係があった、あるいは著作を出している人物にでも、当然疑問を投げかける。それが出版社の主体性であり、社会的責任だと考える。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

ヘイトと暴力の連鎖 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター

鹿砦社特別取材班=編著
A5判/104ページ ブックレット 紙の爆弾2016年7月号増刊  定価540円(税込) 7月14日発売!

国会議員、著名作家、ジャーナリスト、学者らを巻き込んで
隠蔽された集団リンチ事件の知られざる真相を追及!
リベラル左翼勢力がもてはやす反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンターの
恐るべき実態を明らかにする!

【主な内容】
1 SEALDs奥田愛基君への手紙
[インタビュー]ろくでなし子(美術家・漫画家)
  「逮捕」も「ぱよちん騒動」も笑いで吹き飛ばせ!
[対談]高島章(弁護士)×田中宏和(ツイッター&ブログ「世に倦む日日」主宰)
しばき隊・SEALDs現象の病巣を斬る!
4 社会運動の中の獅子身中の虫 反原連‐SEALDs‐しばき隊‐カウンター
5 反差別運動内で発生した深刻なリンチ事件の真相はこれだ!
6 急展開した「しばき隊リンチ事件」の真相究明
7 有田芳生参院議員の宣伝カーに乗ったしばき隊員に襲撃された市民
[特別寄稿]合田夏樹(愛媛県四国中央市在住 自称しばき隊研究家)
いわゆる「十三ベース事件」との関わり
8 有田芳生参院議員の「集団リンチ事件」隠蔽関与の疑惑

7月14日衝撃緊急出版!『ヘイトと暴力の連鎖』(『紙の爆弾』増刊)

7月14日衝撃緊急出版!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!
タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』8月号!
「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

反原連、SEALDs、しばき隊を撃つ紙爆増刊『ヘイトと暴力の連鎖』7月14日刊行!


報道は参議院選挙の結果一色だ。開票日翌日だから恒例に従えばこのような扱いになるのがいわば「お約束」であろう。しかし、特段驚くような結果だっただろうか。SEALDs如きに選挙運動を頼れば、負けるのは必定。そんなことも解らなかった選挙結果に私は全く興味がない。むしろこの「お約束」の喧しさが、どこか嘘くさく感じられる。

その「お約束」や「お決まり」報道の真逆を行く、予定調和一切なしの告発本が7月14日に発売となる。『ヘイトと暴力の連鎖』だ。書名からだけでは抽象的な内容しか思い描くことが出来ないかもしれないが、内容は最大級の衝撃に満ちている。鹿砦社が放ってきた過去の告発本の中でも有数の破壊力だろう。

◆インタビューはろくでなし子さん! 対談は高島章弁護士×『世に倦む日日』田中宏和さん!

書籍の広告は限られたスペースの中で可能な限りのインパクトと情報を詰め込むのが定石だ。だが本書に限っては「意図的に」広告を書名とインタビューに登場頂いたろくでなし子さんと、対談をご快諾頂けた高島章弁護士とブログ『世に倦む日日』を主宰する田中宏和さんのお名前と漠然とした紹介文を示すに留めた。それには理由がある。

インタビュー、対談の踏み込み振りも充分に鮮烈であるが、『ヘイトと暴力の連鎖』では、しばき隊が手を染めた集団リンチ事件、ネット上では「十三ベース事件」と呼ばれていた事件の詳細に深く踏み込んだ。その全容を明らかにするとともに、被害者を襲った「集団リンチ」がいかに凄惨なものであったか、あるいは事件後加害者達が被害者を更に痛めつけて行く過程を余すところなく取材し紹介している。被害者の全面協力を得て初めて社会に出るしばき隊による「集団リンチ事件」の全貌を前に読者は言葉を失うかもしれない。

◆「リンチ事件」闇のディテールをついに公開!

