《5月のことば》欠氣一息(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

5月に入りました。今年もあっというまに3分の1が過ぎました。年甲斐もなく全力疾走してきましたので、時の流れの感覚がなくなったようです。

思い返せば、ずっと全力疾走してきました。

コロナ前には、ようやく安定し後継に道を譲り左団扇で余生を過ごせるかな、と思っていましたが、コロナ襲来によって予想だにしなかった苦境に陥り、また全力疾走を余儀なくされました。

コロナも完全終息していないとのことで、ふたたびぶり返すことも心配です。

そんな中、今年もGWがやって来ました──。

欠氣一息(けっきいっそく)てか、このかん全力疾走し少しは業績も回復しつつあることですし、龍一郎の言うように一服しましょうか。

いやいや油断大敵、そうもいきません。

とはいえ、張りつめた気分は維持しつつ、ほんの少しだけ休ませていただき、気分一新、また全力疾走の日々に戻ります。

(松岡利康)

月刊『紙の爆弾』2023年5月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年春号(NO NUKES voice改題)

《4月のことば》故郷の桜は……(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

4月になりました。───
1月(去ぬ)、2月(逃げる)、3月(去る)、あっというまに過ぎました。
季節は春ですが、私たちの気持ちにはまだ春到来とは言えません。

福島原発事故でいまだ多くの方々が故郷を離れることを余儀なくされました。
この季節になるといつも12年ものあいだ故郷を離れて生活しておられる方々のことに胸が痛くなります。

私たちにとっても年々望郷意識が募ります。
若い頃は一日一刻も早く「こんな田舎を離れたい」と思っていましたが、今は少年時代を過ごした故郷の日々が懐かしく想起されます。

私たちは、思い立てばいつでも帰郷できますが、被災地福島(特に立ち入り禁止区域やゴーストタウン化した区域)の方々はそうではありません。

いつも思うのですが、大学の後輩で書家の龍一郎が書く「故郷」の文字は、力強くもあり、それでいてなにか物悲しさを感じさせます。

今年は桜も少し早く咲き、早く散りそうです。

目を外に向ければウクライナ戦争は終息の目処が立たず、国内ではコロナもまだ終息せず物価も上がり続けています。明るさばかりではない今年の春です。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年4月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年春号(NO NUKES voice改題)

《3月のことば》今いる場所で咲け(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

あっというまに2月も過ぎ3月になりました。
まさに「1月は去(い)ぬ、2月は逃げる」です。気づくと3月も去って行ってしまうかもしれません。
春はもうすぐやって来ます。

コロナ禍で多くの人たちの生活が変わりました。
それまでの日常が一変した方もおられます。
私(たち)もそうです。

「今いる場所」から逃げたくなることも何度もありましたが、どこに逃げたらいいのか迷うまもなく年は過ぎて行きました。
「隣の芝生は良く見える」で、「今いる場所」よりも良い所があるかのように錯覚することもあります。

しかし、「隣の芝生」も実際には、「今いる場所」よりももっと厳しいかもしれません。むしろそのほうが多いです。
それならば、「今いる場所」で頑張って花を咲かせるしかありません。
私たちに逃げる所はありませんから──。

「今いる場所」も、今は冬枯れしていますが、頑張れば必ず花は咲きます。
これまで幾度となくそうでした。
春はもうすぐやって来ます!

(松岡利康)

月刊『紙の爆弾』2023年3月号

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0BTHJ72PM/

《2月のことば》Power to the People(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

 
年が明け、あっというまに2月になりました。
「1月は去(い)ぬ、2月は逃げる、3月は去る」といいますが、これから月日が経つのは、あっというまです。
心して一日一日を悔いのないように過ごしましょう。

「Power to the People」はジョン・レノンがベトナム戦争末期の1972年に発表した曲名です。
私たちの時代には「人民に権力を」と訳しましたが「人々に力を」と訳す人もいました。
いずれにしろ、世界中の「人民」や「人々」が力を結集しベトナム戦争の終結に至らしめたというのは歴史的事実です。

今、ウクライナ戦争が始まり1年が経とうとしています。
これが戦争の末期なのか、さらに継続する節目なのか分かりませんが、世界中の人々の力によってウクライナ戦争の終結が一日も速く来ることを心から祈りたいと思います。
平和への「種を蒔いたら いつか芽を出す花が咲く」ことを祈りたい。