『ヘイトと暴力の連鎖』に掲載されているインタビューや対談、事件の報告や論考は、衝撃的な内容であっても、事実を基に構成されたものばかりだ。しかし内容が「事実の解明」であろうと、その詳細が事前にしばき隊やその顧問弁護士に明らかになっていれば、ほぼ確実に「出版差し止め仮処分」をかけてきただろう(過去に他の出版社で同様の事例がある)。よって広告でも発売直前まで詳細を紹介することを控えざるを得なかった。しばき隊にとっては壊滅的な痛撃となる事実の積み重ね。彼らの正体暴露だけに鹿砦社も慎重に準備を進めたわけだ。

『ヘイトと暴力の連鎖』は『SEALDsの真実』(田中宏和著)が理論的に彼らの問題点を分析しているのに対して、しばき隊が行っている蛮行の実態を暴露し、彼らの悪質性を全面的に糾合するものだ。しばき隊には様々な業界の人間が加担している。頓珍漢な西本願寺系の僧侶がわけも解らずに不用意な発言を行い、高島弁護士に撃退されるという笑い話もあったように、彼らは構成員の名簿を厳密に保管しているような団体ではなく、主としてSNSなどを駆使して影響力を保ってきた。

ネット上では膨大な虚々実々の情報や噂が流布されているしばき隊に関わる事件と問題の数々。その核心部分を『ヘイトと暴力の連鎖』は紹介・分析・解明する。「リンチ事件」の詳細は読者が初めて目にする事実の連続だろう。目を覆いたくなる証拠もあるが、正視していただきたい。

◆しばき隊NO.1、野間易通を提訴したM君が7月12日に重大発表!

ところでリンチ被害者のM君は、5月24日大阪地裁にしばき隊のNO.1、野間易通を名誉棄損・プライバシー侵害の損害賠償を求め提訴した。野間はM君をリンチ事件後に誹謗中傷を続け、なんとM君の本名や所属大学名までを自身のツイッターで公表するなど、悪質極まりない行為を続けた。

第一回の弁論は7月6日大阪地裁で開かれ、初回にもかかわらず20名以上の傍聴者が集まりこの事件への社会的関心の高さが伺われた。次回期日は9月23日(金)大阪地裁809号法廷で午前10時15分からだ。

そのM君が明日7月12日午前8時30分に極めて重大な発表を行うという情報を得た。M君は「主水」の名前でツイッター(https://twitter.com/VENOMIST666)を利用している。発表はそこで行われる。是非ご注目頂きたい。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

7月14日衝撃緊急出版!『ヘイトと暴力の連鎖』(『紙の爆弾』増刊)

7月14日衝撃緊急出版!『紙の爆弾』増刊『ヘイトと暴力の連鎖』!
タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』8月号!
「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

関西大で鹿砦社松岡利康社長が「出版と人権─出版社が守るもの」を語る

関西大学で共通教養科目の中のチャレンジ科目として開講されている『人間の尊厳のために』の講師として20日に続き、27日松岡社長が教壇に立った。「出版と人権─出版社が守るもの─」の演題で、150人の学生に向かって松岡節が再び披露された。

◆「被逮捕者、勾留経験者」がその実態を学生に語る講義

 

この日は2005年7月12日、神戸地検特別刑事部に松岡社長自身が名誉棄損容疑で逮捕された事件を中心に、「被逮捕者、勾留経験者」がその実態を学生に語るという、大学の講義には珍しく、かつ刺激的な内容となった。

逮捕当日の新聞記事をはじめ、事件の推移を伝える参考資料など、2部、計13枚の資料が学生に配布され、「逮捕されたら全裸にされ尻の穴や性器まで調べられる」こと、「手錠、腰縄でつながれて公の裁判の場に出される」こと、被疑事実を認めない限り保釈されず、接見禁止も長期にわたる「人質司法」が日本では現存していること、などの問題点がレジュメに沿って紹介された。

 