さて、私事ながら、2月1日という日は、51年前の1972年2月1日、まだ20歳になったばかりの私は、志を同じくする学友と共に学費値上げに抗し、これを実力で阻止せんと闘い逮捕された日です。
100名以上の学友が検挙され43名が逮捕、10名が起訴されました。
「春秋に富む若者」(判決文より)であった私(たち)の志とは何だったのか、以後51年間、反芻しながら生きてきました。
私にとっては、誕生日、「名誉毀損」の名の下に逮捕された7月12日と共に、三大記念日の一つです。

あの酷寒の日のピュアな志を想起しつつ、残り少なくなった人生を生きていきたい──。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年2月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年冬号(NO NUKES voice改題 通巻34号)

《1月のことば》頑張れ自分 負けるな俺(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

新しい年、2023年を迎えました。
昨年はいろいろな意味で暗い年でした。
昨年の今頃はまだウクライナ戦争は起こっていませんでした。
一国の首相が殺されるなどと誰が想像したでしょうか。
新型コロナの勢いは3年経っても衰えません。

ウクライナ戦争は、当初の予想に反し、まだ続いています。
いつこの国に飛び火するかわかりません。
かつて私たちはベトナム戦争に抗議の声を挙げました。
日本だけでなく世界中で抗議の声が挙がりました。
そうした抗議の声が続いたからこそベトナム戦争は終わり、
日本の平和も80年近く維持できていると思っています。
これからはどうでしょうか?

コロナ禍を躓きの石として私たちの出版社も、他の中小企業や書店などと同様苦しみもがいています。
もう17年余り前になりますが、『紙の爆弾』創刊直後の、「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧の時同様、皆様方のご支援でふたたび奇跡の復活に向けて苦しみもがいています。
おそらくコロナがなかったなら左団扇で社長交代もあったでしょう。
今は社長交代どころか生きるかくたばるかの瀬戸際です。

1月の言葉は別のものでしたが、急遽変更になりました。

「頑張れ自分 負けるな俺」

まさに今の私たちの心境を表わす言葉です。
みずからに更に鞭を打ち、この苦境を突破するしかありません。
本年もよろしくお願い申し上げます。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年1月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年冬号(NO NUKES voice改題 通巻34号)

《12月のことば》望むことは あなたと生きることだ(鹿砦社カレンダー2022より。龍一郎揮毫)

師走に入りました。このカレンダーも最後の1枚となりました。

皆様方にとって、この1年はいかがでしたか?

世間の大半は、コロナ禍の影響で塗炭の苦しみを味わっておられることでしょう。

加えてウクライナ戦争や円安による物価高──。

特にウクライナ戦争は対岸の火事ではなく、かつてのベトナム戦争を想起させて深刻です。

いつ日本に飛び火してくるかもしれません。

一日一刻も早い停戦を望みます。

先の大戦で、世界で初めて原爆を落とされ、沖縄を最前線として全土が焦土化された日本は、今こそイニシアティブを取り和平に向けて奮闘すべきです。

今、どのような苦しみを味わおうとも、日々多くの人々が殺されているウクライナの情況に比すればなんともありません。

「望むことは あなたと生きることだ」──励まし合い共に生きていこう!

*来年のカレンダーが出来上がってまいりました。『紙の爆弾』の定期購読者/会員の皆様から(同誌と一緒に)発送を開始いたします。ご期待ください!

(松岡利康)

『紙の爆弾』と『季節』──今こそタブーなき鹿砦社の雑誌を定期購読で!

《11月のことば》今を生きろ(鹿砦社カレンダー2022より。龍一郎揮毫)

2022年のカレンダーも残すところ2枚となりました。いつまでも終息しない新型コロナ禍、これに苦しめられながらアップアップの日々でした。加えて台風、水害などの自然災害、知床観光船の沈没事故、沖縄「本土復帰」50周年、安倍前首相暗殺、目を世界に転じれば、2月に始まったロシアによるウクライナ侵略戦争……目まぐるしくいろいろなことが起きました。あまりに日々の生活に追われ気づきませんでしたが、じつは本年は歴史の転換点だったのかもしれません。

目を背けたくなるような出来事が続き、また酷暑、コロナ禍などに苦しめられてきましたが、現実から逃げることなく「今」を精一杯生きようではありませんか!