松岡氏はその出版活動歴や、この日話題とされた「事件」の印象から、大柄で押し出しが強く、がらっぱち口調で話をする人物、とのイメージを抱いている方が多い(私も実際に会うまではそのように想像していた)が、小柄で常に背広にネクタイを締め、語り口は普段の会話でも時に聞き取りにくいことがあるほど、どちらかと言えば小さな声で話しをする(激高して熊本弁交じりの怒声を上げた姿を一度だけ目撃したことはあるが)。この人が学生時代に大学の学舎屋上に籠城し、強烈なアジテーションを飛ばしていた姿を想起することは容易ではない(一度は聞いてみたいものである)。

教壇上から学生に語り掛ける口調も、普段のそれと変わりなく、極めて熾烈な内容と体験談を、声を荒げることもなく淡々と語っていた。だからであろうか、テーマの深刻さの割に学生たちの反応に特に強い緊張は感じなかった。

だが事件を紹介した「サンテレビ」のニュース番組のビデオが流されると、教室の雰囲気は一変した。やはり「テレビ」の持つ訴求力は強力だ。今、目前で講義をしている人が11年前には「犯人」とされていた事実が、初めてどのような意味を持つか学生たちに伝わったようだった。

そこから演繹的に松岡社長がその日語った内容、及び20日に語った内容への理解へと繋がっていったのではないだろうか。

◆次週からのグループ討論用資料のためにと「松岡流」のサプライズ

さらにこの日松岡社長による思いがけない計らいがあった。20日の講義で紹介したプリズンコンサートで有名な「Paix2」(ぺぺ)の『逢えたらいいな』、『島唄よ、風になれ!「琉球の風」と東濱弘憲』、さらにこの日の講義のテーマでもあり、名誉棄損逮捕につながった『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』各50冊を「学生の皆さんにプレゼントします!」と言い放ったのだ。

『逢えたらいいな プリズン・コンサート三〇〇回達成への道のり』
『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』
『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』
 

大学での講義でまさか書籍をプレゼントされるとは、不意打ちもいいところだ。少々眠そうにしていた学生も、全員が一瞬「え!」という驚きで教壇上の松岡社長に強い注意が向かった。

太っ腹故の大盤振る舞いと言ってしまえばそうだが、このプレゼントには松岡社長なりの配慮もあったようだ。次週にはグループ討論が行われる。その時にあらかじめグループの全員がプレゼントされた書籍を読み終えておき、討論の内容をより深いものとして欲しい。その為ならば1500円(偶然だが3冊とも定価は同じだった)の自社出版物くらいタダで提供しましょうと。これまた「松岡流」の規格外サプライズだ。

30あるグループが相談の上、どの書籍を受け取りたいかを決めて、その意向が集約された。最初は「Paix2」(ぺぺ)の『逢えたらいいな』が準備した部数以上の人気を集めたため、再調整の結果ほぼ均等に配分され、受講学生はこの日いずれかの書籍を手に教室をあとにすることになった。

次週はグループ討論、再来週は全体討論と続くこの講義、まだまだ「松岡流」のサプライズ、隠し玉があるのかもしれない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月27日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

「世に倦む日日」『SEALDsの真実』で問われている学者・文化人の言説と態度

「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

高橋源一郎、山口二郎、小林節、小熊英二、内田樹、上野千鶴子をはじめとする「シールズ」応援団の現・元大学教員に聞きたい。
あなたたちは人生の中で、とりわけ学究活動に身を置くようになり、何を学び何を経験し、何を学生に教壇から講義してきたのかと。

「シールズ」は20世紀の最終盤に産れた世代の学生が構成していた。だから彼らには60年安保、70年安保の実体験は当然ない。私自身だって60年安保、70年安保を自身の体験として経験している訳ではない。経験はないが書物や各種の情報、そして何よりも私自身がそれらを、決して軽視できない問題だと感じたから、断片的ながら調べることはしたし、私が生まれるより前に惨殺された、樺美智子の名前は、小林多喜二同様、頭から離れることがない。