「鹿砦社カレンダー2023」の制作も、校了し今月末の完成予定です。『紙の爆弾』『季節』定期購読の皆様方には、12月発行の本誌と共にお届けいたします。まだ定期購読をなされていない方は今からでもよろしくお願いいたします。毎年好評で品切れになりますので、お早目にどうぞ!

(松岡利康)

『紙の爆弾』と『季節』──今こそタブーなき鹿砦社の雑誌を定期購読で!

《10月のことば》あるがままで いいんだよ(鹿砦社カレンダー2022より。龍一郎揮毫)

「あるがまま」でいることは、実は難しいことです。若い時には、格好つけたり粋がったりしました。必要以上に背伸びしたりもしました。みなさん、そんな経験ないですか?

齢を重ね、酸いも甘いも経験し、もう格好つけることにも粋がったりすることにも背伸びすることにも疲れました。

肩の力を抜いて自然体で生きてゆこう。「あるがまま」に──。

月日の経つのは速いもので、今年のカレンダーも、あと3枚となりました。ここ3年近くコロナ禍との闘いでした。これだけ長期化するとは思ってもいませんでした。税金や社会保険、公的融資等の猶予措置も終わり、挫けるケースも出始めています。励まし合い支え合って、この難局を乗り越えていきましょう!

来年のカレンダーの制作も進んでいます。書家・龍一郎も、ここ数年連れ合いやご母堂、さらには師と仰ぐ中村哲医師を亡くしたり、みずからも大病で病に伏し今も闘っている中で心血を注いで揮毫しています。『紙の爆弾』や『季節』の定期購読者の方々には12月発行の号と共にお届けいたします。ご期待ください! 未だ定期購読を申し込まれていない方は今すぐお申し込みください。

(松岡利康)

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《9月のことば》秋桜がきげんよく咲いている 幸せそうにゆれている(鹿砦社カレンダー2022より。龍一郎揮毫)

9月になりました。

ここ甲子園では高校野球が終わると、暑さの中にも涼風が吹き、一気に秋に向かいます。時の経つのは速いもので、今年も3分の2が過ぎたことになります。

一昨年からずっと新型コロナと、これによって惹き起こされた経営上の打撃に苦しみながら過ごしてきました。私たちだけではありません。皆様方のうち多くの方々もそうでしょう。知人の中には店を閉じた人もいます。

もう秋桜(コスモス)が咲く季節かあ、今年も残り3分の1、木枯しの吹く季節が来るまでに、しっかり身支度したい。──

(松岡利康)

『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

《8月のことば》今いる場所で希望の灯をともす(鹿砦社カレンダー2022より。龍一郎揮毫)

人はよく困った時には、苦しみから、その情況やその場所から逃げたいと考えます。
ある意味で致し方のないところです。

「隣の芝生やよく見える」と言いますが、老境に差し掛かった私の経験から言っても、実際には、そうでもありません。

「今いる場所」が、たとえ地獄であっても、逃げずに踏ん張り続けよう──そこに「希望の灯をともす」。

龍一郎が当社のイベントで揮毫した「誠」という字を道場のシンボルとされている、伝説の空手家・中村誠先生は、今年のカレンダーはひときわ素晴らしいとおっしゃっておられました。私も同感です。

揮毫した龍一郎は、このかん毎年、ご母堂、学生時代から苦労を共にしてきた妻、そして師と仰ぐ中村哲医師の死と、相次いで不幸に見舞われてきました。

そこを乗り越えてきた龍一郎だからこそ言える言葉が今年のカレンダーには表現されています。

今私(たち)は、長引くコロナ禍を主たる要因として苦境に喘いでいることを隠しませんが、逃げずに「今いる場所で希望の灯をともす」ように頑張っていきたい、と思う酷暑の日々です。

(松岡利康)

「誠」 *大会で掲げられた「誠」の旗。凄い迫力だ。

「中村哲」 *中村哲医師お別れ会の看板も龍一郎が揮毫した。

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