数十万人の激しいデモに身を置いた経験もなければ、国会周辺を取り巻く「怒り」の一員になった経験もない。だけれども「どのようなことが起こったのか」、「人々の怒りはどう現されたのか」についての私の想像は、それほど的外れなものではないように思う。

ひるがえって、昨年の「戦争推進法案審議」の際に国会周辺で繰り広げられた「シールズ」による行動には、当初から極めて強い違和感があった。「本当に止める」と書かれたプラカードの文字は真逆の意味にしか受け取れなかったし、「とりま廃案」の「とりま」の意味は知り合いの若者に聞くまで解らなかった。シャボン玉よりも軽そうな、そしてシャボン玉ほどの瞬時の輝きすら持たないこれらの言葉は、本来自然に高まっていく「怒り」に穴をあけて、茶番劇が茶番劇を認める役割だけを果たした。

「シールズ」も大学生なのだから、言論については批判や責めを負う責任はあろうが、もっと指弾されるべきは、彼らの「無知」振りに「違う、そうではない」と豊かな経験と知識から諌めるべき学者や、教員があろうことかもろ手を挙げて、あの空疎な乱痴気騒ぎを称賛したことだ。全共闘運動の何たるか、何であったかを賛否はともかく経験しているであろうはずの、高橋、山口、小林、上野らが吐いた「ことば」がどれほど軽率なものであったことか。

しかし、よくよくこの面々の名前を見直すと実は共通項がある。彼らはいつの時代も根源的な正義ではなく、その時代に受け入れられやすいトピックに必ずと言ってよいほど顔を出す連中だ。上野は京大時代には学生運動の中でも相当に過激な運動を牽引する指導的学生と近しい関係にあったと聞いている。その経験と昨年のシャボン玉ほどの重さもない空疎なイベントを自身の中で学者として真摯に比較し、無知の過ぎる学生たちに彼女自身の経験(それが成功にせよ苦い経験にせよ)を何故語らなかったのだ。本気であのイベントが「新しい運動」だと考えていたのか。そうではあるまい。彼女の打算高さを考えれば別の計算が働いていたはずだ。

山口二郎は法政大学の教員として、なぜ足もとの法大キャンパスで起こっている、異常事態を問題にしないのだ。「ついに国民の怒りが爆発しましたね」などと、的外れなコメントする前に、学内でビラ配りも出来ない、立て看板も立てられない、公安警察が常駐する異常事態を何故問題にしないのだ。彼自身が積極的に動いた「小選挙区制」を導入すれば、今日のような政治的閉塞状態、多様性のある政党が存在できなくなることは自明であったにもかかわらず、それを積極的に推進した責任をどう考えるのだ。

「世に倦む日日」主宰の田中宏和さん

つまるところ、「シールズ」応援学者は、私の見るところ、インチキばかりだ。

このような粗雑な感想ではなく、社会科学的手法を用いて「シールズ現象」を読み解いた『SEALDsの真実』が発刊された。著者である田中宏和氏は、人気ブログとツイッター「世に倦む日日」で積極的な発信を行っている在野の研究者である。『SEALDsの真実』では、鹿砦社の本コラムや『NO NUKES voice』以外、一部の右派を除いては批判が皆無に近かった「シールズ」にメスが入る。

「忖度」や「自己規制」という言葉をメディア関係者からしきりに耳にするようになった。そんなものは不要だ。本書は「事実を直視することの大切さ」と「知識・学識への態度」について我々に多くの示唆を与えてくれる。

◎田中宏和さんのブログ「世に倦む日日」
◎「世に倦む日日」ツイッター 

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

早くも増刷決定!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』
『NO NUKES voice』08号【爆弾対談】「世に倦む日日」田中宏和さん×松岡利康本誌発行人